鹿島槍ヶ岳 雲上テン泊

2014年09月27日(土) 〜 2014年09月28日(日)

• GPS: 32:00
• 距離: 21.2km
• 登り: 2,354m
• 下り: 2,362m

コースタイム

1日目

• 山行: 6:55
• 休憩: 2:00
• 合計: 8:55

5:55 柏原新道 登山口
9:00 9:10 種池山荘
10:50 12:00 冷池山荘
12:40 12:50 布引山
13:20 13:50 鹿島槍ヶ岳
14:50 冷池山荘

2日目

• 山行: 4:25
• 休憩: 0:20
• 合計: 4:45

7:00 冷池山荘
8:20 8:30 爺ヶ岳中峰
9:10 9:20 種池山荘
11:40 柏原新道 登山口
11:45 ゴール地点

天候

濃霧・快晴

アクセス

利用交通機関：

自家用車

柏原新道登山口の橋を渡った駐車場に駐車（前夜半に満車）

コース状況／危険箇所等

よく整備されている

写真

夜半に降っていた雨はやんだものの，どんより空

それでも行くのだ！

ヒタスラ小雨の一歩手前の濃霧の中を登る

視界はなく，紅葉も霞む

しばし登ると青空が霞んで見えてきた

紅葉が輝き始める

雲の上に出た‼

扇沢は完全に雲の下

ヒタスラ霧の中を歩いてきたので，文字通り気分が晴晴

以外にすんなりと

種池山荘に到着

立山，剣岳がど〜んと居る

爺が岳もイイ感じの存在感

冷池山荘も見える

鹿島槍もスッキリみえる。天気が良いのであそこまで行こうと決断する

冷池山荘までやって来た

これから鹿島槍に行こうというのに，こっちを見ないで下さい！

天気が悪かったら，売上に貢献できるのに…5時間歩いてきて，喉から千手観音が出るくらい飲みたかった…

誘惑を断ち切り，とりあえずテン場で個室スペース的な眺めのいい場所にテントを張る

鹿島槍を見ると，見事に雲の中に入っていた

それでも，紅葉を見ながら前に進む

暑くなくていいやと思うが，陽がないと急激に寒くなる

布引山で一休み

鹿島槍方面はイイ感じの空の道

頂上まで来ました。あいにく頭上だけ青空の状態

帰りはチングルマを見ながら，

雲と風と光の道を行く

テン場に戻ってくると，まあまあの入りです。これくらいが丁度いい

次の日

雲海に剣が浮かんでいる

冷池山荘のある鞍部は，雲海の放流口になっていた。雲が滝のように長野方面に流れ落ちてゆく

朝日に映える鹿島槍

剣にも陽が当たり始める

しばし見とれる。黒部に溜まっていた雲海が徐々に消えると，

湖に浮かぶ剣岳が登場！

立山が水面に浮いているような幻想的な風景

東には上越の山々

テントをたたんで昨日，パスした爺が岳に行く。途中の道は霜柱がたくさん

爺が岳中岳

ここからは本家の槍と，

遠くに目を凝らすと…

王道の富士山！

鹿島槍に後ろ髪をひかれつつ，

爺が岳を下る

種池山荘で一休みして，

紅葉の中をひたすら下る

最高の秋山だった。

降りて来ちゃった...

感想

voyjar

　後立山で唯一，行き残していた鹿島槍に紅葉を見がてら行くことにする。この時期にメッシュテントでどの程度大丈夫かを試すことにする。
　柏原登山口の駐車場は，金曜夜でほぼ満車状態。秋山はにぎわっている。夜半の雨が朝方にやむものの，霧雨になりかけの濃霧の中を登っていく。途中から雲海の上に出ると，鮮やかな紅葉と種池山荘が遠くに見え，気分は上々になる。種池山荘から冷池山荘までは稜線歩きとはいえ，爺が岳はなかなかしんどかった。冷池山荘の生ビール500円大セール中の誘惑に負けそうになりながら，テントを張り，鹿島槍に向かう。雲と風と光がないまぜになった，気持ちいい稜線を歩いて山頂についたものの，タイミング悪く真っ白で何も見えなかった。
　テン場に戻りまったりするも，夜半まで雲の通り道になって，何も見えないので早々に寝る。ラジオで御嶽噴火，火山灰に埋もれている人がいるというニュースを聞き，10回以上は行っている心の故郷に近い御嶽で人が死ぬギャップに悲しくなる。
　深夜に起きると，満点の星空と真っ黒にそびえる剣岳が素晴らしかった。テント内の気温は5℃ほどで，シュラフとシュラフカバーで特に寒くもなかった。朝起きると，日の出とともに黒部側に溜まっていた雲海が，冷池山荘のある鞍部から長野側に流れ出し，たまにテレビで見るような雲の川を100mほど離れた目前で見ることができた。しばらくすると，黒部の雲海が薄くなり，湖に剣や立山が浮かんでいるような不思議な光景になった。長年，山に登っているけど，こんな素晴らしい景色の数々は見たことがない。冷池山荘のテン場は山荘から離れた不便な場所にあるが，逆にこんな景色に出会える場所もそうそうない。つくづく，ここでテントを張って良かったと思う。
　風景を満喫し，テントをたたんで，紅葉に埋まった黒部の谷を眺め下ろしながら，霜柱を踏み踏み，昨日パスした爺が岳に向かう。山頂でしばし富士山を眺め，青空，赤・蒼・黄・橙の木々の中，扇沢に下る。最高の秋山だった。