旭岳〜トムラウシ山
- GPS
- 56:00
- 距離
- 41.1km
- 登り
- 2,144m
- 下り
- 3,052m
コースタイム
7:50白雲岳避難小屋ー10:50忠別岳11:00ー12:30五色岳13:20−14:20化雲岳14:40ー15:30ヒサゴ沼避難小屋
7:40ヒサゴ沼避難小屋ー10:50トムラウシ山頂12:10ー13:50前トム平ー17:40東大雪荘
天候 | 21日 強風、ガス 22、23日 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
感想
旭岳、トムラウシ山の縦走。
この計画は春からあった。ヤマケイの特集で記憶に残るロングトレイル、みたいな特集があって、旭岳、トムラウシ山と飯豊山縦走、北アルプスあたりがのっていた。
りかこの北海道に行きたい欲も相まって、山にも登るならいいよ、と。
これにて決定。
しかし今回不安要素は3つ。
1つめは熊。北海道の熊はヒグマ。仮に襲われたら一撃で身体はちぎれふっとぶと。
これに関しては、ヒグマの習性、過去の事件簿、遭遇した場合どのように対処するか、などたくさんの記事を読んだ。
読んでくうちになんとかなんじゃね?という楽観的な気持ちになってしまうこの性格。最初は熊撃退スプレーをレンタルしていくつもりだったけどいらねっかーと。
結果15分に一回ジェットホイッスルを吹いて、あとは熊よけの鈴をつけとく。対策はこれだけとなった。遭遇した場合にどのような行動をするか、なども簡単に決めておいた。
2つめ。遭難。トムラウシ山の遭難事故の話もあるし、このトレイルの記事を読むとやはりとにかく迷いやすいらしい。目印は少ないし、濃霧がでた場合は道が全然わからないと。そして濃霧も出やすいと。
これに関しては携帯のGPSを利用した。
利用したアプリはDIY GPS。カシミール3Dで地図を作り読み込み、緯度、経度を入力。それで使えると。450円。
ただし使いこなすのは非常に難しい。マック非対応なのにマックで頑張ったからということもあってか、サイトの指示通りやってもできない。使いこなすまでに10時間くらいかかった気がする。
問題なく使えれば30分とかでできるはずだけど。
ただし、10万円近くかかるGPSを買うことを考えればなんと安いことか。
防水対策、電池の対策はしっかり。
これによってどこにいても濃霧でも地図上のどこにいるかがすぐにわかる。ただし地図読み能力はあがらない。
そして念のためモンベルの3泊4日の保険に入っておいた。250円か500円か選べたはず。とにかく安い。でもそろそろ年間の保険に入らねば。
3つめは体力的な問題。
そもそもテント泊も1泊しかしたことがない。火打山、妙高山の縦走はかなりハードだったが、燕なんか日帰りできるようなところだったし、初の複数泊。しかも北海道。3日間で45キロというのも不安要素。
今までは1日10キロ前後の山行が多かった。毎日15キロはきつい。
しかも夏の間は他の旅行が重なって山にも登れていない。
ランニングをほんの少ししてみたり、プールで泳いでみたりした結果、なんとななるか、とトレーニング終了。
俺は夏にキナバルも登ってるし、マレーシアで山を走り回ってたし、問題はりかこのみ。結果ギリギリだったわけだが。
1つめと2つめの解消のために日程を9月の3連休にあてることにした。登山客が少しでも多い日を、と思って決定したがこれは大正解。
なにせ1日目の旭岳こそ人は多かったものの、3日目に同じコースを歩いていた人は3組くらい。すれ違いはもう少しいたけど。
つまり平日だったら人はほとんどいなかったであろう。
そして天気にも恵まれた。1日目以外は。
そういえばエキノコックスがいるから生水が飲めない。という話を聞いてネットでスーパーデリオスを注文。これで冷たいおいしい水が飲める。
と思ったが連休中は営業していなくて受け取ることができなかった。なんということだ。せっかく買ったのに持っていけず、ガス缶2缶もつ羽目となった。
それではまずアクセスから。
旭川駅からバスで1時間ちょっとかけ、グランドホテル大雪に到着。宿泊料4000円。登山者のための6人部屋で特別料金なわけだが、登山者はあまり多くないのか、男女別なのにりかこと同室に。ラッキー。
食事はなし。
温泉はなかなかよい。翌朝送迎で5時40分に出発。忘れ物により6時のロープウェーは逃したが、次のに乗る。一気に1600mへ。
うん。寒い。というか天気がかなり悪い。ガスっててなにも見えない。風も強い。
ひとまずぐんぐん登る。姿見の池に大いなる期待をよせていただけに残念。
岩が多くてザレている。景色はなにもなし。とにかく登る。
稜線?にでたときにものすごい強風が吹いてきた。ひとまずあまりにも寒いので限界まで着込む。雨具の上以外着た。
上:中厚手ウール、薄手フリース、薄手ウインドストッパー?、薄手化繊ダウン
下:薄手ウールタイツ、雨具
はっきり言ってくそ寒い。
なにせ二日前に初冠雪。風速は推定15メートル。突風で吹き飛ばされそうになるし、風でまっすぐ歩けない。ひとまずその場に待機して身を寄せ合うことに。
このまま下山か、旭岳だけでもピーク踏むか。でもさすがにもったいないし、天気もよくなることわかっているのに引き返すのか。
と考えていたら、下山してきた人が「ここが一番風強いよ。上はまだマシ」とおっしゃるのでそそくさと移動。
いやーなにせ台風くらいの風だったからね。吹き飛ばされることってあり得るってことを体感した。
その後、すぐに山頂について写真だけとってみる。
時刻9時。少し遅れた。
とにかくガスっててなにも見えないし、ここに用はない。
ドライマンゴーひとかじりして移動。
CEBUのドライフルーツは本当においしい。
一応2座目の百名山。
所々雪渓がある。万年雪もありそうだ。
10時半間宮岳。
11時ちょい松田岳?
