愛鷹山 鋸岳(第2.3ルンゼ)



- GPS
- 46:27
- 距離
- 36.6km
- 登り
- 3,139m
- 下り
- 3,131m
コースタイム
- 山行
- 2:10
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 2:15
- 山行
- 6:40
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 7:25
- 山行
- 10:45
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 11:25
20:45ー23:00 須津駅ー須津山荘
5/7
7:50 須津山荘発
9:43 位牌沢出合
10:20 割石沢出合
11:11 第3ルンゼ取付
11:32 第2ルンゼ取付
12:00 鋸岳(縦走路)
12:49 呼子岳
14:17 大岳
15:30 須津山荘
5/8
7:50 須津山荘発
9:35 位牌沢出合
10:00 割石沢出合
10:35 第3ルンゼ取付
12:50 鋸岳(縦走路)
14:05 位牌岳
16:20 須津山荘
17:40 大棚の滝
19:40 須津駅
天候 | 5/7 晴れ 5/8 晴れ/曇り→小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
復路も徒歩。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストは須津山荘にあり。 ・須津山荘~割石沢出合 飛び石での渡渉が何度もある。水量が多く石が濡れていると、ドボンの可能性が高い。ピンクテープ、看板が十分すぎる程あるが、不安定なゴーロ、トラバースを通る。テープに従い続ければ迷わない(はず)。枝沢や位牌沢には入り込まないよう注意。 ・割石沢出合~第3ルンゼ入口 割石沢出合付近はテープが少なく、地形が複雑。素直にテープに従うとルンゼへと導く看板がある。 ・第2ルンゼ 第3ルンゼの看板を通り過ぎると、鋸岳へと伸びる綺麗なルンゼが現れる。「第2ルンゼ」の看板から取付。大きなチョックストーンの小さな苔滝が核心部。岩が脆く、足が滑るので見た目より怖い。残地ロープは信用ならないのでザイルで確保するのもありか。核心部を過ぎたら不安定なガレで、残地ロープが稜線まで永遠と伸びている。 ・第3ルンゼ F1は左に巻いて進み、F2が核心部。15mほどの黒い滝で最上部にはチョックストーンがある。掴める岩が大変脆く、何度も叩いて蹴って確かめる必要がある。おまけに水で岩が滑り緊張度MAX。左に残地ロープがあり巻けそうだが、そちらも同様に厳しそう。 F3はツルツルの滝で左から巻き(キツい)、F4は階段状のスラブで難易度は下がる。稜線に抜けるまで残地ロープが伸びているが、信頼は出来ない。ただしザレで歩きづらいので残地ロープに助けられた。 ・位牌岳~鋸岳~呼子岳 崩壊が激しい廃道。YAMAPでは破線ルート(立ち入り禁止区域)だが気の抜けない痩せた縦走路。3点支持はもちろん、アンカーが乏しい残地ロープや鎖をあまり頼らずに進む歩行技術が必要。 ・呼子岳~大岳 侵食が進んでおり廃道。特に呼子岳付近が急峻で険しく厳しい。だだ、ピンクテープや残地ロープが一般道並みなので道迷いの心配は少ない。 |
その他周辺情報 | 無人小屋の須津山荘、中は清潔で十分な広さを備えている。外にトイレあり。電波は無し。 |
写真
矢印に腐ってそうな頼りない支点とスリングあり。
赤丸にハーケンがあって中間支点が取れた。
この方のハーケンだろうか。↓↓
http://kemotop.web.fc2.com/Report/2007/20071121/20071121.htm
装備
個人装備 |
ヘルメット
ザイル
スリング
カラビナ
確保機
|
---|---|
備考 | 沢靴、ハーケン、カム、ナッツ等あると便利だったかも |
感想
情報が少ないが、1=2→3の順に登攀要素が強く難しいらしい。とりあえず第2ルンゼはいくとして、第3ルンゼは様子見で、あわよくば第1ルンゼも触っておきたかった。
Day 0
前泊として無人小屋の須津山荘を深夜に到着とした。綺麗に保たれていて快適そうでホッとした。2時間の舗装路歩きに染み渡るキムチ鍋とビールで、ほどほどに寝た(3:00就寝)。
Day 1
ド快晴の翌朝、立派な砂防ダムを超えるとやっと河原歩きが始まる。右へ左へとピンクテープに誘導され何度も渡渉する。ルーファイをさせてくれない程、テープがあるので素直に従っていく。
