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Yamareco

記録ID: 5170779
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積雪期ピークハント/縦走
白山

【白山北部】行者尾根(仮称)から仙人窟岳

2023年02月11日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
23.1km
登り
1,901m
下り
1,901m

コースタイム

日帰り
山行
17:00
休憩
0:00
合計
17:00
3:30
240
駐車地
7:30
7:30
230
行者尾根(仮称)に取りつく
11:20
11:20
40
P1646
12:00
12:00
160
14:40
14:40
80
16:00
16:00
150
18:30
18:30
60
19:30
19:30
30
20:00
20:00
30
国道に出る
20:30
駐車地
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2023年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
白山白川郷ホワイトロードと石川県道53号線(岩間一里野線)の分岐点にあるスペースに駐車。ほぼ常時除雪されていて,駐車余地は4〜5台ほど。なお,積雪期は一里野スキー場から当該スペースまでの道が無雪期と若干異なるので注意。「ブナオ山観察舎」の案内看板の通りに進むとよい。
コース状況/
危険箇所等
【ルート状況】
・ 標高1000m以下はモナカ雪で,沈み込み自体は少ないが,ガクンと沈み込む感じで結構疲れる。それ以上の標高ではスノーシューでスネ〜ヒザ程度の沈み込み。
・ 今回,アプローチに使った白山白川郷ホワイトロードは,雪崩デブリによるカチカチの片斜面が多数できていて危険度が高く,通過に時間がかかる(また,大雪後や気温上昇時は雪崩のリスクあり)。なお,ホワイトロードは開通期間中は歩行者進入禁止であり,このように歩けるのは冬季閉鎖期間中に限られるので注意。
・ 行者尾根(仮称。岩底谷の左岸尾根)は,尾根末端に顕著な岩壁が発達しており,取りつきは雪壁状でかなり急。また,2か所ほど大きめの岩峰を乗り越す箇所があり,最初の岩峰は右手を巻き気味に登れば灌木も豊富で比較的容易に登れるが,2番目の岩峰は薄く雪の付いたブッシュ壁を直登する必要があり,注意が必要。それを越えてしまえば,あとは悪場はなく,快適な尾根を白山北方稜線まで上がれる。
・ 白山北方稜線上では,仙人窟岳と笈ヶ岳の間の最低鞍部の両側が雪庇が張り出した急な痩せ尾根となっており,通過注意。
・ 今回下山路としたシリタカ山・冬瓜山・山毛欅尾山を経由して中宮発電所に降りるルートは,残雪期の笈ヶ岳登山の一般的なルートであり,大きな悪場はないが,山毛欅尾山からの下りは正しい尾根を外しやすいので読図注意。冬瓜山のナイフリッジを避ける場合は今回のように冬瓜平(冬瓜山の北側に広がる平)を経由すればよい。なお,このルートの最大の注意点として,中宮発電所の吊橋は何年か前に壊れて以降復旧されていないので注意。近年は発電所から少し上流側に行ったところにある大きな堰堤を渡るのが一般的な通過方法となっているが,この時期は堰堤の上に雪が2mほど積もっていて危険で,この代替ルートは使用困難。この堰堤のわずかに下流側に灌木頼りに河床に降りられる箇所があるので,そこから渡渉するのが最も無難と思われる。
白山白川郷ホワイトロードの冬季通行止めゲートからスタート。道路上の雪は激モナカでスノーシューがひっかかり歩きにくい。
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白山白川郷ホワイトロードの冬季通行止めゲートからスタート。道路上の雪は激モナカでスノーシューがひっかかり歩きにくい。
深い積雪に埋もれた無人の中宮温泉ビジターセンター。
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深い積雪に埋もれた無人の中宮温泉ビジターセンター。
わかっちゃいたけど,雪崩デブリによる片斜面多数。しかも雪崩に磨かれてカチカチで,通過時はいちいちアイゼンに履き替えなければならず煩わしい。かと言って,万一足を滑らせれば眼下を流れる蛇谷まで一直線なので,慎重に進んでいく。
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わかっちゃいたけど,雪崩デブリによる片斜面多数。しかも雪崩に磨かれてカチカチで,通過時はいちいちアイゼンに履き替えなければならず煩わしい。かと言って,万一足を滑らせれば眼下を流れる蛇谷まで一直線なので,慎重に進んでいく。
シリタカ谷の滝。意外に凍ってなかった。
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シリタカ谷の滝。意外に凍ってなかった。
やっと目の前に登路とする予定の行者尾根(仮称。岩底谷の左岸尾根)が現れた。激モナカやら片斜面の通過やらで,かなり時間を食ってしまった…。急がねば。
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やっと目の前に登路とする予定の行者尾根(仮称。岩底谷の左岸尾根)が現れた。激モナカやら片斜面の通過やらで,かなり時間を食ってしまった…。急がねば。
