中ノ岳・大水上山周回〜紅葉と利根川水源めぐり・流星と宵暁の空
- GPS
- 12:48
- 距離
- 19.1km
- 登り
- 2,234m
- 下り
- 2,236m
コースタイム
- 山行
- 8:25
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 9:06
- 山行
- 3:34
- 休憩
- 0:07
- 合計
- 3:41
天候 | 18日晴れのち曇り 19日曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・気温 18日早朝の十字峡10℃ 大水上山6℃ 中ノ岳15時4℃ 22時-2℃ 2時-4℃ 4時-6℃ 避難小屋内は3℃〜-2℃ ・中ノ岳避難小屋では携帯電波はauのみ入る。 ・丹後山登山口は栃ノ木橋を渡ってさらに50m進んだ先。手前の作業道と間違えやすい。登山口から直登の急坂が続く。 ・丹後山避難小屋、中ノ岳避難小屋は10月18日から冬季雪囲いされている。使用する際はドアの渡し板を外して入り、出発後は元に戻しておくこと。天水タンクも内部に撤去されているので水はない要注意。 ・丹後山〜中ノ岳は、今年は刈払いされておらず、特に大水上山〜兎岳は、笹の藪漕ぎが1km近く続く。足元が泥濘で段差もあり、見えないので転倒注意。 ・中ノ岳〜十字峡、六合目から日向山を除いて急坂や泥濘と岩稜帯。鎖があるザレた急坂もある。水場はその途中の南側にあり無理に行かない方がよい。 |
その他周辺情報 | ・日帰り温泉ゆ〜パーク薬師でさっぱりと。650円。 ・八海生そば宮野屋で、温冷そばと山菜の煮物盛り合わせ(天ぷらは休止中) ・千年こうじやで、「八海山 しぼりたて原酒 越後で候 青越後」「食べる山の幸ドレッシング、ふきのとう入り」「玉垣製麺所の妻有そば」「酒粕味噌調味料」をお土産に。 |
写真
感想
秋雨前線が南下し消えつつある。気温と共に湿度も下がり、朝晩は冷えるが日中は爽やかな気候が清々しい。ちょうど晩秋へと移行する時期。23日は二十四節気の霜降だ。
霜降と言えば、和牛肉を思い出す。赤身肉に脂肪のサシが入って、うま味や柔らかさが絶品。しかしよく考えてみると、生物の筋肉としては不自然だ。松阪牛のように遺伝的なものがあるが、放牧や運動をすると筋肉質になってしまうので、牛舎に閉じ込めて飼育する。
そして牛と言えば草食で反芻し4個の胃を持つ。しかしこういった和牛は配合された穀物飼料を与えられる。炭水化物と脂肪が多い。またビールを飲ませたりする。この食生活どこかで見たこと聞いたことがある。食っちゃ寝の生活習慣病スタイルだ。
そう思って私の腹部を見る。腹周辺は脂身が多いバラ肉。腰回りは不味そうなサーロインだろう。牛肉サーロインステーキの40〜50%は脂質だ。太ももやふくらはぎは筋肉質で固そうだ。霜が降るよりも大雪という脂肪が堆積している腹回りを眺めて、実りの秋を感じた。
予定通り日月連休で中ノ岳周回へ。月曜の正午前から曇りがちになるので、また日向山経由で行くと午前中に避難小屋に着いてしまうので、丹後山方向から反時計回りで行くことにした。晴れの利根川水源稜線を歩きたいのだ。
前橋を4時に出発。湯沢から南魚沼で濃霧が予想されるので、遅く自宅を出た。5時30分には十字峡登山センターに到着。ほぼ満車で建物東側へ停めた。
今回は小屋泊なのでテントはないのだが、相変わらずムダに重い21kg。アラフィフの私は、人生の夢と希望を捨て去り、ガラクタとエゴを詰め込んだ75ℓザックを今日も背負う。
