千葉城

2016年02月15日 22:01攻城の月全体に公開

千葉市のど真ん中、県庁の後ろの段丘上にあります。土塁が一部残存する以外は、城郭ファンが萌える箇所はありません。主郭に立つ観光用模擬天守の中が民俗資料館になっています。

入城無料ですが、所蔵品はなかなかどうして重要なものが多くて驚きました。室町期の胴丸(腹巻)が一領、品の良い筋兜が一つ、御岳神社の赤糸威大鎧の精密な複製品もあります。総武線一本で行ける距離の方々、お訪ねあっては如何かと存じます。

所蔵の武具甲冑の中で面白い胴があったのでご紹介します。写真①　三つウロコのしるし付きなので、一見遠目に御貸し具足かと見えます。が、部品を欠損しているだけで、決して粗悪品ではないようです。左に脇板の形跡があります。右引き合わせ部分に雁木の脇板が一枚残っています。写真②藍色の糸で腰取してあり、発手の小札を練り返してシボ革でくるんであるあたり、しっかりした印象です。

（腰取…糸でつづった可動部分を増やしてある。腰の周りが動くから腰取。）

菱縫いで縫い閉じた革包の丸胴なんですが、表面の材質が欠落したところから、内部構造が観察できます。写真③左脇部分

よーくみてびっくり。小札頭をはぶいた四角い三目札、重ねが浅くて、端っこを引っ掛けただけ

いちおう横に連綴したみたいなんですが、だいぶ柔らかくて展開しやすい鎧になりそうです。腰取部分は普通に本小札で編んであります。小札全部が鉄札らしいので斬撃には強そうですが、刺突にはどうなのかと。他人事ですが心配です。

三目札は３分の２づつ重ねて綴っていく手法で、えらい分厚い鎧ができるもんだと教わってきたんですが、世の中には上記のようなイレギュラーもあるもんですね。しばらく甲冑鑑賞をサボっていましたが、油断していると大事なものを見落としそうです。

同時に城見物ばっかりで山もサボっております。冬が終わってしまうぅ。。

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