ジャンダルム(岳沢からヘリの遭難現場)
- GPS
- --:--
- 距離
- 11.7km
- 登り
- 1,769m
- 下り
- 1,762m
コースタイム
天候 | 晴れのち雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年10月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
沢渡の駐車場1日500円、5箇所ほどあり十分スペースはあると思います。 シャトルバスは5:40から随時。上高地最終は17:00ですが新島々行きの定期バスが18:00にあります。タクシーは18:30まで待ってます。それ以後はゲートが閉まりますので上高地から出られません。 登山届けは上高地バスターミナルで出せます。 岳沢ヒュッテまでは問題なし。ヒュッテ跡にトイレ有り。水もホースで引いてあります。テントはヘリポートや小屋横の広場で張ってました。ヒュッテは現在再建中で工事をしています。 天狗沢にはヒュッテ前を通りヘリポートから涸れ沢の左岸を少し登って、この沢を渡るのですが、台風の影響か深くえぐれていて非常に危険です。ヘリポートの辺りから渡った方が安全です。あとはマークがかなりの頻度でありますので大丈夫でしょうう。上部はかなりの傾斜になり、先行者がいる場合、落石の危険が大です。 天狗のコルからジャンダルムまでもマークが十分あります。10メートル以上マークがなければルートを外れています。この日はガスが濃く視界は10数メートルしかありませんでしたがマークのおかげジャンダルムまで行けました。 この間の鎖場は少なく問題はないのですが、登山道は下に傾いた狭い足場でへつるようなところが多く緊張の連続でした。岩が濡れているようなら止めたほうが無難です。 |
写真
感想
当初の計画では、天狗のコルから穂高山荘まで行き、翌日天狗まで戻り西穂経由上高地の一泊二日の行程でした。
初めのうちは高峰に雲がかかるものの良い天気でした。天狗のコルまでは順調に進み11時前に到着できました。岩も乾いていてこのままなら14時から遅くとも15時までには山荘に到着できそうなのでジャンダルムに向かいました。しかし、しばらくすると雪が降り出し、岩が濡れだしたのです。どの岩も下方に傾いていてつるつるです。足を滑らせば終わりです。ものすごい緊張の連続でのど焼け付きました。 一箇所手がかりが乏しく足元がすべりそうで、どうしても足を踏み出せないところに突き当たりました。ここでしかたなくアイゼンを装着しました。冬型の気圧配置でしたので用心のため完全な冬装備できたのがよかった。前爪のある12本アイゼンです。前爪2本がかかれば立ち込めます。岩にアイゼンの爪は十分ひっかかり安全通過できました。もっと早く着ければよかった。以後天狗のコルに戻るまでアイゼンはつけたままにしました。多少歩きづらいのですが滑るよりましです。
ガスが大変濃いためまったく見通しが利かず白いペンキマークだけがたよりなってしまいました。それもときどき見落とします。見落とすたびに戻りマークを探します。かなり頻繁にあるので助かります。しかい雪が積もり出しマークも見つけにくくなったころ、突然足下にジャンダルムのプレートを見たときは驚きました。こんな天気なのでジャンは巻くつもりいたのです。
ジャンから奥穂高側は垂直に切れ落ちとても降りれそうなかったのでも、元の道を戻り信州側を巻きました。少し下り、小ピークまできて行き詰まりました。
そこからはどこを降りても垂直な壁です。ここからは飛騨側で雪がべったりと残っていてどうしてもマークを見つけることができません。行き場がないのでこの垂壁を降りるしかなさそうです、ホールドは雪が着いてるものの十分にありアイゼンを付けているので下れそうなのですが、どこまで降りればいいのかわかりません。一面真っ白でマークを見つけられそうにありません。
ここで思案。あと1時間半か遅くも2時間ほどで山荘に着けるはづです。このとき13時過ぎ。行けばなんとかなるという思いと、戻れば時間はかかるが絶対に安全です。まだ十分に体力も残ってます。明るいうちにコルまで戻れれば後はヘッドランプでも下れます。結局冒険はやめ大変ですが安全策をとり戻ることにしました。
この時です、一瞬視界が開け、足下にヘリの残骸を見ました。振り向けばジャンもガスの中に見えます。ロバの耳のコルは奈落のように切れ落ちています。長いは無用です。そうと決まればさっさと退散です。
天狗のコルもまじかになった頃、二人の登山者が登ってきました。岳沢を後にして初めて人です。西穂から来たそうです。この時14時半。ジャンから先は雪でルートが分からないことや大変滑りやすくなっていることを説明してコルから戻ることを進めたのですが、一人の方は山荘に行った方が早いと行ってしまいました。もう一人の年配の方は私の忠告を素直に受け取り一緒に降りることになりました。そんな話をしている間に、あとからもう一人来て、さっさと登っていってしまいました。順調に行っても山荘に着くのは18時近くなるでしょう。非常識な登山者が多い昨今です。普通小屋には15時までに入るがあたりまえと思っている私が古いのか? 岳沢までは先の年配の方と戻り、後は大丈夫だから先に行ってくれとの言葉に甘え、一人18:00の最終バスに滑り込みました。
とりあえず、無事で何よりです。
写真と感想を見ているだけでこちらもハラハラしました。
iwa組は2日目の好天に恵まれ、奥穂高ピストンできました(北穂は中止)。
また、来年行きましょう。
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