ゲート脇を抜け、三国川の清流を聞きながら歩いていく。気温10℃だが、渓流でひんやりとしている。川沿いは沢や小さな滝が流れ落ちていた。紅葉はまだ始まっていない。11月だろう。
30分ほど川沿いを歩くと栃ノ木橋を渡る。すぐ脇にピンクリボンが下がり、道がある。これは作業道なので入らない。そのまま50m先へ行くと丹後山登山口がある。
初っ端から直登の急坂。それが延々と続く。分かってはいるのだが、さすがに汗が噴き出る。紅葉はまだだが、美しいブナ林に囲まれ歩くと心が浄化される。クマの気配は全くない。
二合目からは、紅葉最盛期の中ノ岳や小天上が見られた。南側は本谷山や下津川山など上越県境山稜が見える。秋らしく抜けるような青空と相まって美しい。松の群生を過ぎ、タルミのジャコ平を過ぎると再び急坂。
シシ岩からの全方位の眺望は素晴らしく、日向山から中ノ岳の紅葉彩る稜線や、上越県境山稜が一望できる。主稜線へ到達すると進行方向が北へと変わる。丹後山避難小屋では冬支度で、看板やポリタンクを撤去していた。山岳遭難救助隊の方から、大水上山から中ノ岳は刈払いしていないから注意してと言われた。
丹後山山頂に着くが、道標なども撤去されていた。ややアップダウンのある開放的な稜線を歩んでいくと利根川水源碑。坂東太郎の最初の一滴が滴る場所。さらに進むと大水上山。群馬県最北端の山。ここで昼食。田舎巻きと和ラーカップ麺。昼食はチープで手軽く。
大水上山の北側は急坂で足場が悪い。しかも言われた通り刈払いされておらず、笹と泥濘で滑る。アップダウンを繰り返し兎岳へ到着。そこから先はまさしく笹の藪漕ぎ。
池塘がある辺りで一息つけるが、笹で足元が見えず段差のある泥濘が続く。2回転倒した。泥臭く泥をすすって生きてきた愚か者。泥で汚れることなど大したことではない。元から小汚い野郎なのだ。
滑りやすい笹と岩稜帯を越え、鞍部から急坂を登り返す。右手に見える荒沢岳や稜線周辺の紅葉が素晴らしい。九合目に到着、日向山からの登山道分岐。岩稜帯を歩き山頂へ。ガスガスで何も見えないが記念撮影。
15時前に中ノ岳避難小屋到着。二名の先行者。越後三山荒沢岳縦走と私と反対周りの方。早々と夕食を食べる二人だが、私は1時間ほど仮眠。17時に起きて夕焼け撮影。予想通りガスが過ぎ去り、美しい黄昏と夕焼け。気温3℃で肌寒いが、暗くなるまで眺めていた。
小屋に戻り、もつ煮うどんの夕食をとって1時間仮眠。21時30分に起きだして屋外へ。気温-2℃、満天の星空が出迎えてくれた。ただガスや街灯りがあり、天の川はうすぼんやり。行先の天候や景観の撮影は、置かれた環境なので仕方ない。
ただ市街地の夜景と山岳がマッチしていて、これはこれで趣があっていい景色。適正設定でしっかりと撮ればきれいなのだろうけど、相変わらずの感覚設定なので、まちまちの撮影画像に。いろいろと方向や位置を変えたりしていたので、山頂を二往復していた。
山頂は全方位の天空が見渡せるので、しばらく星空を眺めていると、頻繁に流れ星を見ることができた。オリオン座流星群。まさしく本物のプラネタリウム。星空と流星を眺めながらyamaonseさんにコメントを返信した。23時30分に小屋に戻って1時間仮眠。
2時に再び起きて屋外へ。気温-4℃、さらに寒くなった。ガスの状態は変わらず、30分ほど星空を眺めただけで小屋へ戻る。戻るが目が冴えてしまい寝付けず1時間ほどゴロゴロしていた。
4時40分になったので再び屋外へ。気温-6℃切れるように寒い。ほかの三人の宿泊者も出発していった。夜明けが5時10分、日の出が5時47分を逆算。山頂へ一度行くがまだ早く薄暗い、戻るとやっと地平線が赤くなってきた。朝焼ける越後駒ケ岳を撮影する。奥只見や銀山平に雲海が現れていた。
