比良山/武奈ヶ岳から釣瓶岳@ナガオを通るも先行者あり
- GPS
- 08:26
- 距離
- 17.9km
- 登り
- 1,416m
- 下り
- 1,397m
コースタイム
- 山行
- 6:26
- 休憩
- 2:00
- 合計
- 8:26
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
この冬もここに来てようやく寒波到来で山でも積雪をみた。8日土曜日、9日日曜日、11日祝日が雪山に行くにはちょうどよさそうだ。12日からは20℃近い日が続く予報で、雨マークもずっとついている。この3日の間に行かずしてどうする。
9日は以前から行ってみたいと思っていた滝仲間による飛驒小坂の氷瀑ツアー。さてどうしよう、雪山を楽しめる期間が長ければ氷瀑に行くところだが、なにせ短いここ数日という雪山期間。中日に遠出すると他の日に比良の雪山に行けない。また暖冬の影響で飛驒小坂といえども氷の発達具合はよくないと予想された。結局、仕事の関係もあって9日の氷瀑はパスすることに。滝仲間にも長い間逢っていないので、それを思うとちょっと残念だが、この氷瀑ツアーは毎年恒例になっているので来年は参加することにしよう。
そういったことで、8日に比良山に行こうと決めていたのだが急用が入り直前に断念。9日も結局は仕事をすることになり出かけられない。もう11日しかない。天気予報を見ると11日だけに晴れマーク。仕事よ、入るな!と神頼み。
神頼みした甲斐があってか、11日はフリーとなった。一日存分に雪と戯れようと比良に向かう。ここ数日の降雪と低温の影響で、先日も湖西道路でスリップ交通事故が相次いだ。前日(10日)も今津で積雪が観測され、今朝も冷え込んでいる。湖西道路は大丈夫としても、イン谷口まで果たしてクルマで入れるだろうか。ノーマルタイヤなのでちょっと心配となり電車で出かけることにする。自宅を同時間に出ても、クルマと電車とではイン谷口到着に1時間以上の差が出る。その分電車だと山で戯れる時間は短くなってしまうのだが、比良駅から堂満岳を見ながら車道を歩くのも悪くはない。
結局イン谷口には雪はほとんどなく、正面谷奥の駐車場まで難なくクルマで入れたようだ。ここからは登山道にも積雪、大山口までにはフカフカ雪に変わる。堂満岳第一ルンゼのすこし手前でチェーンスパイク装着。
あたたかく、すでに桜のコバ手前にて手袋と帽子を収納。パーカーも脱いでいるが寒さは感じない。きょうはザックに引っかけただけの手提げ袋にそれらは収納しているのですぐに取り出せる。
今回はザックのパッキングを大幅に変えてみた。この手提げ袋他、食料類は休憩時に簡単に摂れるように全部ザックのポケットに入れる、飲料も外付け、カメラはずっと首から提げる、ヒップソリは使うかどうかわからないのでザック内に収納、ワカンは自転車かごの網を使って、フックひとつはずすだけですぐ取り出せるように等々。寒い雪山では荷物の出し入れがじゃまくさいもの。なるべく手間のかからない方法を考えて実行したので、結果取り出しや収納にかかる時間と手間が大幅に短縮された。外付けが多いのでもっとも天候の悪い時向きではないが。
青ガレ上部でOさんに逢う。すこし立ち話して先を行く。この先は無積雪期には岩がゴロゴロ、最近の崩壊もあって足元悪く、歩幅や段差を変えながら登らなくてはならないのでペースが落ちてしまうところだが、雪に覆われているとそれがなく、スパイクのツメもよく効き登りやすい。何よりも雪がたくさんあるというだけでテンション上がるので疲れを感じず登れ、思ったよりも早く金糞峠に着いた。
あたたかいがさすがに峠は風が吹き抜けるので通過して、奥の深谷の橋を渡った大杉のたもとで休憩する。モコモコの純白雪とその中を縫って流れる奥の深谷の水とのコントラスト、それに自然の造形美が何とも美しい。
上林四辻経由で武奈ヶ岳までの最短コースに入る。既にたくさんの人が通っていて、新雪のフカフカ感は直接足裏を通じて感じられないが、足の疲労は少なくて済み楽ができる。きょうは武奈ヶ岳の北稜から釣瓶岳経由でナガオをノントレースを期待して歩きたいと思っているので、ここは体力使わず温存できるというのは嬉しい。快調にコヤマノ岳へ登っていく。
