釜ノ沢東俣
- GPS
- 20:59
- 距離
- 18.8km
- 登り
- 1,737m
- 下り
- 1,739m
コースタイム
- 山行
- 7:09
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 8:24
天候 | 1日目:晴れ/2日目:晴れ+薄曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
※参考遡行図「東京起点 沢登りルート120」P.186-189 (1級上) ・水量: 平水 (鶏冠谷渡渉時にて膝下) ・ヌメリ: 水流際などはヌメるが、水流中/乾いたところを登っていれば特に気にならなかった。歩きや巻きが多いのでラバーソール◎。 ・渓内他PT: 2日間で5PT(2人/2人/4人/2人/1人) ・携帯電波: docomo/SoftBank 共に、東沢旧道〜甲武信小屋までまったく電波無し SLの沢泊デビュー+沢泊トレとして、日本の「沢登り」の起源とも言える、超有名なクラシックルートへ。CLも初遡行。遡行のほとんどは歩きと渡渉が主だった。 前々日まで週中に雨が降っていたが、前日は晴れで、1日目はピーカンの最高のコンディションだった。まさに梅雨の中休み。 コースは旧登山道とその踏み跡を忠実に通った。 1日目: 東沢ゴーロ→鶏冠谷出合にて渡渉→左岸旧道でホラの貝ゴルジュまで巻き→左岸旧道で山の神まで巻き→ 山ノ神下で入渓→東/西のナメ沢→釜ノ沢出合→魚留滝→千畳ナメ→泊地(Co.1530) 2日目: 両門ノ滝→広河原は左岸台地を歩き→ミズシ沢出合→木賊沢出合→甲武信小屋ポンプ小屋で脱渓→甲武信小屋→甲武信ヶ岳PH→木賊山PH→戸渡尾根→徳ちゃん新道 旧登山道は多少荒れていて足元が悪いところもあるが、人が多く踏み入っていることもあり、特に危険に感じたポイントはなし。腐ったリングボルトにかかった古い鎖やトラロープが多いので使わないように注意。 魚留滝の右岸ブッシュ巻きの出だしで、身長154cmのSLがリーチ的にスラブ面の棚に手が届かず、CLが上からお助け紐を出して引き上げた。SLを先に行かせてCLショルダーのほうが早かったかもしれない。 千畳ナメを過ぎると広河原に至るまで、焚火跡がたくさんあり、泊地には困らない。 木賊沢出合にかかるナメは、参考遡行図に従い左岸踏み跡から大きめに巻いたが、途中から踏み跡は不明瞭になり、灌木漕ぎが辛かった。下から滝上が見えないので巻きを選択したが、上から見ると、水流右を直登したほうが楽で早いと感じた(実際に別PTは普通にそちらを登っていた)。 甲武信ヶ岳山頂へは甲武信小屋に荷物をデポして空荷でピストンした。往復30分程度。 |
その他周辺情報 | ラストコンビニ: セブンイレブン 塩山三日市場店 下山後温泉: やまなしフルーツ温泉ぷくぷく |
写真
装備
MYアイテム |
やっくん
重量:3.45kg
|
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個人装備 |
グローブ
雨具
着替え
食事(1日目朝飯/昼飯)
行動食
非常食
ハイドレーション
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
タオル
ハーネス
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ(2枚〜)
スリング
セルフビレイコード(PAS)
参考遡行図
地形図
ハンマー/バイル
サングラス
シュラフ/シュラフカバー
トイレットペーパー
携帯トイレ
ナイフ
特小無線機
バーナー
トレッキングポール
|
共同装備 |
ロープ(8mm30m/ケブラー5.5mm20m)
アルパインクイックドロー
カム(全て未使用=#0.3/#0.5/#0.75)
アッセンダー
レスキューセット(プーリー/マイクロトラクション)
ハーケン数枚
ツェルト(未使用)
食器
調理器具(ビリカン/クッカー)
ライター
食材/調味料(2食分)
ガスカートリッジ
浄水器
タープ
テント(シングルウォールシェルター)
|
感想
今年は泊まり沢を増やしていくぞの第一弾。関東圏内ならまずここはやらんとね、ということで釜ノ沢へ。
CLは鶏冠谷+ホラノ貝前衛滝までは入渓したことがあるが、それ以外は初見のルート。
両日共に天気はとても良く、夕立に降られることもなく、完全に「夏始まったな」という最高のコンディションだった!
