奥利根縦走(中ノ岳〜平ヶ岳〜至仏山)
- GPS
- 152:00
- 距離
- 51.4km
- 登り
- 4,065m
- 下り
- 3,524m
過去天気図(気象庁) | 2006年04月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
感想
<1日目>2006年4月15日(土) 晴れ 〜十字峡
9時過ぎに六日町駅に到着。バスで終点の野中という所まで。ここから ダムの管理所までは道路が除雪されている。ダムで釣り竿をかついだ少 年達とすれ違う(これから下山までまったく人と会わなかった)。管理 所から先の道路はたっぷり雪が積もっている。何カ所か雪が道路の際ま でこんもり積っていて通過しにくかった。
2時頃十字峡に到着。計画ではこのまま林道を歩いて丹後山の登山口ま で行くつもりでいた。しかし道路にはガードレールの上まで雪が急傾斜 で積っている。ここを通過しようとすれば雪壁のトラバースだ。谷沿い に造られた道路なので高度もけっこうある。ザイルは持ってきてない し、ちょっと怖いな。主稜線へ出るには他に日向山から中ノ岳へ登る ルートがあるから、そちらに計画変更する。この日は取りあえずここで おしまい。十字峡小屋の脇にテントを張る。
(野中バス停)1132→1405(十字峡C1)
<2日目>4月16日 曇りのちガス 十字峡〜中ノ岳
明け方少し雨が降った。ちょっと寝坊する。一日で小兎岳西の鞍部まで 行くつもりで出発。900m付近から上は全部雪になる。日向山 直下は結構急登だった。雨量計測所の脇で休む。見上げると中ノ岳へ続 く稜線は南側に雪庇ができているのが確認できる。主稜線は雲に覆われ ていて見えない。これからあの中に入って行くのだ。
1600mぐらいからガスにつつまれる。視界がきかないので雪 庇への警戒が怠れない(ちなみに至仏山まではトレース皆無)。薮をた どって歩く。道は合っているかわからないけれど登っていれば稜線に出 るはずだ。しかしここはとにかく急登だった。疲労凍死するかと思っ た。何度も休みながら中ノ岳の南方らしきところに出る。
さらに子兎岳方面へ稜線を下ろうとしたのだが、ガスのためあっという間に枝尾根に迷い込んでしまった。ハンディGPSで進路を誤ったことを確認し登り返す。たしかこの辺で雪壁状のところを下りなければ ならないのだが、この真っ白な中ではどうにもならない。仕方ないので 斜面を少し掘ってテントを張る。
(C1)558→806(休憩)823→950(日向山)10 20→1117(七合目)1200→1345(主稜線)→1410 (中ノ岳南1950m付近C2)
<3日目>4月17日 小雪のち晴れ 停滞
夜のうちから雪がぱらぱら降ってきた。相変わらずガスっているので停滞とする。ラジオを聞いたり除雪したりして過ごす。昼頃から晴れる。巻機から日光方面まで良く見えた。しかし、まだ先が長いうちに停滞してしまって意気消沈した。
<4日目>4月18日 晴れ 中ノ岳〜平ヶ岳
晴れてはいるが少し霞がかかっており、遠くの山までは見えない。昨日 降った雪はほとんど飛ばされて積っていない。クラストした雪面にアイ ゼンがサクサク刺さり気持ちいい。1936m付近の雪壁状は上 からだと雪庇の縁と見分けがつかないので、下の方にまわってトラバー スする。ずっとフロントポインティングだったのでふくらはぎがぱんぱんになった。