岩底谷の滝。この滝から行者たちが尾根伝いに稜線に上がり,仙人窟まで行っていたらしい。この滝は行者たちの沐浴潔斎,あるいは滝行の場だったのかもしれない(想像)。ただ,滝のところから直接左岸尾根に取り付くのは,凄い岩壁で至難に見えるが…。
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岩底谷の滝。この滝から行者たちが尾根伝いに稜線に上がり,仙人窟まで行っていたらしい。この滝は行者たちの沐浴潔斎,あるいは滝行の場だったのかもしれない(想像)。ただ,滝のところから直接左岸尾根に取り付くのは,凄い岩壁で至難に見えるが…。
地形図から予想していたことではあるが,尾根末端は物凄い岩壁に囲まれている。本当に無事取りつけるだろうか…。
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地形図から予想していたことではあるが,尾根末端は物凄い岩壁に囲まれている。本当に無事取りつけるだろうか…。
橋を渡ってすぐの斜面から取り付こうと考えていたが…,よしよし,急斜面だがロックシェッドの脇から何とか行けそうだ。
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橋を渡ってすぐの斜面から取り付こうと考えていたが…,よしよし,急斜面だがロックシェッドの脇から何とか行けそうだ。
おさるさん。ちょうど登ろうとした斜面上にいて,近づいても逃げずに毛づくろいなどしている。あまり人を見たことがないのだろうか?
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おさるさん。ちょうど登ろうとした斜面上にいて,近づいても逃げずに毛づくろいなどしている。あまり人を見たことがないのだろうか?
ロックシェッドの脇から落石ネットを掴んで這い上がり,尾根に取りつく。登れば登るほど斜面は傾斜を増し,雪壁状に。強い日差しでぐずぐずになった雪を慎重に踏み固めながら,ピッケルを深く差し込んで登っていく。
ロックシェッドの脇から落石ネットを掴んで這い上がり,尾根に取りつく。登れば登るほど斜面は傾斜を増し,雪壁状に。強い日差しでぐずぐずになった雪を慎重に踏み固めながら,ピッケルを深く差し込んで登っていく。
と,岩峰が出現。灌木を頼りに右から巻くように越える。
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と,岩峰が出現。灌木を頼りに右から巻くように越える。
岩峰を越えてほっとしたのも束の間,さらに巨大な第二の岩峰が! おいおい,さすがにこれは無理だぞ…。まさか敗退か?
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岩峰を越えてほっとしたのも束の間,さらに巨大な第二の岩峰が! おいおい,さすがにこれは無理だぞ…。まさか敗退か?
と,岩峰の一角に雪の付いた部分が見つかった。と言っても,斜度は50〜60°ほどでかなりの急斜面。下は谷底まで切れ落ちている。登った先の状況も分からないため,少し逡巡したが,アイゼンを装着し,意を決して取り付く。
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と,岩峰の一角に雪の付いた部分が見つかった。と言っても,斜度は50〜60°ほどでかなりの急斜面。下は谷底まで切れ落ちている。登った先の状況も分からないため,少し逡巡したが,アイゼンを装着し,意を決して取り付く。
スカスカの薄い積雪の下の岩にアイゼンをガリガリ言わせながら,雪の下からブッシュを掘り出して掴んだり,ピッケルを泥壁に突き刺したりしながら,あの手この手でじりじり登っていく。
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スカスカの薄い積雪の下の岩にアイゼンをガリガリ言わせながら,雪の下からブッシュを掘り出して掴んだり,ピッケルを泥壁に突き刺したりしながら,あの手この手でじりじり登っていく。
登り切った…。谷底までかなりの高度感。これらの岩峰を乗り越えることも,往時の行者たちにとっては修行の一環だったのかもしれない。行者たちの登ったルートも,今回と同じだったのだろうか? 気になるところだ。
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登り切った…。谷底までかなりの高度感。これらの岩峰を乗り越えることも,往時の行者たちにとっては修行の一環だったのかもしれない。行者たちの登ったルートも,今回と同じだったのだろうか? 気になるところだ。
岩峰の上に立つと,ようやく真っ白な白山北方稜線のスカイラインを目にすることが出来た。
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岩峰の上に立つと,ようやく真っ白な白山北方稜線のスカイラインを目にすることが出来た。
そこからは,これまでの峻険な悪場が嘘のような,穏やかで美しい尾根が続く。立派なブナやミズナラも多数。
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そこからは,これまでの峻険な悪場が嘘のような,穏やかで美しい尾根が続く。立派なブナやミズナラも多数。
この尾根を修行の場として登り降りしたかつての行者たちは,これらのブナの木をどんな思いで眺めたのだろうか。
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この尾根を修行の場として登り降りしたかつての行者たちは,これらのブナの木をどんな思いで眺めたのだろうか。
