鳳凰三山は二山で敗退!エスケープルートはまさかの腰ラッセルで敗退も楽じゃないよトホホ・・・
- GPS
- 18:29
- 距離
- 18.4km
- 登り
- 1,775m
- 下り
- 2,081m
コースタイム
- 山行
- 7:34
- 休憩
- 1:16
- 合計
- 8:50
天候 | 初日は晴れ 二日目は曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
タクシー代12,500円でした。 早朝からありがとうございました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
夜叉神登山口は雪は無し、歩き始めてしばらく行くと積雪有ります。 薬師岳小屋までは軽アイゼンでも充分でした。 薬師岳〜観音岳の稜線は雪は飛ばされているので、 風の当たらない所と吹き溜まり以外は積雪有りません。 観音岳分岐〜鳳凰小屋までは少ない所で膝下、 吹き溜まりは腰〜胸ラッセルでした。 |
写真
感想
メンバーの自家用車で御座石鉱泉の駐車場に向かう、
中央道の韮崎ICから国道20号に入り、コンビニで最後の買い物を済ませてから御座石鉱泉への林道に入る。
想像していたより悪路だった、綺麗に舗装された部分と酷い部分の差が激しい、
しかもそれらが唐突に表れる為、綺麗に舗装された部分で速度を上げて走っていると
急に悪路になり随分と肝を冷やす。
林道に入ってからは対向車は全く無く、駐車場にも車は数台しか無かった。
早朝の5時に夜叉神に移動するタクシーを頼んであるので、4時半に起きる事にしてアラームをセットした。
1時間程度の仮眠時間が有ったが山行直前の高揚感からか、4人中3人は話し込んでしまい、結局寝る事もなく4時半になった。
トランクを開けて準備をしていると4時40分頃にタクシーがやってきた。
早めに来るとは思っていたがここまで早いとは思っていなかったので、
少し待ってもらって準備をして、4時50分頃に乗り込んで出発。
予約の際に人数は4人と伝えておいたのだが、来た車は10人乗りのジャンボタクシー(^^;
恐る恐る料金を聞いてみると4人乗りと変わらない値段ですと聞かされてホッとした。
コンビニで調達した朝食のパンをかじり、食べ終わったら今更ながら眠くなってきたので
夜叉神に着くまで少しウトウト出来た。
御座石鉱泉から夜叉神までは1時間20分程度で到着、料金は12,500円でした。
夜叉神の駐車場にはチラホラ他の登山者の姿が有る、
同じく夜中に移動して明るくなった頃に登り始める算段かな。
早朝6時過ぎ、車は十数台は停まっていたかな?
昼食用のお湯を沸かし、お手洗いを済ませ、登山届を提出して行動開始が6時30分。
動き始めるまでは寒さを感じる、気温はマイナス5度くらいか。
まだ薄暗い中を歩き始める、直ぐに明るくなってきて7時には太陽が木々の間から顔を覗かせる。
陽の光が差すと途端に温かさを感じる、やっぱり太陽は偉大だね♪
体も少し暖まってきたのでウェアの調整などして再び歩き始める。
程無く登山道にも雪が出てきた。
しばらくはツボ足で進んだが、すれ違いで降りてきた登山者が軽アイゼンを着けていたので、
この先は雪道が途切れないだろうと思いチェーンスパイクを装着。
登山道は緩い登りで少しずつ高度を上げていく、雲取山の鴨沢ルートに似た感じかな。
1時間少々で夜叉神峠に到着、白峰三山の眺望が広がって南アルプスに来たことを実感させる。
間ノ岳から北岳にかけては雲が掛かっていたが、真っ白に雪化粧をした農取岳が格好いい。
まだ元気だったので取り敢えずは杖立峠まで歩いて小休止、
陽当たりのよい南斜面は雪が融けて地面が露出している箇所も多く、
チェーンスパイクが歩き易いと感じた。
