快晴! 塔ノ岳-鍋割山


- GPS
- 07:09
- 距離
- 18.0km
- 登り
- 1,370m
- 下り
- 1,352m
コースタイム
- 山行
- 5:42
- 休憩
- 1:26
- 合計
- 7:08
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
その他周辺情報 | ◆鶴巻温泉弘法の里湯 【要確認】受付の方によると「29日まで平常営業、30日から3日まで午後5時までの年末年始短縮営業」とのことでしたが、HPには「28日から短縮営業」とあります。なお、昨年29日にはしっかり短縮していて「お役所だなあ」とガックリ来た記憶があります。 |
写真
感想
昨年12月29日以来、1年ぶりに丹沢の中核、塔ノ岳に戻ってきた。1月、2月はスキーを楽しみ、そのスキーで2月11日に転倒、2か月以上松葉杖のお世話になるトホホな事態に。リハビリに励んで夏には北ア、秋には谷川にも足跡を残したが、やっぱり塔ノ岳から見る富士山は良い。そして、やはり丹沢はきつい。早く鍛え直して、表尾根や主稜を自在に歩き回りたいと思った。以下は個人的記録。
◆ ◆ ◆
暗いうちに電車に乗り、小田急の急行が高架を疾走するうちに家々が朝焼けに染まる。冬の丹沢へ向かう車窓が心地よい。うつらうつらするうちに秦野。駅に入る直前、左車窓に富士の頭が見える。文句なしの快晴のようだ。
渋沢からのバスはかなりの立ち客を乗せて大倉に着いた。風がなく、暖かい。登山シャツ1枚にレインジャケットだけで歩き始めた。克堂窯を過ぎ、どこかの山岳会の小屋前のベンチでそのジャケットも脱ぐ。やがて観音茶屋。雨戸が閉まって人の気配がない。休みなら良いが、やめてしまったのだろうか。
ジグザグに植林帯を登って雑事場ノ平着。樹間にチラリと富士が覗く。平らな尾根を急げば間もなく相模湾の見晴らしが良い観音茶屋だ。金色に輝く海を見て、茶屋の裏からいよいよ急登にかかる。今日は肺の調子が良くて足がはかどる。ノンストップで急登をクリアして木道に至り、さらに小広い尾根道を登っていけば一本松。どれがその松かは分からない。もう一度急坂を上った上に一本松のベンチがあった。
緩い尾根道で息を整えて駒止茶屋への急登に挑む。調子に乗って飛ばし過ぎたのか、腿が疲れてきたので茶屋の上のベンチで小休止した。このあたり、日向の道は霜柱が崩れてぐちゃぐちゃになりかけている。午後は大変だろう。
右上に平らな頭の三ノ塔がドーンと聳えている。まだまだ先は長い。左に注意して進むと、この区間で初めて富士山がはっきり見えるポイントに来た。五合目くらいまでが栗ノ木洞の稜線の上に出ている。ひと登りで堀山の家。営業中の幟は出ていなかったが、「どれでも100円」と書いたクーラーボックスがベンチに置いてあった。ここでも富士が見えるが、あいにく左下に小さな雲がわいている。
この先は、一部手の力も借りる胸突き八丁の区間。体力低下かオーバーペースか、おそらくその両方なのだろうが、脚の動きが鈍くなっている。前に人がいると追いつきたくなる悪い衝動を抑え、着実に標高を稼ぐことに専念した。30分ほど苦闘して、ようやく頭上の木々が消えて視界が開けた。
ホッとして振り返れば金色の相模湾に大島が浮かび、房総半島から箱根まで遮るもののない視界が広がっている。その西にはもちろん富士。北風に伴って生まれる雲が南斜面から吹き流れているが、頂上周辺はすっきりした青空だ。一休みして明るい階段を詰め、10分ほどで花立山荘に着いた。夏場は暑くてかなわない“階段地獄”も、今日は微風が気持ち良い区間だった。
左手の富士を見やりつつ疲れた脚を進めて行くと、ほどなく広場のような花立。前方には塔ノ岳の山頂も見える。痩せ尾根が崩れた個所を慎重に下り、登り返して金冷シ。いよいよ腿がつらくなり、時々立ち止まりながら最後の100mほどを登る。頂上への木道が見えた時はやれやれと思った。
頂上の眺望は言うことなし。雪をかぶった南アルプスの稜線もくっきり見えている。写真を何枚か撮り、さすがに寒いので尊仏山荘にそそくさと逃げ込んだ。カップ麺は売っているのに、例によって持参のコッヘルでカップ麺を作り、食後のコーヒーを注文。名物の猫ちゃんが順に登山者のそばにすり寄って、何やらおねだりしている。パンの切れ端を出したら喜んで食べてしまった。
大倉から塔ノ岳まで約2時間45分。過去何度かの大倉尾根と所要時間は変わらないので、やはり怪我が完全回復していないのか、あるいは寄る年波か。ともあれ、以前のようにこの先表尾根を辿る元気はない。ゆっくり1時間の大休止で脚の筋肉の回復を図り、予定通り鍋割山を目指して出発した。すっかり体が冷えていたので、ダウンベストにレインジャケットを重ねた。
大丸への短い登り返しで軽く汗をかいた後は、ほぼ下り基調となる。所々霜が解けてぐちゃぐちゃになった尾根道がいやらしいが、表尾根〜鍋割山稜の人気を物語る名物として諦めるしかない。右手に蛭ヶ岳から檜洞丸へ至る主稜を眺めながら小丸尾根分岐を過ぎ、小丸の下りにかかると正面に富士山と鍋割山の大パノラマが広がった。
大きく下ってわずか登れば鍋割山。1時過ぎにもかかわらず、大勢の登山者が名物の鍋焼きうどんをすすっていた。こちらも急な下りに備えて一休みする。とにかく風がなく、暖かいのでダウンベストはここで脱いだ。
古い記憶と異なり、アセビの木の間を縫って下る坂は休みのない勾配で、登りは結構きつそうだ。左を振り返ると、先ほど通った小丸が遥か上になり、そのわきに小さく大山が見えている。坂がいよいよ急になると後沢乗越が近い。小学生の母子連れを追い抜いたが、この先の林道歩きは飽きるだろうなと気の毒になった。
後沢乗越で左に折れ、多少高度感のある木橋などを経て植林帯をジグザグに下ると、梯子状の階段に至って沢床に降りた。向かいに小さな滝のような湧水がある。その沢床を50mも辿ると堰堤があり、その下でもう一つ沢を渡ると林道終点だった。
まだ2時半にもなっていないが、ここからが長い。二俣などで木橋を渡り、登山訓練所跡の廃墟を後に延々と西山林道を辿る。路上を横切る沢水で靴底をすすぎながらひたすら歩くこと1時間余、右の谷の対岸に病院の建物が見え、やっと丹沢大山国定公園の表示版に着いた。前を見透かすと、以前の記憶にはないゲートがあり、左が大倉という指導標が立っていた。
気づきにくいがここは“分水嶺”で、左に曲がった所で酒匂川水系から花水川水系に移ったことになる。林の中の立派な鹿柵を抜ければ、間もなく畑地で視界が開けた。午後の日に照らされた表尾根が、思いがけないほど立派にそそり立っている。時刻は3時半、鶴巻温泉に立ち寄るには程よい頃合いだ。
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