南アルプス 赤抜沢(+鳳凰三山縦走)


- GPS
- 24:30
- 距離
- 12.1km
- 登り
- 1,653m
- 下り
- 2,073m
コースタイム
11:25赤抜沢橋(入渓準備)11:40-14:10第1ゴルジュ先14:20-16:05二俣-16:15二俣先16:25-16:40幕営地
7月14日(日)
幕営地5:00-7:15登山道7:40-8:05赤抜沢の頭-8:15地蔵岳-8:30赤抜沢ノ頭8:40-9:20観音ヶ岳9:35-9:50薬師ヶ岳9:55-10:40標高2100m付近10:50-11:55青木鉱泉
天候 | 7月13日 曇り時々雨 7月14日 曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
甲府駅〜広河原: http://yamanashikotsu.co.jp/noriai/2013hirogawara.htm 青木鉱泉〜韮崎駅: http://www.y-c-k.com/tozan.html |
コース状況/ 危険箇所等 |
赤抜沢:遡行図(東京起点沢登りルート120)によると、右俣に入ってからが核心になるそうだが、一方左俣はもっと簡単かもしれないみたいな事が書かれている。数少ないweb上の記録はどれも左俣を詰めているようなので、単独という事もあり左俣を遡行することにした。 左俣を遡行した場合、核心は第1ゴルジュになるがそれほど難しくない。第1ゴルジュから先は滝が次から次に現れるが、難しいものは大概巻くことができる。記録が少ないにも関わらず、巻き道は思いのほかはっきりしていることが多かった。渓相は変化があり、総じて良い。 加えて、アプローチはバス停から0分(!)と非常に良く、詰めも決して悪くないので、なぜここまで記録が少ないのかが正直不思議である。とにかくお勧めできる一本であることは間違いない。地形図からは想像しがたいが、幕営適地もそれなりにある。 なお、今回は昼頃入渓したので1泊2日の行程になったが、ちゃんと朝入渓すれば一日で抜けられます。 鳳凰三山:3連休だけあって人が多かった。。。 |
写真
感想
遡行図では上級と紹介されているものの、それは核心の右俣以降を通過する場合であり、また数少ないネット記録のほとんどが左俣を遡行しているようなので、今回は左俣を遡行してみることにした。しかし、この沢に関する情報はかなり少ない。果たして何が待ち構えているのか・・・。
7/13(土)
甲府へと向かう中央線で、横に座っていたトレランが趣味だという男性といろいろ話す。なんでも、今日は富士北麓公園にて、10名程度のチームを組みリレー形式で24時間走り続けて総走行距離を競う大会に出場するとの事。世の中にはいろいろなイベントがあるものだなぁと感心。
さて、甲府に着くと広河原へ向かうバスの乗り場には登山者の長蛇の列ができている。多くの人には常識なんだろうけれど、普段南アルプスに来ることはほとんどないので、こんな状態になっているとは知らなかった。臨時バスが何本も出ているようだが、それでも約40分待って6本目くらいの臨時バスにようやく乗り込めるという状態だった。
運転手にはあらかじめ赤抜沢橋で降りる旨を伝えるが、伝わるのに時間がかかった。まぁ、そんな所で降りる人なんて、普通はいるはずないのだから仕方ないか・・。
さて、そんなこんなで11時半ごろようやく入渓点に到着。
左岸の踏み跡をたどり、ガレガレの沢に降り立つ。
しばらくはゴーロ帯。標高1660mあたりの沢が大きく右に屈曲する地点から、大岩とも小滝とも言えるようなのが出てくるとともに、同時に右岸が巨大な岸壁と化していく。そして、1800m付近で沢が左に再び大きく屈曲する地点で、最初の滝らしい滝が登場。これは右の乾いた壁の端っこを容易に登るが、その先に何やら凄そうなのが見えてきた。
そう、これが第1ゴルジュ。側壁の規模が大きく、丹沢や奥多摩のミニゴルジュに慣れてしまった自分にとっては威圧感満点だ。ただ、登攀自体は決して難しくなく、ステップ状になった右壁をスリップに気を付けて登っていけば落ち口直下に到達する(フリクションがあまり効かないので注意)。
ここから滝の落ち口に出るには、1.5mほどの壁を登れば良い。この僅かな距離は技術的には易しいのだが、万が一スリップすると間違いなく人生を終えることができるので、慎重を期してハーケンを打ちセルフビレイを取って突破した(さらに、打ったハーケンを回収するため、滝上でもハーケンを打って下降したりしたため、大分時間を費やしてしまった・・・)。
ここからしばらくは連瀑帯。ときおり微妙な動きが必要になる部分もあるが、基本的には難しくない。ピンクや黄色の高山植物がところどころ咲いており、心を和ませてくれる(名前が分からないのが残念!)。また、沢は開放的で気持ちが良い。
