やっぱり無理だった毛勝三山縦走
- GPS
- 23:50
- 距離
- 25.6km
- 登り
- 3,033m
- 下り
- 3,028m
コースタイム
- 山行
- 9:09
- 休憩
- 1:16
- 合計
- 10:25
- 山行
- 6:26
- 休憩
- 1:16
- 合計
- 7:42
天候 | 9/20日晴 21日小雨後曇時々晴 22日晴後曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
猛暑の夏が終わったと思ったら雨続き。週末毎に天気が悪く出かけられずに焦りが出てきた。前回の山行から3週空き4連休を迎える。何としてもどこかへ行きたい。しかし太平洋に秋雨前線が停滞し、東に行くほど天気が悪いとのこと。当初は東北に行きたいと思っていたがあっさり諦め、金峰山辺りを攻めようと計画した。ところが休みが近づくにつれ、どうも山梨も雨に降られそうと分かる。
どうしようと迷って出発当日の19日を迎えた。悩んだ末にずう〜っと心にトゲのように刺さっていた毛勝三山の縦走が思い浮かんだ。毛勝山は7年前に登っているが、それ以来富山には行っていない。兎に角遠い、行くだけで半日仕事だ。そんなことで後回しになっていた。そこで今回野暮用を済ませて出かけるのに丁度いいとなった。
毛勝三山縦走と言っても、釜谷山から毛勝山間は藪だ。歩ける自信はないが、1日目は赤谷山泊、2日目は猫又山泊で釜谷山あわよくば毛勝山ピストン、3日目は大猫山経由の藪尾根下山と計画した。
愛知を午後3時に出発し、馬場島に着いたのは午後10時。第一駐車場は満車なので第二駐車場に停め前泊する。遅いと思っていたのにその後もお客さんは続々と入ってきた。
1日目 馬場島〜赤谷山
今日の予定は赤谷山までなのでゆっくり目の出発。ゲートまで10分ほどだ。ゲート前には10台ぐらい駐車されていた。1時間位で堰堤に着いた。左側にピンテが見え、大猫山登山口と分かった。しかし何の標識もなく、草木がもさ〜としていた。レコ通りこの登山道は廃道寸前かとビビッて通り過ぎた。峠までは本沢の右岸を遡る。情報によれば岩屋を過ぎて30分くらい先の沢が最終水場とのこと。早く給水すれば重いので間違えられない。細い沢をイメージしていたが、増水したら渡渉に困るような沢であった。ここで3日分5ℓを給水した。一気に重くなったザックを担ぎよたよたと歩き始めた。いつもながら体も心も重くなる。
右に本沢の音を聞きながら岩っぽい道を登る。水音が聞こえなくなってくると傾斜が徐々にきつくなり、露岩帯に出ると峠は近い。
峠で水2ℓデポし出発。ここからは刈払いがされておらず、笹が被っている所もある。踏跡はしっかりありピンテもあるので、迷うところはないと思われる。最初尾根伝いの道だが、途中から東に回り込む。その後涸れ沢のような所を登り上げて尾根に出る。頂上までは、あと3分の1ほどだ。道は尾根伝いになるが2ヶ所の崩落個所に巻道がある。頂上近くの巻道はできて間もなく、道として落ち着いていないので注意を要する。頂上から剱岳の眺めは荒々しくて怖いくらいであった。
○赤谷山〜赤ハゲ
さっそく山頂下の大岩の草原にテントを張った。予定より少し早い午後1時だ。このままテントでまったりではもったいないではないか。引返し時間を午後3時として赤ハゲに向かうことにした。参考レコのCTは片道4時間弱どこまで行けるかな?
