蝶ヶ岳と常念岳


- GPS
- 80:00
- 距離
- 22.2km
- 登り
- 1,829m
- 下り
- 2,064m
コースタイム
- 山行
- 1:50
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 2:00
- 山行
- 5:50
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:50
- 山行
- 6:30
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 6:40
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ルートを通して特に危険箇所なし |
その他周辺情報 | 一ノ沢から穂高駅まではタクシー利用 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
1日目(20日)
午前7時新宿発のスーパーあずさ1号で松本へ。松本で松本電鉄上高地線に乗り
換えて新島々へ。ここからバスに乗り上高地バスターミナルにお昼ちょうどに到着。
バスターミナル前のベンチで昼食。今日は徳澤までたどり着けばよいので、トイ
レへ行ったりビジターセンターを覗いたりと、少しゆっくりペースで歩き始める。
河童橋周辺はあいかわらずたくさんの観光客で混雑していた。前回は梓川右岸を
明神まで歩いたので、今回は左岸を小梨平経由で歩くことにする。
テントが立ち並ぶ小梨平を抜けて林の中を進み、13時40分、明神館に到着。ベンチで一休みするも、次々と人が来るので早々に立ち上がり徳沢へ向かう。
10分ほどで徳本峠への分岐を過ぎ、14時30分、徳沢到着。今夜の宿の徳澤ロッジに入る。宿泊手続きを行い部屋へ。部屋の中は作り付けの二段ベッドが4つ並び
8人部屋になっていた。一番手前のベッドに先客の荷物が置かれていたので、一番奥のベッドに荷物を置き、「氷壁の宿」徳澤園まで散歩してみる。
テント場には既に数張りのテントが設営されていた。有名な徳澤園のソフトクリームを購入し、ベンチに座ってゆっくり食べてから徳澤ロッジに戻る。
入浴の準備ができたとの案内があったので浴室へ向かう。誰もいない湯船に大の
字で浸かってきた。
夕食は17時30分から。宿泊客はそれほど多くない模様。食事を終えて部屋に戻り、窓から空を見上げるが雲が多いので今夜の星空は無理だと判断し19時前に就寝。
2日目(21日)
午前5時起床。すでに同室の方は出発済みだった。朝食用に作っていただいた弁当を食べて5時50分に出発。6時に徳澤園横の入山口から登り始める。
最初から急な登りが続く。ところどころに小さな木の梯子が出てくる。30分ほど登ったところで頭上が騒がしくなってきたので、見上げると猿の群れが木の上で食事中だった。2時間ほど登ったところに「徳澤2km、蝶ヶ岳4km」の看板が有った。まだ1/3しか来ていない模様。気を取り直して登り続ける。
4時間ほど登ると傾斜が少し緩やかになってきた。急坂を登り切った模様。さらに15分ほど登ると「長塀山」の標識があり、小さな広場に出た。
地図を見ると標高2,564m、4時間かけてほぼ1,000mを登ってきたことになる。
このあたりから周りに花が多くなってきた。10時40分、当面の目標にしていた「妖精の池」に到着。ハクサンフウロがたくさん咲いていて癒される。トモエシオガマもたくさん咲いていた。花の写真を撮りながら進んでいくと周囲が明るくなってきた。森林限界を超えたようだ。サワギキョウが群れて咲いている砂礫帯に出てきた。ふと目を上げると雲をかぶった槍・穂高連峰が目の前に現れた。
いきなりの対面だったので、しばし絶句。呆然として見入ってしまった。
足下の先には蝶ヶ岳への稜線が伸びている。緩やかな登山道を歩いて11時20分
