過去最高の難ルートでした!浄土平から西吾妻山へ往復
- GPS
- 31:24
- 距離
- 42.0km
- 登り
- 2,143m
- 下り
- 2,123m
コースタイム
4:00 起床
4:22 登山開始
5:32 一切経山
6:32 家形山
8:19 烏帽子山
9:16 昭元山
9:56 谷地平への分岐
10:32 明月荘〜10:44
12:10 人形石
12:58 梵天岩
13:29 西吾妻山
14:37 人形石
16:19 明月荘
6/23(日)
3:32 起床
4:19 登山開始
4:35 明星湖
5:30 谷地平への分岐
7:24 谷地平
8:58 姥ヶ原〜休憩〜9:15
9:52 東吾妻山〜9:57
11:10 浄土平
11:46 吾妻小富士周回後、浄土平着
天候 | 6/22(土) 晴れ→ガス→小雨→本降り→曇り 6/23(日) 概ね晴れ、時々曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2013年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ご存知只今スカイライン〜パーキングは無料開放中です。 駐車場は広く、24時間使用可の綺麗なトイレもあります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
このコースは大きく分けて5つのブロックで考えます。 1、浄土平から五色沼 2、五色沼から東大巓 3、東大巓から西吾妻山 4、東大巓分岐から谷地平 5、谷地平から浄土平 1、3、5は特に危険なところはありません。 湿った木道が滑りやすいくらいでしょうか。 2と4については詳細に本文で解説します。 |
写真
感想
安達太良山は、東北道をよく利用していたため、登山を始める前からよく知っていた山です。
近くの筑波山を何度も登ったあと、とても早い段階で登ったものです。百名山に限れば3座目。
その時に購入した山と高原地図「磐梯・吾妻」。
あれ!?磐梯山は知っているけど、吾妻ってなんだ!?安達太良より名前が前にきてる。
初めてそこで知る吾妻連峰。
確かにその通り、安達太良山と比べると比較にならないほど大きな山塊です。
思えばその時に「東端の浄土平から、西端の西吾妻山まで歩いてみたいな」と今回のルートを描いていました。
しかし自分にはそこまでの体力もなければ、経験も道具もありません。
だったら体力をつけ、道具を揃え、経験を積めばいいわけで♪
避難小屋泊に必要な道具を背負って歩けるだけの体力と経験を手にした今、2年後。
ようやく挑戦の時がきたのです。
浄土平に夜中に到着。トイレだけ済ませさっさと就寝。明日は早いよ〜!
4時に目覚ましをかけ、22分にスタート。
木道を歩き、登山道を歩き、あっという間の避難小屋から一切経山。
特筆すべきことはありません。
山頂はガスっていて、楽しみにしていた魔女の瞳が見れなかった事は残念です。
下り始めるとまたガスが消え、静寂の五色沼とのご対面。
西側をぐるりと回って少々登りあげ。
こ こ か ら が 核 心 部 分 に な り ま す !
家形山→兵子→ニセ烏帽子山→烏帽子山→昭元山→東大巓分岐と突き進む縦走路なのですが、
ハッキリ言って「再訪したくありません!!(声最大)」
一言で言うと「スーパー藪こぎ」。
こんな一言で終わらせるつもりは更々ないのでwド詳しく書きますが…
これが藪こぎだというのなら、今まで経験してきた藪こぎは雑草のザの字にも満たない。
今まで経験してきた藪こぎが藪こぎならば、これは「廃道」と呼ばせてもらいたい。
時おり「確実に登山道を進んでいる」ことが分かるポイントは、
・たまにあるピンクテープ。
・「一切経山-西吾妻縦走路(的なこと)」と書かれた黄色い看板。
・明らかに登山道とわかる細切れの登山道。
それら以外は大部分が背丈を越える笹薮になっています。
雪の重みででしょうか?西側から東側へ倒れた笹へ踏み分けて入ろうとする者を完全に拒む方向へ力が加わります。
足元は土ではなく笹。進もうとする方向から笹に押し戻され、
踏ん張ろうとするも足元の笹がそれを許しません。押し戻されっぱなし。
やっと強引に入ったものの、本当にそこが正しいルートなのか常に不安がつきまといます。
せっかく踏み分けた薮も、なんど引き返したことやら…
厄介なのが露です。
まさかこんなにも薮とは思っていなかったので、防水装備をまだしていません。
「ここを越えたらマシになるかも?終わりかも?」という考えが、レインウェアを着るに至れません。
そして、ザックを置こうにも地面は常に湿地なため置けません。
やっとの事で雪エリアでザックを置いて完全装備をした頃には時すでに遅し、全身びしょ濡れです。
不快感いっぱいのまま雪原を歩きますが、トレースも皆無。
何度も何度も「確実にここは登山道である」とわかる地点に引き返し、地味なコンパスワークにて着実に進みました。
進むにしても、また笹。これが本当に厄介者で全体重を振り絞った渾身の一歩ですら跳ね返されるような状況。
「チクショーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
とか
「クォラーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
とか生命をふり絞っての進撃にて、やっとやっと長い藪漕ぎから脱出出来たのはなんと4時間後。
コースタイムを大きく上回るロスタイムでした。
後で写真を見ても、完全に山頂碑しか撮影していないのが余裕のなさを如実に表しています。
大きなロスタイムを抱えたまま、本当にきちんと予定の行動がとれるかどうか、
頭の中を行ったり来たりしながら歩きます。
本日宿泊予定の「明月荘」への分岐点。
ここから往復1時間。大きな荷物をデポしてこの先に進む予定なのですが、
このまま立ち寄らずに進んでしまうか!?
