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Yamareco

記録ID: 568474
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

北岳厳冬2014 束の間のユートピア

2014年12月28日(日) 〜 2014年12月30日(火)
 - 拍手
体力度
9
2〜3泊以上が適当
GPS
56:21
距離
46.0km
登り
3,814m
下り
3,815m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
6:50
休憩
1:21
合計
8:11
6:49
126
8:55
8:55
42
9:37
10:00
130
12:10
13:08
112
15:00
標高2500m幕営地
2日目
山行
6:37
休憩
3:45
合計
10:22
5:20
160
標高2500m幕営地
8:00
10:29
63
11:32
11:42
25
12:43
13:07
13
13:20
13:45
8
13:53
13:56
20
14:43
14:51
51
3日目
山行
4:50
休憩
0:31
合計
5:21
10:49
11:00
56
11:56
12:15
36
12:51
12:52
119
天候 28日:奈良田→池山吊尾根 標高2500地点
   天気:晴れ
   気温:-16℃ 風速:12m/s
29日:標高2500地点→北岳山頂→ボーコン沢ノ頭
   天気:深夜から昼にかけて雪、昼以降は時々晴れ、夜は雪
   気温:-7℃,風速:12m/s
30日:ボーコン沢ノ頭→奈良田
   天気:朝から雪
   気温:-12℃,風速19m/s

  (※気温、風速は朝6時時点の山頂予測値)
過去天気図(気象庁) 2014年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
奈良田のゲート付近に駐車。
夜にアクセスしましたが、奈良田までの車道には鹿が多く20匹位と遭遇しました。
道路の真ん中で立ち往生している方も居られるので、衝突注意。
何度かヒヤリとさせられました。
コース状況/
危険箇所等
●奈良田ゲート
 最初の関門?
 どうやって越えたかは秘密で・・・

●奈良田〜歩き沢橋
 歩き沢橋まで、約12kmの林道歩き。
 林道には若干雪が残っていたがラッセルする程では無かった。
 トンネルの天井には大きな氷柱が下がっているので頭上に注意。
 また、凍結している箇所もあるので足元にも注意。

●歩き沢橋〜ボーコン沢ノ頭
 歩き沢橋前の登山口からは雪道。
 雪は例年に比べると多めに感じた。
 池山御池小屋までは八ヶ岳並みにトレースが付いており、
 ラッセルの必要無く、迷うような箇所も無かった。
 池山御池小屋から先もトレースが付いていたが、夜間に降雪があった為、
 砂払手前でトレース消失。
 ボーコン沢ノ頭までは膝下位までのラッセルになった。

●八本歯ノ頭〜八本歯のコル
 これまでの道とは一変し、細尾根の危険個所が続く。
 何箇所か巻いて通過する場所があるが、巻くのは全て右(北側)
 2ヶ所ほど巻いて通過した後は急な岩場の下降(4m程度)となり、
 積載重量や雪の状態次第ではロープでの懸垂下降が必要になる。
 今回は軽装での山頂往復だったので、ロープは使用しなかったが、
 念の為ロープは持参した方が良いかと思う。
 懸垂下降箇所にはP型の支点があるが、若干ぐらつきがあるので、
 これを支点として利用するかどうかは自己責任で。

●八本歯のコル〜吊尾根分岐
 吊尾根分岐主稜への登りは岩稜南側の夏道を利用した。
 雪で覆われ、夏道は見えないが道に沿って鉄棒が等間隔で立っているので
 それを目印に登った。
 傾斜は急で、雪の状態はクラストしてたりラッセルだったり、と色々。
 クラスト斜面に薄らと雪が載ってる状態が一番厄介で、アイゼンが効きにくく
 通過に神経を使った。
 尚、北岳山荘へ続く夏道(トラバース道)は積雪期は雪崩の危険があるらしいので
 利用しないほうが良い。

