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Yamareco

記録ID: 503389
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

八ヶ岳/阿弥陀岳・赤岳

2002年05月05日(日) 〜 2002年05月06日(月)
 - 拍手
tadomasa その他1人
GPS
32:00
距離
18.8km
登り
1,880m
下り
1,880m

コースタイム

◆5/5
4:00 湘南発⇒6:50 美濃戸口着
7:20 美濃戸口出発→8:25-8:35 美濃戸<1720>→11:15 行者小屋<2345>
13:20 幕営地出発→14:15-14:25 中岳のコル→15:00-15:20 阿弥陀岳山頂<2805>→15:50-15:55 中岳のコル→16:30 幕営地に帰投

◆5/6
4:25 起床
5:50 幕営地出発→7:15 地蔵ノ頭<2710>→8:00-8:15 赤岳北峰→8:20-8:40 赤岳山頂<2899.2>→9:05 文三郎道分岐→9:50 幕営地帰投
10:50 行者小屋出発→12:30 美濃戸→13:35 美濃戸口
13:45 美濃戸口出発⇒16:30 湘南着
天候 5/5 曇り後快晴、5/6 快晴
アクセス
利用交通機関:
自家用車
◆駐車場
美濃戸口に駐車。
白河原から大同心、小同心を眺める。
白河原から大同心、小同心を眺める。
先ずは幕営地にSuper Flashを張る。
先ずは幕営地にSuper Flashを張る。
中岳沢にて。
阿弥陀岳山頂にて。
阿弥陀岳山頂にて。
地蔵の頭から阿弥陀岳を望む。
地蔵の頭から阿弥陀岳を望む。
赤岳への登り。
赤岳山頂にて。

感想

GWの残雪の春山を期待して再び八ヶ岳に戻ってきた。
昨年末にやり残した感がある地蔵尾根を全て見ておきたいというのも希望の一つだが、1泊2日のテント山行で行きやすい、と言うのが正直なところ。H井さんのかねてからの赤岳登頂の希望も汲んでいる。
ところが、最近の異常な暑さが手伝い、残雪は樹林帯と沢筋にしか見られず、まったく想像しなかった初夏の山の様相を示していた。

◆5/5
この日は昼頃に行者小屋に着ければよいと考えて無理なく早朝に湘南を発った。
理想的な時間で美濃戸口に到着し、準備をしながら八ヶ岳山荘で雪の状態を尋ねると樹林帯以外には殆ど無い模様と伝えられる。ここ数日で猛烈に融けた様子だ。
空は曇っているが気温は15℃と高い。美濃戸までの長閑な道はところどころに山桜が咲いていて和ませるが、たまの樹間の切り通しからの展望も曇っており、無い。
美濃戸で休憩を取るが、晴れていれば阿弥陀岳が主峰を主張している様子も今日は見られない。

美濃戸から南沢を行くが、途中から下山するパーティとすれ違うことが多くなるが、一様にザックにレインカバーを掛けている。
2000mを超える辺りから漸く雪渓が見えてきだしたが、未だ登山道には雪氷は無い。
2150m辺りで漸く樹林帯で雪が見られるようになってくる。雪があると空気も涼しい。H井さんが新品のCharletの前爪付きアイゼンを試している。
白河原に出ると美濃戸を出るときとはまるで違う蒼い空が待っていた。例によって正面に大同心・小同心を抱える横岳西壁が高く聳えている。昨年末と違うのは真っ黒だと言うところ。渓筋に多少残雪が見えるが、本当に残雪と言う呼び方が相応しい感がある。例年のこの時期とは比較にならない景色なのだろう。

11:15に行者小屋に到着した。早速にテントを張る場所を定め、設営する。
届出がてら小屋で聞くと10時頃まで雨が落ちていたようだ。行者小屋には新しくソーラーパネルが装備されている。
テント場は雪に覆われている部分と地面が露出している部分が斑模様になっていた。雪が残されて、しかも整地してあったところを選んで久しぶりに持ち出したSierra DesignのSuper Flashを張った。
慣れない重荷の疲労もあって、設営後のテントの中で心地よく昼寝をしてしまった。日差しは強いくらいでテントの中で転がっているとまるで夏山の気分になる。13時過ぎに漸く起き出して、さて阿弥陀にでも出掛けましょうとなる。ルートは前回同様中岳沢を詰めていくルートである。

樹林帯を10分程歩くと文三郎道との分岐がある。ちらほらと下山してくる登山者が見られる。
中岳沢は燦々と降り注ぐ陽光に照らされているが、流石にまだ締まった雪がある。しかし、傾斜が一寸強まるところ、漏斗状に狭まったところでは水が流れていくのが聞こえ、幅の半分ほどは氷水になっていた。遠くから見るとさほどの斜面には見えないが、取り付くとこの中岳沢は喘がせてくれる。
テントを出てから1時間ほどで中岳のコルに到着した。コルに出た途端に富士と南アルプスの全景が突然のように眼前に映し出される。
雲ひとつ無く素晴らしい展望をしばし楽しみ、山頂からは更に良い展望を約束されていると、荷物をデポし水だけを持って阿弥陀の岩稜を行った。

