ニコルス山の会、餓鬼岳へ行く。
- GPS
- 80:00
- 距離
- 16.4km
- 登り
- 2,058m
- 下り
- 1,585m
コースタイム
天候 | 【1日目】8月12日 朝からくもり、昼前から雨が降ったり止んだりで、夜は星空が見える時もありましたがほとんど雨でした。 【2日目】8月13日 朝から快晴でご来光、モルゲンロートもバッチリ見ることができましたが、9:30頃からガスが上がってき始め11:00頃には辺りが真っ白になり、昼からは時折小雨がパラつきました。 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
8:00発阪急高速バスで松本BT(13:50着)へ。 名神吹田ICに入った途端に渋滞。 大津SA10:44着。渋滞のため臨時休憩。 多賀SA11:54着。大休止。 彦根で事故渋滞。何時になったら着くのやら。 木曽川13:43通過。 小牧JCT13:59通過。ここから中央道。 恵那峡SA14:34着。小休止。 木曽駒ヶ岳も南アルプスも雲の中で見えない。 見えたどころで同定できないが・・・。 岡谷JCT16:03通過。 松本BT16:47着。やっと着きました。 松本から大糸線で信濃大町へ。 17:59発→18:53着 19:30頃お宿到着。 信濃大町から路線バスでお宿(大町温泉郷)までの予定だったが、 17:10発→17:23着(最終便)に乗れずタクシー移動になった。 8月12日 お宿からタクシーで白沢登山口まで移動。 8月13日 中房温泉から路線バスでお宿(山のたこ平)まで。 15:55発→16:40着 8月14日 お宿(山のたこ平)から路線バスで穂高駅へ。 9:06発→ 9:25着 穂高から大糸線で松本まで移動。 10:04発→10:37着 松本から中央西線・新幹線を乗り継いで帰阪。 12:53発→15:01着(名古屋)15:19発→16:26着(新大阪) |
コース状況/ 危険箇所等 |
【1日目】8月12日 ●白沢登山道 白沢登山口から白沢に出るまでは樹林帯のゆるやかな登り道です。白沢に出てから最終水場までは崩落地の迂回道も整備されていて、渡渉箇所や高巻き箇所では、橋・はしご・片足ステップ・ロープ・鎖場などいろいろ出てきますが、いずれもしっかり整備されていて踏み外しを注意するだけで良いので気持ち的には楽に歩けます。最終水場から大凪山までは標高差580mほどの急坂を登ります。大凪山からは樹林帯の尾根道をしばらく歩き、百曲りで標高差300mほどを登り詰めると、突然、餓鬼岳小屋に着きます。百曲りはフラワーロードです。終盤でつらい登りですがいろいろなお花が疲れを癒してくれます。白沢登山道は全体的によく整備されていて道迷いをすることもありませんでした。 【2日目】8月13日 ●餓鬼岳小屋〜剣ズリ〜東沢乗越 餓鬼岳小屋から意外と早く剣ズリに差し掛かります。はしご・桟道はいずれもしっかり設置されていて、今回の最難関と思っていたところを無難に通過することができました。剣ズリを過ぎると一気に高度を下げていきます。奇岩の岩峰群を高瀬ダム側から巻いて岩場のアップダウンを越えると登山道は東沢岳の山頂を巻いていきます。ここから樹林帯を標高差200m下れば東沢乗越です。この区間の登山道もよく整備されており道迷いをすることはありませんでした。 ●東沢登山道 東沢乗越から西大ホラ沢出合まではお花畑の中を一気に下っていきますが、いきなりヤブ漕ぎで足元の状況が見えにくいので慎重に下らなくてはなりません。西大ホラ沢出合からブナ平の間では河原で時折マーキングがなくなり何回か渡渉するか迷ったり登山道を探したりしまた。登山道は河原を離れるとヤブ漕ぎで、ドウダン坂の高巻きもそこまで高巻かんでもええんちゃうっちゅうくらいの上り下りでした。ブナ平からヤブ漕ぎは少しましになり吊橋を渡れば30分くらいで中房温泉に至ります。そこから5分ほどで 燕岳登山口に着きます。