尾上郷川カラスノウシロ谷左又(二ノ峰南東斜面)、ブナ小屋谷右又滑降、母御石谷滑降
- GPS
- 22:00
- 距離
- 30.7km
- 登り
- 2,432m
- 下り
- 2,431m
コースタイム
天候 | 2日とも快晴。1日目のほうが風が比較的強かった。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雪崩。林道積雪片斜面の崩壊、その他ルンゼなどからの落石、雪崩。 |
その他周辺情報 | 満天の湯。4/10(日)はPayPayが使えなかった。LINE友達登録で画面みせたら大人600円。 |
写真
装備
個人装備 |
Qserrataさん
スキー
シール
クトー
chuki
スノーシュー
スノーボード
以下共通
コンロ
燃料
コッヘル
ツェルト
ビーコン
ゾンデ
ショベル
ヘッドライト
アイゼン
ブーツ
ストック
ヘルメット
板をザックに装着して懸垂下降するための道具(ハーネス類やATC類)
マイナス5℃でも寝れる寝袋類
|
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共同装備 |
chuki持参
7.8mm30m
捨縄
ナイフ
Qserrataさん
2人分の1日目の晩飯と2日目の朝飯
8mm13m
|
感想
●写真と動画
後日追加するかも。
●ヤマップ
※後日追加するかも。
●経緯
この週末の土日は行先に迷っとった。15〜20年前に一度だけ芋煮会で直接会った、ほぼネット上のみの知人の焼山の山スキー山行に混ぜてもらう、か、それとも遠い この白山別山の前からの課題に一人で行く、か、GW前半の予定山行の偵察に登り口の様子を見に行く、か、それとも時間的にかなり近くなった富士山?とか。
色々考えてたが、結局、天気予報の温度高め安定、逆に気温が上がり過ぎて特に日当たりのいい斜度きつめの斜面は全層雪崩とかが心配なぐらいだが、去年4月頭に行った時はガスってたり吹雪いてたりで視界は狭かった、ということもあり、天気のいい雪景色の別山太平壁を拝みたいな、と、そうゆう気持ちの拝一刀ならぬ尾上太平壁というわけ(わけわかめ?)。
一人でも行くつもりやったが、片道6時間の運転はキツいな、誰か一緒に行ってくれへんやろか、と自分の知り合いの雪山滑走遊びをヤル人を思い返してみた。太平壁に付き合ってくれそうな人なんて なかなかなぁ、と思ったが、去年、沢登りに一緒に行って、テレマークスキーをヤってるのをヤマレコなどに毎週アップしているQserrataさん(以下"Qさん"と記載)のことがふと浮かび、木曜の午前にツイッターDMで予定を約百文字で送ると、8時間後に"同伴してもいいですか?"と返事が来た。もちろん大歓迎に決まってますやん。だめもとで送ってみるもんやなぁと思った。9割がた、何人にも断られて終わり、一人で行くってパターンやから 心折れないように、それを想定してたもんやからw
●出発まで
4/8(金)
単身赴任宅(町田市)19:48発→ガソリンスタンドで給油と空気入れ→23:20頃 沢渡第二駐車場でQさんの軽四に乗り合わせて出発(計画書に記載していたアプローチ車両の訂正をするのを忘れたまま入山してた)→
4/9(土)
am 1:37着 石徹白集落某所 am 3:30発 →3:37白山中居神社付近大進橋付近P着
・備考
・18:00頃には町田を発ちたかったが準備が間に合わず、遅れた。
・Qさんの提案で軽四に乗り合わせて行ったが、睡眠時間を少しでも長くする意味合いでは、俺の車で平均速度早めで行ったほうがよかった、かも?
