甲斐駒ヶ岳黒戸尾根(七丈小屋直下で撤退)


- GPS
- 14:01
- 距離
- 18.3km
- 登り
- 2,006m
- 下り
- 2,008m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
竹宇駒ヶ岳神社駐車場に駐車。 最大で20台以上おける広さがある。 午前3時で我々の他に2,3台の車あり。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆道の状況 標高900mから登山道は前面氷結でアイゼンが必要。 笹ノ平から雪が増え膝程度のラッセルを強いられる。 刀利天狗以降の黒戸山のトラバースでは常時膝上から腰、たまに胸までのラッセルとなる。 屏風岩の梯子、鎖場、その他の本来危険箇所でない所でも積雪のために難度が上がっている。 七丈小屋まで水場は無し。 ◆温泉 竹宇駒ヶ岳神社から数分の所に尾白の湯がある。 ◆売店等 駐車場、駒ヶ岳神社に売店はあるが冬期は営業していない。 ◆トイレ 竹宇駒ヶ岳神社駐車場にある。 ◆自販機 竹宇駒ヶ岳神社駐車場にある。スポーツ飲料水、ビール、ホットコーヒー等が購入できる。 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
甲斐駒、黒戸尾根、日帰り、厳寒期。塔ノ岳2杯分の距離と高度。しびれるように刺激的な山行だったが、猛烈なラッセルに阻まれて七丈小屋直下に留まった。
黒戸山の樹林帯の積雪がものすごく常時腰、たまには胸に達するラッセルを強いられて疲労困憊。
八丁登りから五合目まで4時間掛かり、七丈小屋の直下でタイムオーバー。
年末にA木CLから誘いがあり、2/1に日程を決めて黒戸尾根からの甲斐駒ヶ岳日帰り山行を計画した。参加者はA木さん、13Kさん、H薗さんに僕の4名。前夜23:00に湘南を出ると2:00には竹宇駒ヶ岳神社の駐車場に到着した。星空が広がり晴天を予感させる。すぐに出ると刃渡りも夜明け前になりそうなので、2:30から準備をすることとし、車中で仮眠する。
支度をして出発は3:00。竹宇駒ヶ岳神社に安全登山を祈願して左を抜けて吊橋を渡る。尾白渓谷への径を分けてすぐに九十九折りの登山道を登って行く。落葉を踏みしめながら100m程も登るとヘッドライトにキラキラと路面が光る。凍っている。最初のうちは土付きや岩角を踏みながら登って行ったがやがてアイゼンを着けた方が早いと諦めてアイゼンを装着する。気温0℃、風もなく暖かい。ヤッケを着て出発したが暑くなったのでここでヤッケも脱ぐ。アイゼンを履くと爪がきちっと効き安心ししかも素早く登高することができた。H薗さんはもう少しジャッジを先延ばしにすると言って先行していったが、1000mを越えた所でアイゼンを装着した。凍結路と落葉の径が交互に現れる登山道を1時間半歩いて最初の小休止としたが標高ではもう塔ノ岳直下と言ったところで順調な出足だ。
比較的単調な登りが続くが4:55に笹ノ平の横手駒ヶ岳神社への分岐を過ぎる。すばらくで粥餅石がある。古い地図だとここに水場があるがと呟くとH薗さんが少し下った所にあるよと教えてくれた。笹ノ平を過ぎると積雪が急に増えて膝まで雪に埋まるようになる。同時に尾根が広がりトレースをたびたび外してラッセルすることになる。踏み跡はだんだんと気配を消すように薄くなって行く。帰りに見ると無駄な距離を歩いている様子が伺え苦笑した。
6:00に1810m地点で小休止とする。3時間でほぼ大倉から塔ノ岳に登った勘定だ。計画では12:00に頂上だけどこれならそれよりも早く着けるか、等とこの後の苦労も知らずに軽口も出た。この後、登りが急になって行くが、日の出も近くなり樹林を通して左手に鳳凰が見えてきた。暁光の中、地蔵のオベリスクがはっきりと見えていた。急登が収まると樹林が切れて明るくなった。刃渡りだ。手前には鎖が張ってあるが、上部は鎖は無い。更にしばらく痩せ尾根の稜線を歩き、再び樹林に覆われると刀利天狗に向かう急登になり、梯子に続いて鎖場の連続になった。一登りして7:30に2049mの刀利天狗に至る。雪を被った二つの祠があった。ここから黒戸山を登りながらも巻いてトラバースし最後に下りて五合目に至るルートであり、コースタイムは1h20mとなっている。しかし我々は2h40m、つまりコースタイムの倍の時間を要した。