東沢登山道の沢沿いはタマガワホトトギスロードです。しかし登山道は手入れされてる様子はなく崩落箇所や倒木はそのままであまり利用されていないように思いました。 【その他】水 水は体調が優れなかったためか上りで3.5L下りで1.5Lぐらい消費しました。 水場は上りの白沢登山道にありますが下りの東沢登山道にはありません。 5/6水場、最終水場とも沢の水を直接汲みます。とてもおいしい水でした。その後お腹の調子は良かったので問題ないと思います。ただ個人差はあると思いますが・・・。 餓鬼岳小屋では有料(200円/L)です。 |
その他周辺情報 | 【日帰り温泉】 大町温泉郷:薬師の湯 中房温泉:中房温泉 有明温泉:有明荘 穂高温泉郷:しゃくなげ荘 |
写真
装備
備考 | 【交通費】 アルピコ交通 (大阪梅田−松本駅) \6,400 大糸線 (松本−信濃大町) \670 タクシー (信濃大町駅−大町温泉郷) \3,900 タクシー (大町温泉郷−白沢登山口) \5,880 路線バス (中房温泉−山のたこ平) \1,200 路線バス・大糸線(山のたこ平−穂高−松本) \820 中央西線・新幹線(松本−名古屋−新大阪) \11,100 【宿泊】 8月11日 大町温泉郷・ロッジ栗林 8月12日 餓鬼岳小屋 8月13日 穂高温泉・ペンション青い屋根 【その他飲食雑費】 行きの昼食、帰りの昼食、ビール・おつまみなど \12,500 【概算予算】 65,000円 |
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感想
今回のニコルス山の会は、常念山脈の北の果てにある餓鬼岳に行ってまいりました。一言で表しますと"マニアック"です。とにかくアプローチが長く危険箇所が満載です。今回、体調が優れなかった事もありますが、コースタイム以上に時間がかかり心がポキポキ折れまくりました。登山道にはいろいろなお花があり山頂からの眺めもすっごく絶景なのですが、また一人で行こかなとは思えないほどタフなコースでした。マニアックの方にはアプローチが餓鬼岳からしか無い唐沢岳も360度の絶景が期待できるのでセットでお勧めします。
【1日目】8月12日
●白沢登山口
タクシーを降りてから吐き気で気分が悪い中スタートしました。昨日呑み過ぎたとも朝食で何か当たったともタクシーに酔ったとも思い当たる節が無く、そのうち良くなるかなぁと思いながら「おうぇおえ」言いながら最後尾に着いて行きました。白沢に出てからは渡渉や紅葉ノ滝・魚止ノ滝の高巻きが続き、はしご・片足ステップ・ロープ・鎖場などなかなかの危険地帯で、特に魚止ノ滝辺りは滑落に注意が必要です。「おうぇおえ」は全然治まらず心がポキポキ折れる中、集中力を切らさないように一歩一歩をしっかり歩くことだけを考えていました。
●最終水場
あまりに「おうぇおえ」がひどいので5/6水場で小御所から胃腸薬をいただき、それを飲んだこともあり最終水場に着いたときには少し顔色が戻っていたそうです。メンバーは昼ごはんを食べていましたが、わたしはまだ水以外はのどを通す気にならず水ばかり800mlほど飲んでいました。ボタボタ落ちるほど汗をかいていたので少々脱水症状だったのかもしれません。ここから急坂を大凪山まで登り続けるのですが、途中から雨が降り出しなかなか急坂の終わりも見通せず一番つらい区間でした。
●大凪山
樹林帯の中なので展望はありません。「おうぇおえ」は胃腸薬が効いたのか落ち着いてきて、おなかが空いてきた事と行動食のミニあんぱんを食べる事ができたのはいい兆しでした。ただ、お宿で作ってもらったお弁当はまだ食べる気にはなりませんでした。ここからは樹林帯の尾根をゆるゆると登り抜け九十九折りが始まると百曲りに差し掛かります。お花畑の中を九十九折りに登っている様でいろいろなお花を眺めながら歩けます。終盤にきて急坂でつらいところですが、いろいろなお花を眺めているとそのつらさもどこかへ飛んでいきます。わたしもすっかり気分が回復していました。
