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Yamareco

記録ID: 4617471
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖

19961228-30中小屋→黒法師山・丸盆山・バラ谷山→寸又峡温泉、テント泊

1996年12月28日(土) 〜 1996年12月30日(月)
 - 拍手
GPS
56:00
距離
27.6km
登り
2,914m
下り
3,010m

コースタイム

1日目
山行
7:08
休憩
1:03
合計
8:11
11:07
11:11
22
日陰沢林道入口
11:33
11:55
20
登山口・日陰沢小屋
12:15
12:19
218
等高尾根
15:57
16:30
59
17:29
2日目
山行
6:00
休憩
2:20
合計
8:20
6:45
25
7:10
7:11
77
8:28
9:00
43
9:43
0:00
56
10:39
11:00
34
11:34
11:36
41
12:17
13:41
84
15:05
3日目
山行
7:01
休憩
3:01
合計
10:02
7:25
22
7:47
7:59
9
約1785m水場の鞍部
8:08
8:10
55
1812mP
9:05
9:07
15
二ツ山2ピーク
9:22
9:49
28
二ツ山1ピーク
10:17
10:23
14
1766mP
10:37
11:42
104
13:26
14:01
54
14:55
14:58
51
15:49
15:56
13
伐採地
16:09
16:20
25
16:45
16:56
31
大間川林道
17:27
寸又峡温泉バス停
天候 3日とも快晴
アクセス
利用交通機関:
電車 バス タクシー
水窪=タクシー・戸中川林道=ゲート・中小屋
寸又峡温泉=バス=千頭=大井川鉄道=金谷

感想

 1996年の年末の休みは、南アルプス深南部の名峰、黒法師岳を横断して歩いてきました。好天に恵まれ、薮も薄く、人も少なく、南ア深南部の良さの一端に触れることができた山歩きをする事ができました。

 12/27金曜日の夜、一年の仕事を何とか終え、新大阪から最終のひかりに乗り込み、名古屋で普通電車に乗り換え、豊橋でステーションビバーク。
 12/28朝、飯田線の始発に乗り水窪まで行き、予約していたタクシーで(工事で途中遠回りをしたが)、戸中川林道のゲート(中小屋)まで行った。タクシーの運転手によると28日は私を入れて二組、29日は一組の予約が入っているとのこと。ゲート手前にはワンボックスカーが一台止まっていた。戸中川東俣林道を歩き始めるが、北側の日影に入ると路上にも雪or凍結が残っていた。日陰沢は水量多く水の補給可能。「6.0km」の標柱の所が日陰沢林道の入口となっている。小屋の少し手前の登山口には標識があり、見落とすことはない。小屋はすきま風は多そうだが、鍵がかかって無くて利用可能だった(営林署の許可がいるのか?)。小屋の前にホースが引いてあり、水が出ていて、水の補給可能だった。
 ここから一登りで1257mの等高尾根上に出る。後はひたすら登っていくが道は明瞭。1500m付近の緩傾斜地は背丈を没する笹原。この手前辺りから雪の上を歩くことが多くなるが、量は少なかった。再び急登の後、傾斜が緩む所で1dayハイクの二人組とすれ違った。約1730m付近のちょっとしたピークは幕営可能。1786m付近からは痩せ尾根となり程無く最後の急斜面の登りとなり、背の低い笹原となっている稜線に到着。展望も開け気持ちの良い所だが、今日は風が強く寒い。ここからの黒法師岳はシルエットとなって丸くそびえており、まさに「黒い法師」といった感じである。
 この分岐付近も幕営可能だが風が強いので頂上まで行くこととした。途中、大無間山の右側にアーベントロートの富士山が望めた。ガレ沿いに出るとあとは急な道を一登りなのだが風が強く、重荷に疲れた体ではえらく時間がかかってしまった。辺りが暗くなる頃やっと黒法師岳到着。小広くて樹林の中で風当たりも弱く展望は無いが幕営適地である。樹間に見える町灯りは沼津方面か?水は雪を溶かして作ったがゴミが多い。この夜は風の音と鹿の鳴き声だけがする南ア深南部らしい夜だった。