●北岳稜線(吊尾根分岐〜北岳山頂)
 稜線に上がると急に風が強まるので、防風防寒は必須。
 (今回はかなり弱かったが・・・)
 北岳山頂へ登りは、一般的には岩稜西側に続く夏道を利用されるが、
 夏道には雪が堆積した事で雪壁状になり、急なトラバースが長く続く。
 滑落危険があり、視界が悪い状態だとルートミスの恐れがあるので、
 今回は夏道は利用せず、岩稜上を辿って山頂を目指した。
 岩稜上は岩雪ミックスルートだが、傾斜は緩く特に難しい箇所は無し。
 夏道入口付近から簡単に取り付ける。
 少し進むとハッキリしたリッジ状になり視界不良時でもルートが判りやすいが、
 強風時はバットレス側への滑落に注意。
 バットレス側には雪庇が発達しているので踏み抜かぬようにも注意。
早朝、奈良田ゲート前より出発。
2014年12月28日 06:26撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
4
12/28 6:26
早朝、奈良田ゲート前より出発。
ゲートを通過し、トンネルを進む。
2014年12月28日 06:51撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
12/28 6:51
ゲートを通過し、トンネルを進む。
池山吊尾根 登山口の歩き沢橋までは12kmの林道歩き。
トンネルを抜けるともうすでに雪道だった。
2014年12月28日 07:19撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
12/28 7:19
池山吊尾根 登山口の歩き沢橋までは12kmの林道歩き。
トンネルを抜けるともうすでに雪道だった。
トンネル内には大きな氷柱が出来ている。
頭上注意。
2014年12月28日 07:29撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
12/28 7:29
トンネル内には大きな氷柱が出来ている。
頭上注意。
足の長い私
2014年12月28日 08:30撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 8:30
足の長い私
林道を進むと、目指す白峰三山が見えてきた。
2014年12月28日 08:39撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 8:39
林道を進むと、目指す白峰三山が見えてきた。
少し傾斜がある箇所。
ツボ足だと滑って歩きにくい。
2014年12月28日 08:57撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/28 8:57
少し傾斜がある箇所。
ツボ足だと滑って歩きにくい。
登山口の歩き沢橋に到着。
長かった…
2014年12月28日 09:42撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
12/28 9:42
登山口の歩き沢橋に到着。
長かった…
ようやく入山。
池山吊尾根を進む。
2014年12月28日 09:47撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/28 9:47
ようやく入山。
池山吊尾根を進む。
最初はあまり雪は無かったが、
2014年12月28日 10:03撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/28 10:03
最初はあまり雪は無かったが、
すぐに雪道。
早速アイゼン着用。
2014年12月28日 11:22撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
12/28 11:22
すぐに雪道。
早速アイゼン着用。
標高1900m付近
急登を登りきると平地に出た。
休憩に良さそうな場所で、ここで幕営した形跡もあった。
2014年12月28日 11:24撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/28 11:24
標高1900m付近
急登を登りきると平地に出た。
休憩に良さそうな場所で、ここで幕営した形跡もあった。
1900m平地を過ぎると池山御池小屋までは緩やかな登りが続く。
雪は深いが良く踏み固められたトレース道が出来ており楽に歩けた。
2014年12月28日 12:01撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/28 12:01
1900m平地を過ぎると池山御池小屋までは緩やかな登りが続く。
雪は深いが良く踏み固められたトレース道が出来ており楽に歩けた。
御池に到着。
2014年12月28日 12:07撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 12:07
御池に到着。
池山御池小屋
ここで1泊でも良かったが、まだ時間は早いので先へ進む。
2014年12月28日 12:10撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 12:10
池山御池小屋
ここで1泊でも良かったが、まだ時間は早いので先へ進む。
池山御池小屋から先にもトレースがあり順調に進む。
2014年12月28日 13:50撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/28 13:50
池山御池小屋から先にもトレースがあり順調に進む。
城峰を越えた先にて幕営。
この日の行動を終える。
その夜、シェルグローブを忘れた事に気付く。
2014年12月28日 15:45撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 15:45
城峰を越えた先にて幕営。
この日の行動を終える。
その夜、シェルグローブを忘れた事に気付く。
翌日、5時に出発。
昨夜から雪が降り続いている。
トレースはやや埋もれており、脛位のラッセルになった。
2014年12月29日 05:26撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 5:26