1日目のSLのペースが想定より上がらず、計画では両門ノ滝より上のCo.1750らへんまで行くつもりだったが、だいぶ手前での幕営となった。SLは初めての沢テン泊でもあり、重い荷物に慣れなかったよう。とはいえ、2日目には慣れたようで想定のペースで遡行ができた。
前々日までの雨もあり、あまり乾いた薪が見つからず、焚火は寝る前には消えてしまったが、炊飯+囲んで夕飯を食べられる程度には楽しめた。着火剤も薪も持参していなかったが、なんとかなったのはよかった。
遡行の好みとしてはもう少し滝の登攀がしたいところだが、旧道の踏み跡をじっくり探しながら古くからの先人達を感じる、まさにクラシックルートを楽しむという点では良い山行になったと思う。
脱渓後の甲武信小屋でいただいたクリームソーダが本当に美味しくて、暑い中、脱渓後、山で食べるアイスクリームとの相性は神なのではないでしょうか…!玉コンニャクもカラシとの相性が最高で美味しかったです。トイレや荷物のデポ含めてお世話になりました!
下山は長く単調で、飽きがすぐに来てしまうので精神力勝負になった。ペースは変えずに、休憩多めにでモクモクと降りてきた。昨年秋にいった湯檜曽からの帰りの白毛門と比べてしまえば大したことはない、と言い聞かせながらw
1日目でビハインドした2時間ぐらいがそのまま2日目にスライドした感じで、日の入とほぼ同時ぐらいの下山になった、が、ヘッデンは無しで済んだので良かった。
日帰り沢の経験しかなかったSLには、新しい沢登りの魅力を見つけてもらえたようで、面白さと同時に、必要なスキルやトレーニングも見えたようで良かった。
PTトータルとして良いパフォーマンスでの遡行になったと思う。
でも!さ!もうちょい!登れる滝欲しいな!
とりあえず今夏にはホラノ貝にも行きましょう!
おつかれさまでした!
ダイジェスト動画: https://twitter.com/yaklimber/status/1670770962231590913
人生初めての泊まり沢。
初めてのことだらけ。
感想と反省点など。
沢自体は昨年6月にデビューしてからこれまでに日帰り沢を約十本ほど。今までは丹沢や奥多摩の沢ばかりだったので釜ノ沢のようなサイズの沢は初めて。
西沢渓谷には何度か周回コースに来たことがあるので水が綺麗なことは知っていましたが、ナメをはじめ沢全体のスケールの大きさは圧巻!
荷物の重さ、地獄。
自分の体重の4分の1以上の重さを背負ったのは人生初。
(過去の縦走山小屋泊などでもそんな量はなかった)
私の荷物は、①ザック→泊まりの荷物・食料・水・ロープなどで13〜14kg。②腰回りのギアやヘルメット。
これ全部担いで沢の中行くの?正気??