刀利天狗からしばらく登りが続くが徐々に積雪量が増えてきた。これまでは膝のラッセルで済んでいたが常時腰レベルのラッセルが続き、吹き溜まりに出逢うと胸までのラッセルになる。木の幹に巻かれた赤テープを目印にひたすら喘ぎながら前進する。夏期に数回黒戸尾根からの甲斐駒ヶ岳山行をこなしており、ルートを良く知るH薗さんでさえ最後に下るポイントを「次のマークだな」と言うのを繰り返したので、それこそ心頭滅却し3人で交代しながら無心で前進に尽くした。そうこうするうちに遅れていたA木さんが追いついて来たので当然のように先頭に出て貰う。ローテーションを何回か繰り返すと右側を示す登山道の標識が現れた。漸く下りになる。H薗さんは喜び勇んで走って駆け下りて行ったが、残る3人にはその余力は無かった。のんびりと五合目に下りて行くと樹林を通して純白の鋸岳が望めた。五合目に出ると甲斐駒が緑の切り立った山の向こうに白く輝いている。未だ未だ800mも高い。元々の計画では12:30を折り返しのタイムリミットと計画していたし、既に登頂できるとは思っていない。帰路も踏み跡を作って来たとは言えコースタイム以上の時間は見込む必要があるだろう。そこで折り返しのタイムリミットを11:30として行ける所まで行くこととした。
五合目から眺めると目の前の緑の直立した山は全く登山不可能かと思われる。最初の大梯子から梯子と鎖が連続して登高を助けてくれるが着雪もありなかなかスリリングだ。H薗さん以外の3人は荷物を五合目にデポして来たのに身体が重く、なかなか思い通りに動いてくれない。1時間半掛かって漸く七丈小屋まで数10mと言う所に達したが、もうタイムリミットは過ぎているので今日はここまでと言うことにした。約1時間で五合目に戻った。
下ると言ってもそれも長い。13:00に五合目からの下山を開始したが、まず黒戸山に向かって登らなくてはならないのがツライ。それでも自分たちで着けたトレースのお陰で随分と楽になった。刃渡りの手前でテント泊装備で登って来る4人パーティと出逢ったが、今日出逢ったのは驚くことに彼らだけだった。刃渡りを下りて小休止したが、まだ塔ノ岳の山頂よりも高い所にいるのと同じだ。スケールの大きさにはつくづく驚かされる。ひたすらに黙々と足を運び17:00に漸く駐車場に戻った。
計画書ではわかんは括弧付けだったし、一週間甲府には雪は降っていなかったので、僕もスノーシューは要らないだろうし、ストックのスノーバスケットも外して来たが、全く裏目に出た。
しかし黒戸尾根の概観が理解出来たのは個人的には良かった。変化に富んでいて、非常に楽しめる径だった。ただH薗さんが「距離をとっても標高差をとっても大体大倉から塔ノ岳の2倍」と言っていたが、塔ノ岳を1日に2回登るようでないと日帰り山行の挑戦資格が無いかもしれない。
もう少し入念に準備をして再挑戦したいものだ。
何故か山行当日に愛用の腕時計(プロトレック)が電池切れ。
時計がないと高度計も無くなる訳で、少々凹むが諦めて出発することにする。
毎度の靴ずれと、トレーニング不足による筋肉疲労に悩まされた。
膝が痛いのは古傷なので仕方なしと諦める。
股関節に違和感があるのは老化現象か?
予想外のラッセルに苦労はしたが、好天下雪山を満喫できて良かった、としよう。
フラフラになりながらも駐車場に無事帰還。
万歩計は約32,000歩。平均歩幅57cm。
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