翌日、5時に出発。
昨夜から雪が降り続いている。
トレースはやや埋もれており、脛位のラッセルになった。
砂払に到着。
天気が良ければ白峰三山の絶景が広がるのだが・・・
周囲はガスで包まれており、眺望は無かった。
2014年12月29日 06:36撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/29 6:36
砂払に到着。
天気が良ければ白峰三山の絶景が広がるのだが・・・
周囲はガスで包まれており、眺望は無かった。
シェルグローブを忘れてしまったので、白峰三山縦走は中止。
北岳ピストンに変更する。
ボーコン沢ノ頭手前をBCとした。
2014年12月29日 08:01撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 8:01
シェルグローブを忘れてしまったので、白峰三山縦走は中止。
北岳ピストンに変更する。
ボーコン沢ノ頭手前をBCとした。
テント設営後は、しばし停滞。
昼頃には晴間が出そう、との予報を信じて待ってみた。
2014年12月29日 09:47撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 9:47
テント設営後は、しばし停滞。
昼頃には晴間が出そう、との予報を信じて待ってみた。
10時半、まだ晴間の兆候は見えず。
これ以上待っては北岳往復は厳しくなるのでBC出発。
2014年12月29日 10:17撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
12/29 10:17
10時半、まだ晴間の兆候は見えず。
これ以上待っては北岳往復は厳しくなるのでBC出発。
ボーコン沢ノ頭
風の強い場所なのだが、この日は珍しく風穏やか。
気温も高く、シェルグローブ無しでも何とかなりそうだった。
2014年12月29日 10:31撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 10:31
ボーコン沢ノ頭
風の強い場所なのだが、この日は珍しく風穏やか。
気温も高く、シェルグローブ無しでも何とかなりそうだった。
北岳方面。
相変わらずガスの中。
バットレスは見えてこない。
2014年12月29日 10:31撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/29 10:31
北岳方面。
相変わらずガスの中。
バットレスは見えてこない。
待っていても仕方ないので、アタック決行。
北岳へ向かう。
2014年12月29日 10:49撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 10:49
待っていても仕方ないので、アタック決行。
北岳へ向かう。
八本歯ノ頭。
難所の入口。
2014年12月29日 11:20撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 11:20
八本歯ノ頭。
難所の入口。
八本歯のコルへの下降。
雪が降り続いており、風雪でトレースは消えていた。
2014年12月29日 11:26撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 11:26
八本歯のコルへの下降。
雪が降り続いており、風雪でトレースは消えていた。
少し下った場所。
岩に×マークが付いてる。
この先は急な岩場なので、直進してはいけない。
正ルートは、岩の右側を巻く。
2014年12月29日 11:27撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 11:27
少し下った場所。
岩に×マークが付いてる。
この先は急な岩場なので、直進してはいけない。
正ルートは、岩の右側を巻く。
岩の右側、巻き道。
トレースは無く、ラッセルになった。
足場が細いので慎重に。
2014年12月29日 11:27撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/29 11:27
岩の右側、巻き道。
トレースは無く、ラッセルになった。
足場が細いので慎重に。
その先の岩。
ここも右巻き。
2014年12月29日 11:29撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 11:29
その先の岩。
ここも右巻き。
こちらはロープがあるので幾分安全。
でも、雪でロープが埋まったら厳しくなりそう。
2014年12月29日 11:30撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 11:30
こちらはロープがあるので幾分安全。
でも、雪でロープが埋まったら厳しくなりそう。
問題の箇所、急斜面の下降。
左側にP型支点があるので懸垂下降の支点に出来るが・・・
若干ぐらつきがあるので、使用する際は良く確認の上で。
2014年12月29日 11:33撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 11:33
問題の箇所、急斜面の下降。
左側にP型支点があるので懸垂下降の支点に出来るが・・・
若干ぐらつきがあるので、使用する際は良く確認の上で。
重荷なら懸垂下降が推奨だが、今回は軽装。
ロープは使わず、下降した。
雪は付いているが、凍結はしていなかったのでそれ程難しくは感じなかった。
2014年12月29日 11:35撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/29 11:35
重荷なら懸垂下降が推奨だが、今回は軽装。
ロープは使わず、下降した。
雪は付いているが、凍結はしていなかったのでそれ程難しくは感じなかった。
八本歯のコルに到着。
とりあえず一安心。
2014年12月29日 11:39撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 11:39
八本歯のコルに到着。
とりあえず一安心。
振り返って八本歯を眺める。
この天候だと、怖く見えるなぁ…
