【産経新聞 8月23日(木)15時10分配信】
京都市左京区と大津市の境に位置する皆子山(約970メートル)登山中に行方不明になっていた小中学生5人と保護者ら3人の計8人について、京都府警や消防が23日早朝から捜索したところ、同日午前5時20分ごろ、京都側にある登山口近くを流れる川沿いにいた8人を発見した。全員無事という。
府警によると、8人は、京都市や京都府長岡京市に住む10〜13歳の小中学生5人と保護者の自営業の男性(40)ら大人3人。予定より遅れて22日午前11時ごろ、大津市側から登山を開始したが、大津市側に下山途中で日暮れを迎え、方向がわからなくなり山中で1泊したという。
もともとは22日夕方には下山する予定で、男性は同日午後7時ごろ携帯電話で「下山中だ。予定を大幅に遅れている」と連絡。その後、連絡がとれなくなり、妻が午後10時15分ごろ、110番した。
捜索には府警のヘリ1機と府警と市消防局から34人が参加。午前5時の捜索開始から20分後に、京都市左京区の皆子谷登山口から南西約300メートルにある百井川の河川敷で8人を保護した。
皆子山は京都府内の最高峰で、昨年8月14日にも20代の男女5人が自力で下山できなくなり、翌15日朝、山頂付近で救助された。
■軽装、励まし合い「考え甘かった」
「真っ暗で道が全くわからなくなった」。京都府内最高峰の皆子山で遭難した同府長岡京市の自営業の男性(40)が23日朝、一夜を明かした山中での状況を詳細に語った。
計画では、22日午前9時に登山を開始し、夕方ごろに下山する予定だったが、子供たちの歩くペースが予想よりも遅かったことなどから日没を迎え、道に迷ったという。
一行は午後8時ごろ、下山を中断。開けた沢の辺りで休み、日の出を待った。その間、携帯電話の電波も通じなかったという。軽装だったため、夜間は肌寒く感じられ、雨具を着てしのいだ。十分な食料も用意しておらず、「お菓子を少しつまんだ」程度だった。泣き出す子供もいたが、大人たちが「大丈夫だ。帰れる」と励ましたという。
一方、男性は「遭難してうろたえるという感じではなかった」とも話し、夜明けとともに、登山口を目指して自力で下山を再開した。
午前5時すぎ、警察と消防の捜索隊が下山中の一行を発見。「ありがたいというのと、迷惑をかけて申し訳ないという気持ちだった」と男性は振り返り、「山に対する考えが甘く、下準備も足りなかった」と反省していた。
登山関係者によると、皆子山は、軽装の人や子供も楽しめるが、道しるべが少なく、迷いやすい場所があり、地図や方位磁石を持たないと登るのが難しい山という。
地元の山岳会「皆子山岳会」に所属する京都市山科区の清水久雄さん(70)によると、川沿いに登山道がのび、ところどころ急な傾斜があるものの、4時間半くらいで登ることのできるコースという。
ただし、頂上付近はササが生い茂り、道が見分けにくい。さらに迷った登山者がコースを外れ、山中に入り込んで踏み固めた小道も数カ所あるという。
清水さんは「地図や方位磁石を持てば、軽装や子供も登れる普通の山だが、降雨に備えた防寒具や登山計画など、登山の基本を守ってほしい」と話している。
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「考えが甘かった」というのは「むしゃくしゃしてやった」並に無内容のコメントだと思う。指導者はもっと具体的にこう言うべきだ。「時間管理を全くせず、状況に応じた柔軟な判断・対応もしませんでした」と。
この記事後半では装備のことについて重点が置かれているが、それより何より、予定通り(時間どおりではなく、予定していた項目どおり)に物事を進めないといけないといった硬直的な思考が問題だろう。他の記事によると、当初予定では9時スタートの予定が11時スタートになったと言う。予定より2時間も遅れてスタートしたならば、普通は目的地の変更・省略を行うのが当然である。
記事からは一行が山頂まで行ったのか、途中で諦めたのかわからないが、日が暮れるくらいだから強引に山頂まで行ったと考えられる。出発から日没までがX時間として、X/2時間(山頂で憩う時間も考えればもっと短時間)経っても山頂に到達しなければ、その時点で判断すべき。
皆子山岳会の話では往路所要4.5時間というから、ピストンとして復路は8掛けで3.5時間と想定すると11時スタート、15時30分山頂、19時下山完了となる。時間や距離のことなど全く顧慮していなかったことが想像されるが、所要時間や距離のことがわからなくても今時分の日没時刻くらいはわかるだろうから、それまでの残時間を考えるだけでも適切な判断は可能。それができなかったということは、とにかく山頂に行くことしか考えていなかったのだろう。
それと「子供たちの歩くペースが予想よりも遅かった」と子供たちのせいにしてはいかん。私も共同山行をするが、その際には、「このペースだと何処其処には何時ごろ着くな」とか、「このペースではあそこは無理だな」と文字通り常に考えている。それは、共同山行においては(山頂に到達するよりも)連れを無事に帰すことが最も重要であるからに他ならない。
無思慮と無責任が今回の遭難の要因と考える次第である。
皆子山は、東尾根ルート以外はどれも難コース。
特に、以前はメジャールートだった足尾谷ルートはもはや廃ルート扱い、ヒルもいるので最近はほとんど登る方がおられません。
子供連れで11時スタートはキツイですね…
あの山域なら武奈ヶ岳とか蓬莱山といったメジャーな山にすることをおすすめします。
まあ怪我もなく下山できて良かったです。
Waldkirch様
暗くなった後、むやみに動かなかったのがよかったですね。
沢沿いの道があったり、藪漕ぎがあったりするようですが、百聞は一見に如かずということもあるので、京都へ行く機会を捉えて歩いてみようと思います。
いずれにしろ、出発が2時間も遅れ11時とは子供連れではおそすぎる。計画がずさん過ぎます。もし頂上に3時か4時に着いていれば、東尾根を平に下ると1時間で下りれます。だから登りで迷って、東尾根ルトも知らなかったとも考えられる。道のりと時間の計算が全く出来ない人のようだ。もう人は連れて行かないほうがいいよ。特にこどもは。
mesner様
1時間で降りられる道もあるのですね。
とすると、よほど道がわかりにくいのでしょうか。
おそらく、来年以降は事前の下調べ等しっかりやることでしょう。
narodniki様
皆子山から南の方に下るのは普通、寺谷ルートと皆子谷ルートが地図に載ってます。平に下る道は山頂からほんの30米か50米南に向かってすぐかすかな踏み跡が左に分かれています。寺谷と皆子谷が分岐する所より手前です。地図にある837米のピークを通って行くのだと思います。仲平の正教院にでます。これだと百井川に出て平まで30分歩かないで済みます
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