おおっ,あれは笈ヶ岳(右)とシリタカ山(左)!
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おおっ,あれは笈ヶ岳(右)とシリタカ山(左)!
厳冬期特有の,真っ白な笈ヶ岳だ。
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厳冬期特有の,真っ白な笈ヶ岳だ。
やっと白山北方稜線のピーク(P1646m)が見えてきた。
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やっと白山北方稜線のピーク(P1646m)が見えてきた。
傾いた雪庇に縁どられた美しい尾根。
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傾いた雪庇に縁どられた美しい尾根。
登ってきた行者尾根を振り返る。
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登ってきた行者尾根を振り返る。
振り返れば,いつの間にか白山の眺め。
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振り返れば,いつの間にか白山の眺め。
右手には国見山が美しい。
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右手には国見山が美しい。
P1646を左手に巻くように稜線に出る。
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P1646を左手に巻くように稜線に出る。
ところどころ昨日の雪の霧氷が残っていた。
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ところどころ昨日の雪の霧氷が残っていた。
白山北方稜線に出た。
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白山北方稜線に出た。
この辺りの稜線は雪庇の造形が美しい。
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この辺りの稜線は雪庇の造形が美しい。
連続する巨大な雪庇。
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連続する巨大な雪庇。
美しいがちょっと恐ろしい。
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美しいがちょっと恐ろしい。
白亜の稜線を何度も振り返って眺める。
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白亜の稜線を何度も振り返って眺める。
国見岳から三方岩岳にかけての稜線。
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国見岳から三方岩岳にかけての稜線。
あの雪庇は大きいなぁ。
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あの雪庇は大きいなぁ。
白山の眺めを背に登高を続ける。
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白山の眺めを背に登高を続ける。
仙人窟岳のたおやかなピークが近づいてきた。
2
仙人窟岳のたおやかなピークが近づいてきた。
仙人窟岳に到着。美しい雪庇に縁どられた稜線の高みにある純白の広い台地,訪れる人の少ない大好きなピークだ。背景は白山。
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仙人窟岳に到着。美しい雪庇に縁どられた稜線の高みにある純白の広い台地,訪れる人の少ない大好きなピークだ。背景は白山。
ここから見る白山は,笈ヶ岳から見るよりも大きくて,堂々としている。
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ここから見る白山は,笈ヶ岳から見るよりも大きくて,堂々としている。
北には笈ヶ岳と大笠山の眺め。
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北には笈ヶ岳と大笠山の眺め。
人形山の向こうには,北アルプスがくっきりと空に浮かんでいる。
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人形山の向こうには,北アルプスがくっきりと空に浮かんでいる。
仙人窟岳の台地を歩く。雪をまとったオオシラビソや霧氷のダケカンバが点在する,何だかメルヘンチックな山頂だ。
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仙人窟岳の台地を歩く。雪をまとったオオシラビソや霧氷のダケカンバが点在する,何だかメルヘンチックな山頂だ。
ゆっくりしていきたいところだが,当初のピストン予定を山毛欅尾山ルート周回へ変更したため(あの雪壁をノーロープで下降するのは避けたい),急がないといけない。仙人窟岳よ,さようなら。
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ゆっくりしていきたいところだが,当初のピストン予定を山毛欅尾山ルート周回へ変更したため(あの雪壁をノーロープで下降するのは避けたい),急がないといけない。仙人窟岳よ,さようなら。
