【過去レコ】悲願達成! 登山開始12年目の初剱岳
- GPS
- 32:00
- 距離
- 15.8km
- 登り
- 1,751m
- 下り
- 1,753m
コースタイム
天候 | 2日間ともピーカン |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
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その他周辺情報 | 剣山荘に宿泊 温かいシャワーが最高!トイレの水の勢いが最高! http://www.net3-tv.net/~kenzansou/ 立山吉峰温泉 ゆ〜ランド https://www.yoshimine.or.jp/?page_id=37 |
予約できる山小屋 |
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写真
感想
高所恐のため登れないとずっと思っていたが,今回は,OM先輩・SKくん・Hくん最高のメンバーがそろったので,意を決して挑戦!
OM先輩が2月に山スキーで足を骨折し,剱の計画もポシャってしまったかと思ったが,驚異的なスピードで回復し,ガイドを務めてくれることになる.先週も早月尾根を日帰りしたというから,もう足は心配ない.3日前からワクワク&ドキドキであまり眠れない.
8時20分のケーブルカーに乗車,美女平でバスに乗り換え,9時30分に室堂に到着.美女平でバスを待つ間,それぞれのザックを秤に乗せると,私7.5kg,OM先輩とHくんは約9kg,SKくん14.5kg!!ととんでもない差があることが判明.SKくんはビール・酒・つまみを大量に入れてきていた…
雲ひとつない青空がひろがっている.サイコーの天気に気分も乗ってくる.玉殿の湧水でペットボトルに水を入れて,さあ出発だ.まずは別山乗越・剱御前小屋を目指す.ここまでは2011年にKM先輩と二人で立山縦走をした時に,歩いたルート.前回はガスガスで何も見えなかったので,同じルートとは思えない.
急坂で息が上がるので,たびたび休憩.なかなか剱御前小屋の建物が見えてこず,少々イヤになってくるが,実は別山乗越直前にならないと見えないのだ.剱御前小屋の前に立つと,剱岳・後立山の見事な眺望!ここまでの疲れが吹き飛び,ますます気分が上がってくる.剱をバックに4人で記念写真を撮影してから,昼食休憩.
別山乗越からは剣沢を経由する右のコースを選択する.剱沢警備派出所で隊員の方に「明日は水分補給をしっかりして,気をつけて登ってください」とのアドバイスをいただき,剣沢小屋の横を通り,剣沢の雪渓を問題なく通過すると,今宵の宿,剣山荘に到着だ.受付を済ませると,〈くろべ〉という部屋を案内される.5組布団があるこの部屋に,なんと4人で貸切!金曜日万歳!!みんなで休みを合わせて良かった.部屋に荷物を置いたら,この小屋の名物であるシャワーを浴びる.剣沢の豊富な雪解け水を利用したシャワーは温かくて勢いもあり,疲れがどこかに飛んで行ってしまうようだ.小屋の建物自体も新しくて清潔で,とにかく居心地がよい.
シャワーの後は,小屋前のテラスで宴会開始.SKくんが背負ってきてくれたビールとコーラでまず乾杯.剱・別山・五竜・鹿島槍に囲まれての宴会は話が弾む.
夕食はハンバーグにエビフライとおかずが豪華でうまい!早く寝すぎるとダメだと思い,食堂で20時30分頃まで登山雑誌を眺めたり,漫画の「岳」を読んだりしてねばる.緊張が高まってくるが,努めて落ち着くようにする.数年前に公開された『剱岳 点の記』の撮影の際には俳優陣が泊まったようで,ポスターや色紙,新聞記事があちこちに飾ってある.『剱岳 点の記』もう一度見てみようかなぁ.
夜,トイレの際に外へ出てみると,満月が大きい.後で調べてみると,約3年に1度の「ブルームーン」の日だったようで,満月で空が明るくなってしまい,星空はいまひとつ.それでもしばらく星を見ていたら流れ星をひとつ見ることができ,翌日の剱岳登頂を願う.その後,部屋に戻るが,布団がミズノのブレスサーモだったこともあってか,山小屋にしては快適に眠ることができた.
