上越国境・白毛門から巻機山
- GPS
- 26:29
- 距離
- 27.9km
- 登り
- 2,763m
- 下り
- 2,827m
コースタイム
- 山行
- 5:51
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 6:20
- 山行
- 11:05
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 11:31
天候 | 一日目:雨から雹、曇りのち晴れ 二日目、三日目:快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2022年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
清水14:10-六日町駅角14:53 南越後交通 \480 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・全行程、登山者が多く確りトレースが出来ていた。 ・白毛門の1100mぐらいまで夏道。 ・以降、ジャンクションピークまでは夏道と残雪のミックス。 ・ジャンクションピークからは主に稜線直下の群馬側の残雪を繋いで巻く。一部の雪の切れた所で藪に入るが区間は短い。 ・トレースは開いたクラックの際どい所を通過することもあるが、雪は良く締って安定している。気温が上がって雪が腐ってきても沈み込むことはなかった。 ・藪は一部のピークとおもに下りの北斜面にあり、藪に入るのには苦労しないが、出るときには急斜面を笹をつかみながら降りた。 ・米子頭山の手前の1790m峰の登りでは露岩の右の雪壁にステップが出来ていたが、今後クラックが大きくなれば使えなくなるかもしれない。 ・巻機山からはにせ巻機過ぎから1650mまで夏道を降った。1190mから下では雪は消え一部に残るのみ。 |
その他周辺情報 | 湯らりあ \440 ボディーソープ¥100 |
写真
感想
2011年の法師温泉から白毛門への柄杓縦走の際に見たジャンクションピークの道標と巻機山まで続く国境稜線が心に残っていた。スキルが付いてから機会を窺うも近年は寡雪のためGWでは時季が遅すぎていた。今年の多雪にGWの十分な残雪を期待した。期間中の好天の予報により絶好の機会が訪れた。
先行者が多くトレースが確り付いていた為、雪の切れた藪を除いてルートファインディングする必要がない快適な道中だった。藪は一部のピークや北側斜面にあるのみで、行程はほぼ雪の上だった。開いたクラックの際どい箇所のトレースの辿るのは緊張したが、雪は良く締って安定していた。気温が上がって雪が腐ってきても沈み込むことはなかった。
終始奥利根の山や谷を眺めながら、おそらく訪れることは出来ないだろう奥深い源流部に思いを馳せた。奥利根を遠巻きに眺めたに過ぎないのだが、その一端を知れたことが嬉しかった。三日目に誰もいない巻機山の一角に着いた時には感慨を深くした。
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5/3
一日目
8:27 水上駅 14.0℃
8:48 土合橋BS 南側は晴れ間が見えるが北は曇り。駐車場では桜が満開で駐車は多い。白毛門下部は新緑。トレッキングポール出す。
9:01 登山口手前の林道に残雪をみる。東黒沢の橋は歪んでいる。新緑が綺麗だ。
9:12 登りに入りイワウチワを見る。以後多数。
9:22 810m 尾根に乗る。
9:27 小雨が降り出しストームクルーザー上とザックカバー着。雨は一時的に雹になる。シャクナゲとコブシを見るようになるが傷んだ花が多い。
9:40 870m 樹間から西黒尾根とマチガ沢が見えたが谷川岳上部は雲に隠れる。
9:52 930m 平坦地 A-3標識 樹間から赤沢山を見る。
10:05 1010m 平坦地
10:12 1040m 稜線直下西側を巻いてから檜の巨木で稜線に復帰。D8.7℃
10:22 1100m 最近降った感じの雪を見る。 1120mより天神平が見える。
10:28 1140m 檜巨木のあるA-5標識の平坦地、右から枝尾根を合わして暫く傾斜が緩む。確り残雪が残る。滝が見えるようになる。タラタラノセン?
