唐松岳


- GPS
- 32:00
- 距離
- 10.4km
- 登り
- 1,073m
- 下り
- 1,073m
コースタイム
9:13 アルペンクワッド終点
9:47 八方池山荘
10:12 八方山ケルン
10:30 八方ケルン
10:44 第3ケルン・八方池
11:02 下ノ樺
11:30 上ノ樺 (幕営)
【2日目】
6:05 上ノ樺
6:37 丸山ケルン
7:33 唐松岳頂上山荘
7:55 唐松岳山頂 (8:20出発)
8:35 唐松岳頂上山荘
9:08 丸山ケルン
9:23 上ノ樺 (10:30出発)
10:37 下ノ樺
10:48 第3ケルン・八方池 (10分休憩)
11:04 八方ケルン
11:13 八方山ケルン
11:24 八方池山荘
11:35 アルペンクワッド終点
天候 | 1日目 4/5(火) : 快晴 2日目 4/6(水) : 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
http://www.hakuba-happo.or.jp/winter-resort/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
1.登山口まで 唐松岳から派生する八方尾根は山麓からリフトが運行しており一気に高度を稼げます。関東からは長野自動車道の豊科ICを降り白馬八方尾根スキー場へ。豊科ICからスキー場までの区間に積雪はありませんでしたが、夜間早朝は気温がマイナスになりますので路面の凍結には注意が必要です。 スキー場周辺には無料駐車場がいくつかありますが、リフトのゴンドラ駅から一番近いのが八方第3駐車場。スキー場まで徒歩7分で、併設してトイレ有り。ゴンドラ駅周辺の駐車場は有料となります。駐車料金は1日1000円。 ゴンドラリフトの始発は8時30分。シーズン中はゴンドラとリフト2本(アルペンクワッド、グラートクワッド)を乗り継いで八方池山荘まで行くことが出来ますが、4/4以降、最上部のグラートクワッドは土日・GWのみの運行となっていますので注意して下さい。運休の場合、この区間ゲレンデ脇を歩いて40分ほどかかります。(詳細は白馬八方尾根スキー場のHPをご確認下さい) 各リフトの往復料金はそれぞれのリフト乗り場で別々に支払います。また、ゴンドラリフトでは荷物が10kg以上の場合、手荷物料金200円が別にかかります。 2.登山道 【1日目】 ゴンドラリフト乗り場と八方池山荘に登山ポストあり。ゴンドラリフト乗り場には、トイレやレストラン、自動販売機となんでもあります。 アルペンクワッドを降りると、左手にグラートクワッドの乗り場が見えます。リフトの支柱に沿ってゲレンデの端を登ることになりますが結構な急坂です。リフトならわずか5分の区間ですが歩くと40分ほど。 グラートクワッドの降り場の前には通年営業の八方池山荘。ここからは本格的な登山となります。この季節、夏道は雪の下です。雪の状態にもよると思いますが、上ノ樺までは滑落の危険を覚えるような所も少なく、ピッケルよりもストックを使用する方が楽だと思います。アイゼンやスノーシューは必要です。 八方池山荘から細尾根の急な斜面を登ると広大な雪原にでます。ここから八方池までケルンが連続して建っていますが、濃いガスに巻かれると道を見失いそうな場所です。 雪に埋もれた八方池を過ぎると尾根は狭くなり、尾根にしたがって左へ緩く曲がると目の前に岳樺の林が現れます。ここが下ノ樺(シタノカンバ)。林の先にはちょっとした急登が現れます。急な斜面を登りきり、尾根を進むと再び岳樺の林が見え、ここが上ノ樺(ウエノカンバ)。少し開けた小平地で、緩い斜面を整地して幕営。 【2日目】 ここから先はアイゼン・ピッケル必須です。上ノ樺から2361のピークまで急な登り。ここから丸山ケルンまで広い尾根を進みます。強風時には遮るものがなく、濃いガスに巻かれた場合には道を失いそうです。トレースも強風によって途切れがちで、悪天候時の要注意箇所です。 丸山ケルンを過ぎると尾根は徐々に細くなります。左右(特に唐松沢側)とも急斜面で、最上部の岩が見えている箇所などやや緊張させられます。夏道と違って最後まで尾根通し。最後は稜線直下の斜面をトラバースし、稜線を乗り越すと唐松岳頂上山荘の裏手に出ます。このトラバースですが、距離はわずか数メートルながら急な斜面に切られているので注意が必要です。過去には滑落事故もおきているようです。 稜線に出ると右手に見えるのが唐松岳の山頂。山荘への分岐まで一度降り、そこから登り返します。北側(唐松沢)の雪庇に近づきすぎないように気をつけて急な斜面を登ります。山頂直下では過去に滑落事故もおきていますので慎重に。山頂からは360°遮るもののない大展望が待っています。正面には迫力の剱岳。息をのむ美しさです。 3.幕営地 この季節、八方尾根で幕営に良く利用されている場所は「下ノ樺」「上ノ樺」「唐松岳頂上山荘」の3箇所のようです。私は上ノ樺に幕営しました。 下ノ樺は岳樺の林で、強風で知られる八方尾根の中にあって風を避けられる数少ない場所です。強風時には選択の余地なく幕営地になると思います。上ノ樺から先は裸尾根で風を避けられるような場所はありません。唐松岳頂上山荘は4/29(2011年)からの営業でこの時期は閉まっています。冬季小屋もありませんので、幕営する場合は山荘の陰に風を避けて設営することになります。私は山荘脇に幕営したことがないのでどの程度の風が吹くか分かりませんが、一度稜線に上がってしまえば天候悪化時に身動きがとれなくなりますので天候判断にはご注意下さい。水は豊富にある雪を融かして得ます。 |
