快晴の金草岳とガスの冠山☆紅葉の越美国境稜線へ
- GPS
- 06:33
- 距離
- 12.4km
- 登り
- 1,052m
- 下り
- 1,058m
コースタイム
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
冠山の山頂直下には急斜面の岩場があるが登山道は良好に整備されている |
写真
感想
冠山峠から金草岳と冠山を登る計画はかなり以前に立案し、できれば紅葉の季節にと思っていたのだが、冠山峠へのアプローチの遠さのせいもあってなかなか計画を実行に移せないままに長い時間が経過してしまっていた。naojiroさんのしばらく前のレコを拝見し、いよいよ来年に冠山峠の下を潜るトンネルが開通し、福井県の池田町と岐阜県の揖斐川町の間で中断されているR417が繋がるとの情報を得る。そうなるとこの冠山峠への道が整備されなくなる可能性があるだろうと思い、
早朝5時に京都の自宅を出発する。朝、琵琶湖の白鬚神社のあたりで道路が琵琶湖の湖畔に近づくと、茜色に染まった東の空を映した湖面が美しい。ラジオの天気予報は関西の広範囲での晴天の予報を放送しているが、この日は風の向きは北西らしい。
木之本でようやく半分だ。を過ぎると急に山の中に入ってゆく。あたりはすっかり白い雲。雲の低さからすると雲海の下にいるのだろう。長い八草トンネルを抜けて岐阜県に入ると、横山ダムにかかる橋を渡ってR417に入る。
揖斐川の上流の徳山ダムに差し掛かっても以前として低い雲の下であり、景色が陰鬱な雰囲気に思える。徳山ダムの湖畔にはまるで高速道路のようにカーブの緩い道路とトンネルが続いている。湖岸からの景色は一見、普通のダム湖ではあるが、それが谷の奥まで延々と続いているところが異様である。日本一の貯水量を誇るダムならではの光景なのだろう。
冠峠に向かう林道塚線に入ると、細い道路をくねくねと登ってゆく。雲が薄くなり、周囲では雲が黄金色に輝いている。どうやら雲海の上に出たのだろう。やがて道路の右手に広々とした谷のが見えるようになると谷の下の方に広がる雲海が視界に入る。徳山湖のあたりも一面の雲海に覆われているようだ。
雲海の上では雲ひとつない蒼空が広がっている。東の方角には冠山の鋭鋒が否応なく目を惹きつける。峠に到着すると岐阜県側には既に10台近くの車が停められている。日陰となっている福井県側に入り、道路脇の駐車スペースに車を停める。
峠の福井県側にはすぐ近くに部子山と銀杏峰が大きな山容を広げている。さらにその右手には荒島岳、彼方には白山も姿を見せている。
まずは金草岳からだ。こちらの方が距離が長く、一度、大きく下降してから登り直すことになるので、こちらを先に往復する方がいいだろう。
登山道に入るとすぐにもブナの大樹が出迎えてくれる。葉が縮んでいるものが多いが、黄葉している樹が多い。登山道はすぐにも降りに差し掛かると、前方に笹原に覆われた金草岳のなだらかな山容が目に入る。ブナの樹林が続くことを期待していたが、尾根上の樹林には急にブナの姿を見かけなくなる。
登山道には先行者が歩いていないことはすぐにわかった。多くの蜘蛛の巣がかかっているからだ。ということは冠山峠に停められていた車の主たちはいずれも冠山に向かったということか。今回の山行で冠山が三百名山の一つであることを知ったのだが、〇〇名山となると必然的に人気が集まるのだろうか。
檜尾峠は峠とはいえ最低鞍部から少し登り返したところだ。峠への登りに差し掛かると登山道の右手から微かに沢音が聞こえてくる。10mほど斜面を降ったところに小さな水が流れていた。
檜尾峠までほぼ1時間、地図では金草岳へのほぼ中間地点だ。ここからは笹原の中の登山道となり、好展望が広がる。目の前に見えているピークまでは1時間はかからないように見える。しかし、このピークは金草岳の前衛、白倉岳だ。登山道の爽快さのせいだろうか、家内も快調に登ってくれているようだ。
福井県側にはどこまでも雲海が広がっている。背後を振り返ると冠山への稜線に福井県側から雲がかかり始めている。この金草岳の一帯は雲を免れているようだ。
白倉岳のピークに立つとようやく金草岳が目に入る。山頂まではまだ遠く、鞍部も深く感じられるが、それは気のせいだろう。地図では山頂までは1kmもなく、鞍部からの登り返しもせいぜい60mほどだ。実際、好展望と紅葉の樹々を眺めながら歩くうちに10分ほどで金草岳の山頂にたどり着く。
金草岳から先に伸びる越美国境で存在感のある大きな山容を広げているのは笹ヶ峰だが、そのピークにも雲がかかり始めている。その先に見える山は美濃俣丸だろう。
山頂で一息入れると往路を引き返す。山頂からの斜面を下っていると、白倉岳のピークに男性の人影が見える。鞍部を過ぎたところでその人物とすれ違う。ご挨拶すると「皆さんは冠山の方に行かれるようで、こちらの山には人は来ないようですね」と仰る。
