丹沢の鍋割山の隣に標高908mの栗ノ木洞(くりのきどう)という山がありますが、その栗ノ木洞から南西に派生する尾根の末端付近に標高620mの屁ノ玉洞(屁の玉ドウ/へのたまどう)という奇妙な名前の山があります。ここの山の名前の由来を数年にわたり研究してきましたが、いまだに結論が出ないのが現状で、屁ノ玉洞(へのたまどう)とは『屁玉(ヘダマ)=イヌガヤ』を指す言葉かもしくは、屁玉(へダマ)の変化語である『檜玉(ヒノタマ)=イヌガヤ』と云う語彙かどうかと考えておりましたが、なかなか難しいものであります。屁ノ玉洞の洞の字は洞窟などの洞とは無関係で、尾根上の峰や山頂の平などを表すドウが語源のように思われます。この古地図でもそうですが、元来は屁ノ玉洞は屁の玉ドウと表記し、栗ノ木洞は栗ノ木ドウと表記しているのが見て解ります。この尾根の最高峰は栗ノ木洞で、この栗ノ木洞も洞(ドウ)という山名を使っておりますので、屁ノ玉洞と双子山名のような気がします。さらには丹沢全体でもドウという名で山の名前を表す山は栗ノ木洞と屁ノ玉洞しかありません。なのでこの二つの山のドウとは松田町の稲郷地区の方言かどうかと云うのも今後調べていく必要があるのではないかと思いました。ちなみに栗ノ木洞は三角点があるのでそこそこ有名な山ですが、屁ノ玉洞の山名は現在の地図からは消滅しております。だけど吉備人出版発行の『東丹沢登山詳細図・全120コース・2015年4月1日改訂1版』には屁ノ玉洞の山名が黒い字で載りましたので私としましては嬉しいかぎりです。
※古地図は昭和19年発行の『丹澤山塊』より抜粋
屁ノ玉洞-イネゴ岳-栗ノ木洞(丹沢/バリルート)
2011年04月17日(日) [日帰り] Yamaotoko7
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-106003.html
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