玄倉−鍋割山−大倉
- GPS
- 06:40
- 距離
- 20.5km
- 登り
- 1,461m
- 下り
- 1,486m
コースタイム
- 山行
- 5:35
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 6:37
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:大倉からバスで渋沢駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ユーシン渓谷〜雨山峠の道は部分的に荒れており足元要注意。砂岩質の足場が崩れて滑り落ちそうな箇所があります。 雨山峠〜鍋割山では、茅ノ木棚沢ノ頭を下る鎖場の下部、木の根伝いに降りる所が少し緊張します。 |
その他周辺情報 | ユーシンブルーの玄倉ダムは水門工事で湛水されていません。工期は3月24日までとのことですが、すぐ貯水が始まるかどうか・・・。 林道ゲート前の駐車スペースはなくなっています。 |
写真
感想
予報に反して雲の多い空を見上げながら、まだ冬枯れの装いの玄倉を出発。玄倉水力発電所は建屋の工事中とかで、頑丈そうな作業用モノレールが送水管伝いに上へ延びていた。発電をしている様子はなく、もしかすると水源の玄倉ダムは湛水していないかもしれない。ユーシンブルーが見られるか、ちょっと心配になる。
おとといのスポーツジムで張り切り過ぎた疲れを感じる脚を少々気にしながら先を急ぐ。小川谷出合を過ぎて林道ゲートに着くと、左手の駐車スペースが使えなくされていた。路駐が増えても困るのだが、どうするつもりだろう。
リュックから登攀用のカラビナをいくつも提げた女性を追い抜いた。バリエーションで崖をよじるのか、はたまたこの寒いのに沢を登るのかと驚いたが、「トレーニングの重石にしているだけ」とのこと。きっと夏には本格的な岩をやるのだろうが、山にはいろいろな歩き方があるものだ。
おなじみ新青崩隧道をくぐる。いつも暗さに緊張して振り返る余裕がなかったが、真っ暗になったと思う所でも振り向くと遠く入口が見えていて、その光が消えるとほどなく出口の光が見えてくることに気づいた。舗装も良くて実は歩きやすい。むしろ次の石崩隧道の方が足元が悪く、入口も今にも崩れそうで危なそうだ。
玄倉ダムには「工事」の看板が出ていて、案の定ユーシンブルーの湖水は溜まっていなかった。水門工事とのことで、下の建屋工事には触れず工期は3月24日までとある。その後すぐに湛水を始めるのかどうかは分からない。すぐ先の発電所は動いていたので、上流の熊木ダムはユーシンブルーの水をたたえているようだが・・・。
10時45分に雨山峠への分岐に到着。ちょっと登った日当たりの良いスペースでお握り一つを早弁し、本格的な登りにかかった。雨山沢伝いのこの道はほぼ4年ぶり。まずは立派なアルミの桟道が続き、それが錆びた鉄パイプとステンレスの物に変わって階段で沢へ下ろされる。付近の右岸伝いの道は崩れたようだ。階段で再び右岸の崖を削った回廊に登るが、足元には崩れやすい砂利と古い木橋が現れる。幅50cmもない踏み跡伝いに高さ5mはあろうかという堰堤の横を通過する時は、ちょっぴりお尻がむずむずした。
完全に道が斜面と化した所も一か所あったが、やがて沢の水が涸れると危険な所は減って、最後はジグザグに急斜面を詰めて雨山峠に到着。雨山に向かうという男性が1人休憩中だった。富士山は残念ながら雲の中。まだ昼食には早いので呼吸が整ったところで進発した。
歩き始めてすぐ別の男性とすれ違った際、右上に鍋割山頂が見えることに気づいた。「あれ、鍋割山頂ですよね」と話しかけると、「いや、もっと左だから見えないでしょう」との答え。確信がなかったので聞き流したが、後から考えるとやはり鍋割で正しかったようだ。