標高1930mあたりの、左岸からガレが流入している地点から、沢幅の狭い第2ゴルジュ開始。最初の10mほどの滝、遡行図には「左壁をブッシュ交じりの狭いスタンスをひろって、微妙なバランスで登る」と書かれているが、どー見ても右の方が良さそうなので、ガレを少々登り、適当なところで沢の方向へトラバースをかける。すると、予想外に踏み跡チックになっており、容易に沢床へ戻ることができた。
第2ゴルジュ内にはいくつか滝があるが、どれも左岸通しで容易に通過できる。ゴルジュ内にも関わらず、右岸に3人くらいは入れそうな幕営適地があった。
第2ゴルジュから二俣にかけて段々と斜度が緩み、第1ゴルジュ付近とは対照的な落ち着いた雰囲気となっていく。周囲を囲むカラマツの樹林帯と時折現れる白い花崗岩、そして透明度の高い水は、まさに南アルプスの山中にいることを実感させてくれる。滝も適度に現れるが、基本的にどれも巻くことが出来る。
二俣に到達するころ雨が本格的に降り出した。今日の行動はここらへんまでにしておこう。とりあえず、この次良さそうな幕営適地が出てきたら、そこで行動を終了することにする。
二俣を少し進んだところの滝を左から巻き、沢床に降りる時に懸垂下降。懸垂下降した先にはスノーブリッジ…ならぬストーンブリッジ(写真参照)があった(ちなみに、スノーブリッジは山行を通して見られなかった)。このストーンブリッジをくぐった直後に右岸にちょうど良さそうな幕営適地があったので、今日はここに留まることに決定!早速ツェルトを張ることにする。
本日の夕食メニューは、きんぴらごぼう・ハンバーグ(両方ともレトルトですが…)・ご飯・ラム酒入りの紅茶である。
が、久しぶりに米を炊いたところ、思いっきり芯飯となってしまったorz
昨日徹夜ということもあり、食後はシュラフに入りすぐに眠りに落ちてしまった(寝る頃には既に雨は止んでいた)。
7/14(日)
今朝は5時出発。青い空を期待したが、残念ながら頭上は雲に覆われていた。
初っ端の滝は、幅広スダレ状7m。これは右から簡単に巻けた。
次の滝は、10mほどのトイ状滝。あんまり巻いてばかりでもアレなので、ここは気合を入れて右壁を直登する。が、上部がかなり脆く、落石を起こしながらヒヤヒヤしつつ通過した(多分左巻き可能)。
次の10mくらいの滝は左巻き。踏み跡がかなり明瞭であった(そんなに人が入ってるとは思えないのに・・・)。これを過ぎると、一瞬だが草原の中をナメが流れる癒し系の様相を呈する。
このあたりから徐々に源頭に近い雰囲気になり、標高2300m地点奥の二俣(仮称)で右俣が滝を懸けて出合うと、すぐに水が涸れる。このあと50mほどルンゼの中のガレを登り、樹林帯へ。樹林帯の中は斜度はあるものの基本的に草原となっており歩きやすい。
沢形が不明瞭になるあたりで、左の尾根に乗る。これを登っていくと、ハイマツが出現。しかし、うまいルートを選べば、ハイマツを避けて登っていくことが可能。稜線直下のみ20mほどハイマツの密藪を漕ぐと、快適な縦走路にとびだした(詰め上げた地点は高嶺の東50mほどにある小ピーク)。
まだ時間も早いし、せっかくなので鳳凰三山は縦走していくことにする。赤抜沢ノ頭までそれほど人はいなかったが、そこから先は観光地状態。とりあえず、赤抜沢ノ頭にザックをデポし、地蔵ピストン(オベリスクは登ってません)。
続いて、40分ほど歩くと観音へ到着。メインピークなので、会社の集まりで鳳凰三山に登りにきていた方に写真を撮ってもらう。北岳や富士山、八ヶ岳が臨まれるが、惜しくも北岳ピークはガスに隠れた状態だった。
さらに15分ほどで薬師に到着。あとは、青木鉱泉までただ下るだけだ。
ところで、青木鉱泉のバスの時間を確認したところ、12:15発の次が15:00発になっている。もし12:15に乗れなかったらかなりの時間バスを待たなければならない。しかし、12:15に乗るには2時間ほどで標高1600mを下らなければならない。
う〜ん。。。
と考えた結果、頑張って12:15のバスを目指すことにする。小走りに下ったところ、なんとか11:30頃林道に到着。ここから、まじめに林道を辿れば一旦青木鉱泉より下まで下ってから登り返さなければならなさそうだが、青木鉱泉に近い堰堤の下流で小武川を渡渉してショートカットしたところ、無事12時前に青木鉱泉に到着し、一件落着。
青木鉱泉で切符を買い、路線バスに揺られて韮崎へと向かった。
※今回は滝をほとんど巻いてしまいましたが、技術のある方ならより多くの滝を直登できてさらに楽しめると思います(^-^)
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