写真
感想
年始から忙しくて山に行けない日々が続いていたところに計画停電。勤務時間も不規則で山どころではなくなっていましたが、ようやく4月に入って一息つける状態に。そんなところに待ってましたとばかりの快晴予報。平日のど真ん中ではありますが、有り余る休日出勤の代休を取得して唐松岳に出かけてみました。日帰りでも可能な山ですが、調べてみると平日は上部のリフトが動いていないみたい。これで雪がぐずぐずだと帰りのリフトに間に合わないかもしれません。せっかくの機会なので久しぶりの雪上テント泊を楽しむ事にしました。唐松岳は学生時代から頂上で晴れたためしがなく、2日連続しての晴れ予報に期待は膨らみます。
仕事を終え仮眠をとって早朝4時に自宅を出発。高速を飛ばして八方尾根のスキー場についたのが8時半、リフトは丁度動きだしたところでした。ゴンドラとリフトを乗り継いでゲレンデ上部へ。グラートクワッドは止まったままなので、ゲレンデの端っこを遠慮がちに登ります。それにしてもスキーのゲレンデって結構急斜面なんですね、リフトだとわずか5分の行程を40分かかって八方池山荘に到着。平日ということもあり、人影はちらほら程度。みな山スキーが目当てのようで、ボードを背負ってスノーシュー or スキーという格好。
山荘前でアイゼンをつけ山行スタート。今日は予報通り雲ひとつない快晴。照り返しがキツイ。風も無風に近く、すぐに汗が噴出します。尾根を登るとだだっ広い雪原。ケルンを繋ぐようにして付けられたトレースを進みます。雪は少し腐り始めていて、トレースを外すと足首まで埋まってしまいます。雪原と化した八方池を見下ろしながら下ノ樺へ。先を行くスキーヤーはここで休憩。この辺りから滑るのでしょうか? 八方尾根で風避けになる樹林帯はここと少し先の上ノ樺だけ。明日も天気は穏やかなようなので幕営地は上ノ樺に決定。
下ノ樺の先の急坂を登りきると尾根の先に岳樺の林が見えてきます。木々の間の雪面を均して幕営。設営後少し休憩して時計を見ると13時過ぎ。ここから山頂往復はたぶん4時間くらいかな? すると帰ってくると17時……ちょっと微妙な時間か。携帯で天気を確認すると明日も快晴予報。山頂は明日の楽しみとしよう。
15時くらいに大きなカメラザックを抱えた男性が到着。今日は2張りとなりました。それにしても全くといっていいほど風が吹かない。風の音のない冬山は耳が痛いほど静かです。夜も静かで、明け方近くになって少し風が出始めましたが、それでもテントの外張りをパタパタと軽く揺らす程度、それも日の出と共にすっかりおさまってしまいました。
朝は4時半に起床。朝食をとって熱いお茶をつくってテルモスに移しているところで日の出。慌ててカメラを持って外へ。今日は淡い色づきでしたが、やっぱり美しいシーンです。準備を整えて出発したのが6時過ぎ。もうすっかり辺りは明るくなっています。今日も雲ひとつない快晴。風も穏やかで、こうなると最高の山行が約束されたようなものです。今日はストックに変わりピッケル装着。
目の前の急坂を息をきらしながら登ると丸山のケルンが見えてきます。この辺り広大で特徴のない雪原が続いていて、ガスがかかると迷いそう。八方山周辺よりもずっと難しそうな地形です。朝早いため斜面もほどよく凍りつきアイゼンが良く効きます。丸山まで登ると稜線に向けて細い尾根にトレースが続いているのが見えます。左右急斜面で風が強いと恐怖を覚えるところですが、今日みたいに穏やかな日だと気分良く歩けます。五竜岳に鹿島槍、白馬三山と左右どちらを向いても絶景。素晴らしい尾根歩きです。この辺りまでスキーヤーのスノーシューの跡。みんな凄い斜面を滑降するんですね。
稜線を乗り越す手前で斜面をトラバース。しっかりとステップが切ってあったので慎重に通過できましたが、状況によってはかなり怖いのでは? この行程で一番の難所かもしれません。稜線を乗り越すと唐松岳頂上山荘の裏手に飛び出します。正面にはこれまで斜面に隠れていた剱岳。あまりの格好良さに思わず感嘆の声。
一たん山荘の分岐がある鞍部までおりてそこから山頂へ。雪の急斜面を最後のひと踏ん張り。上ノ樺から2時間、ついに快晴の山頂に立つことが出来ました。頂上からは遮るもののない大展望。白馬三山、北信の山々、白く輝く剱岳、五竜岳が大きい。これが見たかったんですよね。
誰もいない山頂で景色を一人占めしたあと、ゆっくりと下山。結局、丸山ケルンの辺りで上ノ樺で同宿だった男性とすれ違ったほかは下ノ樺まで誰とも出会いませんでした。帰りは雪がすっかり緩んでしまい、数歩踏み出すごとにアイゼンに大きな雪の塊がくっつく状態。ピッケルで雪玉をガンガン叩きながら斜面を降り12時前に下山。さすがは、雪山入門の山と言われる八方尾根。天候が安定してくるこの季節。条件さえよければ素晴らしい山行が期待できると思います。
ホームページ「旅の道標」もよろしくお願いします
http://aralagi.travel-way.net/
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