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Yamareco

記録ID: 5060667
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
比良山系

厳冬期の武奈ヶ岳〜北稜縦走

2015年02月01日(日) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
13.1km
登り
1,320m
下り
1,158m

コースタイム

日帰り
山行
9:40
休憩
0:00
合計
9:40
7:50
130
10:00
60
11:00
100
12:40
20
13:00
30
13:30
30
14:00
70
15:10
40
15:50
100
17:30
0
17:30
ゴール地点
天候
過去天気図(気象庁) 2015年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
行き:JR湖西線比良駅〜徒歩
帰り:江若バス朽木栃生バス停〜JR湖西線安曇川駅
JR比良駅を降りて歩き始めたのが午前8時頃、湖西の原野を歩いて登山口のイン谷口へ向かう。この日は平地でも10cmほどの積雪があった。イン谷口から金糞峠まではガレた谷道、比較的しっかりとしたトレースが刻まれている。
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JR比良駅を降りて歩き始めたのが午前8時頃、湖西の原野を歩いて登山口のイン谷口へ向かう。この日は平地でも10cmほどの積雪があった。イン谷口から金糞峠まではガレた谷道、比較的しっかりとしたトレースが刻まれている。
最初は軽アイゼンでしのぎ、岩がゴロゴロの急斜面が始まる青ガレからは、12本爪アイゼンに履き替える。
2015年02月01日 12:10撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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2/1 12:10
最初は軽アイゼンでしのぎ、岩がゴロゴロの急斜面が始まる青ガレからは、12本爪アイゼンに履き替える。
岩は雪に埋もれ、人の歩いたトレースは踏み固められた雪の急斜面となり、ピッケルを突き刺しながら登らないと転がり落ちそうになる。
2015年02月01日 12:32撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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岩は雪に埋もれ、人の歩いたトレースは踏み固められた雪の急斜面となり、ピッケルを突き刺しながら登らないと転がり落ちそうになる。
2015年02月01日 12:35撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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金糞峠に到着すると、強風がまともに吹き付ける。
2015年02月01日 12:37撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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金糞峠に到着すると、強風がまともに吹き付ける。
峠を降りて下った谷からコヤマノ岳南尾根に取り付く。
2015年02月01日 12:56撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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峠を降りて下った谷からコヤマノ岳南尾根に取り付く。
2015年02月01日 13:17撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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尾根を登りながらも、時折、粉雪が降りしきる。
2015年02月01日 13:25撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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尾根を登りながらも、時折、粉雪が降りしきる。
2015年02月01日 13:51撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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杉の大木は分厚い雪の衣を纏い、凍てついた姿で立ちすくんでいる。
2015年02月01日 13:54撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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杉の大木は分厚い雪の衣を纏い、凍てついた姿で立ちすくんでいる。
2015年02月01日 13:55撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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2015年02月01日 13:56撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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2015年02月01日 13:56撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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コヤマノ岳山頂が近づく標高1000m付近からは、ブナの林が支配的になる。
2015年02月01日 14:16撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 14:16
コヤマノ岳山頂が近づく標高1000m付近からは、ブナの林が支配的になる。
深く埋もれたブナの太い幹。
2015年02月01日 14:17撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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深く埋もれたブナの太い幹。
2015年02月01日 14:17撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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コヤマノ岳山頂の稜線に辿り着くと、正面に見えるのは、まるで王冠のように大きく枝を広げたブナの大木。通称コヤマノクラウンと呼ばれている。霧氷に蔽われた美しい佇まいに心を奪われる。
2015年02月01日 14:34撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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コヤマノ岳山頂の稜線に辿り着くと、正面に見えるのは、まるで王冠のように大きく枝を広げたブナの大木。通称コヤマノクラウンと呼ばれている。霧氷に蔽われた美しい佇まいに心を奪われる。
先行者のトレースはあるが、時折降る粉雪でトレースが埋もれかけている。ここでアイゼンを脱ぎワカンに履き替える。
2015年02月01日 14:40撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 14:40