10:31 1154m標高点手前で西側を巻く。夏道で雪はない。
10:35 1154m標高点過ぎ傾斜が緩む。 白毛門が見えるようになる。
10:40 1170m左から枝尾根を合わす。東と南が開ける。赤沢山から白毛門への稜線を見る。
10:56 1240m 痩せ尾根となり東の残雪を行く。
11:14 1260m ブナ林に遷移。傾斜が強くなり一旦アイゼン着用するが、その後夏道が露出するようになりすぐにアイゼンを外す。D6.5℃
11:27 1310m ブナ美林。 尾根が広がる。傾斜が強くなり再びアイゼン着用。
11:51 1420m 夏道と露岩が露出する。
11:57 1440m 松ノ木沢ノ頭手前 鎖が出ているが、残雪上を巻く。
12:02 松ノ木沢ノ頭1484m AL1485m(+1) D8.8℃ 目前に白毛門、武尊山の眺め。
12:19 ランチ後、両手にピッケルとポール一本で出発。残雪が続くようになる。ミックス状態での山頂直下の岩の通過を心配する。積雪期は岩の左の雪壁にあったステップを登ったが、無雪期は法師温泉からの縦走の際に一度降ったことがあるのみでルートをよく覚えていない。
12:51 1600m 眺めがよい。 武尊山 赤城山 小持山 榛名山 谷川岳は頭を雲に隠す。西にトラバースして露出した夏道のマーキングやロープを追う。
12:59 1630m ここですれ違った登山者につられて直進するルートミス。急傾斜と藪で行き詰って戻り、正しい右へトラバースした。
13:25 1670m 岩を巻いて稜線上に乗った。山頂が近づき北斜面の灌木には霧氷が着く。平坦な痩せ尾根を進んだ後南の残雪上を巻いて、
13:39 白毛門1720m 開豁な眺め 笠ヶ岳 小烏帽子 至仏山、笠ヶ岳 武尊山 赤城山 小持山 小野子山 榛名山 谷川岳は頭を雲に隠す。
13:43 1710m 山頂を過ぎると笠ヶ岳までたっぷり雪の着いた広く快適な吊尾根。ここからスタートの気分で期待が膨らむ。
小烏帽子 1934m峰 正確なところは良くわからないが、尾根を張りだす1890m圏峰を小烏帽子とした。大烏帽子はどこだかわからない。武能岳 七つ小屋山
13:58 1650m鞍部 燧ケ岳が漸く見えるようになった。至仏山 笠ヶ岳
14:10 1700mコブ 夏道が出ている。AL1700(0) 1700mから1800mは残雪上を急登する。
14:40 1800m また夏道に入る。
14:54 笠ヶ岳△1852.1 AL1853(+0.9) 360°展望 三人組パーティが休んでいたが、直に出発していった。ノーアイゼンでベテラン感強い。
14:59 出発
15:02 笠ヶ岳避難小屋1830m 扉が閉まらないか、閉まりづらい。先客お一人おり、定員三名ほど。これから到着する方もおられるだろうし、笹が出て雪が少なく融雪し辛いのでもう少し先で設営地を探すことにする。
15:11 笠ヶ岳、小烏帽子間の鞍部1800m 南側が雪原になっている。地形図で雪庇ではない事を確認し設営決定。
16:26 整地して設営完了 D3.9℃ 融雪して4L残として夕餉。一日分予備食糧を用意したので軽量化のためカレーメシ、たまに食べるといける
。後から到着した三名二組がテントを張った。ウイスキーをやりながら暮れ行く日光白根や武尊山の山並みを眺め就寝。
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5/4
二日目
3:00 2:57起床 D-1.3℃ 結露が霜となっているのをコッヘルでこそぐ。朝食後赤く染まる山並みを眺めながら撤収。
4:41 ブリーザートイアルファダイレクト、Haloキャップ、テムレス、アイゼン着、ピッケルとポールを両手に出発。小烏帽子へは夏道が出ている。D-0.2℃ AL1781(+1)
5:01 1880m圏峰 夏道 燧ケ岳から朝日が昇る。
5:11 小烏帽子1890m圏峰 ウツボキ沢に尾根を降ろす。
5:16 1910m圏峰
5:24 1934m峰 1920m圏峰へは稜線の藪から南側の残雪上を巻く。
5:31 1920m圏峰 前方1910m圏峰からはナルミズ沢とウツボキ沢出合、広河原に尾根が降りる。1910m圏峰からコブ三つ越えて、
6:05 朝日岳前鞍部1890m