入口はテン場の大岩からである。溝状の窪みを下り草付に出る。草付を下り気味にトラバースし灌木帯を横切る。基本的にはこんな感じで踏跡が続いている。白萩山は山頂標識もないので通過してしまった。白萩山までは踏跡あるが以降は極めて薄く、確認できるのは所々である。更にピンテも忘れた頃に現れる。藪で格闘している時には「地獄に仏」状態だ。
山頂からは北に下る踏跡を辿るが、以降は勘と経験と本能?北東斜面をトラバースするのだがどう歩いたのか説明できない。もちろん往路を辿って帰れていない。窪地を下り笹薮に突入し、窪地に出るを繰り返したと思う。肝心なのは下り過ぎないこと。突入地点にピンテがある所もあるがあまり当てにしない。草付に出られれば鞍部は近い。鞍部は池塘もありいいテン場である。
鞍部からは更に困難になる。歩き易い所を本能のままに歩く。そうすると偶然踏跡と思しき所やピンテに出会える。一度尾根に出るが、その後は灌木の中となり木の上を渡って行くようになる。時々先行者の格闘の跡が残っている。こんな所は帰りに辿れる自信は全くない。山頂には左から回り込む感じで到着できた。山頂標識はなく、ハイ松の海にピンテが垂れ下がっていた。リミットも近づいているし、とても白ハゲまでは行けそうにない。帰りだって順調に帰れる保証はない。その上ガスが湧いてきた。即諦めて引き返すことにした。
しかし今来た道がもう分からない。確かこっちだったようなとおぼろげな記憶をたどりながら引き返し始めた。やはり灌木帯の下降で迷い、更なる体力の消耗を強いられた。更にガスで景色が見えなくなりどっちにどれだけ降りていいのか分からなくなった。うわ〜こんな所で迷ったら確実に遭難だ。そろそろ尾根道になるはずだ。もっと左に行ってみようと格闘しながら進むと踏跡に出られた。見晴らしのいい場所だったがガスって見えない。慎重に踏跡を探しながら下る。見覚えのある鞍部に出られて一安心した。しかし白萩山への登り返しも藪の中を彷徨って到着した感じだ。
白萩山からは踏跡が連続しているので、苦労も少なくテントに辿り着けた。白ハゲ山や池平山まで行きたいなどと考えていたことが、いかに無謀か思い知った。
2日目 赤谷山〜猫又山
未明から雨が降り、出発が遅れた。山頂近くの崩壊地の巻道で下り過ぎてしまい登山道復帰に一苦労した。後は順調に下った。ブナクラ峠には早朝発のパーティーが休憩中であった。さっそくデポした水を探したが、思った所になく焦った。縦走断念と思ったころになってようやく発見。よかった〜。
再び重くなったザックを担いで激急登を登り始める。猫又山への登山道は刈払いがされていて笹の鬱陶しさもない。すれ違った登山者から個人で刈払いしてくれていると教えてもらった。快適に歩けました。本当にありがとうございましたm(__)m道ははっきりしていて迷うところ、危険箇所なし。カールに出ると道がなくなったが、中央をドンドン登ればよい。見晴らしのいい快適な登りだ。雪解けの頃なら花もきれいだろうな。登りきると大猫山分岐となる。山頂へは右から回り込むように登って行く。山頂直下には快適なテン場があった。ここに張ろうかと思ったが風当たりが強そうなので10分位下がったところに張った。山頂はガスで見晴らしなし。残念。
○猫又山~釜谷山
ザックを置きアタックザックで出発。出発直後に迷ったが以降は順調。釜谷山への登り返しはカール上の窪地を登り上げる。突き当り手前約20m地点右側に笹の中を登る踏跡がある。判り辛く行き過ぎてしまったが、戻りながら探したら直ぐに見つかった。この頂上もガスって見晴らしなし。あわよくばと言うことで毛勝山への踏跡を辿ってみた。踏跡は藪を出て草付をトラバースしていくが笹薮に突き当たってしまった。ちょっとトライしてみたが直ぐに諦めた。研究もしていない、ガスってルートが見えない、時間的余裕もないなどの理由であっさり敗退を決めた。そうと決めれば一路戻るのみ。帰路山頂で雷鳥に出会った。帰宅後調べると立山では毛勝山が雷鳥の北限だそう。釜谷山で出会えるのも珍しいんだ。比較的容易と思われた帰路も猫又山近くで2回も迷ってしまった。藪の入口が分からなかった。
