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記録ID: 505840
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無雪期ピークハント/縦走
大峰山脈

【大峯奥駈道】吉野〜八経ヶ岳〜熊野本宮大社【46/100】

2014年08月30日(土) 〜 2014年09月05日(金)
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GPS
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距離
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登り
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下り
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過去天気図(気象庁) 2014年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 タクシー
往路:近鉄吉野口駅より
復路:川湯温泉かめやバス停からJR新宮駅までバス

感想

 去年の秋から来年こそはと思っていた大峯奥掛道を歩いてきました。当初は鈴鹿全山縦走も序にやっつける計画でしたが、止めておいて本当に良かったです。連日の長時間行動に土砂降り、迫りくる害虫、行き帰りの鈍行などまさに修行という趣きでした。悟りは・・・得られませんでした。

 8月30日
 調べ物などしているうちにうっかり徹夜。眠い目を擦りながら13時ちょうどに新宿から湘南新宿ラインに乗る。平塚、熱海、島田、豊橋で乗り換え名古屋に着く。ここまでは去年の中アの帰りにも使った路線で新鮮味がない。静岡県内の東海道本線はやたら乗り換えが多い上に大概ロングシートなので、悠々鈍行の旅というより延々と通勤しているようだ。
   豊橋からは待望のクロスシート。熟睡できた。名古屋を通過して米原へ。米原から大阪まで新快速。速い速い。しかもガラガラに空いている。京王線の特急にも見習ってもらいたい。大阪駅が想像以上に栄えていたのにも驚いた。
 大阪駅から乗り換えなしで吉野口へ。この電車もなかなか速かった。吉野口で近鉄吉野線の終電に乗り換え、日付が変わる頃に漸く目的地の吉野に着く。11時間も電車に乗ったのは生まれて初めてだ。まあ、一生に一度くらいはこういうのもいい経験かもしれない。一度くらいなら。
 徹夜明けの上結局道中ではあまり眠れなかったのでふらふらだが、明日の行程を縮めるために歩けるだけ歩いておくことにする。駅から奥千本へ続く車道は両側に土産物屋やら旅館やらが延々と建て込んでいて、よくもまあこんな山の上にと感心した。ライトアップされた金峯山寺にお参りなどしつつ、交番の横で力尽きて仮眠。

 8月31日
 少し寝坊。相変わらず立派な車道を歩く。水分神社でようやく人家が途切れる。眠気が取れずふらふら。高城山先のバス停で再び力尽きて1時間の仮眠。こういう単独行ならではの爛れた時間が好き。事前情報によると、この辺りには修行をしに来たはずなのにワゴンに乗って車道歩きをカットする「行者」御一行様が現れるということで楽しみにしていたが、残念ながら今回は出会うことができなかった。
 一旦山道に入って青根ヶ峰山頂を踏む。ここでも30分の昼寝。下ると再び林道。四寸岩山の登りにかかって漸く林道が終わる。それはいいのだが尾根上の登山道に沿ってずっとモノレールが続いている。何のためのモノレールなんだろう。始点に停められてた車体には荷台がついていなかったような気がするが。
 五番関まで特徴のない山歩きが続く。途中の二軒の避難小屋は立派。四寸岩、大天井ともなかなか堪える登りの割には山頂はしょぼい。霊場ということで、そこら中に仏像やら経塚やらがある道を想像していたのに、ここまでは割と何の変哲もない登山道だった。
 五番関には女人結界門がある。女人禁制の賛否が分かれているらしいことはこの辺りの有り様を見るだけでもよく分かる。まあ僕は入れるからどうでも構わない。
 暫く行くと茶屋が二軒続けて現れる。登山道が茶屋の中を通っている強制エンカウント方式。おでんとか甘酒とか薬とか色々売っている。この辺りから漸く登山者を見かけるようになり、念願の「ようお参り」が言えて感無量。行者もいた。
 山頂が近づくと鐘掛岩、西の覗きなどの観光名所が現れ、俄かに「霊場」の雰囲気が漂い始める。宿坊群は立派だが平日の所為か人気はなかった。宿坊から僅かな登りで山上ヶ岳。といっても本当の山頂は柵があって入れない。少し降りたところに江戸時代に建て替えられたという大峯山寺が建っている。江戸時代に山の上に建てたことを考えるとまあ立派。お花畑と称するスポットもあったがどうみてもただの笹原になり果てていた。眺めは悪くない。
 日没も迫っているので少々足を速める。1時間で今日の目的地の小笹宿に着いた。コンパクトな草原の隅に小川がせせらいでいて、ここまでの地味な山歩きからするとオアシスのように感じる。役の小角の像やら梵字のパネルを敷き詰めた禍々しい石板やらお堂やら色々ある所を見ると、かつてここに宿った真の行者達も似たような感想を持ったのだろう。小さい避難小屋もあったが、土間の焚き火跡に燃え残ったごみが山積していたり、小屋の周りに真新しいスパゲッティが落ちていたりして清潔感がないのでテントを張ることにした。北アルプスなんかの人気山域だったらこんな素晴らしい草原もすぐテント跡で禿げてしまうに違いない。
 テントを立てて米を炊こうとしたところでコッヘルの蓋を忘れたことに気づく。それだけならまだしも、箸とスプーンもなかった。仕方ないのでガーナの箱を細長く折り、先端にアルミホイルを巻いてスプーンの代用としたが酷く食べづらかった。景気付けに紙パックの安酒を飲み、あまりの不味さにますます侘しい気分になってから就寝。

 9月1日
 朝食はカップラーメン。アルミホイルの長さが足りないため底までかき混ぜられず上の方だけ味が濃い上、湯気でスプーンが次第に萎びてくる。切ない。
 
 続く














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