大水上山からいよいよ今回のメイン、利根川源流の稜線へと歩み出す。 平成18年豪雪の影響で残雪も多いのだろうか。薮はあまり出ていな い。しかしやっぱり春山はいいなあ。雪の稜線をてくてく歩いて行くと 我を忘れる。利根川と中ノ岐川の源流域が左右に広がっていて気持ちい い。写真を撮り合う。藤原山の周辺はクレバスの通過に少し手間取っ た。雪もくさり始めてきた。滝が倉山周辺は尾根がやせていて、地山と 雪庇の境がぱっくり割れている。なので地山の部分を歩くのだが、薮の 上に少し積もったような雪を頻繁に踏み抜く。その度にひざのあたりま でもぐる。踏み抜いた拍子に何度か自分の足にアイゼンを刺してしまっ た。剱が倉山の登りもきつかった。
剱が倉山と平ヶ岳の間のコルはちょっとナイフリッジ状。平ヶ岳の登り は単調な斜面。くさった雪に足を取られながらマシンのように登る。 平ヶ岳山頂は広かった。風が強いのでそのまま通過したが、少し遊んで 行けば良かった。野球ができそうだった。山頂の南側、1960 m付近の稜線から少し東側へ下った木立の中にテントを張る。一日で 平ヶ岳を越えられるとは思わなかった。停滞の遅れが取り戻せて良かっ た。もういくらも歩けないほど疲れたが。
(C2)450→618(兎岳)626→646(大水上山)→ 806(藤原山)823→950(休憩)1004→1112(休憩) 1125→1220(剱が倉山)1242→1400(平ヶ岳)→14 21(平ヶ岳南1960付近C3)
<5日目>4月19日 薄曇りのち晴れ 平ヶ岳〜至仏山
昨日と打って変わってクレバスも薮もない単調な稜線歩き。白沢山と大 白沢山の間の鞍部にはスギの林があって、あの中にテントを張ったら気 持ち良さそうだ。この日も薄曇りであまり展望は良くない。双眼鏡を覗 くと丹後山避難小屋がぽつんと建っているのが見えた。赤倉山はここか ら見るとどっしりしていて、とても心引かれる。大白沢山の手前で上越 国境と別れる。背中アブリ山や外田代など尾瀬ケ原の裏側がよく見える。熊の足跡があった。
至仏山の手前の鞍部から山頂までは、およそ600mを一気に登 る。1750m付近から2000m付近まではハイマツの上 に雪がかぶっていて、やたらに踏み抜き、ももまでもぐる。これで山頂 まで行けるのかと途方に暮れた。2100m付近から山頂までは 岩稜が続いていてまったく難しくはないが雰囲気がある。眼下の尾瀬ケ原は一面の雪 で、でっかいサッカーグラウンドのように見える。
悪沢岳の西、1990m付近の稜線にテントを張る。
(C3)500→800(ススヶ峰)→818(休憩)827→ 1016(至仏山手前1650m付近)1033→1306(2 150m付近)1317→1349(至仏山)1404→153 0(悪沢岳西1990m付近C4)
<6日目>4月20日 ガス 停滞
朝起きるとガスがかかっていたのでとりあえず晴れるのを待つ。と言っ ていつまでたってもガスが晴れないので結局停滞になってしまった。雨 とアラレが降る。下山を目前にして停滞を食らってしまったのでつら かった。後から考えればおそらくこの日もガスっていたのは標高の高い 部分だけ。強行突破しようと思えばできたかもしれない。
<7日目>4月21日 ガスのち晴れ 〜湯の小屋温泉
相変わらず視界は悪かったが、これ以上ここに留まるのはたまらない。 シルバコンパスを頼りに進む。笠ヶ岳からP1715にかけてだんだん 進行方向が北に曲がって行くあたりは、地形がなだらかなので難しかっ た。やっぱり春山はガスが一番の大敵だ。
1710m付近でガスの中から出た。そこから上だけ雲がかかっ ていたようだ。下は晴れている。湯の小屋温泉まできっちり夏道どうり に下った。
「照葉荘」で風呂に入る。露天風呂で日差しを浴びていると、脳みそが 溶け出しそうなくらい気持ちいい。新潟から山を歩いてき たと言うと温泉のおじさんは驚いていた。
(C4)447→553(笠ヶ岳)→1025(湯の小屋温泉)
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