白馬岳(三山縦走)
- GPS
- 52:00
- 距離
- 24.4km
- 登り
- 2,074m
- 下り
- 2,641m
コースタイム
栂池自然園駅(8:30)〜白馬乗鞍岳〜白馬大池〜小蓮華山〜白馬岳〜白馬山荘(16:20)
9/14 ※標準コースタイム:3時間5分
白馬山荘(7:30)〜大雪渓・旭岳分岐〜杓子岳〜白馬鑓ヶ岳〜白馬鑓温泉分岐〜天狗山荘(12:30)
9/15 ※標準コースタイム:8時間
天狗山荘(出発前に天狗ノ頭を往復)(6:30)〜白馬鑓温泉分岐〜白馬鑓温泉分岐〜崩沢〜落石沢〜小日向山のコル〜猿倉(12:30)
天候 | 9/13 晴れのち雨 9/14 晴れ 9/15 曇り時々晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
八王子駅(0:40)<ムーンライト信州>(5:40)白馬駅(6:00)<バス>(6:30)栂池高原駅(7:10)<ロープウェイ>(7:50)栂池自然園駅 【帰り】 猿倉(12:50)<タクシー>(13:00)倉下の湯(15:00)<タクシー>(15:10)白馬駅(15:49)<JR大糸線>(17:29)松本駅(18:35)<スーパーあずさ>(20:35)八王子駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・白馬鑓温泉小屋上部に鎖場があり、岩質も滑りやすく危険。(過去に死亡事故あり) ・白馬鑓温泉小屋〜小日向山のコル間の、崩沢及び落石沢の通過は、落石に注意。 |
その他周辺情報 | 猿倉〜白馬駅の途中に、「倉下の湯」がある。内湯はないが、源泉掛け流しの濁り湯で、いかにも温泉って感じの湯。 |
写真
感想
9月13日
12日夜に、八王子駅から、白馬行きのムーンライト信州に乗車。乗客は、ほとんど登山客。車両は、昔の特急のもので、八王子駅ホーム入線時には、なぜか車両の表示が「妙高号・直江津行き」となっていた。
4時半頃、松本駅到着前のアナウンスとメロディーで、完全に目が覚める。
車窓をボーっと眺めていると、朝日に染まった白馬三山が見え興奮。朝もやに包まれた白馬駅に着くと、行列のバス停に、ちょうど、登山バスがやってきた。行先は、猿倉行きと、八方・栂池行きの2系統。うち、栂池方面のバスに乗り込む。
栂池高原駅に着く頃には、霧は晴れ、青空が広がった。鹿島槍、五竜、唐松、白馬がすっきり見えて最高!
ロープウェイ乗り場は、行列が出来ていた。ここで、ザックの重量を測ると、10.5kg。個人的には、限界の重量かな…
しばし、栂池自然駅まで、標高差1000mの空中散歩。ここだけも来る価値があるかも。
栂池自然園駅で朝食を摂って出発。天狗原までは、岩がゴロゴロした登山道。ここで、早くもガスが湧きだしてきた。
天狗原は、尾瀬のように木道が続く湿原で、良い雰囲気。紅葉も始まっていた。
天狗原から白馬乗鞍岳までは、大岩が転がる歩きにくい道。ガスの中だったので眺めはなかったが、雷鳥が現れて感激。
白馬乗鞍岳から白馬大池に降り、昼食を食べ、いよいよ、白馬連峰の主稜線に取りつく。バテバテの状態かつ眠い中、小蓮華山と思ってたどり着いたピークは、「船腰ノ頭」!
…ってどこ?
調べると、小蓮華山は、ずっと先のようで、ガスの切れ間から、小蓮華山へと登る道が続いているのが見えた。
あ、そう…
心が折れそうになったが、アップダウンを繰り返し、ようやく、小蓮華山。
やった!…でも、まだ先は長いんだよね…
時折、ガスの切れ目から望む眺めに歓声を上げながら行くと、三国境。
ここで目の前に、白馬岳への長大な登り坂が現れた。
…これ登るの?
再び心が折れそうになったが、小屋は、白馬岳の向こうなので行くしかない…
登ってる途中に雨が降ってきた。よく見ると、氷の粒が混ざっている。
寒い!寒い!寒い!