絵本の中に出てきそうな穏やかな雪の稜線を進む。
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絵本の中に出てきそうな穏やかな雪の稜線を進む。
ところどころで霧氷の花。
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ところどころで霧氷の花。
仙人窟岳を振り返る。
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仙人窟岳を振り返る。
メルヘンチックな気分に浸っていたのも束の間,しだいに尾根が細り始める。
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メルヘンチックな気分に浸っていたのも束の間,しだいに尾根が細り始める。
笈ヶ岳が次第に近づいてくる。
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笈ヶ岳が次第に近づいてくる。
おっと…始まった。仙人窟岳と笈ヶ岳の間にある鞍部の,痩せた急な尾根の難所だ。
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おっと…始まった。仙人窟岳と笈ヶ岳の間にある鞍部の,痩せた急な尾根の難所だ。
アイゼンに履き替え,東側の雪庇に寄り過ぎないように,部分的にバックステップで慎重に下降していく。
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アイゼンに履き替え,東側の雪庇に寄り過ぎないように,部分的にバックステップで慎重に下降していく。
鞍部へと急降下。
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鞍部へと急降下。
下りてきた稜線を振り返る。
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下りてきた稜線を振り返る。
で,笈ヶ岳側の登りですが…前回来たのは3月だったが,その時よりはるかに急に感じる。恐らく雪が多いためだろう。
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で,笈ヶ岳側の登りですが…前回来たのは3月だったが,その時よりはるかに急に感じる。恐らく雪が多いためだろう。
右手はピッケルを深く突き刺し,左手は雪を抱き込むようにして,アイゼンを強く蹴り込みながら雪壁を登っていく。左手は断崖絶壁なので,ルート取りに気を遣う。
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右手はピッケルを深く突き刺し,左手は雪を抱き込むようにして,アイゼンを強く蹴り込みながら雪壁を登っていく。左手は断崖絶壁なので,ルート取りに気を遣う。
最も急な箇所を越え,少し楽になったため振り返って撮影。
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最も急な箇所を越え,少し楽になったため振り返って撮影。
越えてきた急峻な稜線。
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越えてきた急峻な稜線。
雪庇の途切れたところを狙って穏やかな尾根に這い上がった。
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雪庇の途切れたところを狙って穏やかな尾根に這い上がった。
この角度から見る笈ヶ岳は,西面の岩壁が隠れるため,信じられないほど純白の雪山に見える。
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この角度から見る笈ヶ岳は,西面の岩壁が隠れるため,信じられないほど純白の雪山に見える。
下山路とする予定の山毛欅尾山ルートとの分岐点に立った。
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下山路とする予定の山毛欅尾山ルートとの分岐点に立った。
北に続く稜線には,小笈と笈ヶ岳がすぐそこに見える。時間に余裕があったら笈ヶ岳にも寄り道したかったが,さすがにタイムアップだ。まあ,厳冬期の笈ヶ岳は3年前に登ったし…。また今度来ますね!
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北に続く稜線には,小笈と笈ヶ岳がすぐそこに見える。時間に余裕があったら笈ヶ岳にも寄り道したかったが,さすがにタイムアップだ。まあ,厳冬期の笈ヶ岳は3年前に登ったし…。また今度来ますね!
さあ,帰路の尾根も長い。下山は落日との追いかけっこになりそうだ。まずはシリタカ山を目指して鞍部へと下降していく。
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さあ,帰路の尾根も長い。下山は落日との追いかけっこになりそうだ。まずはシリタカ山を目指して鞍部へと下降していく。
次第に小さくなっていく笈ヶ岳を何度も振り返りながら,アップダウンの多い下山の尾根を辿っていった。
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次第に小さくなっていく笈ヶ岳を何度も振り返りながら,アップダウンの多い下山の尾根を辿っていった。