ひとアルバイトで尾根に出ると、後は稜線伝いに歩みがはかどる。左に主稜を眺めながら下り基調で進み、右からなだらかな沢の源流を合わせる。地図から見て「空中標識」のかかる沢の延長のようだが、歩けないのだろうか。
次の急登の先が茅ノ木棚沢ノ頭で、この付近の鎖場は足場がザラザラの砂岩質でなかなか厳しい。木の根伝いに鞍部に降りる所は、登りならなんということはないが少々緊張する。最後の長い鎖場を登ると視界が広がり出すものの、期待を込めて振り向いた先の富士山は、裾がほんの少し見えるだけだった。
緩く下った鍋割峠で昼にすることにした。寒い時期は小屋に逃げ込む癖があるが、幸い風も弱いので耐えられそうだ。峠からわずか先に登った所が主稜線の眺めが良いので、腰を落ち着けた。温かいカップラーメンをすすってホッと一休み・・・と言いたいが、実際は食べ終わるとすぐ底冷えがしてきて、そそくさと後片付けをして出発した。
最後の急登を詰めていくと白木の階段が現れ、やがて「ユーシンへ」と幹に文字の書かれた木が見つかった。先日登った鍋割北尾根への分岐だ。その先はもう頂上前の草地で、急に人声が聞こえてきた。パッとしない天気で人数は少ないものの、人気の山頂であることは間違いない。日向でもう一度大休止して下りに備える。「今日の人数なら鍋焼きうどんも待たずに食べられたな」と思うと、ちょっぴり残念だ。
頂上直下が溶けた霜柱で(と思ったが、朝うっすら雪が積もったせいだったらしい)若干ぬかるんでいたのでスパッツを付けるか躊躇したが、登って来る人のズボンが汚れていないのでそのまま下ることにした。予想通りぬかるみはすぐ姿を消し、乾いた登山道に戻った。
午後1時を過ぎたが、まだまだ続々と登って来る。このルート、実はかなり厳しい勾配が続くので、遠回りでも大倉尾根から鍋割山稜伝いに登った方が楽だと思うのだが、登りもこちらがメインコースのようだ。最後に20人ほどの熟年グループを抜いたところで後沢乗越。彼らは栗ノ木洞から寄へ向かうそうで、無理して抜かなくても良いのに失敗した。
道の傾斜が緩くなった所で、逆にちょっと油断してスリップした。右足だけ前に滑って一瞬、折り曲げた左足の上に全体重が乗る格好になりヒヤリとした。実はスキーで膝を骨折して以来、左足は正座禁止なのだ。ズキンと痛みはしたが、それだけで済んだのは何よりだった。
用心に少しだけペースを落とし、無事に林道終点に到着。朝に続いて長い長い林道歩きを再開した。少し行くと、左の林に登る林道が見えた。伐採で通行止めとあり、先日、小丸尾根を強行突破で下った際に導かれたブル道に違いない。その小丸尾根分岐はやはり「枝落下危険」を理由に通行止めのままだった。
林道を歩くこと1時間20分、ようやく大倉バス停が見えてきた。無人販売でお土産に100円の大きなブロッコリーを買い、家路へと就いた。
※ ※ ※ ※
前回山行でストックを無くしたため、今回は新調して臨んだ。タイプは頑固にT字グリップの一本杖。ダブルストックは長さ調節の手間が倍、重さも倍、収納の手間も倍になるので選ばない。ところが、世は圧倒的にダブル時代となり、愛用のマジックマウンテン・ツーウェイグリップは廃番になってしまっていた。
比較的短く畳めるタイプをあれこれ探して、やっと石井スポーツ登山本店で条件に合いそうなものを見つけた。ブランドは無名、ストラップがチープな紐状で値段も3000円台というのが逆に気になったが、今回歩いてみた結果は「使える」という印象だった。もっとも、ストラップだけはすぐに手首から外れてしまうので何とかしたいが・・・。
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