雪の霊峰七面山と恍惚の南アルプス大展望(表参道登山口から七面山、希望峰をピストン)
- GPS
- --:--
- 距離
- 12.2km
- 登り
- 1,644m
- 下り
- 1,628m
コースタイム
天候 | ☀晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2022年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
●表参道登山口駐車場 七面山口郵便局のある三叉路を左折し、春木川に沿って道なりに奥へと進みます。途中、すれ違い困難箇所がありますが、付近は頻繁に工事車両が走行しています(川砂を採取している?)ので、交通整理を行っていました。 やがて正面に赤い橋が見えてきますが、この橋が「羽衣橋」で袂に登山口があります。道は橋の手前で三叉路に差し掛かり、川沿いに直進するのか右折するのか迷いますが、右折して奥へと坂道を上っていくと、トイレ棟のある登山口最寄りの無料駐車場に辿り着くことができます。私は三叉路手前の「登山者用駐車場」の標識がある場所に停めましたが、こちらも無料で利用できました。 橋を挟んだ向かい側には、徳川家康公の側室「お万の方」が身を清めて七面山の女人禁制を解いたといわれる「白糸の滝」が見えます。 なお、中富ICから駐車場までの間にコンビニはありませんでした。 https://tozanguchinavi.com/trailhead/trailhead-8018 |
コース状況/ 危険箇所等 |
七面山(しちめんさん)は、山梨県南部の身延山地にある法華経信徒を守護する「七面大明神」を祀る修行の山。二百名山にして山梨百名山に選定されています。山頂直下には「ナナイタガレ」と呼ばれる大規模な崩壊地があり、遠目にもそれと分かるほど。表参道登山口は早川町にあるのですが、山頂付近は身延山久遠寺の寺領であり、身延町の飛地になっているそうです。 今回は羽衣地区の表参道登山口(標高495m)から七面山(標高1989m)へ。更に南アルプスの眺望が楽しめる希望峰(標高1980m)までをピストンしました。 ●表参道 登山口からは、斜面に付けられたつづら折りの道を敬慎院までひたすら登ります。道は均されており歩きやすいのですが、周囲は杉の大木に囲まれて眺望は乏しく単調に感じます。参道を歩いていますので、心清らかに歩きましょう。 参道には石灯籠が置かれており、「○丁目」の標示があるので現在位置の目安になります。経由地では、神力坊(2丁目)、肝心坊(13丁目)、中適坊(23丁目)、晴雲坊(36丁目)、和光門(46丁目)です。 和光門からは鐘楼まで道は真っ直ぐに伸びており、鐘楼から左に折れると御来光遙拝所と随身門がある場所が49丁目。門から下った場所にあるのが敬慎院の伽藍で50丁目です。 本日は、28丁目あたりから道に雪が見え始め、晴雲坊から先が雪道になっていました。雪量は少なく、表面は凍結していませんので登りで滑り止めは使いませんでした。 ●随身門〜七面山〜希望峰(きぼうみね) 随身門の先に荷揚げ用ケーブルが見えてきます。雪かきがされているのはここまで。最近、雪が降ったのでしょうか、鹿の足跡は多いのですが、トレースが薄く、ピンクテープと地図を頼りに山頂へ向かいます。 山頂付近は高台になっています。登りでは滑り止めが必要。雪はくるぶしが埋まる程度でフカフカしており、勾配もそれほどキツくはないので6本爪アイゼンが良さそうですが、雪量に合わせた着脱が面倒なこともありチェーンスパイクを装着して登りました。 山頂は樹木に囲まれた広場になっており眺望はありません。縦走路を示す標識が見当たらず、トレースもないため、恐る恐る希望峰へと踏み出しました。少し先にピンクテープがありましたので、ピンテを追って歩いたのですが、私はロストしてしまい地図で見ると進行方向右手の斜面を下り始めてしまいました。「これはおかしい」と思い直し、左手へと修正を試みるといつの間にか七面山山頂に戻ってしまいました。 再挑戦すると、山頂から100mほど先で左手に曲がりながら下るようにピンクテープが付けられていました。鞍部までゆるゆると下ると小ピークが見えてきます。これが希望峰で右手から巻きながら登り返しました。 ここらからの眺望は素晴らしいの一言に尽きます。正面には笊ヶ岳、右手から北岳、間ノ岳、塩見岳、荒川岳、赤石岳、聖岳など、南アルプスの北から南までの山々が一望でき、ずっと眺めていたい大展望でした。 ●全体的に 各宿坊には「ところてん」と書かれた休憩所がありました。この時季に販売はありませんが、暑い時期に登詣する方にはありがたいでしょう。また、飲料の自販機を見かけました。表参道には所々、水道栓が置かれていましたが、給水できるようにとの配慮でしょうか。 きっと、宿坊のトイレもお借りすることができるのでしょう。緊急事態の際はお世話になりたいと思います。公衆トイレは登山口駐車場にありました。 私のau携帯は、登山道上部から先では電波が入りませんでした。 |