相当迷ったのですが、最終的に帰ってくる道を、暗くなる前に一度歩いておきたかったことと、やはり16kgの大荷物は無い方が早く歩けるだろうとのことで、立ち寄り。
往復1時間予定が片道15分ほどで到着出来たので感激、少々休憩。体が生き返りました。
サブザックのみで快適に歩ける木道。
前半のロスを取り戻すべく小雨の中を早足で進みます。
迷い道もなく、人形石に到着した頃にはロープウェイで登ってきている人達が多く見られました。
ここについた頃からいよいよ雨も本降り。
大凹から梵天岩へ進む間、かなりの急登+雪の箇所があり、下山者が何人も滑っている様子。
天狗岩は広い石原。
赤いスプレーをたどると「吾妻小屋」方面に行けますが、左に大きく反れて行くと「山頂」へ直接向かえるルートがあります。
ここが少しわかりにくいポイントでした。
山頂についた頃は運良く雨はあがり、三脚を立てて写真を撮ることが出来ました。
余韻を味わう時間もなければ、樹林帯のため展望もないのでさっさと折り返し。
天狗岩に戻った頃から中大巓までの間、仙台から来られた大ベテランの方と楽しくお話をしながら下山。
前半の孤独が嘘のよう!
人形石まで来たら後は木道をひた歩くのみ。
なんとかロスも取り戻し、十分に明るいうちに明月荘に戻ってくることが出来ました〜〜♪
せっかくなので水場も様子を見ようと出発。
間もなくというところで深い雪に閉ざされています。
先行者の二人組に水場の様子を聞く限りでは
「よく見れば分かる」「量は十分」だそうです。
そして南相馬からのそのお二人は、明日、自分が今日歩いてきた藪コースへ行くとのこと。
・人生最難関の藪になるであろうこと。
・道をロストしやすいので「ん?」と思ったら即再考すること。
・全体重のせてもしんどい時もあること。
・「チクショーー!」とか言いながら突破してきたこと。
・自分は絶対にもう一度は通りたくないこと。
・出来ることなら谷地平に抜けた方がいいのではないかということ。
・しかし谷地平方面への道がマシかどうかは自分はわからないということ。
・そして行くのならば本当に覚悟して行って下さい!
と伝えられることを出来るだけ詳細に伝授し、それぞれ就寝しました。
朝。
まだ夜と言ったほうがふさわしい暗さの3時半。
目覚ましもかけずに起き出し、さっさと朝食を済ませ出発。
余裕がある時間に出発が出来たら訪れようと考えていた弥兵衛平湿原。
自分の足音だけが響く静かな湿原を独り占め。もっとも贅沢な時間だったかな?
どこまでも続きそうな木道を、明星湖にて踵を返します。
晴れです!
今日は気持ち良い歩きが出来そうです!
谷地平方面への分岐の先はどうなっているのだろう…
不安を隠せないまま平和な木道を分岐地点まで進みました。
右折した、見えなくなるまでは木道が続いています。
「こ れ が ず っ と 続 い て い て く れ !」
時間にしておよそ一桁分後、残念な藪道が出現してしまいました。
今回は進む前に完全装備!
躊躇せず露地獄へつっこみます!
昨日の藪に比べたら随分マシでしょうか。かき分ければかき分けられ、
なにより足元の笹がないので踏ん張りが効きます!
が、見えないところで水たまりの段差があったり、ツルッツルの岩があったり、
まるで安心できない足元。
足元に集中していると、今度は顔の高さに枝があり不意打ちを喰らうハメに。
そして耳では、すぐそばを流れる沢のザーザー音を拾うため、不安感は一層強くなっていきます。
その沢に、登山道が合流し、しばらく沢を歩いてはまた道に戻っての繰り返し。
これ、ひとつ間違えて沢を歩き続けてしまったら大変なことになりそうです。
しかしこちらの道はしんどい道は長くは続きませんでした!
大体1時間もしたら、沢は渡りまくるものの一般的な登山道と呼べるレベルに戻ります。
谷地平に着くと本当に安心感に包まれました。
広い広い湿原からそれらを取り囲む山々を見渡せます。
「ここに立ってこの風景を見たのは、ほんのひと握りの人しかいないだろうな。」
そう思わざるを得ない素晴らしい場所。そしてヒトケのなさ。
分岐を避難小屋方向へ左折し、いよいよ本格的な登山道です。
ここも急斜面だし、地面はぬかるんでいるし、嫌な道ではあります。
が!昨日の藪、さっきの藪に比べたら天国ルート♪なんとか踏ん張れます!
