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2019年01月16日 18:13未分類全体に公開

トムラウシ山行を振り返って

先日のトムラウシ山行での反省点など踏まえて自分なりの備忘録として書き留めておこうと思う。

冬季のトムラウシには過去3回経験しており、厳冬期に2回、残雪期に1回登っている。冬のトムの登頂はスゲー!みたく思われたりする事があるようだが全然そんな事はない。確かに自分も初めて挑戦するまでは、まさか自分ごときが冬のトムに登れるなんて思ってもいなかった。
しかしトム登頂成功の重要なファクターの9割は天候だと思っている。風がなく1日中晴れる日を読めれば人並み以上の気力、体力と山スキーがあれば往復できるだろう。(パクレベルの体力があればシューでも可能だが…あってもやりたくはない 笑)
移動性高気圧が張り出して天候が安定し、なおかつ雪もある程度残っている3月がベター。ただし復路の時間が遅いと気温が上がりベタ雪が板に張り付き団子になるので注意が必要。

ルートは冬尾根、夏道、天人峡、三川台(林道の橋が落ちたままだと極めて困難)などがあるが、常識的に考えれば一般的な冬尾根ルートが1番効率が良い。自分は冬尾根から登ったことがないので、もしまた行く機会があればここから登ってみたい。但し、いずれのルートから登るにせよ距離は長いので装備は軽量化が重要だ。
緩斜面と平坦で雪崩るような箇所はないと思われるのでアバランチは外している。また危険箇所も無い(涙壁は除く)のでヘルメットも持っていかない。だだ立木への衝突の可能性を考えてクライミングかチャリのメットはあった方が当然良い。軽くなった分、行動食と水を持つことになるのザックの重量はいつもと同じ重さになる。

(天人峡の行動食)
・水1ℓ(午後の紅茶)
・カロリーメイトゼリー 1個 215ml
・トレイルバター
・柿ピー 1袋(ワンカップの空き容器に入れて持参)
・ジェル× 2袋
・スポーツ羊羹 1個
・7パン×2個(タルタルフィッシュバーガー、カレーパン)
・いちご大福 1個

残) 水 300〜400mlくらい
柿ピー1/3、スポーツ羊羹、タルタルフィッシュバーガー1/3、カレーパン
いちご大福 1個

ジェルはスタート1時間目と2時間目で消費。
柿ピー(400kcal)とトレイルバター(700kcal)が主力予定だったが、トレイルバターは開始早々に凍った。股間に入れて解凍して3口くらい食べたが、ポケットに戻すとすぐに氷って怒りが込み上げてきたので諦めて700kcalを失った。
カロリーメイトゼリー(200kcal)は2回に分けて飲んだ。2回目は山頂で飲んだがシャーベット状態で氷る寸前。しかし通常の気温であれば冬山でもこれで戦える。水分とカロリーを同時に取れるのが良い。(因みに羊蹄での食料はこれ1個のみ)
7パンは冷凍食品並の硬度のカチコチで頑張って食べたが、さすがに全部は食べれなかった。いちご大福は氷ってると思って出さなかったが、好物なので山頂で食べたかった。
結局1番の主戦力は柿ピーで最後まで助けられた。口の水分が奪われモサモサするが、暫く咀嚼するので食べてる感があり腹持ちも良く、ジェルの様な速効性は無いが時間差で元気が出てくる。全体として残し過ぎたのでもっと頑張って食べるべきだった。距離がまだ長かった場合はハンガーノックになっていたかもしれない。

(レイヤリング)
基本的にいつも通りのドライ、ベース、ミドル、ハードシェル
(上着)
・ドライレイヤー:ミレーの網網
・ベース:ホグロフス:ACTIVES WARM
・ミドル:マムート EIGER EXTREME
・ハードシェル:ホグロフス SPITZ JACKET
・ウィンドシェル:マムート サバロージャケット(トレラン用)
(下肢)
・インナー MIZUNO ブレスサーモ薄手
・パンツ phenix 商品名不明
(足)
・タダでもらった超薄々の足袋みたいな靴下
・プロノのネオプレーン靴下
・初めてつま先用カイロを使ったがあまり効果を感じられなかった。
(グローブ)
・ランニング用のペラペラ×2:(涙壁を登るまでと思っていたが板を脱いだり苦戦してい
               るうちに雪まみれで1枚目は早々に終了)
・モンベルのウィンドストッパー:いつもはオーバーグローブのインナーだが今回は
                使用せず
・テムレス:涙壁を登り切るまで温存と思っていたが序盤で使い汗で濡らしてしまった。
      べちゃべちゃになる前にもう1枚のペラペラを履き、それが濡れたあと、
      ダメ元で再び履いたらヒサゴのコルまでテムレスでいけたのは助かった。
・オーバーグローブ:モンベルとノローナの2枚体制 (モンベルのみ使用)
※結果的にベースはテムレス2枚体制が正解だった。

涙壁で汗をかくのは分かっていたのでベースの上にトレラン用のペラペラでスタート。第一公園でバリバリに凍ったのでミドルとバラクラバに換装した。ヒサゴのコルにて完全武装。
耳あて、バラクラバ、オーバーグローブは2枚体制にしたが、結局1枚しか使用しなかった。いつも予備で持っているダウンはこの気温でも使用せず。
ヒサゴのコルまではハードシェルとオーバーグローブは汗で濡らさず温存しておきたかったので作戦成功。因みにタカはスタートからゴールまでハードシェルを着たままだったので、ここあたりは個人差あり。

(装備)
新三種の神器 (GPS, 地獄ゴーグル, ダブルウィペット,) はどんな事があっても外せない。
アイゼンは今季購入した軽量のPetzl イルビス ハイブリッドを投入した。事前に入念にブーツへのフィッティングを行っていたが、装着して10分ほどで左右ともに外れまくってムカついたので天沼辺りで調整し直した。地獄でなくて助かったが簡単に調整できるのは〇
タカのアドバイスでクトーは持参したが、今回は使うことは無かった。しかし第2公園、ヒサゴのコルから戻る際、カムイサンケナイのトラバースでは状況によって役に立つだろう。
悪かった点はトレイルバターとアイゼンだ。どちらも決戦前に羊蹄で試運転してから持参すべきだった。
それ以外は概ね想定通りだったので最後まで気持ちも体も切れることは無かった。

現代の天気予報の精度は高いので大外れすることは少ないと思うが、天気は千変万化である以上、絶対はなく山頂〜森林限界で天候が悪化した場合は、あっという間に地獄と化すことは容易に想像できるので、地獄体験を経験して状況が悪化してもパニックにならず、冷静に淡々といつもと同じように行動できるメンタルは必須。

以上、思ったことを自戒も含めて書き連ねたが、自分はただのド素人なので、これを見て参考にする場合は鵜呑みにせずご自身の判断で、良いと思った箇所だけ参考にしてみて下さい。
最後に、天候が1番重要だと書いたが、幸い自分には苦楽を共に分かち合い、経験豊富で信頼している仲間がいるということが最重要である。みんなに感謝。

白きトムラウシに憧れの方は是非いつかあの頂へ!
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