6:15 朝日岳△1945.2 山名標柱にエビのしっぽが着く。AL1911m(-34) CAL1945 D6.9℃ いよいよ国境の山並みや南魚沼の山々が現れる。
6:24出発 宝川温泉分岐に無人のエスパースが張ったまま。 池塘のある東側は稜線の高さまで雪に埋もれた雪原になっている。後ほど柄沢山ピストンのエスパースの方とはすれ違った。
6:53 ジャンクションピークより上越国境を望みながら笹の露出した斜面を降る。ナルミズ沢左俣の詰めに向けて尾根が痩せて行く。時々、沢登り下山路の夏道らしきものを見る。
7:48 越後烏帽子1790m圏峰 小広く設営適地。振り返るジャンクションピークは大きい。 暑くなって来たのでブリーザートイフーディー脱。D14.6℃ 二人の方に抜かれた。一旦降って1770m圏のコブからトレースは北東の枝尾根に進み、露出した笹の中を主稜線に戻る。先行する登山者三名見える。大烏帽子の登りにも夏道がある感じだ。
8:31 大烏帽子山△1819.5 山頂は灌木の藪で三角点があった。 繞る上越国境と越後山脈の山、布引尾根、刃物ヶ崎山尾根。
降り稜線は痩せて群馬側の残雪を行く。稜線との間にはクラックが開く。1780mから尾根が広がり、
8:48 1740m AL1739(-1) 北西に枝尾根を派生する広い平坦地。設営適地。過ぎると尾根は再び痩せて行く。
9:10 1650m 稜線の藪を避け笹につかまりながら急斜面を群馬側の残雪に降りる。大きくクラックが開いている。1630mで平衡を得る。1614m標高点鞍部より登り返し1630mで一時藪に入った後は残雪上をゆるゆる登る。檜倉山の一角1710mは広い雪原。
10:43 檜倉山 池塘が露出した平頂で設営適地。池塘の周囲は一面ヌマガヤが倒れている。背景となる谷川連峰との対比が美しい。今の時季は綺麗な雪解け水でおいしく飲めた。山頂最高点の周囲は笹藪で、ランチ後三角点を探しに少し入ってみたが、人が通った形跡なく体力温存の為に直ぐ引き返した。
11:21 出発 降ると尾根は痩せて、残雪の群馬側の急斜面に開いたクラックの際をトラバースする。
11:47 1670m 刃物ヶ崎山尾根の分岐。分岐を分けて国境を進み、
11:57 1650mは雪原となる。近づく柄沢山の登りはクラック大きく開き、雪庇が発達している。
12:14 1570m 最低鞍部手前 AL1559m(-11)
12:21 1550m 最低鞍部 AL1545(-5) この辺りで逆方向の一名とすれ違う。鞍部を過ぎて1800mまでは傾斜が緩い。遠くに先行者6名3組を目で追いながらゆるゆる登る。
13:33 1820m 柄沢山の肩に登り切って平坦になる。ここでもう一名とすれ違う、この先灌木の藪は米子頭山ぐらいとの情報を得る。久しぶりに谷川苗場側の眺めが得られた。暫く緩く進んだ後、1850mからは急登となる。ちょうど中間あたりに藪がでているが大きく右から迂回する。
14:11 柄沢山△1900.2 何箇所か設営適地がありそうな国境を確認して1806m圏峰か居頭山1820m圏峰辺りまで進むことにする。
14:24 1830m平坦地 設営適地
14:47 1809m峰 設営適地 池塘が露出している。先行の方一名が設営しておられた。
風がありそうなので先に進む。居頭山1820圏峰手前鞍部も平坦な適地で先行のテントあり、笠ヶ岳の鞍部で自分の後に張っていた方だ。1809m峰と風の条件は変わりないが、時間も頃合いなのでここに設営決定。
15:55 整地して設営完了。雪はびしょびしょだが日が落ちると直に固まった。
16:30 D26.6℃ 1780m AL1760(-20) CAL1780
17:40 D8.9℃ 水残0.5L 融雪して3.5Lとして夕餉は麻婆春雨、ウイスキーを飲みつくす。暮行く奥利根を眺めて18:30には就寝。
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5/5
三日目
3:00 D1.5℃ 結露なし。夕方は風があったが、夜半には止んだ。雪はカチカチだ。朝食を済ませ、赤く染まる奥利根を眺めながら撤収。
4:32 AL1756(-24) CAL1780
4:43 先着のテントの方は先に出発された。藪に備えストームクルーザーで出発。先着のテントがあった所には二つの池塘があった。
4:51 居頭山への登り1800m 平ヶ岳から日が昇る
