早咲のシャクナゲを求めて：雁坂峠〜甲武信ヶ岳〜源流歩道を往く~
takumaku
- GPS
- --:--
- 距離
- 24.6km
- 登り
- 1,874m
- 下り
- 1,641m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 6:30
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 7:20
| 天候 | 5/23; 晴れ 5/24;曇り時々雨 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2017年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
復路： 梓山バス停〜信濃川上駅： 川上村営バス 14:50~15:15 \550 ※：信濃川上駅では小海線に接続しています。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
特に危険な所はありませんが、破風山~避難小屋の下りは急なので1日の最後には 要注意 残雪は木賊山の山頂付近と、千曲川源流標識から稜線までの一部のみ |
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感想
来月の北アルプスに向けて、久々のテント泊の山行を前に、日にちが近づくに連れて私の焦りが募ってきました。しかも、今回は山師匠のA先輩に加えてご家族もご一緒です。経験はさておいて年齢だけは一番年下の者として体力面だけは存在感を示しておきたい所ですが、マトモなテント山行はほぼ一年ぶりで、不安しかありません。となると、予行練習しかない、ということで多少馴染みの南アルプスはまだ雪がありそうなので、間をとってアクセスの良い奥秩父、以前から気になっていた千曲川源流遊歩道を擁す甲武信ヶ岳に独り行くことを決めました。
山梨市駅から西沢渓谷へゆく一番バスには、やはりというか平日なのに何組かの登山姿の方々が乗っていますが、あまりガチな感じの方は自分ともう一人の年配の方くらいです。甲武信は日帰りには少々…というイメージなので少し疑問だったのですが、半分以上は途中の乾徳山登山口で降りられました。
さて、自分は本来の登山口である西沢渓谷の手前、[道の駅みとみ]で降ります。周囲から、この人どこ行くの？といった視線を浴びたような気がしますが、私は今回、余り登りには使われなさそうな雁坂峠を経由して甲武信へ登る計画を立てました。これは単に甲武信だけでは勿体ないという理由で、名前だけは知っていた日本三大峠の一つを繋いで見ようという軽い気持ちだったのですが、この日本人が得意の勿体ない精神のお陰で後ほど計画の変更を余儀なくされたのです。
歩き始めますと、晴れ上がった青空の下、既に高い太陽から容赦ない日差しが照りつけます。この計画の欠点は、西沢渓谷行きの一番バスが朝遅いため歩き始めが10時過ぎになること、そしてコースの最初は舗装の林道を数キロ歩くため日差しがキツい事です。
そのため、林道が終わる頃には、多少近づいて見える雁坂峠を見上げ、今晩はもう雁坂小屋で…という考えがよぎる体たらくでしたが、木漏れ日の登山道を進み、やがて沢沿いの気持ちよい道を辿るに連れ、気を取り直して進むことにします。
やがて、沢を離れて笹原の斜面のジグザグ登りとなり、遠くに見えていた雁坂峠とおぼしき鞍部がもう一登りの距離に感じられてきました、来ましたが…これがなかなか着かない。疲労もあったとは思いますが、無限の笹原かと錯覚する有り様で、見えているのに着かない様はまるで富士山を思わせました。
お陰で、この登りで心をガッツリ削られた私は、当然のことながらタイム的にも厳しくなっていた為に、迷うことなく本日の宿を甲武信小屋から、手前の破風山避難小屋へ変えることにしたのでした。
重い思いをしてテントを持ってきたのに避難小屋とは…という念はなくもありませんでしたが、背に腹は変えられないためトレーニングと割りきって避難小屋を目指します。しかしながら、短縮したとはいえ、雁坂嶺と破風山の二つが行く手に有ることに変わりはなく、最後の破風山の登りは正に牛歩の如くでした。ほうほうの体で避難小屋に着いた私は、先客の方々が食事の用意をするなか、食事もせずに独り寝袋に潜り込んだのでした。
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翌朝はさすがに前日の疲れも余りなく、目が覚めました。睡眠の偉大さを感じながら外に出ると、雲海に富士が浮かんでいるなかなかの風景です。前日の夕食分を朝から用意して頂くと、甲武信方面へと小屋を後にしました。
この辺りからは道端にはシャクナゲの木だらけですが、まだ咲いているものはなく残念でした。しかし、これが全部咲いていたらやはり凄いな、等と当然な事を考えながら、木賊山を経て今回の最高峰である甲武信ヶ岳へと到着したのでした。
甲武信が岳からは金峰山、瑞牆山へと至る縦走路が一望でき、いずれはここも歩きたいなと思いをふくらませながら、先ほど小屋で仕入れた笛吹川源頭の水で淹れたコーヒーを啜ります。
さて、今日はあまり空模様も良くないようですので、そろそろ下山の途へとつきます。その途中には今回のもう一つの目当てである千曲川・信濃川源流遊歩道があり、山頂から40分ほどで源頭に到着します。時期によってはもう少し源頭からの水量があるようで、今回は雫がぽたぽたと落ちている程度でしたが、少し下るとそれはすぐにしっかりとした流れとなり、立派な渓流として谷筋を下っておりました。
遊歩道と銘打っているだけあり、徐々に大きくなる渓流の音を聴きながら歩く道は整備も良くされており、平日にもかかわらず割と登ってくる方々が多いのもうなづける所でありました。
渓流歩きを満喫した後に到着した毛木場では、とうとう雨が降ってきましたが、さきほど大河の始まりに触れた影響か、急ぐ旅ではないではないかとバスを一本遅らせる事を、またしても迷うことなく決意しました。
雨宿りがてらゆっくりと昼食をとった後、少し小雨になった鈍色の空の下、車よりも大型トラクターが多い高原野菜畑の中を梓山バス停へと歩き出したのでした。
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