 29日は快晴。今日は黒法師岳をベースにハイマツ南限の山丸盆岳と日本で最も南にある2000m峰のバラ谷山へのピクニックの日である。黒法師岳直下のガレの上からはバラ谷山方面から聖岳・光岳・上河内岳方面まで約180度展望が開ける。深南部の山だけでなく、遠く白山、御岳、中ア方面までハッキリ見ることができた\(^_^)/。昨日の道を戻っていくと、朝日が当たり始める。シルエットの富士山が雲海の上に聳えているのが見える所があった。昨日の等高尾根分岐付近からは行く手の丸盆岳や鎌崩ノ頭、黒沢山、中ノ尾根山等が手に取るように見える。雪の斜面を鞍部まで下り、丸盆岳への登りとなる。道は概ねハッキリしていて大きく迷うことは無い。途中の約1960m付近の台地も背の低い笹原で展望良好、幕営も可能。後一登りで丸盆岳頂上到着。西側は約180度素晴らしい展望が開ける。更に西側のガレ沿いまで行くともっと展望が開けた。休んでいると男性単独行者が空荷でやってきた(゜.゜)。昨日昼前から歩き始め等高尾根の途中でツェルトを張り、今日は等高尾根分岐に荷物を置いて不動岳までピストンし、明日寸又峡に抜けるつもりとのことだった。しかし、鎌崩の通過は大丈夫なのだろうか?
 ひとしきり休み、展望を満喫した後、今来た道を戻り、頂上のテントに寄った後、バラ谷山を目指す。頂上直下のガレの上が丸盆岳方面とバラ谷山方面の分岐になっており、千頭山の会の道標がある(この会の標柱はあちこちにあって助かった。)。分岐から先、笹は広く刈り払われており、全く苦労無く歩けた。滑りやすい急斜面を下った後は気持ちの良いプロムナードであり、幕営も可能。水場のコルまで緩く下った後は、急登となり、ガレ沿いを登るとバラ谷山頂上である。ガレ沿いからは恵那山方面から前黒法師岳方面までの大展望が開ける。黒法師岳の右側に富士山が美しい。樹林の中のピークには「本邦最南2000mの地」という千頭山の会の標柱がある。このすぐ南側にもう一つピークがあり行ってみたが、樹林と笹以外に何もない。南方へ続く縦走ルートは錯綜する獣道のようだ。前黒法師山方面への縦走路も笹が広く刈り払われていて、これが続いているなら麻布山からの縦走も楽にできるだろうが・・・。
 黒法師岳に戻ると、さっきの単独行者のメモがテントに残っていて、「鎌崩の手前で引き返し、先に進む」とのことだった。この夜も鹿の鳴き声を聞きながらの静かな夜だった。

 30日も快晴。朝の山々の展望をガレから楽しんだ後、のんびり出発。滑りやすい笹の中の獣道のような細い踏み跡を急下降していく。しかし、赤ペンキ・テープが随所にあり、先行者の足跡もあるので大きく迷うことは無さそう。下りきった鞍部では木に「水」と赤ペンキで書かれている。わずかの登りで樹林の中の1812mP、その先のピークから二ツ山2P手前までは痩せ尾根である。狭い二ツ山2Pから急降下し、急な道を登ると広く幕営可能な二ツ山1Pである。ここからの下りは笹薮で獣道が錯綜しわかりにくい。ここで鹿二頭が走り去るのを目撃できた。二重山稜を過ぎ、少しの登りで笹の中の1766mP。下りは再び二重山稜となるが結局北側の尾根を下っていくと林道の上の崖沿いに出る。この辺りから北側の展望が素晴らしい。尾根の末端まで行って黒法師林道(ヘリポート)に降り立つ。明るく開け、南北の展望が得られる。林道を南方に少し行くと水場があるとのことで最初の沢状の所まで行ってみたが、そこには水場がありそうな雰囲気はなく引き返した。
 林道を進み、再び稜線に戻った所に赤テープがありそこが前黒法師岳への取り付きである。雪が残って道がややわかりにくい所もあるが、先行者の足跡と目印に助けられひたすら登っていく。途中の約1810mP付近は小広く幕営可能。
 前黒法師岳は南方のみ樹林が切れ、枝で作ったベンチも有り、日溜まりとなっていた。ここからの下りも急で滑りやすい。ひたすら下ったシロッカレ頭手前の鞍部は幕営可能。更に下っていくと、約1600m付近の緩傾斜地で登ってくる男女二人組とすれ違った!その辺りで幕営するつもりとのこと。更に下るといつしか雪は無くなり、栗ノ木段の少し下で低周波電流の流れているコードを張ってある伐採地に出て正面に西日を浴びた朝日岳が唐突に現れる。伐採地に沿って下りていくと、1000m弱付近で林道を横切り、なおもひたすら下るとつづら折れになってようやく大間川林道の登山口に降り立つ。車道を急いで歩き、何とか17時40分の最終バスにまにあい、残念ながら温泉に入る時間は無かったが、その日の内に帰阪することができた。

 天候にも恵まれ、思っていた以上に道もしっかりしていて、当初の計画では黒法師岳−寸又峡の間でもう1泊する予定でしたが、最終バスにまにあうことができ、2泊3日で歩くことができました。展望も想像した以上に楽しむことができ、学生時代に縦走した聖岳や上河内岳、一昨年登った大無間山、昨年歩いた光岳−池口岳等も眺めることができ、鹿が遊ぶ南ア深南部の雰囲気も十分楽しめた山行でした(^_^)。

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