先行者のトレースはあるが、時折降る粉雪でトレースが埋もれかけている。ここでアイゼンを脱ぎワカンに履き替える。
少しだけ空が明るくなり、時折青空がのぞく。
2015年02月01日 14:40撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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少しだけ空が明るくなり、時折青空がのぞく。
2015年02月01日 14:43撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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2015年02月01日 14:46撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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2015年02月01日 14:49撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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しばし、コヤマノ岳の美しい霧氷の森を見上げながら逍遥する。
2015年02月01日 14:49撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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しばし、コヤマノ岳の美しい霧氷の森を見上げながら逍遥する。
2015年02月01日 14:52撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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2015年02月01日 14:52撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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2015年02月01日 14:53撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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2015年02月01日 14:54撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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ここまで、人に出会ったのは男性1人だけだった。
2015年02月01日 14:55撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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ここまで、人に出会ったのは男性1人だけだった。
コヤマノ岳を50mほど下ったところで、眼前に武奈ヶ岳ののっぺりと平たい山頂が現れる。
2015年02月01日 14:56撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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コヤマノ岳を50mほど下ったところで、眼前に武奈ヶ岳ののっぺりと平たい山頂が現れる。
この時、気まぐれな陽光が吹雪の切れ間から差し込み、武奈ヶ岳をまばゆい白い光で浮かび上がらせる。
2015年02月01日 14:56撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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この時、気まぐれな陽光が吹雪の切れ間から差し込み、武奈ヶ岳をまばゆい白い光で浮かび上がらせる。
強風で地吹雪が舞い上がる山頂辺りの景色が、ほんの数分の間に目まぐるしく変わった。
2015年02月01日 14:56撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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強風で地吹雪が舞い上がる山頂辺りの景色が、ほんの数分の間に目まぐるしく変わった。
2015年02月01日 14:57撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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2015年02月01日 14:57撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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余りの美しさに夢中でシャッターを切ったが、こんなぞっとする様な美しい光景を見せられると、ふと、このまま、この雪の山から帰れなくなるのではないか・・という不吉な予感に囚われてしまう。
2015年02月01日 14:57撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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余りの美しさに夢中でシャッターを切ったが、こんなぞっとする様な美しい光景を見せられると、ふと、このまま、この雪の山から帰れなくなるのではないか・・という不吉な予感に囚われてしまう。
ここから山頂までは残り80m登るだけだ。
2015年02月01日 14:59撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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ここから山頂までは残り80m登るだけだ。
時折覗く青空が美しい。
2015年02月01日 14:59撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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時折覗く青空が美しい。
雪の斜面に分厚い雪の衣を纏った針葉樹が厳しい寒さに耐えて立っている。
2015年02月01日 15:15撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 15:15
雪の斜面に分厚い雪の衣を纏った針葉樹が厳しい寒さに耐えて立っている。
振り返ると粉雪に煙るコヤマノ岳が見えた。
2015年02月01日 15:16撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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振り返ると粉雪に煙るコヤマノ岳が見えた。
武奈ヶ岳山頂稜線に立つと、強風が吹き荒れる。
2015年02月01日 15:29撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 15:29
武奈ヶ岳山頂稜線に立つと、強風が吹き荒れる。
前方に山頂の道標が見える。
2015年02月01日 15:29撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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前方に山頂の道標が見える。