標高2,677mの「蝶ヶ岳山頂」に到着。近くにいた人にカメラのシャッターを押し
ていただいた。
目の前に聳える槍・穂高連峰は山頂部に雲がかかっていたが、ほぼ全容を見渡す
ことが出来た。すぐそこに今日の宿泊先「蝶ヶ岳ヒュッテ」の赤い屋根が見える。
なだらかな斜面を少し降りてテント場を横切り11時50分、ヒュッテに到着。
宿泊の手続きを行う。部屋の清掃中のため少し待つように言われたので、外のベン
チに腰かけて今朝徳澤ロッジで受け取ってきた昼食用の弁当をいただく。穂高岳や
槍ヶ岳の雲が時々切れて山頂が見えるのを眺めながら食事を終えて部屋に案内して
いただく。ひと区画2人部屋だが、混んでくると3人になることもある、とのこと。
とりあえずひと区画を一人で使うことになった。このあと混んでくることもなく
そのまま一人で使うことに。ぐっすり眠ることが出来たのに感謝する。
夕食は17時からとのことなので、それまでヒュッテ周辺を散策し、槍・穂高の
眺望を十分に楽しむ。夕食後外に出ると雲が切れていて穂高がほぼ全容を現して
いた。安曇野側に「ブロッケン現象」が見えるというので反対側に回る。周りの
人たちが腕を振ったり跳ねたりしてブロッケンを楽しんでいた。試に自分の腕を
振ってみたら、中央の人影が動いたので、自分も写っていることが確認できた。
振り返ると大キレットの向こうの雲が朱に染まって輝いていた。こんな光景も
久しぶりである。槍ヶ岳にまとわりついている千切れ雲も金色に輝いていた。
暮色も濃くなってきたので部屋に戻り、早々に眠ることにした。夜中に一度ト
イレへ行き空を見上げると雲が出ている様子で星空が見えなかったので諦めて
また寝入る。4時ころ目が覚めて外を見ると東の空に月が冴えわたっていて星が
見えていた。あわてて起きだして外に出た。東の空に細い月があり、その上に
オリオン座が輝いていた。ほぼ頭上にヒアデス星団があり北にはカシオペアが
Wの形を見せていた。北極星付近は雲があるのかほとんど星が見えなかったが
カシオペアから延びる天の川上に白鳥座のしっぽが今にも穂高連峰に消えよう
としていた。頭上に広がる秋の星座は少しさびしいところであるが、ほぼ満点
の星空を見上げながら山の夜を満喫した。
3日目(22日)
朝食は5時半から。しかし4時半ころからみんな起きだし始める。槍・穂高の
山並みは雲一つなく雄大な山容を表していた。4時50分ころ山頂部に陽が差し
はじめ、見事なモルゲンロートを見せる。ヒュッテ前の広場にはカメラを構えた
たくさんの宿泊者が列をなす。私はファインダーよりも肉眼で呆然と見守る。
朱色が薄まって上高地あたりまで明るくなってきたところで朝食の時間となっ
た。早々に朝食を済ませ、出発の準備をして外に出る。6時20分、蝶ヶ岳ヒュ
ッテを出発する。槍穂高の山並みを左手に見ながら常念岳目指して歩き始める。
ハイマツ帯の中を歩き始めて20分ほどで横尾への分岐点を通過する。時折
強い風が吹いてくるので、帽子が飛ばされそうになる。紐付きのレインハットに
交換し、まもなく蝶槍に到着。蝶槍はそこにいるとピークになっていることに
気が付かないくらいの突起だった。少し休んでから再出発。常念岳へのアップ
ダウンが続く。高度差200メートルほどのアップダウンを数回続けたので疲
労困憊し、11時45分、やっとの思いで常念岳山頂に到着する。
小さな祠と山頂標識があるだけの狭い山頂で、近くにいた方にカメラのシャッ
ターを押していただいた。山頂から周囲の眺望をしばし楽しむ。槍・穂高は山
頂部に雲がかかっていたが北の方角に大天井岳と燕岳が見える。燕岳の手前に
燕山荘のたたずまいが望めた。その向こうに針の木岳と思われる鋭角の山頂が
見える。白馬方面には雲がかかっていて見えなかったが、鷲羽岳から水晶岳を
へて野口五郎岳へ延びる裏銀座の稜線も良く見えた。昨年は雷雨のため双六岳
にたどり着くのがやっとだったので、いつか天気の良い日に歩きたい縦走コース