4:54 居頭山1820m圏峰 柄沢山から見た通り平坦な設営適地。
5:06 1809m峰深沢ノ頭 藪に入るがすぐ抜ける。D11.8℃
5:39 1750m鞍部 1790m圏峰を見るとトレースは藪を巻いて降った後露岩の右を登っているようだ。暑いのでストームクルーザー脱。1790m圏峰の露岩の横の急な雪壁を登り切ると逆方向の登山者とすれ違った。進むと雪は切れて藪となる。
5:56 1790m圏峰 藪の稜線によじ登り灌木の中を進んでから群馬側の雪面に降りた。振り返ると藪の薄い所にトレースがあった。
6:12 1790m 米子頭山 トトンボ尾根に遮られるように雪は切れる。稜線の藪を暫く進んで群馬側の雪面に降りた。振り返るとまた藪の薄い所を通過するトレースがあった。1809m峰で設営していた方に抜かれる。同じく清水14時のバスだそうだ。
6:44 1646m標高点 米子頭山と栂ノ頭間鞍部 AL1644(-1) 雪のない笹の稜線を見ると細尾根だ。
7:21 南西から枝尾根を合わせる1780m圏 雪が切れて稜線の藪に乗る。人の通ったような感じのする藪の稜線を進んで南東から枝尾根を合わせる1790m圏に一旦登りきる。
7:27 南東から枝尾根を合わせる1790m圏峰 右を見るとまた右の群馬側に残雪ありトレースがあった。雪面まで高さがあるので降りられる所まで進んで残雪面に着地し徐々に尾根は広がる。
8:04 1880m 広尾根の栂ノ頭への登りになるとシラビソ林に遷移する。
8:16 栂ノ頭1928m峰 広大な平頂 時季にはスノーモンスターが見られるらしい。駒ヶ岳へ伸びる越後山脈主脈。巻機山 牛ヶ岳までは一投足。
8:37 風が強くなったので、ストームクルーザーを着用、人が多いかもしれない巻機山を避けてここでランチ。
8:55 出発
9:00 巻機山1967m 土が露出。 八海山が初めて見えた。
9:13 御機屋 屋根だけの避難小屋と丘の上のテントが一張り見える。
9:31 1800m 巻機山避難小屋 2Fの出入り口が掘り出してある。
9:52 にせ巻機山1861m峰 手前で登山道が露出して一旦東の残雪進むが、すぐに登山道復帰してアイゼンとストームクルーザー脱。
10:03 八合目 1750m 夏道の南側には残雪が見える。
10:17 1670m ぬかった急な夏道を下り一時残雪を横断した後、1650mで快適な残雪に復帰して傾斜も緩む。
10:28 1564m標高点 小広い平坦地から振り返ると雪は続いており夏道を使わないでも済んだかもしれない。
10:31 広尾根の雪は腐っているがクッションになり快適な下る。
10:50 1330m ブナ美林となり窪状の急坂を降り切って傾斜が緩む。周囲はブナの芽生え。根開けはそれほど広がってはいないが深い。さらにブナ美林の撓みの中を進むと正面には大源太山と谷川連峰を見る。
11:15 1190m 雪解け水が登山道を沢となって流れる。
11:24 1128m標高点 五合目 雪は消えた。 AL1128(0) 南西の枝尾根の九十九折れの急な降りとなり、
11:35 1050m 四合五匁 AL1052(+2)
11:48 950m 標柱の倒れた四合目
11:53 910m 漸く傾斜が緩んだ新緑の土道となり、タムシバ、ムシカリに癒される。
12:07 820m 根開けの進んだ沢状に着き、右に雪解けの沢状を進んで、
12:18 750m 尾根コース登り口
12:22 駐車場 駐車はまばら ソメイヨシノは盛りを過ぎ芽吹いている。
二子沢川を渡ると駐車場トイレと靴洗い場があり、泥を流し落として身支度後出発。また橋を渡ると直進と右折に道は分かれる。清水に近いはずの右に向かうと、橋の手前で左折して林の中を進む道が除雪されていない。また汚れたくないので戻って、直進して九十九折れになる除雪済みの車道で清水に向かう。
植林の九十九折れの林道で大源太山から続く稜線の無黒山を見る。満開の桜やキクザキイチゲを愛でながら清水集落に入るとすぐに清水BS。トレッキングポール。ピッケルをかたずけパッキングし直した後、唯一自販機がある上田屋旅館に向かう。生憎食堂はお休み、コーラを購入し少し周囲散策してから戻りバスを待つ。
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