2014年12月29日 11:45撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 11:45
振り返って八本歯を眺める。
この天候だと、怖く見えるなぁ…
トラバース道分岐。
北岳山頂方面へ向かう。
2014年12月29日 12:17撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/29 12:17
トラバース道分岐。
北岳山頂方面へ向かう。
北岳稜線への登り。
正面の岩稜左側へ続く夏道を辿って登った。
2014年12月29日 12:22撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
12/29 12:22
北岳稜線への登り。
正面の岩稜左側へ続く夏道を辿って登った。
鉄棒を目印に登る。
傾斜は急で、雪の状態はクラストしてたりラッセルだったり、と色々。
場所によって雪の状態が変わるので厄介だった。
2014年12月29日 12:25撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 12:25
鉄棒を目印に登る。
傾斜は急で、雪の状態はクラストしてたりラッセルだったり、と色々。
場所によって雪の状態が変わるので厄介だった。
北岳稜線上(吊尾根分岐)に到着。
もうすぐ山頂だが、この視界。
行く気しないなぁ・・・
2014年12月29日 13:06撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 13:06
北岳稜線上(吊尾根分岐)に到着。
もうすぐ山頂だが、この視界。
行く気しないなぁ・・・
晴間が出る事を信じて行ってみる。
視界不良時の夏道ルートは危険なので、岩稜ルートで登頂を試みる。
2014年12月29日 13:15撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
12/29 13:15
晴間が出る事を信じて行ってみる。
視界不良時の夏道ルートは危険なので、岩稜ルートで登頂を試みる。
岩稜を進んで行くと薄らと青空が見えた。
これは・・・
期待できる?
2014年12月29日 13:17撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 13:17
岩稜を進んで行くと薄らと青空が見えた。
これは・・・
期待できる?
バットレス方向に雪庇が出来ている。
今年の雪庇は大きいように感じる。
2014年12月29日 13:23撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
12/29 13:23
バットレス方向に雪庇が出来ている。
今年の雪庇は大きいように感じる。
しばらくは雪庇帯が続く。
踏み抜かないように注意。
2014年12月29日 13:24撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/29 13:24
しばらくは雪庇帯が続く。
踏み抜かないように注意。
もうすぐ山頂。
だんだん視界が良くなってきた。
2014年12月29日 13:26撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 13:26
もうすぐ山頂。
だんだん視界が良くなってきた。
もうすぐ太陽が出そう。
晴天への期待が確信に変わる。
2014年12月29日 13:30撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
4
12/29 13:30
もうすぐ太陽が出そう。
晴天への期待が確信に変わる。
山頂が見えたッッッ!
2014年12月29日 13:28撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 13:28
山頂が見えたッッッ!
北岳山頂に到着。
空が青い。そして、無風。
厳冬の北岳山頂とは思えないほど温かい。
まるで楽園のような心地良さだった。
2014年12月29日 13:33撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
54
12/29 13:33
北岳山頂に到着。
空が青い。そして、無風。
厳冬の北岳山頂とは思えないほど温かい。
まるで楽園のような心地良さだった。
どうやら、雲を抜けたようだ。
雲の上は無風なのか。
2014年12月29日 13:41撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
15
12/29 13:41
どうやら、雲を抜けたようだ。
雲の上は無風なのか。
北岳山頂だけが雲を抜けているようだ。
周囲の山は雲に隠れて見えないが、まるで雲の上に立っているような気分。
2014年12月29日 13:44撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 13:44
北岳山頂だけが雲を抜けているようだ。
周囲の山は雲に隠れて見えないが、まるで雲の上に立っているような気分。
あまりの心地よさに、山頂を離れたくなくなるが・・・
そろそろ下山しないと日が暮れる。
後ろ髪引かれつつ、山頂を後にする。
2014年12月29日 13:45撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6
12/29 13:45
あまりの心地よさに、山頂を離れたくなくなるが・・・
そろそろ下山しないと日が暮れる。
後ろ髪引かれつつ、山頂を後にする。
山頂から下も視界が良くなってきた。
2014年12月29日 13:51撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/29 13:51
山頂から下も視界が良くなってきた。
吊尾根分岐が見えてきた。
2014年12月29日 13:53撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/29 13:53
吊尾根分岐が見えてきた。
間ノ岳方面。
だいぶ雲は晴れてきたが、間ノ岳はまだ見えない。