ようやく、濃いガスの中、白馬岳の山頂の標識が見えた。
「自己、20座目の日本百名山・白馬岳登頂!」
って感慨もなく、山頂をスルー。ガスの中に、白馬山荘が見えたときは、本当にほっとした。
日本最大級の白馬山荘は、いくつもの棟に分かれており、我々は2号館に案内された。結構、混雑しており、就寝スペースは、6畳に8人だった。
乾燥室で、装備を乾かしつつ、夕食へ。食堂前には、長蛇の列が出来ていた。夕食メニューは、ハンバーグ。ご飯とみそ汁がおかわり自由なのは嬉しい。たらふく食べて、就寝。本当は、星を撮りたかったが、雨なので断念した。
9月14日
4時半に起床して、外に出ると、昨日の雨が嘘のような快晴。
今日登る杓子岳と白馬鑓が大迫力で聳え、剱と槍の三角形が目立つ。足元に広がる大雲海の彼方には、富士山、八ヶ岳、南アルプスが浮かぶ。
来てよかった!!
絶景を堪能し、小屋に戻って、朝食(焼き鮭)を食べて出発。
8時には、ガスが湧き、展望はなくなったが、3000m級の縦走を存分に満喫。
白馬鑓からの下りでは、ウルップソウの残骸がたくさんあった。7月は、さぞ素晴らしいんだろうな。
今日は、主稜線から離脱して、白馬鑓温泉小屋に泊まる予定だったが、非常に混雑しているとの情報があったため、パーティ内で決の結果、白馬鑓を過ぎたところにある、メインコースからは外れて、人が少ないであろう天狗山荘に宿泊することになった。
明日の歩行時間が長くなり、風呂に入れなくなる代わり、ゆっくり寝れて、再び、絶景を見れるチャンスがある。さて結果は?
天狗山荘では、実際、夕食を4回に分けるほど、賑わっていたが、就寝スペースは、6畳に8人で、まずまずといったところ。夕食は、運よく、5時半からの初回グループに入れた。メニューは、魚の味噌煮に、ナムル、ゴボウの和え物、水炊き鍋(天狗鍋)、温かいそうめん、ごはんと、下界の民宿並みの豪華さで大満足。
8時、外に出ると、ガスは晴れ、満点の星空。カメラの少ない電池残量とにらめっこしながら撮影した。
9月15日
4時半に起床して、外に出ると、上空には薄雲が広がっていた。
展望はどうか?
不安な気持ちで、天狗ノ頭に登ると、昨日は山陰になって見えなかった、不帰嶮から唐松岳へと続く稜線と、その先に、五竜、鹿島槍が待っていた。昨年、北アルプスデビューで登った唐松・五竜は見ておきたかったので、一安心。
東側地平線付近は、雲が切れていたので、何か起こる予感。
しばらくすると、空一面が焼け出した。
キター!! 大当たり!!
富士山上空も真っ赤。普段、富士山撮影している自分でも、これほどの焼けは滅多に出会えない。一眼持ってきて良かった〜〜♪
気づくと、昨日登った白馬鑓上空も真っ赤! 走って場所を替えて撮影。
雲の切れ間から日が射すと、今度は、五竜と剱が、真っ赤に。またまた走って、撮影。
ドラマチックな時間は、あっという間に終わり、焼けは色を失っていった。丁度、カメラのバッテリーも底を着き、終了。
小屋へ戻り、荷物をまとめて出発。
白馬鑓温泉小屋への下りは、チングルマの綿毛が無数にあり、花の山であることを実感。小屋が近づくと、鎖場が現れた。過去に死亡事故もあったらしく、気が抜けない。
小屋には、眺望抜群の立派な露天風呂があった。ただし、周りから丸見えなので、入るには勇気がいるかも。(女性用には、内湯があるみたい)
また、このあたりは、雪が遅くまで残るためか、9月の今でも、クルマユリやミヤマキンポウゲが咲いていて驚いた。
小屋から先は、落石の危険個所もあったり、小日向山のコルへの登り返しも意外ときつく、なかなかハードな道。猿倉に立つ小屋の赤い屋根が見えたときは嬉しかった。
倉下の湯で、温泉に浸かり、白馬駅から帰京。
初日は、雨に降られて辛かったけれど、北アルプスの絶景と雷鳥に出会えた、今季一番の素敵な山旅となりました。
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