白倉岳からの下り、展望を眺めながらの爽快な下降を期待していたのだが、稜線の上に雲がかかり始めたかと思うと、瞬く間に眺望は雲の中に呑み込まれていった。尾根の下の方にはまだ雲がかかっていないので、雲の下に斜面の紅葉を俯瞰しながら歩くことが出来るのが嬉しい。
下山の間に五組の単独行の方達とすれ違うが、冠山峠に停められていた車の数からすれば金草岳はなぜか人気がないようだ。冠山峠に戻ると、駐車場にはさらに多くの車が停められている。時折、峠に登ってくる車やバイクもおられる。どうやらツーリングとしてこの峠ごえの道は人気があるようだ。さらに、この時間からでも登山を始める人がおられる。皆、向かう先は冠山のようだ。
峠の小さな平坦地でランチを調理する。この日は鴨肉と赤万願寺とうがらし、舞茸、マッシュルームをオリーブオイルで炒めたのち、ライスを投入してリゾット風にする。一息ついたところで、この日の山行の後半、冠山に出発する。
冠山峠からは眼下に才ノ谷の景色が広がるが、すぐにも登山道は雲の中に入り、濃厚なガスの中へと入ってゆく。冠山への登山道は金草岳への登山道とは対照的に樹林が続く。霧の中からは次々とブナの大樹が現れる。そしてこちらは案の定、多くの登山達とすれ違うことになる。
やがて尾根が二重尾根になると冠山の北側の尾根に差し掛かったことを知る。最後は岩場の急斜面であるが、遠くから見た峻険さとは異なり、意外にも登りやすい。
山頂には女の子を連れたファミリーとほぼ同時に到着する。山頂の一帯は周囲のツツジ系の灌木が紅葉の盛りで色とりどりのパッチワークを見せてくれる。
山頂でコーヒーを淹れようと茶菓子とコッヘルを持ってきたのは良いが車にライターを置き忘れてきたことに気が付く。私の「ライターを忘れてきた!」という声が聞こえたのだろう、すかさず家族連れのお父さんがライターを貸して下さる。しかし、お湯が沸いた時点で、肝心のコーヒーも車に置いてくるという大失態をやらかしたことに気がつくのだった。
暖かいお湯で体を温めると早々に山頂を退散する。家族連れはカップ麺のランチを楽しまれているようだった。結局、冠山へのピストン往復は終始、霧の中の山行になるのであった。晴れいれば山頂一体は眺望が素晴らしいに違いない。また改めて捲土重来したいところだが、トンネル開通度にこの冠山峠への林道がどうなるかが気がかりだ。
冠山峠から徳山ダムに林道を下ると、先ほどまでは雲の中の国境稜線にいたということが信じられないほどにダム湖の上空はすっきりとした青空が広がっている。ダム湖のほとりに小さな東屋があるので、ここで再度お湯を沸かしコーヒーを淹れる。東屋の傍では多くの人の名前お刻んだ石碑がある。ダムに沈んだお墓の主達の名前なのだろう。
帰りに藤橋城に立ち寄る。ここはかつて城があった訳でもなく、観光を見込んでダム建設に伴う藤橋村への寄付金の数億円をつぎ込んで作られたものらしい。城の中はプラネタリウムになっているらしいが、ここを訪れている人は少なく、穏やかな秋の陽光とは対照的にあたり一帯には寒々しい空気が流れていた。
冠山峠に下山したのは14時半過ぎと比較的早かったにも関わらず、徳山ダムや藤橋城のあたりでのんびりしていたせいか、温泉のある藤橋の道の駅に到着した時には16時近くなっていた。温泉で一風呂浴びて、琵琶湖に向かうとすでに日没後の残照を移した湖面が綺麗だ。琵琶湖のほとりで浜辺を見ると妙な安心感を感じる。そういえばダム湖に感じる不自然さは浜辺が一才ないせいなのことによることに今更ながらに思い当たるのだった。
金草岳は稜線歩きが爽快で好きな山です。しかし冠峠は県内の私でも遠いと感じるアプローチです。
当日は晴れ予報でしたが、日本海側から湿った空気が入り込んだようで福井・滋賀の標高700m以上の山はガスガスでした。私が登った大谷山も然りです。
ガスで残念でしたが冠山・冠平はお手軽に上れるので家族連れに人気があるようです。
今年は綺麗な紅葉を見てみたいものです。ブナもカエデもどうなるか気候不順の影響を気にしています。
R417冠山トンネルが開通すれば、冠林道は閉鎖されるか一般車は進入禁止になるでしょうね、R303八草峠のように。便利になっても昔のよさが消えて行くことを嘆く年寄りになりました
月末の予定の件で来週にメールします。
>金草岳は稜線歩きが爽快で好きな山です。
実にいい山で、冠山に人気が集中するのが不思議なくらいです。
>当日は晴れ予報でしたが、
この日は天気を読み違えました。霧の中のブナ林はそれはそれでいいのですが・・・
>私が登った大谷山も然りです。
あの山も風の通り道ですからね
>今年は綺麗な紅葉を見てみたいものです。
月末に期待したいところですね。
>R417冠山トンネルが開通すれば・・・便利になっても昔のよさが消えて行くことを嘆く年寄り
年寄りでなくとも、登山者は皆、嘆くことになるでしょう
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