3日目 猫又山~大猫山登山口
本日は下るだけなのでゆっくりの7時出発とした。事前情報ではこの道は相当荒れて廃道寸前とのこと。CTは4時間だがどれだけかかるか心配だ。早めに帰路につきたいが、帰るだけなので時間的余裕はある。
分岐から直ぐ道が怪しくなる。だが踏跡はあるので、見失はなければいけそうだ。刈払いはされておらず、藪漕ぎもしばしばあった。基本的には尾根伝いなので尾根から離れるときは注意を要する。ピンテが要所にあるので確認しながら歩けば迷うことはなかった。大猫山近くで尾根が広くなった所は道がうねる。大猫山は山頂標識がなかったので通過してしまった。未だにどこが山頂だったか思い当たらない。2,070m辺りの草原はビューポイントだ。池塘と荒々しい劔の対比がいい。右に登る踏跡があったので行ってみると、お地蔵さまが劔方向を見て鎮座しておられた。2,050mの谷間来て、三角点を探してやろうと思い立ち藪を分け入ってみたが、方向間違えで体力を消耗し敢え無く敗退。この後大猫平へ急な下り坂となる。下っては右へトラバース、下っては左へトラバースがある。間違ったり強引に下ると猛烈な笹薮となりそうなので、踏跡を忠実に辿ることが楽である。大猫平も癒される空間である。ここからは登山口に向け急降下できつい下りが続く。途中で5人パーティーとすれ違ったが、「人間と出会った」と驚かれた。「熊の方がよかったのか」とか「熊が熊鈴鳴らして歩くか」と突っ込みを入れたくなった。こちらもマイナールートで人とすれ違うとは思ってもみなかったが。結局相当心配したルートであったが、刈払いのお陰もあって迷うことも、猛烈な藪漕ぎもなく下れた。
※追記 勝手にランキング!
今回のルートの難易度を容易な順に並べてみました。
1、馬場島〜ブナクラ峠
案内板があれば一般登山道
2、ブナクラ峠〜猫又山
笹の刈り払いがされている
3、大猫山〜堰堤
鎌で刈り払われている
4、ブナクラ峠〜赤谷山
刈り払われてないが道がしっかりしている
5、猫又山〜大猫山
藪漕ぎはあるが踏跡あり、ピンテあり
6、猫又山〜釜谷山
踏跡薄い所あり、ルーファイ容易
7、赤谷山〜白萩山
踏跡薄い、ピンテ少ない
8、白萩山〜赤ハゲ
踏跡所々、ピンテ時々、猛烈藪漕ぎあり
コメント
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はじめまして、私も猫又山~釜谷山を狙っているのですが、情報が少なく躊躇してました。
コース状況大変参考になりました。未熟者ですが頑張ってみます。
お返事遅くなってすみません。次の山行と準備のため遅くなりました。
猫又山からの追加です。
猫又山山頂から踏跡を辿ると右へ右へと稜線を外れて藪の中に入って行きます。そのまま進むと頂上直下のTS地が見えてぐるりと回ってしまうと思った。これは間違ったと思い引き返したが稜線に道はなく迷いました。
正解はTS地方向に進むと左に踏跡があり、灌木帯を下っていました。灌木帯をから草付に出ると、踏跡はトラバースしながら下って行きます。再度灌木帯に入り同様に草付に出てトラバースしていきます。あとは迷うところなしです。帰りは草付から灌木帯に入る所が分からず迷いました。往きによく確認すればよかったと反省しました。
思った以上に人が歩いているようです。ほぼ日帰り客と思われます。健闘と安全登山をお祈りいたします。
無事帰ってきました、ありがとうございました!
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