鹿児島遠征2〜4日目 屋久島縦断 宮之浦岳!永田〜ヤクスギランド
- GPS
- 56:02
- 距離
- 36.2km
- 登り
- 3,774m
- 下り
- 2,861m
コースタイム
5:50 起床
6:00 車出発
6:28 登山開始
7:37 休憩〜7:43
8:25 休憩〜8:32
9:44 岳ノ辻
10:51 姥ヶ岩屋〜昼食〜11:19
11:57 桃平
12:54 鹿之沢小屋〜昼寝〜14:50
15:27 大石展望台〜16:02
16:54 鹿之沢小屋
2日目
5:30 起床〜朝食〜7:40
8:30 永田岳〜8:51
9:31 焼野分岐
9:53 宮之浦岳〜10:10
10:39 翁岳方面分岐
11:03 翁岳〜11:13
11:35 翁岳方面分岐〜休憩〜11:51
12:55 黒味岳方面分岐〜昼食〜13:30
13:50 黒味岳〜昼寝〜14:22
14:36 黒味岳東峰
14:51 黒味岳方面分岐
15:04 花之江河
15:40 石塚小屋
15:45 水場〜16:00
16:05 石塚小屋
3日目
5:30 起床〜朝食〜6:22
7:54 渡渉ポイント
8:19 大和杉〜8:24
9:20 ヤクスギランドin
9:42 太忠岳登山口〜昼食〜10:05
10:57 石塚山方面分岐
11:25 祠〜11:28
11:56 石塚山分岐
12:12 太忠岳〜12:37
12:50 石塚山分岐
13:47 太忠岳登山口〜14:02
14:30 ヤクスギランドバス停
天候 | 1日目〜2日目は奇跡のピーカン! 3日目は一時的にややガスる。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
船 飛行機
ヤクスギランド→(シャトルバス1000円未満)→安房→(路線バス1000円未満)→宮之浦 料金は記憶でしかないので、おおよその目安として考えてください。 バス料金、全然覚えてなかった… |
コース状況/ 危険箇所等 |
状況等は全て感想内に記載 |
写真
感想
屋久島!
いつかは行きたい!
と思っていた遠い遠い屋久島。
ついに訪れる時がきました。
思いっきりドーン!と背中を押してくれた人物の話から始めますね。
あれは忘れもしない9月27日。場所は北海道大雪山、そうカムイミンタラ。
銀泉台から白雲岳、緑岳を踏み、登山口に戻っていた時の事です。
小泉岳分岐が見えてきた頃、そこに一人の男性が立っていました。
彼、Mさんは緑岳山麓の高原温泉の沼巡りから、愛山渓へ向かうという、
とても「王道感はないが素晴らしく魅力的なコース」を歩かれている最中に、この分岐点で休憩。
自分も緑岳に行こうかどうしようか、そして白雲岳や緑岳でそれなりの時間居座り、
その分岐点にその時間にたどり着いたのはもちろん偶然の事。
たまたまその場に居合わせた方が、たまたま自分の最も得意とするフィールドは屋久島だ!
なんて言うもんだから、実は北海道遠征が終わったら屋久島に行きたいと考えているという話になりますよね。
その時は、まだほんの少しだけ「行きたいかも」と思っているだけだったのですが、
話を聞いているうちに、そして遠征から帰った時に届いていた手紙を読むうちに、
さらにはお礼の電話をして話をしているうちに
「行くのは今だ」
と決意が固まったのは言うまでもありません。
大雑把な日程とコースを話すと、
「突然すぎて一緒には行けないけど、屋久島を一番知っているであろう人物と、あなたにおすすめの宿を紹介しよう。」
といった流れになりました。
あるツアーガイド会社の山専門の方なのですが、ご自宅の電話番号を教えていただき、
行くにあたって気になること、気候や交通、コースの安否等など、丁寧に解説してくれました。
これでもう心配せずに突っ込める!!!
家を朝の7時に出発、初日の目的地、すなわち登山口に近い宿「牧旅館」に到着したのは夕方の4時頃。
遠かったな〜
宿に着くと、まだ時間があるから浜辺でも見てきたら?とおすすめされたので、
スーパーで缶チューハイを買ってお散歩。
明日の不安を紛らわせていたのかもしれません。
夕食時、宿のおばちゃんから「明日山登るの?」との質問。
「はい」の返答に「どこから登るの?」とまさかの返しが。
もちろんここ、永田歩道からですよ♪と教えたら「それはなんとか変えられないのかね?」…
そうなんです。
実はここ永田歩道は宮之浦岳へ向かう道としては断然長く、急勾配で、険しく、迷いやすく、
…遭難者、仏様が多数の難コースなのです。
おばちゃんの言わんとしていることは手に取るようにわかりました。
実際に、自分の前にここから出た人は捜索隊が出たそうなのです。
だけどここにきて怖気づく気もありません!
「絶対に無事で帰ってくるから!」と約束をして、明日の朝食分をお弁当にしてくれとお願いしました。
出来上がってきたお弁当からは沢山の愛情を感じ取れ、力も湧いてきたような気がします。
食事時に仕事で来ていた鹿児島、福岡の方々3名に前祝いだ!と景気よく「三岳」をご馳走になりました。
独りじゃないっていいな♪
そしてなんとここの親爺さんが、車で行ける所まで送ってくれると言い出しました!