である。
12時に常念山頂から常念小屋目指して降りはじめる。途中の小さな出っ張
りに阻まれて山頂から常念小屋は見えない。ガレ場の続く下山道を疲れた足で
転ばぬようにゆっくり降りて行き13時丁度に常念小屋到着。地図にはコース
タイム40分と書かれていたが1時間かかってしまった。
宿泊手続きを済ませて部屋へ案内される。すでに8人ほどが先着していて
あと3人分しか空いていなかったので、一番入口に近い場所を確保し荷物を置
いて外へ出る。小屋前のベンチで槍ヶ岳方面を見ながら昼食を済ませるが、槍
の穂先は雲がかかっていてなかなか姿を見せない。売店でオレンジドリンクを
買い、小屋のテラスから槍を見ると、ちょうど雲が切れて全容を見ることが出
来た。
常念小屋の夕食は17時から、朝食は朝の5時からとなっている。談話室の
TVで明日の天気をチェックしたり、食堂のテラスで風に吹かれたり、地図を
広げて明日のルートを確認したりと過ごすうちに夕食の時間になったので食堂
へ向かう。夕食を済ませてから外に出て周囲を散策する。陽も落ちて暗くなっ
てきたので部屋へもどり早々に就寝する。今度はなかなか眠れない。寝たり起
きたりを繰り返しながら朝を迎える。
4日目(23日)
夜半から雨が降り出し、風も強くなった模様。外を見るとかなりの風雨であ
る。午前5時からの朝食は戸外の雨を見ながらの食事となった。
5時半に雨の支度をして常念小屋を出る。小屋前のベンチでザックカバーを
装着していたら雨が止んできたが雲が低いのでそのまま雨仕様で下山を開始する。
一ノ沢に9時半着の予定でタクシーを予約していただいたので、その
時刻を目標に歩きはじめる。持ってきたストックを準備して下山する。ストッ
クのおかげで力が分散され、膝が楽だった。15分ほどで「第三ベンチ」通過。
さらに5分ほどで「第二ベンチ」通過。このころから登ってくる人たちとす
れ違うことが多くなった。さらに10分ほどで「第一ベンチ」を、15分ほどで
「笠原沢」を通過し、大滝ベンチを8時過ぎに通過する。9時過ぎに一ノ沢到着。
タクシーが数台待っていたので、予約メモを渡して穂高駅までの乗車をお願いする。他に登山客がいなかったので一人で乗車し、山を後にする。
9時40分、穂高駅到着。窓口で新宿までの乗車券と松本からの特急券を
購入し帰路に着いた。
今回は天候に恵まれ、見たかった槍・穂高の眺望と朝焼けを満喫することが
できた。ここ数年の雨の山行を帳消しにする内容に大満足した山旅だった。
無事に帰宅できたことに感謝。
【行程概要】
20日 新宿7:00→9:34松本(スーパーあずさ1号)
松本10:10→10:40新島々10:53→12:00上高地(松本電鉄)
上高地12:30→13:40明神→14:30徳澤(徳澤ロッジ泊)
21日 徳澤6:00→10:15長塀山(ながかべやま)→11:00妖精の池
→11:30蝶ヶ岳山頂→11:45蝶ヶ岳ヒュッテ(泊)
22日 蝶ヶ岳ヒュッテ6:20→11:40常念岳山頂→13:00常念小屋(泊)
23日 常念小屋5:45→5:59第三ベンチ→6:05第2ベンチ→6:15第1ベンチ
→6:30最終水場→6:50胸突八丁→7:22笠原沢→]7:48エボシ沢
→8:11大滝ベンチ→9:15一ノ沢
一ノ沢9:20→9:40穂高駅(タクシー5,000円)
穂高10:04→10:35松本11:08→新宿13:35(スーパーあずさ14号)
【費用】
新宿→松本 \4,610(早割)
松本→上高地 \2,450
徳澤ロッジ \9,300(8,500+800)
蝶ヶ岳ヒュッテ \10,500(9,500+1,000)
常念小屋 \9,800(9,000+800)
タクシー \5,000
穂高→新宿 \7,530(4,430+3,100)
合計 \46,740
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