装備

備考 スノーシュー使用。雪壁や痩せ尾根等が何か所かあるため,ピッケル・アイゼンは必須。

感想

 石川県白山自然保護センターの機関紙である「はくさん」を読んでいて,気になる記述を見つけた。「蛇谷のみどころ案内」というコラムで,かつて白山の修験者が岩底の滝(岩底谷の蛇谷本流出合に掛かっている滝)から尾根伝いに仙人窟に登り修行していた,という旨が記載されているのである(3巻3号,1975年刊)。この「仙人窟」が笈ヶ岳のやや南の稜線直下にある窟を指すのか,それとも仙人窟岳の北東尾根の途中のP1290m直下にある窟を指すのかは不明だが,とにかく岩底の滝から尾根伝いに白山北方稜線に登るとしたら,地形図を案ずるに,「この」尾根しかあり得ない。いにしえの白山の行者様にあやかって,「この」尾根を仮に「行者尾根」と名付け,登ってみることにした。確かに蛇谷の谷底から一直線に仙人窟岳付近へと伸びあがる姿は無駄がなく,登山ルートとしても好ルートとなる可能性を秘めている。尾根末端が城砦のような岩記号に取り囲まれており,果たして本当に取り付くことができるのか,すごく不安だが…。そこはこの尾根を行き来したという行者様を信じることにしよう。
 結果,何とか尾根に取りつくことはできたが,さすがは行者たちが登った尾根,まさに修行のような山行となった。まず雪崩デブリによる死の滑り台が果てしなく連続するホワイトロードに始まり(この時期にこの道がこうなるのは当然で,自業自得だが),行者尾根(仮称)では急峻な雪壁と聳え立つ岩峰が待ち構えており,なかなかスリリングな内容となった。往時の行者様がどのようなルートを辿ったのかは正確には不明だが,なかなかのクライマーだったことは確かなようだ。他の修験道が盛んな山岳でも,険しい岩場が行場とされていることが多いが,この尾根の岩峰を越えること自体が,行者たちにとっては修行の一環だったのかもしれない。そして悪場を越えると,打って変わって穏やかで美しいブナの大木の雪尾根がごほうびのように稜線まで続く。白山修験の行者たちの足跡に思いを馳せながら,ちょっとピリッとした山登りができる尾根としてお勧めできます(この時期はアプローチが難だが…しかし,時期が遅すぎると藪が出ると思う)。仙人窟岳の北東尾根にしてもそうだが,仙人窟岳から派生する尾根は,岩がちで険しい尾根が多いようだ。だからこそ,仙人窟の存在する笈ヶ岳や仙人窟岳の界隈が白山修験たちの巡礼の場,修行の場となっていたのだろう。
 なお,下山は山毛欅尾山ルート(中宮ルート)へ周回したが(行者尾根の岩峰をノーロープで下降するのは避けたかった),中宮発電所の吊橋が撤去されていることをすっかり失念しており,代替ルートの堰堤も2mほどの分厚い雪がこんもり乗っかっていて渡れず,最後の最後に慌てさせられるというオマケつき。暗闇の中さんざんうろついたあと,なんとか渡渉できるポイントを見つけ出して対岸に這い上がり,国道に出たころには,へとへとになっていた。久々に最初から最後までハードな山行だった。いにしえの白山の行者様から「もっと修行しろ」と喝を入れられたのかもしれない。

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コメント

この時期のホワイトロードを歩かれるとは
びっくりしました!
2023/2/12 21:27
YOU41さん
こんにちは〜。どうしてもこの時期にこの尾根を歩きたかったもので😅 中宮温泉あたりまではそれほどでもなかったですが、そこから先は片斜面になっている箇所が多かったです。
2023/2/13 13:18
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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