距離、想像よりも長かった。地獄。
遡行図と地形図は事前に見てました。でも今までの日帰り沢とは距離感が違う、というか掴めない。
いつもならもう日帰りで下山道に来てるくらいの疲れ加減でまだ目的地に着かない。焦る。
荷物の重さのせいもあったのかも。慣れない量で体がふらつき足も遅く、慎重になる。天気が良くて空がひらけてる分、日差しも容赦なく体力を奪う。
しんどいのに大自然の真っ只中。自分が動く以外に沢を抜ける方法がない。一日目の中盤あたりからその状況が怖くなってきた。メンタルをやられる。
あと足滑らせて2回沢にドボンしてそこでもメンタルやられる。
時間・体力・メンタル面の限界を見て、目標にしていた泊場よりもだいぶ手前を宿泊地に決定してもらう。(はじめてだからそこも不安があった。明日大丈夫なのかな、行けなかった分の距離取り返せるかな?と)
泊場に着いたら疲れてても自分で自分のことをしないといけない。(当たり前)ひえぇ〜〜。
荷物おろして装備解除したらパートナーがタープやツェルトを張ってくれてる間に自分は周囲で薪集め。沢のそばだからか、結構湿ってるよ……乾いた枝と枯れ葉を必死に集める。
濡れた服を着替えて干して、炊事スタート。火を起こしてもらってご飯作って完成まで2時間ほど。疲れてるせいか全然食欲が湧かず。それでも二日目のことを考えて無理やり食べた。
20時頃には寝袋に入る。
寝袋も初めて。薄いけどこんなんでいいんだ〜軽い〜すごい〜。少ししてすぐ眠りについた。
が、2時間後くらいに目が覚める。
沢の音……うるせぇ。ずっと流れてるの?あの水量?365日???今更だけど山の保水力はんぱねぇな。
あと深夜になって少し冷えた。上着はUNIQLOのウルトラライトダウン長袖を着て寝袋に入っていたのに寒くて夜中何度か目覚めて寝返りを打つ。シュラフカバー必要だったかなとウトウトしながら沢の音を聞いていた。
翌朝4時頃に鳥の囀りで目覚める。もう明るい。
割と眠れていた。あと、想像していたよりも朝の気温が低くなかったのが良かった。朝食を作って身支度と片付け。昨日干したけどあんまり乾いていない沢服にまた着替える。うう……ちょっとしっとり冷たい。でもすぐまた入渓して濡れるから我慢。
二日目は体が動いてない状態ですぐ沢に入るのでこれも初めての経験。いつも以上に怪我しないように気を張る。
ザックの重さはわりと慣れてきていた。重いは重いけど。
一日目のロス分を取り返すべく、なるべくペースを乱さず歩くように心がけた。粛々と歩くことだけを考えていた。
足を引っ張っては行けないという義務的な感情で進んでいった。とにかく足を止めてはいけない。
甲武信小屋に着いたら、もう安心。やっと家に帰れる安堵感。でもこのあとピークハントと鬼の下山。そこそこ覚悟していたので、ここも粛々と歩き続けた。ザックは重かった。特に下山なのに登りの道がつらかった。なんで登らせるの?涙目。
特に大きな怪我はなく下山。
少し膝にきていたが、歩けないほど痛くもなく辛さもない。が、日帰り温泉に立ち寄ったら両足とも膝回りを中心にアザとすり傷だらけでグロッキー。肩周りと腰骨もザックの重さで真っ赤に擦れてる。あとドボンした時に右のお尻を打っていてそこにでかい青タン。実は体はボロボロでした。心身ともに露天風呂と夜景で癒されてきました。
ヒリヒリ沁みた。
泊まり沢、想像以上にハードだった。なんとか遡行するのに精一杯で余裕がなかった。
沢ヤの皆さんはこんなことやってらしたんですね。リスペクトしかないです。
泊まり沢、あと2〜3回行ったらもう少しマシになるかなぁ?初級者向きでこれでしょ?はー……しんどい。
もっともっと色々反省点あるけど(ザックの詰め方とかリーダーとのテンポとか自分で考えて行動に移すとかとか)とりあえず今回はこの辺で。
生きて帰ってこられただけ良かったとします。
パートナーにはほぼ全てのことを任せてしまいました。感謝しかないです。
追記:膝のアザについてはハイステップの時に足裏までつけると荷物の重さで重心が後ろに持ってかれて体がひっくり返りそうになるのでなるべく岩から体が離れないように膝で登ったからです。
パートナーにも「今回よく膝で登ってたよね」と言われましたが154センチで足も別に長くないのでこうするしかなかった。命に比べればアザの10個、20個安いもんです!
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