心の傷を縫いたくて… 大無間山南稜再訪_尾盛駅到達


- GPS
- 21:20
- 距離
- 23.8km
- 登り
- 2,675m
- 下り
- 2,861m
コースタイム
- 山行
- 8:16
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 9:22
- 山行
- 10:49
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 11:55
4日:2098mピーク5:30⇒6:05三ツ合6:20⇒8:35風不入(かぜいらず)8:50⇒11:10黒枯山11:15⇒11:55抜ヶ谷山12:05⇒14:00尾盛駅下降点1320mピーク14:10⇒16:05井川線33号トンネル脇⇒16:15尾盛駅⇒接岨峡温泉駅(温泉会館入浴・川根長島漕艇場キャンプ地・幕営)
5日:川根長島漕艇場キャンプ地⇒接岨峡温泉駅9:25⇒10:02井川駅10:13⇒10:50田代・てしゃまんくの里駐車場
※ロガーの電池切れのため大無間山頂付近のログが途切れています。
天候 | 3日:晴れ 4日:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
大井川鉄道井川線・尾盛駅〜(接岨峡温泉)〜井川駅:鉄道 井川駅BT〜井川・田代BT(てしゃまんくの里):静岡市井川地区自主運行バス |
コース状況/ 危険箇所等 |
○小無間山P1⇔山頂間のガレ場。トラロープ有り。ガレの頂辺部が幅20cmほど平らに均してくれてあり、昨年より格段に渡り易くなったが危険に変わりない。 そこから上部100m程もガレの上に張った木の根が庇を支えているような状態の場所を登るので崖側に近付き過ぎないように。地震でもあれば木ごと落下しそうなので速やかに通過したい。 ○大無間山南稜は基本的に踏跡・リボンがある。ほぼ稜線通しにコースが付いている。 (すれ違ったパーティの話だと、聖の小屋番さんが一週間前に通り所々マーキングしてくれたとのこと) 前無間山南西斜面がガレており、コースはガレの縁を通るが見た目ほど危険ではない。 全体を通して整備されていないため倒木や枝が生い茂りザックの突起(特に頭上)は抵抗となる。 しかし下草はほぼ無く藪コギの心配は無い。 前無間山を過ぎたところと、風不入を過ぎたところは樹林帯の猛烈な傾斜を下る。 抜ヶ谷山1612mを過ぎて尾根が南南東から真南へ向きを変える標高1500m付近の栗代側が猛烈にガレている。足元脆く支えに使えそうな太さの木も無く、ヤセ尾根でガレの反対側もトラバース出来そうに無い。慎重に素早く抜けるのみ。強風時はロープの確保が無難。 ○尾盛駅へ下る南東尾根が派生する1320mピークは二重山稜になっており、栗代側の低い尾根にリボンが付いていて尾栗峠へ続いている(と思われる)。 高い方の尾根へ移り南端まで行くとリボンがある。ここから杉の植林に変わり南東へ向けて一気に下る。リボンはたまにあるが踏跡は不明。下草は全く無い。 (1177m標高点から東へ支尾根が分かれているが、そちらへ行かないように。この辺りは一旦尾根筋が目立たなくなり、少し下るとまたはっきりする。) 標高1000m付近から作業道のようなものが現れ、やや南に向きを変えてトラバース気味に作業道を辿ると再び尾根に出る(元の尾根に復帰する)。途中に廃小屋があり、標高550mで三本柱の電柱に出くわす。尾根を離れて電線の下の巡視路を水平に西へ移動して行くと井川線の33号トンネル脇に出る。 下流側へ数分歩けば尾盛駅へ至る。線路上を歩くときは列車に注意。場所によっては退避出来ず事故になる。 |
写真
鳥居の脇に水場があります。
少し登ると林道を横切り登山ポストがあります。
上端が平らに均されていたので昨年より渡り易かった。
と言ってもワンミスで滑落ですから気は抜けません。
トラロープがありますが、全荷重を掛けてはいけません。
小無間側では待機場所もままならないので離合時は注意が必要です。
尾盛駅の位置が分からず一旦トンネルをくぐって向う側へ行ってしまいました。
関ノ沢鉄橋が見えたので間違いに気付きました。
トンネル脇が電線巡視路の入口で、尾盛駅へはトンネルとは逆方向へ向かいます。
中央の高い山が恐らく抜ヶ谷山。
その左が1320mピークで尾盛駅へ向かう尾根が右中あたりへ派生しています。
撮影は三日目こどもの日の早朝です。
普段は自家用車利用の登山が大半なのでピストンか周回になります。
しかしローカル線は大好きなので利用機会があれば山行に組み込んで楽しめます。
縦走って贅沢な気分になれます。
機関車はDD20ロートホルン型2号機「IKAWA」号
小松-カミンズ製335馬力ターボディーゼル。
同型機に「AKAISHI」号や「HIJIRI」号などがあります。
乗客は私の他1家族の計4人のみ。客車貸切でした。
乗客定員9人ですが大型ザックは置き場に困ります。
リヤゲート内は60Lクラスですと2個程度が限界。
大人数での利用には向きません。
座席配置は1(助手席)-2-2-4人掛け4列シート。
撮影は白樺荘前です。auは圏外でした。
感想
昨年の同時期に同じ南稜で右肩脱臼・行動不能に陥り、救助していただいてから今年の初めまで、通院とリハビリをしてきました。
肩は元通りに治りました。しかしストックは置き去りのままですし、あの場面で遭難しない正解があったのか?