再び山頂へ行き朝焼けから日の出を待つ。雲海を湛えつつ燃えるような朝焼け。月曜の男たちに画像を送る。良い週初めを送れるようにと。
空を燃やすような朝焼けから、大地に息吹を吹き込む日の出。美しくも神々しい景色を独りで眺めていた。小屋に戻って朝食。カルボナーラのマカロニパスタにミートボールをかけて食う。身体が温まる。
来た時よりも美しく、室内とトイレを清掃し募金箱に千円投入。また来年もよろしく。6時50分に出発。すでに上空は雲が垂れ込めていた。美しい紅葉の稜線を眺めて九合目分岐を日向山方面へ。
急下りの先には、美しい紅葉が広がっていた。特に小天上から日向山付近が最盛期。色彩豊かな木々に囲まれて歩く。生姜畑に下るころには中ノ岳もガスに覆われてしまった。
日向山からも激下りが続くが、ここから紅葉ブナ林の変化が楽しめる。こげ茶色の落葉間近の紅葉から始まり、標高を下げていくと黄金色から黄色と変化していく。黄金色のブナの隧道を歩む。心が洗われる思い。やはり新潟のブナ林は、根曲がりがあるので、低く密集している。
スラブに紅葉が映える景観の千本松原を過ぎ、直坂や岩稜帯などの鎖場から、さらに急となる坂を下る。それが登山口手前の階段まで続く。一合目から登山口までが長く感じるのは、急坂と変わらない景観に飽きてきたからだろう。10時半には無事に登山口に到着。
車に戻り、北上して日帰り温泉ゆ〜パーク薬師へ。わざわざ遠くへ行ったのは、権現堂山の紅葉状況を目の前で見たかったから。温泉に浸かりながら権現堂山を見る。まだ早そうだった。
へぎそばを食べようとそば処薬師へ行ったら20人待ち。平日だが12時半という時間帯が悪かった。南下して八海山尊神社参道前の宮野屋へ。13時過ぎだったので空いていた。ゆったりとそばを食して、長森の千年こうじやへ。shilokoさんへのお土産を贖い帰路へ。
渋川ICで下りて帰宅。
片付けも一段落して、自宅前の陸橋に上がる。夜空を見上げるが、市街地なので星の瞬きは少ない。道路を走る車のヘッドライトが線を描く。中ノ岳山頂で見た満天の星空と流れ星を思い出していた。
コメント
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growmonoさん
こんばんは
良い時に周られました!
紅葉が美しいです。
熊が良く出るエリアなのでたいへんでしたね。
色々ありましたが浅間の写真があそこまで見えるということは
大きな望遠レンズを持ち上げたようですね。
お疲れさまでした。
こんばんは、iiyuさん。
2日間のレコをアップし一段落して、iiyuさんの谷川照葉峡レコ見てコメントを送信したら、私の方にコメントを頂いておりました。
前週の山友さんのレコを拝見しておりましたので、最盛期箇所が分かっておりました。天候予想も鑑みコース取りを反時計回りにしました。クマの気配はしませんでした。二ホンジカの鳴き声が頻繁にありましたね。
前日の低温と降雨で冠雪しているといろいろと情報がありました。豪雪地とは言え、平野部に近く標高が低いですからね。寒冷対策だけ考えておりました。
冠雪した浅間山は良く見えてましたね。あぁやはりと思っておりました。カラマツと雪が美しい景観を醸し出しますよね。yamayuriさん好みかな。
行きましたね!
私は、三角雪渓が残る頃アイゼンを付けたり外したり回った事を思い出します。
また行きたいので、やはり紅葉シーズンがベストでしょう。
重たい荷物は無理なので私は日帰りかな?
