北鎌尾根ワオ(単独初挑戦)


- GPS
- 94:25
- 距離
- 49.5km
- 登り
- 5,500m
- 下り
- 5,939m
コースタイム
- 山行
- 5:10
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 5:30
- 山行
- 10:55
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 11:35
- 山行
- 4:20
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 4:30
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所多数 |
予約できる山小屋 |
|
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ(1)
予備電池(1)
1/25
筆記具(1)
保険証(1)
飲料(1)
ティッシュ(1)
バンドエイド(1)
タオル(1)
携帯電話(1)
計画書(1)
防寒着(1)
スパッツ(1)
手袋(1)
ビニール袋(1)
替え衣類(1)
ザックカバー(1)
時計(1)
日焼け止め(1)
非常食(1)
エマージェンシーシート(1)
|
---|
感想
今回、幸いにも北鎌尾根を縦走できて、他のレベルが高いとされるルート、西穂ー奥穂間や大キレットとの違い、また、登るための前提条件を自分なりに考えてみたので、少しでも参考になればと記してみた。(あくまで私見であり、自分への教訓も込めて)今回、荷物は最低限(水1.5リットル)とし、ストックなし、1日での踏破前提
コースタイム概略
1日目は中房温泉を午後0時スタート、大天井ヒュッテ、午後5時30分着
2日目大天井ヒュッテ5時15分出発→貧乏沢入口5時30分→途中の滝6時20分→天井沢出合7時20分→北鎌沢7時45分→北鎌のコル10時→独標起点11時30分→独標巻終わり12時15分→北鎌平15時→槍穂先登頂16時30分(計11時間15分、休憩は1時間ごとに5分~10分程度、コースタイムに含む)
個人的感想(ちなみに、登山歴約7年、ジャンダルムは6回登頂、大キレットは1度縦走経験有。しかしながら、アイゼン、ピッケル、ストック以外に登攀器具を使った経験は一切無)ネットで過去の登頂記録を多数拝読し事前にイメトレを実施して臨んだ
1.天候の良い時にのみ入山すべし(快晴、無風)
2.まず、12時間程度の縦走(例えば、上高地ージャンダルムー奥穂、岳沢ージャンダルム―奥穂ー大キレット―槍が岳等)を事前に行って、自分の体力が持つことを確認してから挑戦すべし
3.北鎌尾根は、所謂「馬の背」や「ロバの耳」がてんこ盛りであり、生命、身体の危険が身近にあることを認識すべし(今回、自分で大いに反省した点である)
4.単独登頂はできれば避けたい(今回、偶然にも、北鎌沢で、登頂者に出会い、その方のお蔭で、自分の位置が分かったり、ルートの選定で救われた部分も多々あり)
一般ルート(ジャンダルムや大キレット)との違いは、所謂○印はない。摑んだ岩がもろいことがある。険しい登り道の場合、登ったはいいが、戻れない。(特に自分の場合は、ルート取りを誤っていれば、あの世に行っていた可能性が高い)足場ももろい、何度もずるずると滑る。手は滑ることは許されない。(奈落の底が待っている)
最後に、ルートのポイント(私見)を記しておきたい。
貧乏沢入口ー天井沢出合 とにかく、滑る。石は夜露に濡れて、つるつる(自分には、ヘッドランプで降りる勇気はない)ルートは踏み跡があり、スリル満点ではあるが、比較的判別が容易である(生命、身体の危険は少ない)
北鎌沢ー北鎌のコル 基本的に、分かれ目は右、右(目印ケルンあり)、左、右の順のようであるが、最後の右がよく分からなかった。有名なクライマーズホイホイのX印も発見できず。
最後は草を摑みながら、足もずりずりしつつ、這い登る感じ。(生命、身体の危険は少ない)
北鎌のコルー独標トラバース起点 踏み足をたどれば、迷うことはまずない。ひたすら、険しい道を行くのみ。延々と続くが、耐えるしかない。
独標トラバース起点ー終点 通称衝突岩を少し登ったところに、フィックスロープ有。
巻道であるが、断崖絶壁を巻いて行く。手に汗握る。道沿いに斜めに上がった後、巻道を離れて、やや斜め右に稜線方向に這い上がるといいようだ。(際の這松を必死につかみながら登る。自分には独標を直登する能力はない)
P11−P14 独標を降りた後、白いざれた峰(P11?)が現れる。とても、見た目には登れそうにないが、ガイドの久野氏(後述)のアドバイスのお蔭で、弱点がみつかる。基本的に稜線から離れないのがこつのようだ。巻いてしまうと、相当時間をロスするし、何より体力を奪われる。登ってみると、表と違って、裏側が比較的容易である場合が多い印象。度胸が試される。(なんせ、登ったら、戻れないんですから)
P14−北鎌平 記憶が曖昧だが、P14.5?は勇気がなくて少し巻いたが、裏から見るとフィックスロープが垂れていて、直登できたようだった。その後は、あまり、巻いた記憶はないが、稜線に沿って、必死に登っていると、北鎌平にいきなり出た感じである。道中生きた心地がしなかったことは間違いない。
北鎌平ー穂先 途中までは、大きな岩をひたすら登って行くので、問題はないが、
「かに?のはさみ」が見えたころから、また、本性を現す。自分は所謂「チムニー」を登った印象はないが、筋肉痛を強化するような、険しい登り。摑んだ岩もはがれる。穂先直前で、3つのルートがあったが、自分には向かって、左側2つは登れそうもなく、槍ヶ岳山荘が見える側から登ってみる。一旦行き詰まるが、右側に回り登れる岩を発見、よじ登る。
祠が見えた。やっと、下界に戻れる。安堵感が半端なかった。
今回、非常に幸運なことに、前日夜、偶然にも同じく北鎌尾根をガイドする予定の久野氏から、的確なアドバイスをいただき、また、当日、他に少なくとも2名の先達(計5名)が北鎌尾根を登っていたため、踏み跡がかなり鮮明であった。そして、絶好調の天候と同頂者の方の存在、これが、自分に取って的確なルート取りができた理由だと確信している。(なんせ、戻れないのだから)ここに命があることに、感謝の念を表したい。
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