ということは1時間分は車で運んでもらえるということ。
その手厚いサービスが、そのままその道のキツさを表しているのでしょうね。
あさ6時に出発とのことなので、それより前に外に出て準備体操。
コースの事、水場の事、ここからの登山経験のある方からの助言は貴重です。
無事に下山したら絶対に電話してください!と別れ、いよいよスタート。
まず、登山道はわかりにくいです。
ピンクテープは心細い程度にあります。
とてもジグザグです。
相当急な登り坂です。
しばらく薄暗いです。
登山道から外れずに歩くことはまず無理でしょう。
無理ならどうするか。
登山道から外れた瞬間から、「外れた?」と疑問を抱くまでの時間を縮める他にありません。
縮まれば縮まるほど、きちんと「確実に登山道」へ戻る時間が短くなります。
その繰り返しになるであろう、というイメージを持ってから歩き始めることが一番重要でしょう。
登山口から岳ノ辻までの間はとにかく辛抱。
迷っては戻りの繰り返し、どんなに急坂を登っても戻らなくてはならないときは戻ってください。
そして岳ノ辻から先は随分と楽になります。
とりあえず「迷う」からは解放されるでしょう。
そして少し明るいエリアになるので、気持ち的にも余裕が生まれます。
しかし急登は続きます。
姥ヶ岩屋でしっかりとしたお昼休憩を取り、ひたすら歩き続けて気になっていた渡渉ポイントへ。
大雨の時では通れない、とされている川。
この時は運良く快晴で、まるで問題なく濡れずに渡ることが出来ました。
ただし、本当にもう少し水が増えてしまったら渡れないな、とも感じたことを付け加えておきます。
鹿之沢小屋です!
本日の目的地に無事に到着しました!!
12時54分に…
どうしましょ。あまりにも早く着きすぎてしまい、
というか着いてしまうな〜と前々から思い、考えた挙句「石塚小屋まで行ってしまうかーー!」と。
思いもしましたが、やはり山をのんびり楽しもうということで却下。
誰もいない小屋に適当に荷物を広げ、外でお昼寝やコーヒーブレイク。
そこへ一人の方が永田岳方面から到着。
話し合って、花山歩道を少し歩いてみることにしました。
大石展望台まで歩き、引き返します。
彼、バイクで日本一周している最中!間もなく一年経つそうです。
素敵だー!
小屋に帰るともう一人増えていました。
屋久島は安房在住の大大大ベテランさん。
そんじょそこらのガイドブックには載っていない情報を、オヤスミーまでずーっと教えてくれました!
こういうの、旅の醍醐味ですよね♪
最後にもうひと方が到着し、4人で満天の星空を眺めて夜は更けていきました。
縦走二日目。
大ベテランの「今日もいい天気だ」の声で行動を開始します。
みんなで記念撮影をし、まるで打ち合わせをしたかのように違う方向へ散っていきます。
永田岳へ一人向かう道は、今までの急登に負けず劣らず急登。
長いロープなしでは無理な斜面、ロープ欲しいわー!と言いたくなってしまうほどの段差。
あちこちに伸びる道、どれが永田岳へ続くモノなのかをチョイスしていく箇所を越え、ようやく一つ目のピークに到達しました。
「ここから見る宮之浦岳が一番いいよ。」
日本一周と大ベテランが口を揃えて教えてくれていたのですが、
教えを請うまでもなくひと目で「ここから見るのが一番だろう」と理解できるほどの好展望。
今からあそこへ登るのだ!
永田岳から宮之浦岳へのルートもかなりの段差が何箇所もあり、
これどうやって進むの?と攻略に時間がかかることもありました。
焼野の分岐に着いたら、きっといい道になるだろうな。
と当然予感はしていましたが、まさかここまで劇的に変わるとは予想できませんでしたw
随分と開けた道幅に、ほとんど敷き詰められた木道。
さすが超王道ゴールデンコース。
あっという間に最高峰を踏み、大勢の人がいる山頂を後にします。
花之江河方面に下り始め、およそ30分ほど。
左手に携帯トイレブースがあります。そのすぐそばに謎の鉄パイプが地面にグサリ。
これ、翁岳への分岐点なんですね〜
完全に藪状態になってしまっているので、パイプを目印に突っ込んでください。
最初は膝くらいだったのが、腰、胸、頭と場所によって深さがどんどん変わる!
そして全く足元が見えない中での段差、恐ろしいです。
特に下りの時は落とし穴に落ちるように下がるので大注意!