2014年12月29日 13:55撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 13:55
間ノ岳方面。
だいぶ雲は晴れてきたが、間ノ岳はまだ見えない。
吊尾根分岐まで降りてきた。
北岳山頂方面を眺める。
2014年12月29日 13:57撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 13:57
吊尾根分岐まで降りてきた。
北岳山頂方面を眺める。
参考までに、ルート記載。
赤が通常利用される夏道ルートだが、今回は視界不良の為、青の岩稜ルートで登頂を試みた。
2014年12月29日 13:57撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 13:57
参考までに、ルート記載。
赤が通常利用される夏道ルートだが、今回は視界不良の為、青の岩稜ルートで登頂を試みた。
吊尾根分岐を後にし、BCへ下山。
池山吊尾根を下り、来た道を戻る。
2014年12月29日 13:58撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/29 13:58
吊尾根分岐を後にし、BCへ下山。
池山吊尾根を下り、来た道を戻る。
視界が悪いと下山方向を間違えやすい。
誤って沢側へ進みそうになった。
2014年12月29日 14:20撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
12/29 14:20
視界が悪いと下山方向を間違えやすい。
誤って沢側へ進みそうになった。
正ルートに復帰し、八本歯へ向かう。
2014年12月29日 14:24撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
12/29 14:24
正ルートに復帰し、八本歯へ向かう。
八本歯が見えてくる。
2014年12月29日 14:27撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 14:27
八本歯が見えてくる。
間ノ岳を覆っていた雲が晴れた。
束の間、間ノ岳が顔を出す。
2014年12月29日 14:28撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 14:28
間ノ岳を覆っていた雲が晴れた。
束の間、間ノ岳が顔を出す。
北岳山荘が見える。
2014年12月29日 14:50撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
12/29 14:50
北岳山荘が見える。
農鳥岳も見えるぞ。
2014年12月29日 14:41撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
9
12/29 14:41
農鳥岳も見えるぞ。
富士山も見えてきた。
2014年12月29日 14:31撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12
12/29 14:31
富士山も見えてきた。
富士山、拡大。
今年は例年以上に白く見える。
・・・ような気がする。
2014年12月29日 14:31撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
23
12/29 14:31
富士山、拡大。
今年は例年以上に白く見える。
・・・ような気がする。
八本歯と富士山
2014年12月29日 14:32撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 14:32
八本歯と富士山
コルへの下降。
梯子が雪で埋まっている。
この梯子が雪で埋まっているのは初めて見た。
やはり今年は雪が多いようだ。
2014年12月29日 14:38撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 14:38
コルへの下降。
梯子が雪で埋まっている。
この梯子が雪で埋まっているのは初めて見た。
やはり今年は雪が多いようだ。
八本歯。
晴れていれば、あんまり怖くない。
もう、さっきのような威圧感は感じない。
2014年12月29日 14:42撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 14:42
八本歯。
晴れていれば、あんまり怖くない。
もう、さっきのような威圧感は感じない。
歩いてきた道を振り返る。
2014年12月29日 14:47撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 14:47
歩いてきた道を振り返る。
八本歯の登り。
2014年12月29日 14:48撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 14:48
八本歯の登り。
下降に比べれば、登りは難しくない。
2014年12月29日 14:50撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 14:50
下降に比べれば、登りは難しくない。
登りきった。
2014年12月29日 14:52撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 14:52
登りきった。
ここを巻いて先へ進めば…
2014年12月29日 14:53撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 14:53
ここを巻いて先へ進めば…
八本歯ノ頭に到着。
ここまで来れば、もう難しい箇所は無し。
安心して帰れる。
2014年12月29日 15:02撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 15:02
八本歯ノ頭に到着。
ここまで来れば、もう難しい箇所は無し。
安心して帰れる。
・・・が、視界が悪いと進路を間違い易いので注意。
まぁ、これだけ晴れたら間違うはずは無いが。