尾根の傾斜も弱くなりコヤマノ岳が近づいてきているが霧氷はいつまでたっても現れない。正面にコヤマノクラウンが見えてきたがここもほとんど白くない。霧氷を期待していたのだが、纏っていないではないか。空は完璧なまでにも蒼いので、そのコントラストの美しさを期待していただけに、ちょっと残念。
コヤマノ岳山頂からの眺望も今ひとつだった。伊吹山や霊仙山が雪を纏っているのはわかるが、やや輪郭が定かでなく、御嶽山や白山などは見えない。午前中のもっと早い時間なら見えていたかもしれないが、それでも思っていたほどクリアでない。
霧氷はコヤマノ岳北側のブナ林でも上の方がすこし白い程度で発達していない。すでに落ちた後なのだろうか。
武奈ヶ岳山頂は予想通り大勢の人で賑わっている。雪がたっぷりあって天気がよいのは、おそらくこの冬はきょうだけで、天気予報を見てもそれは明白なため、わたしと同じく「行くなら今日しかない!」と考えてやってきている人が多いのだろう。
山頂を通過した先のピークで休憩する。弱い風ながら吹けば体感気温は下がるので、東側斜面を少し下りて休憩。
ここから見るとコヤマノ岳のブナ林は白く見え、霧氷を纏っているかのように見えるのだが。
それでも山頂稜線の西側斜面の低木には霧氷が発達しており、間近でえびのしっぽを写真に収められたのでよしとしよう。
軽く昼食を摂って、チェーンスパイクからワカンに履き替え、北陵に向かって出発する。さてこの先のトレースはどうだろうか。
どうやら3人ほど先に歩いているようだ。ここはトレースがあってもナガオになければよい。
右手には常に雪庇が張り出している。トレースがあるとはいえフカフカ雪の感触は、武奈ヶ岳までのよく踏まれたトレースに比べると十分に楽しめる。振り返ると張り出した雪庇が小さくうねって、打ち寄せる波のようにも見える。この形が面白いのでたくさんの写真を撮ってしまう。
稜線より西側の木は風で雪が吹き飛ばされ霧氷も纏っておらず枝の茶色が目立つが、東側の灌木には雪が積もりモコモコ団子状となっていて、尾根を挟んだその対比が面白い。
釣瓶岳に近づくにつれ杉が纏う雪の量が多くなってくるのはなぜだろうか。北に行くほど雪が深いということか。現に釣瓶岳最後の登りにさしかかったところからの杉には、もう雪の重みで耐えられないほどしなっている枝や、杉まるまる1本がほとんど真っ白になり、蔵王等でよく目にする樹氷のモンスターっぽい様相となっているものさえある。
これらを見ながら登っているとあっけなく釣瓶岳山頂に到着した。
山頂に一人居られた方は栃生から釣瓶までのピストンだそうで、坊村の駐車場があふれかえっていたとおっしゃっていた。御殿山コースは渋滞しているのではないだろうか。武奈ヶ岳に登る登山者の7割から8割は坊村からの往復ではないだろうか。
釣瓶岳山頂の杉は見事に雪を被り、真下から見上げると、大きな丸く白いぼんぼりを各枝につけて、それが弱い風でも重みでふわふわ揺れているのが滑稽に見える。それが面白く、しばらく見上げていると首が痛くなってきた。
さて、ナガオはどうだろうか。やややっ、ラッセルの跡が。お一人様先行者がいるようだ。
ナガオのラッセルを楽しみにしていただけに、どうしようか悩んでしまう。ラッセルを楽しみというと、とってもM君のように思われるかもしれないが、誰も歩いていない真っ白な新雪の中を、自分の思い通りに道をつけられるというのはとても魅力的だと思う。
少し戻って細川越からスゲ原をラッセルしようか(先ほど通過時にノントレースの確認済み)と悩むが、谷沿いのラッセルは迂回等で尾根筋のラッセルより時間がかかりそう。只今の13時40分という時刻を考えたとき、広谷まで2時間かかるだろうという計算をすると、その後、最短のダケ道で山を下りても途中で日が暮れてしまうかもしれない。ヘッ電で下りてもいいけど、王将で晩ご飯を買って帰ると約束してあるしなぁ。などと思い巡らした結果、ナガオのトレースの後を追うことにする。もしかしたら追いついて先頭を変わってもらえるかもしれないと期待しつつ。
