白馬岳〜ウルップソウに誘われ大雪渓で天空のお花畑へ
- GPS
- 09:51
- 距離
- 15.1km
- 登り
- 1,775m
- 下り
- 1,766m
コースタイム
- 山行
- 7:46
- 休憩
- 2:00
- 合計
- 9:46
天候 | 晴れ 頂上宿舎から上はガス 下山後ガスがとれて晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・全行程トレースあり、小雪渓のルート上には赤くベンガラ。クレバス、クラックもまだ現れていない。今後は注意。 ・白馬尻荘から12本アイゼン装着。足裏全面に爪のある滑り止めが必須。部分爪(6本など)では下りに滑りやすい。また日々雪解けが進むので現地での確認が必要。 ・葱平付近の岩部や登山道を歩くため、手前でアイゼンを外す、大きく南北にトラバースする手前でまた装着。頂上宿舎手前のお花畑付近から雪はないので再び外す。 ・雪面に落石多い、下り時は後ろから石がくるので注意。特に午後は天狗菱、杓子尾根から頻繁に落ちてくる。 |
写真
感想
ヒメサユリ咲く浅草岳へ行く予定だったが、早朝に雨が降るため、ウルップソウ咲く白馬岳へ変更。雲量も少なく正午からは晴れる予報だったのだが・・・
前橋を2時34分に出発。高速道路と化している17号、18号から本当の高速道路上信越道へ松井田妙義で乗る。更埴で下りて市街地、オリンピック道路から白馬へ。発電所手前から不帰嶮を眺めるがガスガス。やっちまった感が頭をよぎるが、天気予想を信じて猿倉へ向かう。
駐車場には5台ほど停まっていた。朝露に濡れている車もあるので泊りだろう。うらやましい。さっさと装備してとっとと出立。気温11℃爽やかな白馬の朝。
駐車場南の入り口は林道の作業用入口。コーヒーの香りが漂う猿倉荘へ迂回して樹林帯内へ。ギンリョウソウ、タニウツギ、ミゾホウズキなどが見られた。再び林道へ出て砂利道を歩いていく。雪解け水が流れる木橋を渡り、瀑布音が聞こえると目の前には滝が見られた。林道から木階段のある樹林帯へ。
雪解け水が作る小さな沢にはニリンソウ、サンカヨウ、キヌガサソウなどが咲いていた。水辺は虫が多いので虫よけなどが必要。私は相変わらず森林香で狼煙を上げて歩いた。樹林帯を抜けると「おつかれさん白馬大雪渓へ」と白馬尻小屋に到着。
工事中の白馬尻小屋で12本アイゼンを装着。個人的感想だが6本アイゼンやチェーンスパイクでも登れるかもしれないが、下りがかなり危険となる。靴裏全面に爪のある滑り止めが必須。
ピッケルは未装備。登攀もなく滑落対応できる術が他にあり、必要ないと判断した。登山者が多い土日は、迷惑かけないために装備した方が良い。ヘルメットは落石が自然、人為的問わず多いので、被ったほうが良い。
目前の長く広い雪渓を見渡す。主稜線の最低鞍部付近も見える。記念撮影し大雪渓を歩みだす。途中寄り道して白馬沢方面のお花畑観賞へ。シラネアオイ、ニリンソウの群生が素晴らしい。タニウツギも尾根上部を彩っていた。杓子尾根側にも花はあるが落石が多いので注意。
緩い雪上を軽快に歩いていく。途中大きな岩が目立ち始め、白馬三合尾根の二号三号雪渓から転がってきた落石だ。更に登ると細かい落石が増える。杓子尾根からの落石だ。脆い露岩なので崩落が多い。雪解けが進む午後は頻繁に落石があった。下山時に尾根を見ていると面白いようにガラガラと落ちてくる。クレバス、クラックは現れていなかった。
傾斜がきつくなり始めると葱平(ねぶかっぴら)。その脇を雪解け水が豊富に流れており、左手には天狗菱がそびえている。ここで一度アイゼンを外す。一部島状に露出している夏道を歩くためだ。そこにもシナノキンバイやユキワリソウなど花が沢山咲いていた。しばらく岩稜部を歩くと岩が四つ並んでいる。そこで再びアイゼンを装着する。
小雪渓へのトラバースは100mほどだろうか、大雪渓を横断するように歩く。道も踏まれ出来ているが滑りやすいので注意。そのまま北西へせり上がるように斜面を登っていくと白馬岳頂上宿舎と離山が見える。近いようでなかなか着かないのが山荘。振り返ると砂の城のようにそびえる天狗菱。露岩と砂礫地が荒涼とした雰囲気を醸し出す。