少しお腹が空いたので杖立峠でシリアルバー食べるがあまりの硬さに閉口、歯が折れるっつーのw
余談になるが冬山でのグローブ、今までは数年前に買ったMHWのハラペーニョアウトドライグローブを愛用していた。
マイナス10度を下回るとそれでは耐えられずにBDのソロイストフィンガーにチェンジってパターン。
ハラペーニョグローブも随分とくたびれてきたので新調する事にした。
最近はインナーに使えるような薄手のグローブはタッチパネル対応が当たり前になっているが、
厚手の冬季用グローブではまだまだ一般的ではない。
しかし以前からグローブのタッチパネル対応においては先進的だったMHWは冬用のラインナップでも
多くのグローブがタッチパネル対応になっていた。
そんな中からサイクロングローブと言う商品を購入、今回の山行でデビューとなった。
実際の使用感は、ハラペーニョグローブと変わらないな、もう少し暖かいかなと期待してたんだけど。
BDのグローブは「〇度対応」とかって明確な数値が記載されているから選びやすいんだけど、
他の多くのメーカーにはそういった明確な基準が無いからイマイチ分からないよね。
同じメーカーなら値段・素材・重量とかである程度は想定できるけど、メーカーが違うと厳しいな。
今回も同じメーカーではあるものの、旧製品は既にWEBの製品情報にも載っていないので、
スペックもあやふやにしか思い出せない・・💦
1万3千円位じゃなかったかなぁ、今回のサイクロングローブの方がお高いのは間違いないけど・・。
暖かさは・・・、僅かにサイクロングローブが優勢か。
ハラペーニョグローブがくたびれているせいもあるかもしれないけどw
正直、値段ほどの差はないなー。リーシュコード内蔵とタッチパネル対応分って感じ。
暖かいグローブはやっぱりBDがコスパ最強だと思う。
山に話を戻す。
杖立峠からしばらく進むと左側の樹林が途切れて良い眺望が得られた、どうやらここが【火事場跡】らしい。
すっかり雲が取れて晴れ渡った白峰三山の姿に魅了される、
今年こそは三山縦走を成功させたいなぁ(過去、二度敗退して農鳥岳には辿り着けていない)
樹林帯の緩い登りをさらに進んで辻山と隣接する小ピークの鞍部にある苺平に到着、
ここまで南面が開けた日当たりのいいトレイルだったが、ここから辻山北東面の薄暗い樹林帯ををトラバースで進む、
トラバースを800mほど進むと道は下り始め、下りきったところに南御室小屋がある。
ここで昼食の大休止の予定だったのだが、小屋前のテーブルは残念ながら日陰になっておりチト寒い。
有料でも小屋の中で休憩させてもらおうと小屋の方に聞いたら、
今日は何処に泊まるのかと聞かれ、薬師岳小屋に宿泊予定と答えたらそれなら無料で休憩していいよとの事、
どちらの小屋も同系列なのでかな?親切に対応して頂いて感謝です。
カップラーメンを食べて空いたボトルに水場の水を詰める、
2Lのプラティパスにも満タンに詰めたので荷物がずっしりと重くなったが、
ここからは宿泊地の薬師岳小屋まで一登りだからまあ問題ないだろう。
1時間ほどゆっくり休憩して再び薬師岳小屋を目指して登り始める、
いきなり急登〜緩い登り〜最後に急登って傾斜具合なのだが、
お昼を食べてゆっくり休憩したので外の寒さと最初の急登が地味に辛い💦
最後の急登を登り詰めると樹林の切れ目から青空が覗いているのが見えた!
とうとう森林限界越えか?あそこで眺望が開けそうだな。
そして目の前に広がる大パノラマ、仙丈ケ岳に白峰三山、振り返ると富士山と甲府盆地を一望。
ここまでの登りは長かったけど、この絶景を見たら来た甲斐が有ったな〜と思う。
砂払を超えたらすぐに薬師岳小屋に到着、お疲れ様でした。
新しく建て替えられた薬師岳小屋は当然ながら凄く綺麗で、
「今日は泊まる人沢山いるよ」って言われたから覚悟をしてたのに蓋を開けてみれば4人でふとん4枚!