・東海北陸道の飛騨清見ICから高鷲ICに向かってる時、道路気温表示が0℃で、林道の雪がガチガチに凍ってることが想定され、行こか戻ろか行先かえるか迷ったが、結局、現場まで行ってみるか、と進んでしもた。
・石徹白某所でam3:15にアラームを鳴らし、目ざめたが、気温から林道がちがちが やはり想定され、しかも1時間半しか横になってへんし眠たすぎるし、、、「ゆるむまで待つのもありやなぁ」と横になったままジっとしてたらQさんがシャシャっと動き出したので、いくかー?いくかーーーと起き上がったw
●山行メモ
・Day 1
1.大進橋東詰(石徹白林道冬季通行止地点)→石徹白登山口
石徹白林道冬季通行止のバリケードから百mくらいは除雪で雪が無く、そっから雪どばどばあってシールで歩いていく。今回、スノーシューも持参してて、ケースに応じて使い分けようとしていた。雪が切れてるところは結構あった。Qさんの、板を外す、雪切れ箇所を歩く、板を着ける、の一連の行動は すごくスムーズで無駄が無く、それを言うと、「慣れです」と一言。クール過ぎるやろー。まぁ、もたついてる俺にイラだってたとしても文句は言えない。w
予想通り雪面は硬い。問題は、林道が法面から続きで斜面になってる箇所。5か所以上あったと思う。Qさんは、板をつけたまま、エッジを効かせてトラバースしていくが、俺は割板スキーモードのトラバースは無理で、板外して、持ってツボ足だったり、2〜3ヶ所はソフトブーツにアイゼンつけてトラバった。雪面ガチガチで怖いところもあった。この、つけて外して、とかでも結構時間を食うし、この時点で、もう今日は別山山頂まで行って そっからドロップするのは、この土日2日間におさめる山行としては時間不足やなぁという感じになってた。5時前から かなり明るくなり、ヘッドライト点けてたのは半時間弱やったと思う。日が出て少しでQさんに日焼け止めを借りて塗りたくった。
一番恐怖やった林道片斜面トラバースは、初河谷出合から400m白山中居神社側の、ルンゼあたり。ここは1年前も恐怖やった。
2.石徹白登山口→笠羽谷右岸尾根
同じく、林道片斜面が何か所かあるが、地形図で"大滝"記載の辺りが長いので嫌らしい。途中からアイゼン着けたと思う。長いとはいえ、片斜面の途中で何か所か休憩ポイントがあるw
1年前の自分の記録を参考にして標高1225mの二又あたりで笠羽谷の右岸側に渡るつもりやったが、Qさんリードで少し手前の標高1120mあたりで右岸側に渡った。ここより上流側も沢割れ箇所は散見された。Qさんは、スノーブリッジ渡って早々に一段あがって尾根に取り付いたが、ちょっと急で登り難かったので、俺は標高1190mあたりまで沢沿いをトラバースし、かなりなるい斜度のところから尾根に取り付いた。
3.笠羽谷右岸尾根→1784m峰
尾根に取り付いたあたりから陽射しがキツくなり、雪も緩んできて、クトーが欲しくなる雪面になってきた。つまり、斜度が緩いところを選ばないと、シールが滑る状態。でも、基本的に、ここからは斜度が緩いところばかりだったので そんなに困らなかった。これ、カラスノ谷の沢沿いを降りないならスノーシューは要らんなぁ、という感じ。時折、Qさんが先行し過ぎて どこにいるか分からなくなり、呼子笛を吹いたりするシーンもありつつ、適宜水分補給し、1784m峰を目指す。視界がメチャいいので、1年前みたいにルートを吟味することなく、ぼちぼちと歩を進めたが、睡眠不足のせいもあるのか、あまり調子が上がらなかった。睡眠時間大切。
1784m峰の200〜300m手前で、先行したQさんがザックを置いて滑ってきた。予告なしで急に来たので動画を撮り損ねた。滑りを見る限り なかなか気持ち良さそうな雪面状態やった。ベターザラメ雪。
1784m峰に近づくにつれ、風が出てきた。とはいえ、八方尾根なんかと比べると そよ風未満。
4.1784m峰→二ノ峰
まず、1784m峰からスグに尾根の雪庇崩壊箇所があり、それを回避して、あと3m程の雪切れ区間を歩いた。
その後、1784m峰と一ノ峰の間のコルまでボードモードで滑った。Qさんはシールつけたまま滑ってたっけ。
このコルで相談し、Qさんは「三ノ峰まで行ってピストンで戻ってくる」と、俺は 別山山頂なんて体力的にとても無理やったので、二ノ峰で合流しようと。そうゆうことにした。