常には50人くらいの人がたむろする山頂に、今日は誰もいない。
2015年02月01日 15:30撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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常には50人くらいの人がたむろする山頂に、今日は誰もいない。
強風に舞い上がった雪が地吹雪となり、頬を切り裂く。
2015年02月01日 15:30撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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強風に舞い上がった雪が地吹雪となり、頬を切り裂く。
慌ててネックウォーマーと毛糸の帽子を着込む。
2015年02月01日 15:31撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 15:31
慌ててネックウォーマーと毛糸の帽子を着込む。
頬と耳が千切れるように痛い。
2015年02月01日 15:32撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 15:32
頬と耳が千切れるように痛い。
2015年02月01日 15:32撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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北稜〜釣瓶岳と北の山並みが銀色に光り、地吹雪に煙る。
2015年02月01日 15:33撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 15:33
北稜〜釣瓶岳と北の山並みが銀色に光り、地吹雪に煙る。
2015年02月01日 15:33撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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気まぐれに覗く青空との境界線が水色と紫と淡い緑色に彩られる。
2015年02月01日 15:34撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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気まぐれに覗く青空との境界線が水色と紫と淡い緑色に彩られる。
美しい・・何枚もシャッターを切りながら北稜の稜線に下っていく。
2015年02月01日 15:34撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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美しい・・何枚もシャッターを切りながら北稜の稜線に下っていく。
山頂到着は午後1時30分、おそらく下山は日没ぎりぎりになるだろう。
2015年02月01日 15:34撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 15:34
山頂到着は午後1時30分、おそらく下山は日没ぎりぎりになるだろう。
ノートレースの北稜の稜線を眼下に見下ろしながら、これを下るのに一瞬ためらいがよぎる。
2015年02月01日 15:34撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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ノートレースの北稜の稜線を眼下に見下ろしながら、これを下るのに一瞬ためらいがよぎる。
新雪の深さによってはどこまではまるかも分からない。しかし、いったん下れば、後戻りはできない。雪の斜面を登り返せばそれだけで体力を奪われ、逆に遭難しかねない。危険だ。
2015年02月01日 15:37撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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新雪の深さによってはどこまではまるかも分からない。しかし、いったん下れば、後戻りはできない。雪の斜面を登り返せばそれだけで体力を奪われ、逆に遭難しかねない。危険だ。
しばしの沈黙の後、迷いを振り払って、ノートレースのまっさらの雪面に突っ込む。
2015年02月01日 15:38撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 15:38
しばしの沈黙の後、迷いを振り払って、ノートレースのまっさらの雪面に突っ込む。
ワカンで雪を蹴立てて走り下ると、分厚い霧氷に蔽われた樹木の枝が、次々と頭上を通り過ぎてゆく。
2015年02月01日 15:48撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 15:48
ワカンで雪を蹴立てて走り下ると、分厚い霧氷に蔽われた樹木の枝が、次々と頭上を通り過ぎてゆく。
躊躇いは消え去り、陶酔と満足に満たされていく。
2015年02月01日 15:48撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 15:48
躊躇いは消え去り、陶酔と満足に満たされていく。
大きく張り出した北稜の雪庇は、稜線東側の樹林を埋め尽くし、遮るもののないまっ平の雪の道を作り出す。
2015年02月01日 15:49撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 15:49
大きく張り出した北稜の雪庇は、稜線東側の樹林を埋め尽くし、遮るもののないまっ平の雪の道を作り出す。
誰も歩いていないこの雪のヴァージンロードを、一人、雪を蹴立てて下っていく。恍惚と陶酔が頭をかけめぐる。なんという快感だろう。眼前の釣瓶岳が一瞬、陽光に白く輝く。
2015年02月01日 15:50撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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2/1 15:50
誰も歩いていないこの雪のヴァージンロードを、一人、雪を蹴立てて下っていく。恍惚と陶酔が頭をかけめぐる。なんという快感だろう。眼前の釣瓶岳が一瞬、陽光に白く輝く。
2015年02月01日 15:52撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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2015年02月01日 15:53撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 15:53
北稜を200m下った鞍部が細川越、ここから釣瓶岳までアップダウンを繰り返し、100mの登り返しとなる。この登り返しがきつい。ワカンでもサラサラの新雪がすべって、なかなか前へ進まない。
2015年02月01日 16:00撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 16:00
北稜を200m下った鞍部が細川越、ここから釣瓶岳までアップダウンを繰り返し、100mの登り返しとなる。この登り返しがきつい。ワカンでもサラサラの新雪がすべって、なかなか前へ進まない。
時折、腿まではまって体力を奪う。時間がないと焦って力みかえれば、余計に体力を失う。焦らず、一歩一歩前へ進むことだけに集中する。
2015年02月01日 16:03撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 16:03