しかもザックを置くスペースは別に有るなんて!
広々と使わせて頂いてとてもゆったり出来ました、今までに泊まった小屋の中でも満足度MAXです。
就寝スペースの2階は火気の仕様や飲食は禁止なので、火気の使用は1階入口付近のテーブルで。
16時半までは食堂が開放されているのでそこで飲食も出来るとの事で、
ザックを置いて小屋着に着替えてからはつまみ持参で食堂にGO!
まずはビールで乾杯して喉を潤す、16時半からは夕食準備が有るので食堂を出て
入口付近のテーブルで夕食まで過ごした。
ケータイは小屋の外に出るとドコモなら何とか天気予報がチェック出来た、
やっぱり二日目の予報は変わらないね、朝6時で気温−22℃の風速20m/sだって。
17時半になったので夕食、ご飯に味噌汁、おでんにプチお節料理、あー美味しい。
食べ終わった後は疲れと満腹感で眠くなってきました。
そういえば今日は1時間弱しか寝てないもんなー、ゆっくり眠れそうだ。
二日目、朝は6時に起きて朝食準備、水が凍るのでこの時期は朝食の提供は無いとの事、
お湯を沸かしてフリーズドライ朝食、昼食用のお湯も沸かしてボトルに詰める。
なんだかんだ準備に時間が掛かり出発が7時40分、すっかり明るくなっている。
歩き始めて15分ほどで薬師岳山頂、強風に飛ばされているので山頂付近は雪が無い。
花崗岩の白砂とうっすら積雪、岩場のミックスなのでここもチェーンスパイクとストックで進む。
ガスの中にたまに青空が覗く、昼になるとガスが取れる予報だけど。
気温はマイナス20℃、予報通りに風も強い、15〜20m/sくらいか。
眼鏡の上からゴーグルを装着してしばらく進んだけど、どちらも曇ってどうにもならない。
仕方なく眼鏡は閉まって裸眼にゴーグルにしてみた。
バラクラバをしているとゴーグルが曇るし、口元を覆うのをやめると口元が凍傷になりそうだし・・・、
どうしたもんかな、これ。
結局、曇りが凍り付いて見えなくなったゴーグルもあきらめて、
バラクラバに裸眼で進むことになった。今後の課題だな。
観音岳までは順調に辿り着いたが、風は強さを増している。
薬師岳では歩行に支障をきたす事は無かったが、
今では風が強まるタイミングではじっと耐えて、弱まったらまた歩く感じ。
午後にかけて風が強さを増す予報だったのでこれも当たってるんだな。
crabさんと話して、分岐の先を進んで地蔵岳を目指すのはリスクが大きいので、
(小屋の人には地蔵岳まで行くなら遺書を書いてから行けと言われたとか)
鳳凰小屋への分岐から稜線を離れて小屋を目指すルートでエスケープしようと決めた。
他の二人に打診するが、「せっかく来たのだから地蔵岳まで行きたい」と言うので、
ここでパーティーを分ける事にした、本意ではないがこの場所で話し合うのは時間が惜しい。
そしてcrabさんと二人で稜線を離れて下降開始、トレースは全く無い💦
稜線を離れると風が収まる、あー助かった、あの風に吹かれ続けるのは正直厳しいな。
視界は良好なのでトレースが無くても立ち木にペンキでマーキングが有って迷う事は無かった。
稜線越しに飛ばされてきた雪が吹き溜まるのか、積雪はかなり深く、
膝〜腰のラッセルになった。首から下げていたカメラも雪まみれになったのでザックに仕舞うw
もがきながら進んでいるうちにトレイルは再び樹林帯に入った。
樹林帯ではうっすらとレースも残っており、進みやすくなった。
こうなると鳳凰小屋までは快適なパウダースノーのトレイルなのでスイスイ進む。