こんばんは、tomoさん。
宣言通り行ってきましたよ。いつもの美人が居ないですが、美しい景色と夜空を堪能してきました。私もこの時期なら水も少なく軽量化できるので、日帰り楽勝コースなんですが、快晴となる朝晩の天気に小屋泊を決めました。冬への慣らしも兼ねてます。
growmonoさん 今晩は、
あえて中の岳避難小屋泊りにして夕・夜・朝と写真撮影に没頭した写真綺麗ですよ、見てみたいですね実際に、(でも行ったときは、夢の中でした)
天水タンクは冬期は小屋内に移動されるんでしたか知りませんでした。
余裕の周回コースでしたね・・・当時若かった俺らは必死こいて登ったのにね。
こんばんは、yasioさん。
軽量化すれば楽勝コースですが、新月と夜間の天候で小屋泊を決めました。日帰りなら車中泊して翌日未丈ヶ岳へ行くつもりでした。ただ月曜の正午前から中層雲に覆われるので、いずれにせよ予定通り中ノ岳へ行きました。
深夜の全方位見渡せる山頂は、まさしく本物のプラネタリウムですよ。夜景も美しかったですね。流れ星が頻繁にあり、美しかったです。
yasioさんが若かりし頃と違い、現代は登山道整備や用具が進化してます。ただ気温や湿度は上昇してますので、比較するには何とも言えません。いずれにせよ、いつの時代でも紅葉の素晴らしい景色は不変だと思います。
growmonoさん、おはようございます。
10/18に自分は反対の入道岳、五竜岳から中ノ岳、兎岳、大水上山、丹後山方面を見ていました。やはり、中ノ岳方面もいい感じでしたね!
growさんが大水上山から兎岳方面に進んでいくレコを見た際、4月にソロで中ノ岳周回BCにチャレンジしたときのことを思い返しました。兎岳を中ノ岳に向けて滑り出し、「もう後戻りできない。」と覚悟を決めました。
2日間の素晴らしい周回山行ができて本当に良かったですね‼
どうもお疲れ様でした。
hareharawaiより
おはようございます、hareharawaiさん。
八海山にいらっしゃったんですね。18日早朝は快晴でしたから、シシ岩からよく見えておりました。紅葉シーズンでもあり、混雑していたと思います。
今回は、紅葉の利根川水源を訪ねるのと、夕暮れ朝焼け星空撮影が目的でした。日帰りですと紅葉のみで終わってしまいますからね。しかも急ぎ足となります。CTの設定が緩いので、速くはないですよ。21kg背負ってましたし、中腹の紅葉の素晴らしさに失速しました。
豪雪地の岩稜やスラブにある紅葉は絵になりますね。ブナも加わると新潟らしい風景と思えます。
紅葉も星空もきれいですが、何故か鍋が気になります
比較対象物がないので鍋の大きさが判らないですが、もつ煮うどんは軽く5人前はありそうな気がします
これを1人で平らげてしまうのですか
熊だってバカじゃないから、こんな所にノコノコ出てきませんよネ
鍋に入れられちゃうかも知れないし...
私、1人が多いし、人がいない場所が多いので、常に熊用のスプレーを身につけています。
突然growmonoさんと鉢合わせすると、催涙ガスのトリガーを引いてしまうかも知れないので、ご注意下さい
お疲れ様でした。
こんばんは、hottenさん。
コロナで色々と大変だと思いますが、人類は難局を克服してきました。必ずや平穏な日常に戻れるでしょう。ポジティブ思考の方が長寿になる確率が高いそうです。
鍋ですが、これで三代目です。カインズホームで売っている「おひとり様アルミ鍋シリーズ」です。湯豆腐や煮込みうどんを対象に作ったようです。約1ℓ容量です。モツ煮は480g、うどんは320gですので双方ともに二人前です。うどんは少しずつ分けながらガッツリ食いました。
私も護身用にカプサイシンスプレーや、クマ鈴も浅野木工所の物を持っています。今まで千回以上山へ行ってますが、クマに出くわしたことはありません。遠くから見たことはあるくらいです。クマとの遭遇確率が標準よりかなり低いので、あちらが避けているとしか思えません。ですが、カモシカは良く会うんですよね。
赤城山の南面で藪漕ぎしていたら、本当に二ホンジカの駆除ハンターにクマと間違えられました。ザックを背負っていたのが一瞬の判断材料でした。
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