水のせせらぎが聞こえると目前にはお花畑。ここから先は雪が無いのでアイゼンを外す。緑地斜面に白いハクサンイチゲが群生している。誘われたウルップソウが岩の近くにひっそりと咲いていた。ミヤマシオガマ、シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲなども咲いていた。天気が優れないこともあり15分ほど居ただろうか、しばらく撮影し足が全く進まなくなった。
途中水場で水を補給したが、まさしく冷たくて美味い北アルプスの天然水。そのまま登って行くとやっと頂上宿舎。内部やテン場を見学して山頂へ向かう。分岐へは行かず残雪がある方へ向かう。アイゼンは付けず蹴り入れて直登して行く。登り切る途中から砂礫地になり、ウルップソウの群生が現る。可愛らしい青紫の花をつぶさに観察。オヤマノエンドウ、ミヤマキンポウゲなども見られた。
見上げると白馬山荘、スカイプラザ白馬が見える。人工的な建造物が山の斜面にへばりついている。景色と花を見ながらゆったりと歩いていく。山荘のスタッフが冬支度のベニヤを片づけていた。スカイプラザは職人さんが工事をしていた。ライチョウが居ないか周りを見ながら山頂へ向かう。
やはり日ごろの悪行が祟りビクトリーロードからガスガスの強風。もはや景観など望んでおらず、登頂すればいいや程度の歩み。気温11℃で体感温度は5℃寒い。写真撮り過ぎで5時間半もかけて登頂したが、記念撮影してとっとと下りる。寄り道し過ぎだな、道草ばかり食っている。
松沢貞逸顕彰碑を眺めてその下のお花畑へ。ハクサンイチゲ、ウルップソウ、ツクモグサ、ミヤマキンポウゲ、オヤマノエンドウなどが一面咲いている天空のお花畑。天気が悪かったが素晴らしい花たち。またしばらく張り付いて撮影していた。
白馬山荘のベンチをお借りしてカレーうどんの昼食。正午にガスが取れて晴れるはずが、全くその気配すらない。SCW、yama2共に予報外れ、天気図を見直しても晴れるはずなのだが、上空では梅雨前線と低気圧の影響があるのだろう。しかし花がこれだけ見られたのだから、今日は花観賞と切り替える。
再装備して下っていく。下りもお花畑でまた撮影、観賞して足が進まない。新しい避難小屋を過ぎ再びトラバースして葱平へ。岩に近いと所は踏み抜きが目立ち始めた。アイゼンを装着して再び広い大雪渓を下っていく。
ガスも取れ始めて杓子岳、白馬鑓ヶ岳が見える。今夏は周回したいコースの一つだ。今年は工事の影響で営業が短縮されている。
気温18℃だが、大雪渓上では緩く風が吹き、爽やかな空気に包まれる。杓子尾根からの落石が頻繁にあり、ガラガラと音を立てて落ちていく。中央まで来ることはなかったが、十分に注意する。下りはあっという間に白馬尻まで着いてしまった。アイゼンを外して洗う。
往路で花開いていなかったニリンソウを観賞。緑のニリンソウが咲いていると教えて頂いた。いくつかある。上高地も多いと聞いた。マイコプラズマ感染によるものらしい。子供の風邪みたいだな。
林道に下りてくると暑さがむんとくる。標高1300m程度で気温23℃。それでも当日の前橋市は30℃だったから涼しい地だ。雪解け水を集めて流れる白馬沢、セト岩の滝。白い流れが清涼感に満ちて涼しさを目で楽しむ。猿倉荘を抜けて駐車場へ。
駐車場から見上げる白馬岳。霞んでいるが良く見える。着替えて帰路へ。八方尾根を右手にして五竜、唐松、白馬三山を眺める。ガスがあるがうっすらと霞んで見える。夏の周回を心に抱きながら、陽炎のように揺らめく逃げ水を追いかけて帰路へ着いた。
growmonoさん こんばんは。
猿倉の出発遅くないですか、・・・重機なら遅くはないですね。
以前はGW時に、雨飾りとセットで日帰りで余裕でしたが、今は考えますよ。
白馬尻近くに咲くキヌガサソウ、大雪渓のどこまで登っても同じ景色、頂上小屋前の花畑、稜線からの展望いいですね、
ウルップソウと色々な花のコラボ写真イイネ!