時折、腿まではまって体力を奪う。時間がないと焦って力みかえれば、余計に体力を失う。焦らず、一歩一歩前へ進むことだけに集中する。
れでも、ついに太腿が悲鳴を上げてつり始めた。激痛が足を襲う。立ち止まり、ズボンを下して、ザックから冷シップを取り出し、激痛の走る太腿に貼る。しばらくすると、不思議と痛みが治まり、再び歩けるようになる。
2015年02月01日 17:09撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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2/1 17:09
れでも、ついに太腿が悲鳴を上げてつり始めた。激痛が足を襲う。立ち止まり、ズボンを下して、ザックから冷シップを取り出し、激痛の走る太腿に貼る。しばらくすると、不思議と痛みが治まり、再び歩けるようになる。
ついに午後3時20分、釣瓶岳山頂1098mに到達。ここからは、もうほとんど上りはない。後は下るだけだ。雪の下りは速い。後は日没の時間との競争だ。
2015年02月01日 17:16撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 17:16
ついに午後3時20分、釣瓶岳山頂1098mに到達。ここからは、もうほとんど上りはない。後は下るだけだ。雪の下りは速い。後は日没の時間との競争だ。
すべてが白い雪に蔽われた釣瓶岳山頂の景色は、いつもと全然別世界に見える。フワフワと捉えどころのない別の世界をさ迷うように雪面を歩く。下ってきた後ろを振り返ると、巨大な雪庇の塊が連なるのが見える。
2015年02月01日 17:20撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 17:20
すべてが白い雪に蔽われた釣瓶岳山頂の景色は、いつもと全然別世界に見える。フワフワと捉えどころのない別の世界をさ迷うように雪面を歩く。下ってきた後ろを振り返ると、巨大な雪庇の塊が連なるのが見える。
2015年02月01日 17:20撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 17:20
わずかの登り返しも、さっきまでの辛さはない。ただ黙々と歩みを進める。
2015年02月01日 17:20撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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2/1 17:20
わずかの登り返しも、さっきまでの辛さはない。ただ黙々と歩みを進める。
下りの斜面に、大きな雪の衣を纏った杉の木が沈黙の中にそびえ立つ。
2015年02月01日 17:23撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 17:23
下りの斜面に、大きな雪の衣を纏った杉の木が沈黙の中にそびえ立つ。
朽木谷の向こうには、京都北山の山々が雪に煙って銀色に連なる。
2015年02月01日 17:28撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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2/1 17:28
朽木谷の向こうには、京都北山の山々が雪に煙って銀色に連なる。
正面は、蛇谷ヶ峰とその向こうに若狭の山々。
2015年02月01日 17:28撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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正面は、蛇谷ヶ峰とその向こうに若狭の山々。
2015年02月01日 17:29撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
2/1 17:29
2015年02月01日 17:29撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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午後4時前、イクワタ峠到着。踏破してきた釣瓶岳の稜線を振り返る。ここからは比較的下山までの時間が短い朽木栃生バス停に向かって、ひたすら下る。もう時間のロスは許されない。終バスの時間に間に合うかぎりぎりである。写真は撮らないと決めた。
2015年02月01日 17:47撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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2/1 17:47
午後4時前、イクワタ峠到着。踏破してきた釣瓶岳の稜線を振り返る。ここからは比較的下山までの時間が短い朽木栃生バス停に向かって、ひたすら下る。もう時間のロスは許されない。終バスの時間に間に合うかぎりぎりである。写真は撮らないと決めた。
コンパスを進行方向下りに合わせ、雪で変わった景色を無雪期の景色に重ね合わせて、かろうじて現在地を思い出しイメージする。雪を蹴立ててどんどん標高を下げていくと、見慣れた山の景色になってゆく。ここで、はやる気持ちと気の緩みで、後はまっすぐ下るだけだ・・と、コンパスを合わせずに直進してしまった。しばらくして急斜面とぱっくり口を開けた蟻地獄のような谷にぶつかり、おかしい・・と気づく。登山道からずれてしまった。周囲を眺め回すと、左手により緩やかな尾根が見える。「あれだ!」時間をかけずに登山道に復帰するには、蟻地獄のような急斜面をトラバースして向こうの尾根に取り付くしかない。無我夢中でピッケルを山側に突き立ててバランスを取りながら、綱渡りのような雪の急斜面をトラバースしていく。生きた心地がしない。何とか死地を脱して登山道に復帰することができた。バス停到着は、終バス発車10分前、とっぷりと日が暮れた夕闇の中だった。
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コンパスを進行方向下りに合わせ、雪で変わった景色を無雪期の景色に重ね合わせて、かろうじて現在地を思い出しイメージする。雪を蹴立ててどんどん標高を下げていくと、見慣れた山の景色になってゆく。ここで、はやる気持ちと気の緩みで、後はまっすぐ下るだけだ・・と、コンパスを合わせずに直進してしまった。しばらくして急斜面とぱっくり口を開けた蟻地獄のような谷にぶつかり、おかしい・・と気づく。登山道からずれてしまった。周囲を眺め回すと、左手により緩やかな尾根が見える。「あれだ!」時間をかけずに登山道に復帰するには、蟻地獄のような急斜面をトラバースして向こうの尾根に取り付くしかない。無我夢中でピッケルを山側に突き立ててバランスを取りながら、綱渡りのような雪の急斜面をトラバースしていく。生きた心地がしない。何とか死地を脱して登山道に復帰することができた。バス停到着は、終バス発車10分前、とっぷりと日が暮れた夕闇の中だった。
撮影機器:

装備

個人装備
長袖シャツ ズボン 靴下 アウター手袋 防寒着 雨具 ゲイター ネックウォーマー 毛帽子 ザック ザックカバー アイゼン ピッケル 昼ご飯 行動食 飲料 水筒(保温性) 地図(地形図) コンパス ヘッドランプ 予備電池 筆記用具 携帯 時計 タオル ナイフ カメラ

感想

厳冬期の比良、武奈ヶ岳〜北稜〜釣瓶岳〜イクワタ峠への縦走は、スリルと不安の連続だった。それでもこれが癖になり、これ以降、イクワタ峠〜地蔵峠〜横谷峠〜畑バス停へ下山するルートが私の定番になっていった。最終のバスが夕方6時30分、バスがなくなれば、タクシーを呼び、近江高島の駅まで行く、そこまで覚悟してしまえば、雪の稜線踏破にどれだけ時間がかかっても、慌てず冷静に一歩一歩前へ進むことに専念できる。命からがら遭難一歩手前のような山行を何度か経験することになる。

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