●餓鬼岳小屋
到着が遅くなったので着替える間もなくすぐさま夕食です。メニューは炊き込みご飯とおでん、デザートにグレープフルーツがついていました。いずれもとても美味しく冷えたからだにおでんは染み込んでいきました。通常は食堂で寝泊まりするのですが、我々は別棟の個室(6枚布団を引くと足の踏み場もない)に寝泊まりしました。外は雨模様なので汗と雨でズクズクになった衣類や合羽を部屋中に吊るして、いつものように宴会がスタートし、20:00の消灯の後はランタンを吊るして無くなるまで呑んでいました。
【2日目】8月13日
いびき、歯ぎしりがやかまし中なかなか寝付けない一夜を過ごして4:30の点灯で目を覚ますと外はきれいに青空が広がっていました。小屋の傍の広場に出てみるとちょうどご来光の寸前で、ご来光で剣ズリや餓鬼岳、裏銀座の峰々がモルゲンロートに輝く様を見ることができて、つらかった上りの行程もこれから下る長い行程もなにもかも忘れてただただ感動し幸せな気分になりました。
●餓鬼岳
山頂は餓鬼岳小屋から5分ほどで到着します。山頂手前にはコマクサがたくさん保護されて咲いていました。山頂からは360度のパノラマビューが楽しめます。北から鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳、蓮華岳、針の木岳、剣岳、立山三山、烏帽子岳、野口五郎岳、水晶岳、鷲羽岳、双六岳、笠ヶ岳、槍ヶ岳、燕岳、大天井岳、常念岳など確認でき、東側はどこまでも雲海が広がっていました。もっともっと感動に浸っていたかったのですがメンバーがさっさと下りて行ったので仕方なく下ることにしました。
●剣ズリ
今回のハイライト、最大の難所です。ハシゴ、桟道、岩場のアップダウンが多く気が抜けません。今回は天候に恵まれ難なく通過できましたが、雨や風が強いと大変難儀するところだと思いました。
●東沢岳
剣ズリからかなり下って大きな奇岩帯を巻いてトラバースしていきます。再度稜線に出て岩場の連続をクリアすると登山道は東沢岳の直下を巻いていきます。今回山頂に立つのはパスしましたが東餓鬼岳への稜線がとてもきれいだそうです。
●東沢乗越
東沢岳から30分ほど下ってきたところの鞍部に当たります。ここから西大ホラ沢出合までは急坂の下りで下り始めはヤブ漕ぎで足元が見えず、ヤブ漕ぎを脱するとザレ場なのでとても注意が必要でした。でもお花畑もありたくさんのお花たちが楽しませてくれました。
●西大ホラ沢出合
ここからどうだん坂までは渡渉がたくさんあります。北燕沢出合(P1740)まで河原の中ではペンキマークをしばしば見失い登山道を探すのに苦労しました。なので注意が必要です。どうだん坂はこれでもかぁこれでもかぁとそこまで登らなあかんのんと言うぐらいどんどん高巻きした後の下りの急坂でした。これには閉口しました。
●ブナ平
ブナがあるのかないのかよく分かりませんでしたが、タマガワホトトギスはいたるところに咲いていました。吊橋が現れあと少しかぁと気を緩めてたらなかなか中房温泉が見えてきません。30分ほどかかってようやく到着しました。
●燕岳登山口
たくさんの人たちで賑わっていました。予想はしていたのですが、今までに数人しか出会わなかったのに比べるとさすがに人気ルートはちがうわぁと思いました。わたしらは汗ずくで靴は泥まみれなのに対し皆さんこざっぱりとされていて、帰りのバスでは我々だけが悪臭を放っていたかもしれません。
兎にも角にも、隊長は最後に肉離れらしき怪我をしてしまいましたが、全員無事に帰ってこれて良かったと思いました。みなさんおつかれさまでした。そしてありがとうございました。
ここからは飲んで呑んで食べて飲んでまた呑んでいつものように太って帰ってくるのでした。
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