ナガオの積雪量は尾根筋ということもあってかそれほど深くないのかもしれない。足はあまり潜らず、せいぜい脛くらい。あっさりして障害物もほとんどない尾根なのでズボルところもない。右手に武奈ヶ岳、左手に琵琶湖と湖北の雪を纏った山々を木々の間から眺めつつ、また時折トレースを外れてフカフカ雪の感触を楽しみながら歩みを進める。
結局先行者には追いつけず広谷へ。八池谷の流れの中に水面に出た石が多く、その石に雪が積もり小さな雪玉がいっぱいできている。この配置が絶妙で自然の造形美には本当の驚かされる。
イブルキのコバから八雲ヶ原へ。一面の銀世界で池も隠れてしまっている。1月に来た時には、今年の冬はもう本日のような風景は見られないまま、早い春を迎えるのだろうなぁと諦めていたのだが、ここしばらくの寒気の流入と、きょうの安定した天候、それに偶然今日にしか山に来ることができなかったわたしと周囲の人たちの都合、すべてがうまく噛み合って、この八雲ヶ原の風景、そして今日見てきたすばらしい風景との出会いがあったのだなと思うと、感慨深いものがある。
八雲で小休止後、北比良峠まで登ってワカンから再びチェーンスパイクに履き替える。きょうはヒップソリを持ってきているのだが出番が無さそう。ダケ道の途中から正面谷に向かってどこかヒップソリで下りられるところはないかkol-yosiokaさんのレコを見てチェックしておけばよかったなぁ、などと思いつつ、ダケ道を下ってゆく。ダケ道はよく踏み固められ、アイスバーンでもなく、シャーベット状でもなく、さらに踏み抜く心配もなさそうで、ちょうどチェーンスパイクのツメがよく効き、ガシガシ下っていけるのが嬉しい。カモシカ台からはシャーベット状になり、その後、地面が露出する箇所も多かったが、そのままガシガシ下り大山口へ。
正面谷の流れでスパイクを洗い、ワカンに付いた氷を溶かし、手提げかばんに濡れもの一式を入れ、かばんを提げたまま駅まで歩く。
もちろん京都に帰ってからは王将で餃子を買って帰り、美味しくいただきました。
果たして比良はどのような雪景色が広がっているのだろうかととても気になっておりました。でもこれだけ着雪するというのは確かに雪が重いんでしょうね。ラッセルの感触は如何でしたでしょうか?
ナガオは確かにノートレースの方がいいですよね。
確かに明日以降、かなり気温が上がり、雨も降るでしょうから最後の雪山の機会かもしれませんから、『行くならこの日しかない!」ですね。私もかなり無理をして仕事を休みました。江美国境でも雪がかなり重たかったです。
その前に音羽の滝の雪景色をお届けしたいと思います。
この日しかないわたしの都合に合わせて、天気も味方してくれて、雪山をたっぷり楽しめました。
新雪は北稜では軽めでしたが、ナガオや広谷はそれと比べて重い感じがしました。杉も急な雪の重さに耐えていましたが、ここ2日で相当雪は落ちて、やれやれ腕(枝)が筋肉痛になったと言っているのではないでしょうか。
江美国境レコ楽しみにしています!
HB1214さん、昨日スゲ原から広谷へ向かっていたらナガオ尾根から降りてきたトレースがありそれが HB1214さんだったのですね。。。
毎年、北稜雪庇を楽しみにしているので今冬初歩き、ひょっとしてこの先どうなるかですが、昨日がピークかもです。
それでは、お名前はヤマレコで拝見しているのでこれからもレポ参考にさせてください!
483264さんはスゲ原を歩かれたのですね。わたしもナガオかスゲ原か迷ったのですが、結局ナガオを歩きました。スゲ原は谷沿いで谷を何度も渡らなければならないので、大変だったのではないでしょうか。ヤマレコを見ているともうおひとかたスゲ原を歩いておられるようでしたが、もしかして463264さんとご一緒だったとか?
北稜の雪庇は小さく波打ち独特で形が面白いですね。今年はもう11日ほどのいい条件の日はないかもしれませんね。こちらこそよろしくお願いします。
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