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イザベラ・バードは英国女性で、明治11年47歳で日本にやってきている。この方は旅行家という「職業」、紀行文を書くことが仕事だったのか。3か月かけて日本人通訳と二人で(稀に一人で)横浜から東北、北海道に渡り、日本の文化について書いたのが「日本奥地紀行」である。東北の旅でとにかく蚤の多いことに悩まされながら、手製のベッドを馬に載せ、勇猛果敢に旅を続ける英国人女性、物見高く時には数千の日本人が彼女を見にやってくるのだけれど、どこにいっても少しも危険を感じなかったという。貧しいが平和な日本であった。この本自体は旅行記、冒険譚としてもなかなか面白そうなのだが、これを宮本常一が解説するわけですが…
とにかく、これは宮本の本。バードのテキストを元に、もう勝手に次々とその裏を解説しまくっている状態。八面六臂に話が広がり、宮本民俗学の楽しさがあふれている。当時の秋田(久保田)北部に盲目の方が多く楽曲を生業にされていたという記述があれば、宮本はたちまち、性病と季節漁と三味線の話に展開し、その視野ははるか琉球へと広がる。
バードの文章も豊富に引用されており、「日本奥地紀行」を十分読んだ気持になるはず。
久しぶりの一気読み。
cheezeさん、こんにちわ。
これは興味深い本ですね
バードのこの著書もとても面白く引き込まれた本でしたが
その裏解きですか。
図書館で検索してみます
>盲目で楽曲を正業に
藤桂子とか、高田瞽女を思い出します。
日本奥地紀行、読まれていたんですね
瞽女、津軽三味線、高橋竹山のこともでてきます。バードの話を元に、日本の民衆史を語ってくれています。本より、きっと講演のほうがずっとおもしろかったでしょうね。
コメントありがとうございました
そう、足を骨折した時ですから、2年前の9月の日記でした。
http://www.yamareco.com/modules/diary/1242-detail-40210
図書館で検索したら蔵書無し
今度行って購入希望を出して来ます
そうそうそんなことがありましたね。
ヤマレコ古参のsakusakuさんですから、実にいろんなことが…と新参者のcheezeは拝察いたします
バードさんの本を読まれたのですから、こちらもきっととても楽しめると思いますよ。
今読んでいる網野善彦さんの本でも、柳田や宮本のことがでてきて、この優れた民俗学者達の仕事が、日本史再考の大きなきっかけになっていると思います。
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