姥ヶ原まで到着すると、ここにはすでに大勢の観光客がひしめきあっています。
もうだめだ!とベンチに座り込み、パンとコーヒーで休憩。
最後の東吾妻山はもういいかな、と半ば諦め気味だった疲れも吹き飛びました♪
東吾妻山への分岐点のベンチにザックをデポし準備していたところ、
どうやら地元の方と思われるベテランさんに声をかけられました。
荷物の多さを見て、どこをどう歩いてきたのか聞かれ、詳しく説明したら、
「よく谷地平の上の沢を一人で歩いてきたね〜!?あそこは毎年何人も遭難で亡くなっているんだよ!」
ゾーーー!っとしましたが、結果、ここに無事たどり着いているので良しとします。
一気に駆け上がりました。
東はまったく危険なところもなく、初心者でも楽しめるであろう山でした。
鎌沼を半周しながら浄土平駐車場へ最後の歩き。
見えてきました。
あと100m。
久しぶりに目に熱いものを感じながらのフィニッシュ!
車にザックを下ろし、おまけ程度の吾妻小富士を一周。
ようやく沢でびしょ濡れになった靴と靴下を脱ぎ終了ー!
そこに現れたのが昨日の二人組!!
お互いに「おつかれーーー!どうだったーー!?」と感激の再会でした♪
お二人が言うには「まったく教えてもらった通りだった!全然大袈裟ではない!」。
だけど、教えてもらっていたおかげで覚悟を決めて歩けたから突破出来たとの事。
雨の中、一人でよく往復してきたね〜と驚いていましたが、
それは2年間温め続けてきた特別なルートだからだよ!
生半可な覚悟で歩かないことを強くお薦めします!
初めまして
このコース私も去年6月に歩いたので、思わずコメントさせていただきした
いや〜、このコースこの時期にホントがんばって行かれたんですね、それも山コースと谷コース両方とも
あの笹コギは最強ですよね、時折出てくる雪原から笹への分け入り口も見つけづらく、私も右往左往で時間だけかかって、残雪の深い落とし穴にも落ちそうになるし。おまけに途中から雨も降ってかすかな踏み跡も消えてしまい、私も何度撤退を考えたかわかりません。
私は西吾妻に届かず人形石で白布温泉へ下りましたが、
ただただ、翌日の蔵王で待ち合わせしてたので、がんばって抜けました。
後日かみしめると、東北の山の奥深さに触れられたんだな、と私は思うようになり、今はリベンジの気持ちが強くなっています。
とにかく、大変な時期の大変なコース、お疲れさまでした
はじめまして、コメントありがとうございます♪
なんか、いろいろと共感していただけるのがとても嬉しいです!
書いてあることがいちいちわかる!
雪から笹の〜なんて、うまく表現できなかったのに。
ありがとうございます(*^_^*)
もがき中は「絶対に二度と行かない!」って思っていたのですが、だんだんと時間が経つにつれ、もう一度挑戦したい気持ちになってきているのが不思議です。
喉元すぎればなんとやらってやつですかね?
山コース谷コースと、全く異なるジャンルの嫌さ(笑)で心が折れるところでしたが、無事生還出来たので良い思い出です♪
大変なコースお疲れ様でした!あの時、お会いした者です。それほどベテランでは無いですが…谷地平まで行かれたとは驚きです!その時お話ししましたが、実は私も、昨年の秋、近いところで遭難しかかりました。霧の平から五色温泉に行くコースで大藪!笹との格闘の連続。今まで北アルプスをはじめ色々山登りしましたが、コンパスを真剣に使ったのは初めてです!そして大袈裟でなく私にとっても人生最大の難コース でした。とにかく人がいないので荒れ放題と言った感じです。私もあの時白布温泉から登ったのですが、人っ子一人いなかったです。本当にお話し出来て有り難く思いました。私も懲り懲りでしたが、また来たくなるのかも?本当にお疲れ様でした!
わぁ!ヤマレコはこれがあるから嬉しいですよね(*^_^*)
お互い無事に帰宅できて何よりです♪
お恥ずかしい話、僕は必死でコンパスを使ったことが何度もありまして(^^;
でも、そのように生きるための本能で覚えていく使い方の方が、本を読んで頭に叩き込む覚え方より遥かに身について好きだったりもします。
もちろん使い方の勉強を怠らないことも大切なんですけどね。
人生最難関の共感を得られると、本当にすごい道だったんだな〜と今更ながら実感できます。
当日も言いましたが、短い区間ですがご一緒していただけて、本当に本当に心が救われました!
またどこかでお会い出来る事を楽しみにしてますね(^O^)
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