こっからは、先行するQさんの背中を見ながら、「早いなぁ」と思いつつ、まぁわりとノンビリと二ノ峰を目指した。二ノ峰直下くらいで、ツボ足?のソロ登山者が降りてきて、聞くと、別山山頂で折り返してきたとのこと。おそらく笠羽谷林道あたりで先に見えてた登山者やと思う。早いなぁと恐れ入った。まぁQさんも俺と一緒やなかったら 当の昔に別山まで行けてたでしょう。すまんねぇ。
で、二ノ峰のピークから70〜80mほど南から南東斜面、つまりカラスノウシロ谷の左又へ向けてドロップ準備。
5.二ノ峰→ブナ小屋谷右又標高1430m泊地
自撮棒で動画とりつつ、Qさんとツルベで滑って降りてった。この二日間では ここの斜面が一番きもちよかった。
滑降動画↓
ドロップ直前にQさんと、一ノ峰の北東尾根の標高1600〜1650mの台地状を乗り越えて その先の斜面に降りていこう、と打ち合わせしたのに、気持ちよすぎて、居り過ぎて、俺だけスノーシューで登り返した。でも、ここはそんなにしんどくはなかった。
Qさんは、「別山などの景色が綺麗に見えるココで泊しまへんか?」と言ってたが、俺的には、出来ればカラスノ谷本流まで降りたいし、そしたら雪を溶かさんでも水とれるやろし、それが無理でも少しでも本流に近づきたい、という思いがあったのと、あと、標高を下げたほうが寒くないということと、翌日の行動のことも考えて もう少し下で泊させてもらうことにした。
少し降りて、標高1430m前後の子尾根ちっくなところまで滑って降りてイグルー泊することにした。
6.エセイグルー作成その他 泊地で
Qさんは日の入りまでにイグルーを作りたい、と思ってたのかどうなのか、結構はやいペースでブロックを掘り出して積み始めた。俺はノンビリしてて すんませーん。小一時間でイグルー壁は十分な高さになり、アライの2〜3人用ツェルトを屋根にし、また、入り口をふさぐのも もう一つQさんが持ってきてた新しいツェルトを使った。手抜きイグルーとしては上出来やったと思った。この時は。一応、外からブロックの隙間に小さい雪ブロックなどを詰め込んで隙間を塞いだ。ツェルトが飛んでいかないように雪のブロックを上においたり、ショベルやらなんやらで押さえた。
Qさんに頼んで買ってきてもらってた、なんか ピリ辛飯は美味かった。レトルトのハンバーグも割と上等のヤツで美味しかった。焼酎220ccを二人で半分こしてお湯割りにして飲んだ。で、割と早めに寝た。寝る前、一度、屋根が垂れさがってきて、水がたまってたので排水した。
・Day 2
7.ブナ小屋谷右又標高1430m泊地→ブナ小屋谷右又標高1310m滝割れ地点
朝起きると、イグルーが隙間だらけで隙間風が吹き荒れてた。ブロックが冷え固まったせいなのか縮んで痩せて詰めてたはずの隙間が また出来てた。なので、簡単に詰めれるとこは また塞いだ。
あと、またツェルト天井が垂れさがって水がたまってたので、最初 排水しようとしたが、あ、これ、雪とかさんでも水できてるってことやん、と、それを容器に入れて飲み水にした。燃料を節約し、CO2排出量も削減したのでグレタちゃんに褒めてもらいたいと思った。
Qさんが担ぎ上げてくれたラーメンは美味かった。豚骨味やったかな。マルタイの棒ラーメンよりは だいぶ美味かった。
昨晩は泊地からスグ登り始めようとゆうてたけど、相談して、もう少し滑って降りてから登り始めることに。
で、標高1310mの顕著な二又まで縦溝が固まった雪面で板ガコガコゆわしながら滑降したら、ちょうど その二又で雪割れして滝が露出していた。
その滝を回避し、降りたところでシール登行開始。
8.ブナ小屋谷右又標高1310m滝割れ地点→支尾根標高1670m
早々に尾根に取り付いたが、陽当たりがいいせいか、尾根の一部の雪は既にとけてて、先行してたQさんは下から尾根を見て、右側から巻き始めた。
が、まぁともかく割板シール登行でのトラバースは、特に固めの雪のトラバースは大変。で、Qさんとは違うルートどり、雪柔らかめのところを探して探してのぼった。途中、左のシールが外れた。粘着力が落ちてる様子。G3のテンションストラップで仮固定して難を凌いだ。
あと、クラックが多数あり、一か所、Qさんはシール登行のままクラックの間?の細い一本橋を渡ったが、俺は無理で、シートラツボ足で渡った。それ以外は難なく登れたが、相変わらず、Qさんのペースにはついていけずじまい。
9.支尾根標高1670m→母御石谷源頭
