唐松岳から不帰嶮〜撤退と思いきや、晴れ間を縫って天狗山荘へ


- GPS
- 32:13
- 距離
- 18.4km
- 登り
- 1,701m
- 下り
- 2,322m
コースタイム
2日目:4:45唐松山荘出発。4:55唐松岳山頂−5:35二峰南峰−6:00二峰北峰−7:05一峰−7:20天狗の大下り(の登り)開始−8:50天狗の頭−9:10天狗山荘9:30−10:10鑓温泉分岐−11:20鑓温泉11:40−12:20杓子沢通過−13:30双子岩−14:55猿倉荘−15:05白馬駅行バスに乗車
過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
下山時:猿倉からバスで八方バスターミナルへ(930円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
不帰嶮以外は極めてメジャーなルートであり、整備もよい。ただ、連日の雨の影響で、鑓温泉から猿倉までのルートで泥濘箇所が多く、かなり滑った。何でもない道でも、木の根や泥に足をとられて滑落の危険性がある。大事には至らなかったようであるが、少し滑落して手に怪我を負った方にも会った。 ある解説本には、「唐松岳から天狗山荘への不帰嶮の縦走は、核心部の二峰北峰が下りになるため、勧められない」とあった。その割には、核心部の下降に1時間もかからず、あっけなく切り抜けた感じがする。しかし、これは風がなく、岩の濡れも少なく、天狗山荘から来る人もまだいない早朝の時間帯であり、全くプレッシャーなしで自由に通過できたためと思われる。 |
写真
感想
このところ天気は悪いが、久々の連休である。実は、金曜日に仲間と釣り遠征の約束をしていたのだが、出張が入ってしまった。これでは欲求不満がたまるばかりで、奇跡の天候回復に賭けて、八方に向かった。
昨年、扇沢から爺ヶ岳−(冷池テント場泊)−鹿島槍ヶ岳−五竜岳(五竜テント場泊)−唐松頂上山荘、と歩いたが、白岳付近から天候が悪くなり、展望もなくなったことから、右折して、八方に降りてしまった。そのやり残しが、不帰嶮のコース逆走である。あわよくば、白馬三山も歩き、栂池から降りたいものだと願いながら、金曜の深夜に白馬へと車を走らせた。第2駐車場は半分工事中であったが、車はそれほど多くなく、自由に駐車することができた。コンビニで飲食料を調達し、WiMAXをオンしたら、圏外である。これで仕事から逃れられると思ってホッとしたのもつかの間、フリースポットが3つも入るではないか。セキュリティは少し心配だが、ストレスなくしっかり入るため、2時過ぎまでメール対応。それで逆にぐっすり眠れ、翌5時半にばっちり目覚めることができた(単に、興奮しているだけという意見もあるかも。。)
空はどんより濃い曇り空。ゴンドラ、リフトを乗り継いで、第2ケルンぐらいまでは何とかもっていた天気も、一旦ポツポツ降り出したら、止む気配はない。丸山付近では、前からの雨霧混じりの強風で、息ができなくなることも。9時過ぎという普通の休日ならば起床時間というのに、早くも唐松小屋で停滞となった。さて、やることもない。まずは、300円払って休憩させて頂き、半室内の調理場所(強風時は雨が少し吹き込む)で湯を沸かし、コーヒータイムとする。その辺にある山岳雑誌や普段はどうでもいいような、えちぜん鉄道のアテンダントの様子をえがいたドキュメンタリー「ローカル線ガールズ」など。時々、外に出るも雨は止まず、テントを張る気にもならず、ウダウダしていたら、どんどん宿泊者が増えてきている。山小屋なので断られることはないが、こんなに混んだ山小屋泊は初めてである(ただ1回の小屋泊の経験は、6人部屋を一人で貸切状態だった)。ぎゅうぎゅう詰めで、果たして寝られるものなのか、興味はあるが、恐ろしくもあり、ラーメン(餅トッピング)を作り、昼食とする。