11時半北海岳
北海岳から少し下りていったあたりに木陰があったので12時に風をしのぎながら昼食。
ひとまず細かくピークがあるから達成感があって楽しい。
樹林帯をひたすら登り続ける普段の登山とはわけが違う。
やっと白雲岳の避難小屋に到着。とはいえまだ1時半。かなり早めの到着になった。休憩込みの7時間弱。
一人300円だったかな。トイレの場所、テント場にあるペグなど勝手に使っていいこと。あと狐が食料を持ってくから前室などにものを置かないことなどの注意を受ける。
とにかく風が強いから強力なペグとハンマーを借りられて安心。風と戦いながらの設営。そういえば雪の上でしかテント建てたことなかった。初めての地面でのテント。
だんだんとテント建てるのも慣れてきたなー
今晩テント泊するのは8つくらいだったかなー
一段落して一眠りしようと「新潟くーーんこっちにきなさい!」とお隣さんの声。60代くらいのおじいちゃん。眠ってるりかこを起こしてテントにお邪魔する。
するとペットボトルに入ったウイスキーをガンガン飲まされ、わかめご飯、ウインナー、クロワッサンなどなどたっぷりいただいた。このクロワッサンのおいしいこと!!
つぶれててもなおおいしい!次回からパンももっていこう。
ずいぶんと飲まされたけどおじいちゃんも気づいたらベロベロ。酔っぱらっている。とにかく「へっぺ」をして子供を作れ。仲良くしてお互いを大事にしなさい。そんな話だったと思う笑
だんだん荒れてきたのでそろそろおいとま。ウイスキーをストレートでさんざん飲まされたので俺も酔って、帰ったら即寝。
名前くらい聞けばよかったなー
夜7時すぎに起きてそっから軽く夕食。なにせ全然おなかが空いていない。
ちっさい雑炊を食べて終了。
9時から5時くらいまでぐっすり眠る。縦走ずいぶん大変かと思ったけど、よく考えてみたら24時間のうち15時間くらいは休憩なわけだ。テント生活の時間が長くて、重量削減のためフリーズドライだらけにしたのを悔いる。
でも水を除いて13キロまで減らせたのでよしとするか。テント装備、炊事関係のすべてを入れての13キロだからまあまあ軽いかと。ザック2.5キロあるし。
朝5時起床。外が明るくなり始め、20分くらいから白雲岳の朝焼け。美しい。
そしてなにより快晴。風もなし。
朝から水汲み、煮沸、朝ご飯などせっせと働く。気温は2℃っていってたかな。結構冷えるけど、ナンガのダウンパンツが最強でぽかぽかでした。
撤収に手間取り7時50分発。
おじいちゃんは層雲峡のほうに下山するらしい。もってきた酒は飲みきったから次はテン場で買うとかいってたなー
そしてこっからはとにかく快晴。雲なし。
目の前にはどでかい山々が。四方八方全部山。これが北海道の屋根か。
北アも燕しかいったことないからこんな尾根歩きは初めて。
少し紅葉もしているし、美しい。
ただヘリの音が気になったが。こんなに入山者少ないのにヘリがあると明日は我が身と感じてしまう。
アップダウンの少ない尾根歩きで自然とペースアップ。背後に見える旭岳が美しい。
10時50分忠別岳到着。軽くご飯にする。ダケカンバが美しい。
12時半に五色岳着。
ここまでは背丈を超えるくらいの松林の道でとにかく歩きにくい。というか登山道なのか。トトロ気分で移動。
ここで昼食にしたがそこそこに疲労。
こっからは木道歩き。足裏も痛くなってきてたし、歩きやすくてありがたい。
化雲岳を省略しようか迷うが20分だけのロスのようなので登ってみる。
2時20分着。山頂には岩があったのでひとまずよじ上ってみる。
すると景色がたまらなくいい!少しガスってきてたのが残念だけどキレイだった。
あとはヒサゴ沼まで一気にいくだけ。がしかし、岩場が続いて足裏が痛い。りかこも靴擦れが原因で一気にペースダウン。