この尾根に乗り上げたところから銚子ヶ峰の東斜面が良く見える。デブリランドである。ボードモードにして、少し滑ったあと、デブリを横切る距離がなるべく短くなるような場所までガコガコ滑ってってシートラツボ足でなんとか第一巨大デブリを越えた。雪崩的には size 2.5くらいか。このデブリ横断でウェアがドロンドロンになった。
その後も二つほどデかめのデブリがあったが、その下端をボードで滑ってって、またシールをつけて登る。ジリジリ照らされ暑い暑いと思いながら ようやく母御石谷源頭着。この辺りは東向きの木立の殆どない巨大な一枚バーンになってた。昔、スキー場やってんで、といわれたら信じてしまうほど。
10.母御石谷源頭→母御石谷笠羽谷林道出合
ドロップしてみると、雪は緩んでるんやけど、縦溝もありーの、で、昨日のカラスノウシロ谷左又斜面ほどの気持ちよさはなかった。とはいえ、快晴のもと、遠くまで見渡しながら滑っていくのは気持ちいい。
標高1330mで8m滝が沢割れで露出してた。俺は夏道に戻るつもりで登り返そう、と伝えたつもりだったがQさんには違って伝わってたみたいで、彼は左岸側の笹が出てるとこから巻き降りてしまってた。最初どこに居るのか分からず呼子笛を吹きまくってたw
そっから先も滑れそう、というので、まぁいいか、せっかくやし、とシートラツボ足で巻き降りて板つけてQさんを追う。滝を下流側から見ると、勢いつけていけば滝の水流すぐの左岸際も滑っていけるかもw
適宜、右岸に渡ったり、左岸に渡ったり、最終的には左岸に渡り、ボードの俺は一か所 板を外して数歩トラバースで歩いたところあったけど、あとは滑って降りて でかい堰堤も左岸側を滑って過ぎて、あっというまに笠羽谷林道に出た。夏道に戻るよりは随分はやく来れたと思うが、まだ この先 恐怖の、しかも雪が緩んで 下から崩れるかもしれない より恐怖の林道片斜面トラバースが何か所も待っている。
11.笠羽谷林道出合→石徹白登山口
林道を少し行ったところでQさんが「石徹白登山口の便所で大便したい」というので片斜面ソロのリスクは胸の内のとどめて、別れて降りることにした。しばらく先行Qさんが見えてたが、半時間もしないうちに視界から消えた。
雪の緩んだ林道片斜面トラバースは往きよりも怖かった、が、まぁ運よく、自分が落ちたり、自分のとこに雪や石が落ちてこなかったので これを書けてる。
数ヶ所 ボードモードで滑って降りた。
12.石徹白登山口→石徹白林道冬季通行止地点
ようやく石徹白登山口の東屋とかが見えてきたー、休憩するかーと思うと、Qさんが いそいそと滑り準備を始めてて、休憩なしかいなー となる。ウンコを終えたQさんは昼寝も貪ってたらしい。で、また「先に降りていきたい」という意味合いのことを言うので 行ってもらうことにした。しばらく先行Qさんが見えてたが、15分もしないうちに視界から消えた。
雪の緩んだ林道片斜面トラバースは往きよりも怖かった、が、まぁ運よく、自分が落ちたり、自分のとこに雪や石が落ちてこなかったので これを書けてる。
やっぱり初河谷出合から400mほど下流側のとこにある林道片斜面トラバースが一番こわかった。アイゼンつけた。ほかも一か所アイゼンつけてトラバった気がする。
この区間では二ヶ所ほどボードモードで滑ったが、まぁモード切替が手間なので、大体、ツボ足でボードはザックにシュリンゲで連結して地面を滑らせて引きずって、犬の散歩みたいに もしくは さんまちゃんの引きずり女みたいにして歩いてた。最後の最後は雪切れが目立ってきてシートラで。
ブルドーザが除雪作業してたり、その少し下流側で、軽装のウォーキング男女二人組とスレ違ったり。冬季通行止め地点で車で待ってたQさんに ようやく合流。長らくお待たせしました。
●総括
当初かかげてた予定というか目標の太平壁滑降には全然とどかなかったわけだが、俺的には悔しいとか そんなんは全くない。よくやったね、自分。という感じ。去年は別山山頂まで辿りつけてて、今回無理やったわけやけど、ブナ小屋谷右又斜面を去年よりも もっと下側まで滑りこめたし、銚子ヶ峰の東斜面も滑れたし、母御石谷も沢通しで滑れたし、大満足。とはいえ、林道片斜面トラバースは もう絶対にやりたくない。ついでに今回のルートどり、雪質ではスノーシューは不要で、できればクトーがあったほうが良かった。アテが外れた。
Qさん、父親ほどの歳の差がある俺なんかと一緒に遊んでくれてオオキニ。待たせてばかりで すんまへんでしたなぁ。また気が向いたら よろしぅ。
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