なんとなく劔岳(馬場島から一気に劔沢〜室堂)
- GPS
- 28:45
- 距離
- 13.9km
- 登り
- 2,861m
- 下り
- 1,179m
コースタイム
前夜泊5:00馬場島-10:10早月小屋10:40-11:30昼食(2600m付近)12:20-15:20劔岳山頂16:00-(ゆっくり眺望を満喫しつつ)19:00劔沢テント場
2日目
6:15劔沢-7:10劔御前-8:15雷鳥沢-(みくりが池温泉入浴)-9:45室堂ターミナル
天候 | 初日:朝快晴、昼〜午後はガスだらけ、その後奇跡的に晴天 2日目:朝から曇天。一部晴れ間も見えるものの展望なし |
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過去天気図(気象庁) | 2009年08月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
ルートの異状は特にないと思われます。早月尾根はコースを間違う余地がなく良く歩かれている感じで進みやすいです。山頂直下の岩場も難しいものではなく、高度感のある箇所も端々に見られますが「ここでシクジったらヤバい」というところは少なく、むしろそういう箇所は別山尾根の方が多いと思います。。。 室堂のみくりが池温泉は¥600-。狭いですがなかなか良い湯でござった。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
タイトルについて。
昨年より2年連続で富山で仕事をすることとなり、昨年は立山にサクッと登ったので今年は劔岳かなーなんて「なんとなく」思ったのが事の始まりだったわけです。しかし、劔は「なんとなく」登ってはいけませんヨ。計画を練るにつけ、とにかく時間のかかる山であることが判明。夕方まで富山市内で仕事した場合、その日のうちに室堂までは行けないし(立山駅からの交通手段に間に合わない)、そうなると翌日の登頂&下山は難しく、どうしたものかとアレコレ検討の末・・・、夕方から上市に移動の上タクシーで馬場島に乗り付け前泊、早月尾根から登頂→室堂へ下山という発想に至りました。
だがしかし。結局は前夜泊&山中泊の2泊3日コースとなりました。劔岳って遠いんです。
全体的な感想としてはとにかくエポックメイキングな山行でした。
要因としては、
1.高低差2200mの登りは初体験
2.ツエルトでの山中泊も初体験
3.ガスに巻かれながらの苦行の末、急転直下の山頂での劇的な晴天と超絶展望
4.山頂でたまたま出会った単独行者たちの邂逅による一時的ながらも印象的な行動
などなど、ある意味波瀾万丈の道行きと相成った訳です。
4については意味不明かと思いますが、それはさておき・・・。
まず馬場島荘。なかなか気のきいたよい小屋だと思います。設備は清潔。風呂場も清潔。料金も良心的かと。
次に早月尾根。早月小屋までは高低差の割にそれほど大変ではありません。道は全体的に歩きやすくサクサク登れる感じです。ただし、水はいつもより多めに用意する必要がありそうです。水場がないことはともかく、サクサク登っているうちに水分を消耗するのでしょう、とにかく水を飲みました。
補給できるとすれば早月小屋ですが、500mlが400円、2Lが800円はいずれも高い・・・。しかも買えない日もあるそうで、これは重量覚悟で持って登るしかないですね(参考までに。今回、劔沢までのつもりで2L用意しましたが早月小屋に着いた時点で残り500mlのみ。やむなく2L¥800-の水(立山玉殿の水)を購入しましたが劔沢についた段階で残り少ない状態でした)。
小屋から先も樹林の登りですが徐々に岩がちになり、気づけば険しい岩稜となります。通過の難易度は(一般登山道だけに)それほどではないと思いますが散々登った疲労を抱えて歩くのは相当辛いです。
(後半になるにつれ、時間の経過に対して得られる高度が少なくなった気がします。これは精神的に辛いです)
山頂について。黒々としたゴツゴツ岩が折り重なった頂はそれほど広くはないですがこんもりとして高度感はあまり感じません。ただし、眺望はまさに最高。見通しの善し悪しにもよるとは思いますが、まずは八ツ峰の険しさが圧巻。ここを登ろうというアルパインクライマーの気が知れません。
別山尾根や早月尾根も油断ならぬ岩峰が連続する様を見せつけ、よくもまあ歩いたもんだと感慨深いことでしょう。
遠くに目を遣れば立山連峰の山々が臨場感たっぷりに迫り、遠望すれば白馬・鹿島槍・五竜・針ノ木、さらに空気が澄んでいれば槍くらいまでは見えるでしょう。
別山尾根。これは早月尾根よりむしろ危険箇所が多いですね。落ちたらヤバい場所多数。特に下りは要注意です。ただし、一服劔・前劔など途中のピークからの眺望はなかなか。
とりあえず今日はここまでかしら?
と、2日ほど前に書いて再度追加記入。
単独行者同士というのはすれ違い様に少々言葉をかわす事はあってもなかなか同行する機会はない
(お互いを尊重する、という意味合いだと思いますが)というのが通例と思っていましたが、
今回は山頂に居合わせた3人が劔沢まで「自然に」行動をともにするという結果となりました。
思うに、2名の「ベテラン」がへろへろに疲労したワタクシをちょっと放って置けなかったのかと。
いずれにせよ、北アルプスの概念に疎いワタクシに「あれは××岳だなー」なんて教えてくれたり別山尾根の要所について歩行アドバイスをいただいたのは正直ありがたい話でした。
長〜い行程の末、普段であればそう大変ではない別山尾根の下りも非常にシンドイ身には剣山荘から劔沢小屋までの緩い登りもキツく、一歩出すのも苦痛でしたがお二人に導かれなんとかピッチを上げられましたし、何より先行きの状況(例えば泊まる予定のテン場は劔沢小屋から少し登った場所にあることなど)を事前に教えていただけたことは助かりました。本当にありがとうございました。
最後にこのコースについて改めて一言。早月尾根日帰り往復の方々って結構多いようですが、皆さん20Lくらいのザックでスタスタと登ってらっしゃったのが共通でした。自分にはどんなに軽装でもあれほど早く歩く力量はまだないと思いますが、幕営装備を担いで登るのであれば、馬場島から劔沢まではかなり辛いと思います。
早月小屋のご主人曰く「この尾根はどこでもビバークできるから・・・」だそうで、水と食料さえあれば山頂でもOKみたいですのでイザという時でも何とかなるのかもしれませんが、2000mをゆうに超える稜線付近でのビバークはちょっと不安ですよねえ。ということで、仮に同じコースを同じペース(前夜泊+1泊2日)で計画するのであれば、いろいろなアクシデントを想定しながらある程度の覚悟を決めて(途中で無理と判断したら早月小屋に引き返すとか)やることをお奨めします。
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