その他周辺情報 | ●敬慎院 (けいしんいん) 身延山の西方裏鬼門にあたる七面山の標高1720mにあり、七面大明神をお祀りしているとか。宿坊は1名から1000名の団体まで宿泊可能。当日の15〜16時に到着し、お湯で汗を流し、受付(宿泊費6500円)後に精進料理をいただく。七面大明神とお会いする御開帳、夜のお勤めをして、21時就寝。翌日はご来光を眺めることができるそうです。御利益は、健康祈願、無病息災、商売繁盛、千客万来、開運招福。 https://www.kuonji.jp/shichimenzan/guidebook/gb-main.htm ●下部温泉会館 下部温泉の公衆浴場で、内湯から下を眺めると富士川の支流の下部川が流れているのが見えます。営業時間は10時〜17時30分、休館日は年末年始(12月29日〜1月2日)、料金は町外の大人が500円。表参道登山口からは車で約25分です。 https://www.yamanashi-kankou.jp/kankou/stay/p5_5050.html ●下部温泉郷 下部川が流れる山間にある1200年の歴史を持つ温泉。戦国時代には武田武士が合戦の傷を癒やすために湯治をしたそうです。 https://shimobeonsen.jp/ |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ズボン
靴下
グローブ
予備手袋
防寒着
ゲイター
ネックウォーマー
毛帽子
ザック
アイゼン
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
保険証
携帯
時計
タオル
カメラ
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感想
雪を踏んで山歩きをしたいと思い立って選んだのは、以前から候補としていた七面山です。登山口からの単純標高差が1500mと、運動不足の私には不安もありましたが、噂に聞く希望峰からの南アルプスの絶景は、特にこの時季だからこその良さがあるに違いありません。
身延へ行くには、私は東京方面から甲府まで出て、更に国道を使っていましたので、とても遠く感じたものですが、今は中部横断自動車道が双葉JCTから南へ伸びており快適です。この中部横断道は、双葉から長坂までは中央道を使い、更に佐久小諸で上信越道と接続する計画ですが、これが繋がると個人的には北アルプスや上越で山歩きをした後、帰宅が大変便利になるのです。全線開通の目途が立っていないようで、元気なうちに完成してほしいなぁ。
ま、それはともかく。
七面山は修験の山で、厳かな雰囲気を感じました。実家の宗教は真宗大谷派ですし、そもそも信心する気持ちが全く足りていない私ではありますが、この山をもっと知るために次回は敬慎院の宿坊に泊り、見習いながらお勤めを果たし、富士山からの御来光を眺めてみたいと思いました。
「春分の日と秋分の日には富士山頂から太陽が昇る”ダイヤモンド富士”を参拝するため、毎年たくさんの人々が訪れています。」と紹介するサイトもあり、気になります。
希望峰からの南アルプスの大展望は、心を揺さぶられるほどでした。忘れられない景色になりそうです。それにしても、まだ未踏の山が多いんだなぁ。
あまり暑くならないうちに、笊ヶ岳に登りたいと思っています。以前、老平からの日帰りピストンを狙い、タケ沢に架かる揺れる吊り橋を渡り、広河原で丸太に股がって渡渉し、急登を桧横手山まで耐えたのですが、敗退したことがあります。
あちらも七面山と同じく二百名山&山梨百名山ですが、老平からのコースは単純標高差約2100mの7D。あの急登を思うと、逡巡する私です。
GPSを利用しないで登山を続けてきましたが、ありがたい機能があるんですね。次回はお試ししてみようと思います。
レコ拝見しました。今後も楽しみにさせていただきますね。
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