こんにちは、yasioさん。
先日お伝えした通り、浅草岳を変更して北西方面へ雪遊びしてきました。
午後から晴れる予報でしたが、風が強かったですが上の方はガスでした。しかも寒い。
こういう日もあります。ウルップソウを観賞に来たと割り切りました。
出発遅いですかね?前橋から180kmありますが、早朝なら2時間半で着きます。
大雪渓の最初から上を目指さず脇の斜面に行って花観賞ですからね。シラネアオイの誘いは断れません。お花畑もそうですね。ぐるぐる回ってました。休憩時間が2時間にもなる訳ですよ。まともに歩いてません。登山者も5名くらいでしたね。
現状ならクラック、クレバスもないので楽に歩けますが、7月に入ると葱平辺りや小雪渓付近で多数開いていると思います。自ずとルートも変更になるので現地確認は重要ですね。
曇りでしたが可愛らしい花々が見られて良かったです。大雪渓もひんやり涼しくて快適でした。前橋市は30℃だったそうですね。
growmonoさん、おはようございます。
6/10(日)に白馬鑓BCを計画していましたが、天候不順で毛勝山BCに転身してしまいました。白馬ももう完全に夏山シーズンに入りましたね。スキー板ももっていき花鑑賞&白馬大雪渓BCというのもありかと思いました。growさんのレコで、白馬大雪渓と周辺の雪の状況が大変よく分かりました。いつも貴重な情報を提供していただき助かります。
hareharawaiより
こんにちは、hareharawaiさん。
北アルプスでのBCはもう厳しいかもしれませんね。
大雪渓ですが、一部にボードでの滑走跡がありました。
ただ雪上は落石、木々など異物が散乱しているので、おすすめできませんね。
シリセードは良いかもしれませんが、怪我しそうです。
実は18才の時に大雪渓で初めてBCをしました。八方尾根に飽きて友人に誘われて行きましたが、傾斜がきつくてつらかったですね。道具もゲレンデ用でしたがパワーで滑りましたね。若かりし頃の楽しい思い出です。「いま、開かれる男の世界」顎を撫でながら言いたいですね。
growmonoさん
おはようございます。
ワァー、やっぱり白馬岳!
いいなあ、白馬岳!
