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以前から見ていて、興味の湧く鉈をお使いだった。高知の鍛冶屋の作で、レッドオルカと言うブランド。鉈としては大変に高価な品で、よくまた仕事で使っているもんだと感心していた。
「甲伏せ造り」という、軟鉄を芯にして、鋼で外から包むという、刀剣の技術を応用している。研ぎでどんな姿になるか以前から手を出したかった。
持ってみると、九寸の刃渡りにしては軽く感じる、バランスが取れているからだと思う。手元に堅さが伝わらない不思議な手触りだ。
しかしまた手入れが悪いもんで、刃こぼれがあり、錆もついている。植物の汁をぬぐわなかったんだと見える。写真��
鞘が割れて、ガムテープで止めてあったので、接着して補修した。ついでに吊りバンドも製作した。尾錠を使うところは一か所のみにして、一番加重のかかるバンドは初めから輪にしてカシメ留めにした。ねらい通りの耐久性が出るか楽しみだ。写真��
ハマグリに研ぐだけでなく、棟も刀身(？)も鳴滝砥石で研磨した。焼き入れの刃紋は浮かばなかったけれども、きれいな梨地の肌になったので良しとしよう。写真��
緊急事態宣言が続いている間は、ウチにこもって研いでいよう。
※追記 鳴滝砥石は、二十年くらい前に、脇差の研ぎを突然依頼された時に、良く分からずに買い集めた天然砥石の内の一つだ。ビギナーズラックというものか、かなり良い砥石を買うことができた。産地不明で、研ぎ傷を消して仕上げ前の状態に持っていくのに具合の良い砥石も有ったが、すぐに割れてしまった。そのうえ鳴滝も数年後に割れた。砥石鉱山が次々に閉山するようになった今では、かなり入手が困難になったと思う。割れて小さくなったものを、側面を塗料で塗り固めて保存して恐るおそる使っている始末。
レッドオルカの研ぎ味については、これと言って感動するところが無かった。柄元と切っ先では刃の乗り具合が違ったので、部分ごとに違う砥石をかけ直した。ごまかしなのか工夫なのか良く解りません。
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