3時半にヒサゴ沼着。8時間しか行動してない割には疲れた気がする。
テントは4つ。小屋泊が数人。小屋番はいないのね。
天気がよかったから星空がとてもキレイだった。
そしてここで新発見。
ナンガオーロラ450DXを使っているのだがなんとなく後ろ向きにして2つのシュラフを連結してみた。なんとしっかりと合体した。
つなげられることのみモンベルの長所だと思っていたが、もはやナンガの全勝ち。これが21000円で手に入ってシュラフカバーいらずなんだから言うこと無い。
8時か9時に就寝。5時起き。
朝起きたら霜が立ち、テントが凍っている。
快晴。朝から水を組むが手がほんとうに冷たい。
結局ぐだぐだして7時40分発。
4つのテント組の中で最後だった。ちなみに一番早かったのは5時すぎには出発。信じられない。
小川に氷が張ってたりかなり寒そうだ。別のルートもありそうだったけどせっかくだから雪渓を歩く。6月の妙高、火打を考えれば全然問題ない。
またもやトトロの松林を抜け、8時半には岩場へ。藪漕ぎならの松漕ぎ。
ここらへんが岩と下草の感じがとても風流で日本庭園のようだった。その後は完全に岩山。
ここらへんは雨が降ったら行くべきではない。ガスったらルートなんてわからないし、滑って危ない。滑っても岩1、2個分落下するだけだから頭打たない限りはなんとかなるけどさすがに危ないね。
岩場で苦戦し、11時に着。
このときの達成感たるやすばらしい。こんな岩山は登ったこと無かった。
トムラウシ山かっこいいぜ!
山頂でのんびり食事。写真もいっぱいとった。
南には幌尻岳、西には十勝岳、北には旭岳、東には本当に遠くに羅臼岳?と思わしきものがかすかに見えた。とにかく天気がよい。その上、雲海もキレイに広がっている。その雲海からわずかに顔を出す幌尻岳。
たまんねえ。
しかしこっから12キロの下山が待っている。のんびりしすぎて12時10分出発。こっからが長い長い。
こんな道を日帰りで来る人がいるとは。登り返しもあるし、途中からはずっと岩場。短縮登山道を使うにしても大変だなあ。
1時50分、前トム平。コマドリ沢を過ぎて強烈な登り返し。
ここらへんから歌を歌い始める。
本気で疲れてきた。というか体力よりもひたすら足の裏が痛い。
疲れたからひとまず歌を歌う。無言の中歩く続けるより懐メロを歌いながら歩く。
楽しい。少しだけ時と辛さを忘れられる。
かなり大声で歌っていたので、追い抜くときに恥ずかしい思いもしたが仕方が無い。
4時に残り3.3kmの看板を発見。ちょいちょい休憩を挟みつつ下山。
5時40分に登山口帰還。
日も落ちてヘッドライトをだそうか迷い始めたあたりだった。
りかこは日が落ちてからしきりに熊を怖がっていた。夜になったから危ないってこともないと思うのだけど。
でも下山してからは無事下山した安心感と45km歩ききった達成感で満ちあふれた。今までで一番ハードな山行。いい経験値になった。
本当に。
東大雪荘に着く。ここは天国なのか。
温かく、ご飯、温泉。たまらない。
。
ただし足裏が痛すぎて二人とも足を引きずっている。
温泉に入って夕飯。和食でした。
山のあとだからもう究極においしかった。
8000円程度で送迎ありで、キレイな二人部屋が着いてくる。あんな疲れた状態では帰宅もしたくない。トムラウシを登るならぜひ宿泊してほしい
山の魅力は、山中でのなんでもない食事がごちそうに見える。
下山後、なんでもない食事がごちそうに見える。
ここにもあると思う。
北海道の思い出深い山行。また北海道の山に登りたい。
十勝岳も一緒に縦走したかったところだけど。
幌尻、羊蹄山あたりが気になりますね。
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