ただしテープ通りに割石沢を遡行しすぎると鋸沢のルンゼにたどり着かないと考えて、テープを無視して何度も方向確認して進んでいく。結局テープに従うとルンゼに向かう標識があったのだが…。
複雑な地形で確信を持てないまま進むと標識を見つけてなんとか第3ルンゼの取付地点へ。第3ルンゼは滝が立ちふさがっていて難しそうだが、後輩くんは「呼んでいますね」と行きたそうにしていたが無視。とりあえず第1.2ルンゼの方へよじ登っていくのだが、鋸岳へ伸びる一本のルンゼに心が躍る。落石に気を付けつつアスレチック気分で快適に進んでいく。
第2ルンゼには大きなチョックストーンが行く手を阻んでいた。楽勝に見えたが石はポロポロ、苔と水で滑りやすくやや難儀。ザイルの準備をしたが後輩くんは使わずに来てくれた。以降、ザレを進み簡単な登攀を数回こなすと縦走路に出た。想像以上に快適な登攀が続いて楽しい場所だった。だが親切に残置ロープが常に横にあるのはなんだか複雑な気分。
縦走路は破線ルートで、ハイカーがこんな場所を通るのかと驚くほど険しい。危険な場所にはロープが張ってあり(9割)親切だが、あまり頼らずに行くべきだろう。
呼子岳からの廃道は入口を間違えるも看板を見つけると、踏み跡明瞭でロープやテープあって安心する。呼子岳から遠ざかるほど道は安定していく。
大岳からは一般道で須津山荘へ帰宅。
Day 2
須津山荘で過ごす2日目。深夜に女性の喘ぎ声で目が覚めたり、酒の脱水でのたうち回り3:30に起床。雨と風があるのでゆっくりとスパゲティを食う。5:00出発を遅らせて二度寝をしたら8時前出発になってしまった。
昨日と同じ場所を辿るだけなので迷わずにただテープを見つけてホイホイと付いていく。
途中、後輩くんが鹿の骨(頭付き)を見つけてきた。「別にそんなもんいらねーし」と思ってたけどカッコよく見えてきて自分も欲しくなって探しながら進んだ。
今日は1番登攀要素が強いとされている第3ルンゼを行く。最初に立ちはだかる小さな滝(F1)は左の階段をハイハイで登る。ここも一本に伸びた綺麗なルンゼになっていて、奥にチョックストーンがある黒い滝が見えた。それが核心のF2でなかなかデカい。下から見ると何となく登れそう。しかし中間支点は作れそうにないので、落ちたら確実に救急車。落ちた場合を考えて一応ザックを敷いて致命傷になるような石を捌ける。左から巻けそうだけど事故る高さを、脆い岩と草付きのトラバースをしなければならずそちらも厳しそうだ。
いざ取り付く。乾いている僅かな石に体重をかけていく。“この大きさなら大丈夫だろう”と思う石が簡単に剥がれる。掴んでいる石も全体重をかけたらポロリでコロリ。拳で叩いては足で蹴り上へと進む。しかし頭上のホールドは濡れていてヌルヌルで掴みにくく登れるイメージが出来ない。下を見る限りクライムダウンは無理で、登り切るか今のうちにザックにジャンプするか1秒くらい悩む。「母の日に何やってんだろ」と思いながら右側のヌルヌルに足を張って全体重をゆっくりとかけて(緊張度MAX)重心を移動させたら素早く手掛かりを見つけ何とか段に上がれた。途中に1箇所ハーケンがあったがクリップする暇があるなら上に抜けた方が良かった(一応かけたが本当ギリ)。
ひと段落した場所で支点になりそうな場所を探す。1箇所心許ないピナクルで取るがせめてもう1箇所欲しい。よく見ると白色であったろうスリングが黒く変色し苔が被さって同化しているのを見つけた。強く引っ張ったがぐらつかなかったのでそこで終了点を作った。ザックを引っ張り上げて後輩くんを引っ張りあげる。何とか登ってきて来てくれた。
2段目はチョックストーンに沿ってハングした硬い石をアンダーで持ってプッシュしながら登っていく。高度感あり心許ない支点でやるには痺れたがムーブが気持ち良くてめちゃくちゃ楽しかった。F2を越えると木や草、ピナクルで支点は作れた。後輩くんを引っ張り上げた時には2人とも苔と水で汚れていた。
さて、奥の方に黒いツルツルの滝(F3)が見えている。下から見た感じ登れる気がするので登ってみたい。ただ死にたく無いので巻いてから、TRを張り登ろうと提案するも後輩くんは乗り気じゃないので先に進む事にした。階段状のF4も難なく通過して、残置ロープがあるザレを登りきれば縦走路に出た。
天気も悪く時間も遅いので、割石峠か第1ルンゼを懸垂下降するのは次回の候補として、昨日とは違うルートで帰る。破線ルートで気の抜けない縦走路をシャリバテ気味に位牌岳へ。そこから一般道を通り須津山荘で荷物を回収して寄り道しながら(観光と酒補給)須津駅まで歩き帰宅した。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する