雨は止まず、しかたなく宿泊手続き(素泊り6,700円+南館割増800円)を支払い、割り当てられた部屋に行ってみると、3つの布団に6個の枕 ((+_+))。食堂で時間をつぶし、たまに外の様子をうかがい、がっかりすることを繰り返し、やることもないので、部屋へ。なんと、枕が7個に増えている。これじゃ、寝返りどころか腕を横に置くこともできない。両脇の方々が寝転んでいたので、その間に滑り込んでみる。幸い感じのいい方々で、山の話をしながら時間をつぶす。「なんとかなるかな。。」と思い、もう一度外に出ると天気は回復気味。劔岳もよく見えてきた。天気予報も明日午前中は大丈夫そうである。短気を起こさず、下山しなくて良かったと気を良くして、2階の喫茶でゆったりとワインを飲む。窓には劔の威容が暮れていく。
8時には就寝。と願ったが、爆弾(失礼!)が近くに居て、記憶が無くなるまで3時間以上かかった。やはり、テン泊がいい。2時に1回起きたら、雷が盛大に鳴っており、3時にトイレに起きたら、外は大雨と強風の音。やはり、日頃の行いが、、、と、八方への撤退を覚悟して、もう一度寝に戻る。ウツラ、ウツラして目を開けたら、隣はもう出発準備を整えて「晴れてきたよ」という。4:30を過ぎ、昨日の計画ではもう第3峰に取りかかる頃の時間である。慌てて準備し、唐松岳に向かう。ともかくも何とか寝られて良かった。
唐松岳頂上から、3峰(場所確認できず)、2峰南峰、北峰、第1峰と誰もいない不帰嶮を独り占めしながら、ゆっくりと進む。劔岳も顔を出し、唐松岳の山頂からの大勢の視線を感じながら、核心部の2峰北峰北壁降下も、楽しくもあっけなく終了。達成感はあるものの、これから「天狗の大下り」を大登りしなければならない。約300メートルのガレ場の急登である。途中、ボチボチ、天狗山荘方面からの方々とすれ違う。大汗をかきながら登る。天狗山荘では、小屋の方々が、雪渓に新しいステップを切っている。仕事とはいえ、頭の下がる重労働である。天気はまだもっており、唐松岳方面へ次々出発していく。
雪渓を登り、白馬鑓ヶ岳を真正面に見ながら、鑓温泉小屋への分岐点にさしかかると、色とりどりのウェアーの大勢の登山者で溢れている。やはりメジャーなコースである。老若男女、健脚そうな人から、どうしてここまで登って来られたのか、というくらい疲れ切った人まで、様々に多くの人が登ってくる。ここから、白馬三山の縦走を目指すと、どこかでテン泊することになり、帰りは月曜。少し思案し、白馬鑓から栂池までのコースは次回に残すことにした。急坂を下り、これまた急な雪渓をおりると鑓温泉小屋に着いた。ここまで、休憩を入れてもコースタイムより短めに進んでいる。ヤマケイ地図のコースタイムは3時間10分。今は11:40。猿倉からの最終バス時刻は16:37。5時間もあるのだから、温泉に入ろうかと思う。日本一高い温泉は、立山室堂のみくりが池温泉のようであるが、鑓温泉の露天風呂もものすごく魅力的である。小屋のお兄さんに相談すると、最低4時間は必要と言われる。風呂に入って、すぐ出発するのも何だし、汗を流して、また汗をかくのも何である。午後からは天気が崩れるとの予報であり、後ろ髪を引かれながら、猿倉に降りることにした。
高度が下がると風が無くなり、気温も上がって、ますます暑くなる。今回、全く使わなかったテン泊用具の重さが肩と腰にのしかかり、ドロドロの道に足をとられる。途中、足を滑らせ少し滑落したという方ともすれ違い、途中ゆっくり休みをとりつつ集中力を切らさないように猿倉に降りる。猿倉荘には15時前に到着。最終一つ前のバスに間に合った。
今回の不帰キレット、昨年の八峰キレット、一昨年の大キレットで、とりあえずキレットは終了だが、次の目標もいくつか決めている。そのためには、もう少し体力をつけること、あとはダイエット(減量)が必要である(汗)。
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