2014年12月29日 15:06撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 15:06
・・・が、視界が悪いと進路を間違い易いので注意。
まぁ、これだけ晴れたら間違うはずは無いが。
富士山、も一度撮影。
2014年12月29日 15:07撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 15:07
富士山、も一度撮影。
上空はすっかり青空に包まれている。
心も軽く、ボーコン沢ノ頭へ向かう。
2014年12月29日 15:17撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 15:17
上空はすっかり青空に包まれている。
心も軽く、ボーコン沢ノ頭へ向かう。
でも、北岳方面はまだ雲の中。
バットレスを見せてはくれず・・・
2014年12月29日 15:23撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/29 15:23
でも、北岳方面はまだ雲の中。
バットレスを見せてはくれず・・・
池山吊尾根の雪庇。
2014年12月29日 15:25撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 15:25
池山吊尾根の雪庇。
ボーコン沢ノ頭へ帰ってきた。
2014年12月29日 15:41撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 15:41
ボーコン沢ノ頭へ帰ってきた。
ボーコン沢ノ頭から眺める鳳凰三山。
2014年12月29日 15:53撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 15:53
ボーコン沢ノ頭から眺める鳳凰三山。
鳳凰三山の稜線上に、突き出た岩が見える。
あれがオベリスク?
2014年12月29日 15:53撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 15:53
鳳凰三山の稜線上に、突き出た岩が見える。
あれがオベリスク?
ボーコン沢ノ頭は雪が締まって何処でも歩ける状態になっている。
相変わらず風は弱く、良い散策日和。
少し寄り道してから帰ろう。
2014年12月29日 15:55撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 15:55
ボーコン沢ノ頭は雪が締まって何処でも歩ける状態になっている。
相変わらず風は弱く、良い散策日和。
少し寄り道してから帰ろう。
次第に暗くなり、気温も下がってきた。
富士山を眺めながらテントへ帰る。
2014年12月29日 16:00撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 16:00
次第に暗くなり、気温も下がってきた。
富士山を眺めながらテントへ帰る。
翌日の朝。
ボーコン沢ノ頭で朝日を眺めようと思ったが・・・
ガスで真白><
昨日の晴天、どこ行った。。。
2014年12月30日 06:45撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 6:45
翌日の朝。
ボーコン沢ノ頭で朝日を眺めようと思ったが・・・
ガスで真白><
昨日の晴天、どこ行った。。。
天気は悪く、雪も降っている。
テント撤収し、足早に下山する。
2014年12月30日 09:43撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/30 9:43
天気は悪く、雪も降っている。
テント撤収し、足早に下山する。
御池まで下山。
更に雪が強くなってきた。
2014年12月30日 10:58撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/30 10:58
御池まで下山。
更に雪が強くなってきた。
枯葉が堆積した雪道。
2014年12月30日 11:48撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/30 11:48
枯葉が堆積した雪道。
歩き沢橋まで下山。
2014年12月30日 12:01撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/30 12:01
歩き沢橋まで下山。
ここ数日の降雪で、林道には雪が積もっていた。
2014年12月30日 12:19撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/30 12:19
ここ数日の降雪で、林道には雪が積もっていた。
真っ白な河原。
2014年12月30日 12:23撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/30 12:23
真っ白な河原。
相変わらず、トンネル怖いなぁ…
2014年12月30日 12:26撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 12:26
相変わらず、トンネル怖いなぁ…
背丈くらいはありそうな大きな氷柱。
まるで太刀の様。
御土産に持って帰りたいけど、帰る頃には溶けてしまうか…
2014年12月30日 12:47撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 12:47
背丈くらいはありそうな大きな氷柱。
まるで太刀の様。
御土産に持って帰りたいけど、帰る頃には溶けてしまうか…
奈良田ゲートに到着。
無事、下山完了。
2014年12月30日 14:51撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 14:51
奈良田ゲートに到着。
無事、下山完了。
今回忘れてしまったシェルグローブ。
車のトランクに置いてあったよ・・・
2014年12月30日 14:55撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 14:55
今回忘れてしまったシェルグローブ。
車のトランクに置いてあったよ・・・

