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売り手の話では、昔の萱葺き屋根を作る職人が使う物だそうで、萱の端を切りそろえるための鉈だそうだった。最初から木柄が付いておらず、背中にカナヅチで叩いた跡が多数ついていた。
厚みのある中子に合わせて柄の切込みを削って調整、なるべく古風な色のカツラ(口金)を合わせて、4ミリの鉄線でカシメ止めした。和釘で一本止めにするとさらに古風に仕上がるけれども、仕事で酷使することも想定して、現代風に鉄線で二箇所止めとした。
砥師に聴いた話では、古刀はなるべく姿を変えずに後世に伝えるものだそうだ。彫金師は古刀に彫り物などしたら破門になるそうな。古鉈をグラインダーで削って、剣鉈みたいに変える人も見かけるが、私はそこまではしたくない気がする。今回は中子は削らないで、目釘穴を開けるだけにした。
小淵沢の民俗資料館に、古い民家が移築保存されている。訪ねた折に、歳の行ったご婦人の学芸員さんが丁寧に解説してくれた。昔の八ヶ岳の麓は、萱場と言って、屋根に使う萱を刈り取ための原が一面に広がっていたそうだ。学芸員さんの子供の頃はまだその名残りが見られたという。
あの時の民家でかいだ囲炉裏の匂いと、屋根の色、想像した萱場の草原を忘れずに居たい。山仕事で鉈を手にするたびに思い出せたらいいなと思った。
骨董市というのは覗いた事はありますが
私にはこういった逸品を
吟味して買う程の技量が無いので眺めるだけです。
で、鉈を買う、というのは
野暮な質問ですが、おいくらぐらいなのでしょう。。。
古い鉈刃もjinさんの手によってまた蘇りましたね。
こんばんは
実は骨董品の値段って相場がないんです。基本は交渉次第。買い手が欲しそうな顔していると値が上がる傾向があります。手前は正直に顔に出ますので、かなりな高値を(一本\18000円)要求されました。いったん買えずに引き下がったんですが、やっぱりと閉店間際に買いに行って、三本まとめ買いしたら相当に値引きしてくれました。〆て\30000円。当時の所得からすると、血の出るような金という感じでしたが、車道楽よりは安いかと 存じます。
あ、でも道楽ですね
地方の人と付き合いがあると、まったくのタダですっごい逸品をもらったりしますし、古物との出合いは縁と円次第です。古鉈を直して研ぐと、昔の人に会えたような気がして楽しいです。他にも直したいものが押入れにどっさり有ります。。。
以前骨董市の刃物屋から、カミソリを買いました。替え刃のヒゲソリでなくて研いで使える刃で、ヒゲを剃りたいと思ったのです。今は床屋でさえほとんど替え刃式。でも江戸時代のちょんまげ頭だって、これで毎朝剃ったはず。
しかし研ぐのが難しく、自分の顔を鏡で剃るのは結構危険で、挫折しています。しかし、そのときの刃物屋のオヤジの講釈含めて、延々話した話もおもしろかった。
骨董市の買い物は相場が無い。話の流れや、まとめて買うと一本おまけになったり、まったく商売の原点ですね。お店の人を見るだけでも、味のある人ばかり。
和カミソリは貴重です。今では打てる鍛冶屋さんも少ないはず。新潟県の鍛冶屋さんで上手い人がいるそうな。
研いでみたいです。最後は天然で仕上げたい鉄味なんだろうな。大工道具みたいなシビアな緊張感がありそうです。ノミ研いだときはたいへんでした。
骨董市の店主はクセもんばかりです。話の切り出し方によってはケンカ腰になったり、逆にうまくツボに入れたらしめたもんです。まとめ買いは得です
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