巨石のお膝元に着き、今度はロッククライミングが待っています。
もちろんフリーになるわけですが、それなりの高さ、それなりの難易度が待っていますので、
岩登りはご自身で判断してくださいね!下りは登りの倍以上危険です。
そこへの到達は、宮之浦のそれとは桁違いに達成感に溢れていました。
山頂から、宮之浦岳に登っていく人達が米粒のように様子を伺えます。
何人かのグループがこちらに気がつき、大きく手を振ってくれました。
ずっとここにいたいですが…
というかあと1〜2時間はいても平気なのですがw下りが怖いのでそろそろと降ります。
藪も抜け、一般的な登山道に出ると一安心。
汚れを払い、呼吸を整え、黒味岳へ向かいます。
その間、とにかく整備されすぎた道。
大勢の登山客、ましてや初心者がガイドをつけて通るので仕方がないことですが、
永田を歩ききった翌日にこれは…かなりガックリルートでした。
黒味岳も一気に登り、ちょっとお昼寝。
東側のピークに無駄に寄り道したりしないと、石塚小屋に早く着きすぎてしまうのですw
各所で時間を潰しながらのんびりとした2日目。
こういうのもたまにはいいもんですね♪
花之江河を淀川ではなく、ヤクスギランド方向へ曲がると!きました!ワクワクルート!
俄然、道は荒れ始めます。
よくもまあこんなに突然変化できるねぇwと感心してしまうほどの山道にうっとり。
しかしここは「永田歩道の迷いやすさ」はありません。
安心して進めるコースです。ピンクテープはもう2分の1くらいの量に減らしても良いかと…
水場をいくつか越えますが、最後の水場はきちんとその旨記載されています。
小屋まで5分ほどだったので、一度全部置いてから戻ってきました。
上半身を脱いで、濡れたタオルで汗を拭くだけで生き返りました♪
小屋で、秋田から来た大学生とご一緒。
つい先日まで秋田を歩いてきた話で大盛り上り。
またもや楽しい夜を過ごすことが出来ました。
運良く、どちらの小屋も(多分)ねずみは出ず、被害はありませんでした。
翌朝は、やや暗いうちから行動開始。
バスに乗る時間は変えることが出来ないけれど、行きたい場所は増えてしまったのです。
大ベテランの方が、屋久島一好きなところを教えてくれたからには行かないわけがない!
ここにも川を渡る箇所があります。
問題なく渡れたといえば渡れたのですが、一番怖かったポイントでもありました。
川幅はたいしたことなく、大きな岩もあるのですが、全部コケで湿っていて、
どれも自信をもって踏み込める感じではないのです。
ぴょん!と行った先が滑りそうでなかなか飛べませんでした。
そしてここで大和杉が登場します。
てっきりコース上にあるのかと思いきや、ホンの少しですが右に折れて下っていきます。
今まで散々巨木を見て飽きてきた頃ですが、
別格とはこういうことか…と神々しい木を前にあいた口が塞がりません。
階段を戻り、ようやくヤクスギランド内に入り込みました!
時間は多分大丈夫!またもやきれいに整備された木道をひたすら歩き、太忠岳登山口へ到着。
最後の登りです!
と言ってもここにきて往復6〜7時間もありますがw
重いザックを登山口にデポし、まるで重力から解き放たれたかのような軽い身のこなしで一気に稜線まで駆け上がります。
ここに到着した時点で○時より前だったら行く!と決めていた山。
大ベテランが一番すごいという山。
そして後で聞いたのですが、屋久島ガイドたちが口を揃えて「神がいるとしたらあそこだな」と言うらしい山。
石塚山へ向かいます。
道なき道をひたすら歩くこと約30分。
「まだかな〜」と考えていた左手に、それこそ急に出現する巨大な祠!
ここに神がいないとしたら、もうどこにもいないだろう…と直感できるほど神々しい祠が、
そこに確かにありました。
本当はしっかりとした「石塚山山頂」もあるらしいのですが、この祠であまりにも大満足してしまったので、
時間のない中、探すのはやめようとUターン。
また来るいいキッカケにもなるしね♪
今度は素直に太忠岳に向かい、ここでも天柱石の神懸かった佇まいにしばし呆然。
一体神様は、この島で何をしたかったのだろうか…
京都から来たご家族、香川から来たご夫婦と楽しくお話しし、
バスの時間に余裕があるのでのんびりと最後の下山。
最後に深い森の中を楽しみながら歩いていると、若いカップルと遭遇。
なんでも、男性の方はバンドのギタリストをやっていて、
今夜、ここ安房でライブをするそう!
自分も元バンドマンですと大盛り上りし、
そしてお連れの女性に「そうやって旅してる人と初めて会いました!握手してください!」とw
「は…はぁ」と握手しw
大きくバイバイしながら反対方向へラスト30分!
団体さんたちが入場してくる横をすり抜けるようにして、やっと!無事に!
難コースを歩ききりました!
バスの時間は大丈夫。場所も確認OK。
まだ3〜40分あるので観光土産屋やビジターセンター的な建物をのんびりと見て回れました。
バスに乗り込み、出発を待っていると先ほどのギタリストも下山。
大きく大きく二人でお見送りをしてくれて、とっても嬉しかったです!
永田に着いた夜から、思い返せば歩いている時以外は、殆どを誰かと一緒に過ごせた不思議な島。
リピートしたくなる気持ちってのもわかる気がします。
さらにその夜、そしてその次の夜。
もっともっと大きな出会いが待っているという事は、また次のお話。
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