気持ちのわだかまりが残っていました。
再び行くとして、予備日も入れれば三日は欲しい。日が経つとストックを置いた場所も忘れそう。陽が長く虫が少なく暑くなくて緑が薄い時期がベスト。そうするとやはり今しか無いのです。
ストックが惜しいわけではありません。答えと納得を見つけたかった。
でも、今までの山行で一番不安だったのも事実です。北鎌のときより。北方稜線のときより。自ら破綻した山行でしたので。
今回は何よりコースを確実に歩くことにしました。
南稜の分岐からもリボンはあるので、忠実にリボンと踏み跡を辿ります。
大無間山を過ぎて前無間のガレを越える。前回はここから稜線を意識せずに進んだため栗代側にコースを外れました。
コースに戻るために急傾斜をストックを持ったままトラバース。足を滑らせて尻餅をつき、ストックが手から離れなくて脱臼。
そもそもストックを使える地形ではない。ストックを収納する手間を惜しんだ。登り返すべきを安易にトラバースへ持ち込む。
ちゃんとコースがあり、そこを見極め、両手を空けておけば何事も起こらなかったのです。
幕営予定地の2098mピークに着き、翌日は三ツ合の山頂でストックを発見出来ました。何と言おうか、ここで待っていたかのような佇まいで横たわっていました。
でもこれで終わりではなく、畳めない1.2mの棒を背負って倒木や枝を分けて進まなければなりませんでした。
前回、無間連峰山頂部の残雪を歩くのに便利だからだろうと持ったストック。でも今回はストック無しで歩けたし、南稜を歩くときの邪魔さ加減には辟易しました。自分の判断の大失敗ですね。
当たり前ですが、必須なものと便利なもの、効果とデメリットも見分けねばなりません。
※畳めないストックを承知で持って行ったのが問題であり、ストックそのものに問題はないです。畳めるタイプもありますし。
尾盛駅へはやや遠回りがあったものの無事着くことが出来ました。地形図とコンパスは大事です。
「遠すぎた駅」が「遠かった駅」へようやく昇格です。
「無理が通れば道理が引っ込む」。先達の言葉には重いものがありました。
確実に歩めば相応の結果で山は応えてくれました。
コメント
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また山に行かれたとのことで、ホッとしています。
>気持ちのわだかまりが残っていました。
この気持ちはよくわかりますね。
私もこの連休、昨年敗退した箇所へ再度行きましたから。
かくいう私もストックが使えないような箇所に来ると、毎度ついつい面倒で持ったまま斜面を登ったりします。
>ストックを収納する手間を惜しんだ。
まさにその通りです。
安全に、ケガなく自宅へ戻るために、こういう教訓は自分にも生かしたいと思いました。
風イラズでお会いした二人組の若い方です
去年のレコ読みました
大変な事があったのですね
読んでいて辛くなりますが、よく三ツ合まで行きましたね
自分たちは寸又峡の図書館の団体です
深南部好きが居ます
県警察の隊長とお話ししたことがありますが、とても優しく大柄な方です
図書館で遭難防止の講話をされました
良かったらリンクさせて下さい
BIMOTAさん、こんばんは。
いつもレスありがとうございます!
春の立山登頂おめでとうございます。私にはちょっと無理な世界です。
前科者になって以来、どうしても行きたい天候になった北方稜線を除いては一定レベルの山行を控えていました。
やはり周りの目と自身のわだかまりが気になって二の足を踏んでしまいます。
でもやっぱり山が好きだから、怖いけど納得を求めて再び行って来ました。
今は行って良かったとつくづく思っています。
だからといって次からバンバン行けるわけではありませんが。
これからは「無事これ名馬」で楽しもうと思います。
BIMOTAさん、なんだかんだで山好きじゃないですか!
行きたくなったら我慢しない。気が向かなきゃやめりゃいい。
大らかに安全に楽しみましょう!
tarutaruyamaさん、はじめまして。レスありがとうございます。
大無間の南稜でまさか人に会うとは思ってもいませんでした。
しかもヤマレコユーザーに実際にお会いしたのは初めてで感激です。
あのときはコース情報ありがとうございました。
足が遅いので大概一人で歩いています。
遭難に関してはお恥ずかしい限り。あのような駄文で宜しければリンク貼っていただいて構いません。
公的機関の方々に大変お世話になりましたので、もしお役に立てるのでしたら望外です。
寸又峡とは良いところにお勤めですね。
肩のリハビリで何度も通いました。(半分は口実で温泉行脚を兼ねていました)
深南部や水窪の山は標高こそ低いですが、メジャールートでなく営業小屋も無い通好みの山です。こちらにご興味があるとは渋いですね!ただ夏は暑さと虫で最悪となります。
私が言うのも何ですが、マイナールートの単独時は石橋を叩いて渡ってください。
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