いよいよ登頂の日.3時に起床.前日に受け取った弁当とインスタントスープを食堂で食べて準備をすすめる.4時30分に小屋前で円陣を組み「無事に剣山荘まで生きて戻ってこよう」と誓ってスタート.まずは剣山荘裏手から一服剱を目指す.すでに明るくなってきており,ヘッデンは不要だ.一服剱あたりから頭痛・嘔気・頻呼吸と高山病の症状が出始める.嫌な予感.この先,危険個所が連続するため,体調不良のまま登るのはやめた方が良いことは重々承知だが,ここまで来て剱でリタイアも悔しい.前剱まで行ってダメならあきらめようかと思っていたら,前剱手前で回復,症状はゼロとなる.5時45分前剱に立つ.ここまでは非常にいいペースだ.クサリもあるが恐怖感を感じるところはない.
前剱の先で小さな橋を渡り,大岩の斜面に付けられたクサリを使って斜上する.写真ではここが一番怖く見えるが(落ちたら一巻の終わりに見える),足の置き場所はしっかりあり,下を見なければ大丈夫だ.緊張感が続く.やがて有名なカニのタテバイが現れる.17mほどのクサリで岩に垂直に付いているが,三点支持を守って一歩ずつ上がればクリアできる.
タテバイを越えて少し歩けば,念願の剱岳山頂だ.やった!やった!!感動で涙があふれ出る.4人で記念写真を撮り,しばし展望に浸る.富士山,南ア,八ッ,笠,乗鞍,薬師,白山これまで登った名峰達がまるで「おめでとう」と祝福してくれているかの如く,バッチリ見えている.ちょうどこの日に剱岳で100名山完登という78歳,単独行のおじいさんがおられ,握手してもらう.68歳から100名山を始めたとのこと、すごい!
登りも手強いが,もっと手強いのは下り.剣山荘まではまったく気が抜けない.剱岳最大の難所がカニのヨコバイ.数日前にもここで,膝を骨折の重傷,ヘリ搬送されたとの記事が新聞に載っていた.「クサリをしっかり持って右足を伸ばし,岩が削られた足の置き場所を探す.次に左足の置き位置を探し,そこに左足を置く.さらに右足を引き寄せて左足に揃え,左側の岩場へ移行する」とガイドブックに書いてあり,ここを何度も読んで,何度もイメトレしてきた.実際には,最初の右足と左足の置き場所に親切にも赤ペンキが塗ってあり,あまり心配いらない.先行のOM先輩とHくんも「そこでOK」と声をかけてくれるので心強い.ヨコバイのすぐ先にハシゴがある.もちろんまだ安心はできないが,これで危険個所はほぼ終了.
この先,前剱の山頂はトラバース.前剱からの下りが最も事故が多いという.「剣山荘まで集中,集中」を合言葉に進む.ザレていて落石,転倒に注意が必要だが,他の山にもあるような程度で,どうしてここで?という感じ.タテバイ,ヨコバイを通過して集中力や体力がこの辺で切れてしまうのかもしれない.
やがて一服剱を経て剣山荘に戻る.やっとひと安心だ.良かった,生きている!!タテバイやヨコバイは足がすくんだり,手が震えたりするような高度感があり,自分が剱に登れる日が来るとは思ってもいなかったが,一度も高度感に負けることはなく,何だか拍子抜けだ.心配していた岩場の渋滞も一度もなく,土曜日万歳!!みんなで休みを合わせて良かった.土曜日入山,日曜日剱岳登頂だったら,このようにはいかなかっただろう.
食堂で中華丼1000円+おでん800円のリッチなランチを注文し,妻に無事をメールで連絡.休憩の後,昨日のルートを戻って室堂へ向かう.剣沢から剱御前は登りであるが,うしろから常に大きな剱が見送ってくれているようで,何度振り返っても飽きず,楽々と登りをこなせる.
剱御前から雷鳥平へ一旦下り,軽い足取りで駆け上がり室堂へ.
帰りの温泉は吉峰.テンションが上がっていて元気なので,来年は穂高がいいんじゃない?等と早くも来年の計画を立てる.写真をLINEアルバムで交換すると,大岩,タテバイ,ヨコバイ,ハシゴのすべての危険個所の写真をSKくんとHくんが撮ってくれていた,感謝,感謝.みんなありがとう!
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