小屋が見えてから、最後に梯子を下り、左に巻いて沢を渡るのだがこの辺りがやはり吹き溜まり💦
沢(と言っても雪に埋もれている)を渡って大きな岩の横から小屋の方向を目指すが、
深雪で全然進めない(^^;
岩の先で踏み抜いたら下は大きく空洞になっていたのでどうもスノーブリッジを踏み抜いたらしい、
幸い沢にドボンにはならなかったけど(下も凍っていたと思うよ、見えてないけど)
何となく嫌な感じがしたので沢から離れるルートを切り開く。
左側の斜面(沢が低くなっている)を登ればすぐに小屋なんだけど、
3mほどの斜面の胸ラッセルがどうにも登れなくて難儀する。
あんまり時間をかけてもバテてしまうので、この際手段を選んではいられないか。
細い枝が生えている辺りで(枝が有るんだから下には立ち木があるだろう)
闇雲に足場を構築して少しずつ体を持ち上げていく。
10分ほどかけて何とか3mの斜面を登り小屋に到着、ほっと一息。
冬季小屋で休ませて貰おうと思ったら、
小屋のお兄さんが小屋に上がって休んでいけばいいよと言ってくれたので甘える事にする。
掘り炬燵に足を入れた途端、言葉にならない歓喜の笑いが滲み出たw
あー幸せ。
小屋のお兄さんは宿泊客でもない僕らに対してもすごく親切にして下さった。
今度はカレーライスを食べに泊まりに来ようと心に誓う。
1時間ほど待って二人が到着、何事もなかったようなので一安心。
昼食を食べて後は降りるだけだね。
先行者がいたのでトレースもバッチリ、ただただ長い道のりを降りていく。
燕頭山の手前で甲斐駒ヶ岳が綺麗に見えると小屋のお兄さんが言っていたがその通り、
とても格好いい甲斐駒ヶ岳が見られて大満足、やっぱり甲斐駒ヶ岳はいつ見ても端正だね。
長かった山旅も終わりが近づいてきた、東側の斜面なので暗くなるのが早い。
ヘッデン使う羽目になるかなーとも思ったが何とか17時過ぎに御座石鉱泉に到着、
随分と暗くなってはいたが、何とか間に合った。
ここから備忘録
クロージングと飲み物など
初日 気温は出発時にマイナス5℃くらい
下半身はモンベルジオラインMWタイツにハードシェル、ソックスはメリノウールエクスペディション
上半身はジオラインMWアンダー、薄手長袖ハーフジップにハードシェル
キャップの上からヘルメット、途中から薄手バラクラバ追加
グローブはMHWサイクロングローブを夜叉神峠辺りからBDソロイストフィンガーにチェンジ
飲み物は麓のコンビニで買ったホットコーヒー400mlくらい、半分くらい飲んだ。
二日目 気温は出発時にマイナス20℃くらい、御座石鉱泉到着時にマイナス5℃くらい
下半身はモンベルジオラインMWタイツにメリノウールEXPタイツを重ねてハードシェル、
ソックスはメリノウールエクスペディションハイソックス、冬靴の中に足先用カイロ
上半身はジオラインMWアンダー、薄手長袖ハーフジップ、薄手フリースにハードシェル
厚手毛糸帽の上からヘルメット、バラクラバも厚手に変更、バラクラバは鳳凰小屋まで。
グローブはBDソロイストフィンガーの中にモンベルのウールライナー
飲み物は出発前にボトルに詰めたホットコーヒー300mlくらい、最後までにちょうど飲み切った。
その他
膝痛は二日目から極小、帰宅した翌日は下半身筋肉痛酷い、ラッセルの影響か
あんなにラッセルになると思わなかったのでゲイターを持参しなかったのは失敗、
ハードシェルの内蔵ゲイターでは少し雪が入り込んでしまった。
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