泊まり込みで行こうかなと思っていました。
さすが、体力のあるgrowmonoさん
日帰りで楽々ですか。
私も改めて行きたくなりました。
こんにちは、iiyuさん。
ヒサメユリの浅草岳に降られまして、白馬で雪遊びしてきました。
初めてBCをしたのが白馬大雪渓で18歳の時でした。
免許取りたてで父のサニーバン借りて行きましたね。31年ぶりの白馬岳ですよ。
iiyuさんのように証拠写真がないのが残念です。実家の解体時に処分しました。
今となっては良い思い出ですね。
上の方の天候はいまいちでしたが、見通しの良い大雪渓と素晴らしい花々が見られて良かったです。大輪のキヌガサソウは美しかったですし、山頂下の砂礫地のウルップソウは群生しており可愛らしかったです。
泊まりの方が多そうでしたね。栂池周回やゆったりとピストン。お昼から登られて来る方もいらっしゃいました。もう少し早く出て、まともに歩けば栂池くらいなら日帰り周回できそうですね。帰りの交通手段が面倒ですが・・・
今回は花観賞と撮影に時間を割き過ぎました。でもこんな山行もたまには良いのかなと、のんびりと花観賞と撮影三昧。出来れば泊まって星空や日の出も眺めたいですね。
growmonoさん、おはようございます
同じ日、私は八ヶ岳にしましたが、計画した時点で「白馬岳にすれば良かった。でも一泊の準備をするには既に遅し 」と白馬は諦めました。
ウルップソウ、沢山咲いてる〜、横岳のウルップソウとは大違い。ツクモグサも沢山。いいな
天気、予報では晴れでしたよね。ガスが多かったんだ。山頂の写真、ちょっと寂しそうに見えました。
大雪渓、まだ12本アイゼンが安全のようですね。情報ありがとうございました。
こんにちは、yasubeさん。
八ヶ岳行かれたのですね。
昨年周回したので、今年はいいかなと思っておりました。
荒涼とした硫黄岳横岳のコマクサ、ツクモグサ、目に浮かびますね。
ウルップソウもありますね。白馬は曇りでしたが砂礫地一面に広がってました。
SCWとyama2、朝の天気図まで確認したのですが、ガスがとりきれず、きれいに晴れませんでした。山頂の写真ですが、全く景観がなく、ひとり風に吹かれて日本海方面を眺め、天空のお花畑観賞と割り切った図ですよ。
来年はもう少し早くから出て、栂池まで日帰り周回しようかと思ってます。栂池から猿倉までタクシー代が5000円だそうです。4人まで相乗り可能なので、割れば安くなります。shilokoさんを無理やり連れて行こうかと検討中ですが、お金がもったいないからソロで自転車かな、ヒルクライム。
growmonoさん はじめまして&こんばんわ
いつもパワフルな山行をされており、山にかなり詳しい方だなとレコで拝見させて頂いておりました
私達は足が遅く泊まりという事で、のんびりと登り、小雪渓の上あたりでお昼休憩にしていましたところ、growmonoさんかな〜でもいつもの帽子と違うな〜なんて思っておりましたら、まさかのgrowmonoさんだったのですね〜
帰りに緑のニリンソウを見られたのですね〜
わたしも以前、ここで緑のニリンソウを初めて見ました
上高地は探せば幸せが逃げる程あります〜
お話できませんでしたが、またどこかでお会いできればと思います〜
お疲れ様でした〜
こんばんは、makibitoさん。
小雪渓上、避難小屋先の腐ったスノーブリッジで踏み抜くのが嫌で、木道先を迂回する辺りでご休憩なさっていたカップルの方ですね。momonyanさんをお見掛けしたような気がしたのはレコで拝見していたからなんですね。下りながら二度見してしまい失礼しました。青空と離山を背景に「白馬岳でのひと時」と入れたいほどお似合いでしたよ。
いつもと帽子が違うのは、雪上を歩くため照り返しを嫌いブーニーハットにしました。暑さや日差しに体も順応(年中日焼けしていて関係ないと言われますが・・)してきましたので、ORの鬼軍曹キャップも被ろうかと思います。
午後はやはり山頂は晴れていたのですね。しかも小屋泊り、うらやましいですね。栂池からお帰りの手段はレコに記されていませんが、バスですかね。タクシーは高いですよね。自転車デポして来年行こうかと検討中です。二股ヒルクライム。もちろん倹約で日帰りですよ。
ニリンソウですが、緑のふちがあるのものは何度か見ましたが、これだけ緑色のニリンソウを見るのは初めてですね。上高地のは見つけると幸せになると伺ってます。白馬尻で見たので幸せが来ますかね?ただ私は日ごろのみならず、人生そのものが悪行で祟ってますからね、幸せなど来ても呪い返され不幸の手紙が送りつけられると思います。
今回は遠征しましたが、基本月曜の群馬周辺の山をうろうろしてますので、またお会いする機会がありましたらお声がけ下さい。
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