昨年末に阿弥陀に登った時には1箇所足元が切れ落ちている3級程度の壁を登る数mがあり緊張を強いられたが、今回冷静に観察するとこの左にトラバースするルートは確かに踏まれているが、直登するルートは更に踏まれておりより容易であることが解った。こちらは高度感も無く恐怖を感じることは無い。コルから30分ほどで残雪の襟巻きを超えて山頂に達した。
正に全周の展望。疲れを癒す以上の素晴らしさだ。南アルプス、中央アルプス、御岳、白山、乗鞍、北アルプスの峰峰、妙高、上越国境の山々、奥秩父、丹沢、そして富士山と360°を見渡しながら名を知っている山を一つ一つ数え上げていく。時間が経つのも忘れてしまう時間だ。日差しは強く、雲ひとつ無い快晴。しかもこの山頂で無風と言うのは得難い。
「日ごろの行いが良いから・・・」と言うのはお約束だろう。展望を堪能した後コルまで下り、荷をピックアップして沢を滑り降りていった。

◆5/6
2日目は赤岳に地蔵尾根経由で登頂し、撤収し帰る計画だ。
4:25に起床し、朝食を摂り5:50に出発した。
行者小屋の裏からシラビソの樹林帯を行く。最初は傾斜も緩いが徐々に急になってくる。それと同時に樹間から展望が得られるようになり、しばし白く暁光に輝く穂高を楽しんだりしながら高度を稼いでいく。昨年末に撤退した鉄梯子の辺りで森林限界を超え、辺りはハイ松の岩稜帯になる。
展望はますます冴え渡る。GPSを見ると直線距離で地蔵ノ頭まで100m程度。
高度差でも100m程度に見られる。
もう一息と登ると1体の地蔵に出遭う。錠前付きの賽銭箱を抱えているが、これは真の地蔵ノ頭の地蔵にはあらずと先を行く。ここからは一登りで地蔵ノ頭に達する。きちんと地蔵が座している。
昨日登った阿弥陀岳が眼前に雄々しく聳えている。北を見ればこれも楽ではなさそうな横岳の尾根が、南はこれから進む赤岳の稜線だがザレ場が露出しており既に夏山の状態が覗いている。

赤岳展望荘まで地蔵ノ頭からはすぐだ。さらにここを過ぎると赤岳北峰に建つ赤岳頂上小屋が指呼の間に望まれる。空は蒼く、昨日同様に雲ひとつ無い。今日も無風で有難い。
頂上小屋まで辿り付き小屋の前にあるベンチで一先ず休憩とする。最高点がある南峰の頂きは余り広くも無く、こちらの方が展望をゆっくりと楽しむには良い。昨日の阿弥陀からの展望以上に遠く日光の山までが視野に入る。阿弥陀岳とその南稜が見えるのも当然のことながら違う点だ。
更に南峰頂上に移動してもやはり同様に展望を楽しんでしまう。15℃近い気温があるのに不思議と冬並みの展望がある。共に山頂にいる登山者とも話に花が咲く。結局小一時間近くも山頂域で時間を費やしてしまった。

下山路は文三郎道を取る。最初は鎖の付いた岩場を急降下し、キレットへの分岐を過ぎて西にトラバースしていくとやがて文三郎道分岐の道標が見えてくる。文三郎道は砂礫の道をしばらく行くと鉄の階段が樹林帯まで続く。階段の下部から樹林帯に掛けてが雪に覆われている。樹林帯に入ってしまうと数分で中岳沢への分岐に出合う。更に数分で行者小屋の幕営地に達する。

帰着時間は9:50。丁度4時間のラウンドトリップであった。
テントを撤収し、昼食を摂り、10:50に行者小屋に別れを告げ、来た道を逆に辿って美濃戸を目指す。やはりこの1日で更に雪融けが進んだ感がある。
12:30に美濃戸に着いたが、来る時には見ることが出来なかった阿弥陀岳が眼前に聳え立っている。12:35に美濃戸口に到着。
連休最後の日とあって中央高速をはじめとしてあちらこちらでの渋滞が予想されたが、案の定相模湖周辺は渋滞中というのが小淵沢ICで既に報じられていた。
そこで大月で高速を降り、秋山村を縦貫するルートで宮ヶ瀬経由で湘南に帰着したが、4時間掛からない好記録であった。
折角の気分の良い山行の帰途で嫌な思いをすることが多々ある中、2日続いた無風快晴の気分の良さを続かせる帰途であった。

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