装備

個人装備
長袖シャツ 長袖インナー ハードシェル タイツ ズボン 靴下 インナーグローブ 予備手袋 防寒着 ゲイター バラクラバ 着替え ザック サブザック アイゼン ピッケル スコップ 行動食 調理用食材(6日分) 水筒(保温性) ガスカートリッジ(500g+250g) コンロ コッヘル 食器 ライター 地図(地形図) コンパス ヘッドランプ 予備電池 GPS ラジオ 筆記用具 ファーストエイドキット 針金 常備薬 日焼け止め 保険証 携帯 時計 タオル ナイフ カメラ ポール テント テントマット シェラフ ゴーグル ロープ(30m) ハーネス カラビナ ATC ハーケン スリング ワカン テントシューズ
備考 ●当初の予定では白峰三山縦走だったので、食料と燃料は停滞日用も含めて
 6日分持参したが、北岳ピストンに変更になったので2日分しか使用しなかった。
●ハーケンは何かあった際の御守りとして持参。
 使う機会はまず無いと思うけど、気休めで・・・
●ワカンも未使用。
 ボーコン沢ノ頭までトレースばっちしだったのでアイゼンだけで充分だった。
●ロープ,ハーネス,クライミングギア類は縦走用の重荷で八本歯を下降する際、
 もしくは雪の状態が悪い場合に備えて持参したものだが、雪の状態は良く、
 軽装での下降だったので使用しなかった。

感想

「やっちまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
山行初日の夜、思わずテント内で絶叫してしまった。
何をやらかしたか、と言うと・・・
シェルグローブを車に忘れてきてしまった。。。
今回の目的は白峰三山縦走。
縦走路の稜線上は低温、強風域であり、シェルグローブ無しで行ってはいけない領域。
にも拘らず、それを忘れてしまうとは・・・
あまりの不甲斐なさに泣きたくなる;;
困った状況になった。
これから車に戻るにしても、ここは池山吊尾根の標高2500m地点であり、
戻ってくるには2日はかかる。
予備日は3日程準備していたが、また奈良田からの長い道のりを歩く気は起きない。
“シェルグローブ無しで強行するか?”
とも考えたが、手元にあるインナーグローブだけでは凍傷のリスクが高すぎる。
厚手、中手、薄手の3枚を持参していたが、重ね着しても厳冬の稜線環境には
耐えられないような気がした。
凍傷のリスクを冒してまで縦走する勇気は無く、考慮の結果、白峰三山縦走は中止。
北岳往復に変更する事にした。
北岳往復であれば主稜歩きは短く、幸いな事に明日は風がかなり弱く、気温も高め。
今の装備でも行ける見込みがあった。
だが、このミスは痛い。
天候や体調不良での縦走中止ならまだ納得できるが、忘れ物で中止とは・・・
心理的なダメージが大きく、その夜はなかなか寝付けなかった。

翌日の朝、5時出発。
早い時間にボーコン沢ノ頭手前に到着し、そこにテントを張り北岳登頂のBCとした。
テント設営後は、しばらくテント内で待機。
この日の天候は予報通り風は弱く、気温は高めだった。
しかし、前夜から雪が降り続いており、視界があまり良くない。
北岳往復するにはまだ充分な時間があるので、雪が止むのを待つ事にする。
この雪は昼前には止み、午後は晴間が出る可能性があるらしい。
その晴間を狙って登頂しようと考えた。
その間、何名か登山者が通りすぎ、北岳方面へ向かっていくが、
殆どの人がボーコン沢ノ頭で引き返していく。
視界が悪いので登頂を断念したようだ。
確かに、この降雪の中、危険が多い八本歯や北岳稜線へ進む気は起きない。
果たして、本当にこの雪は止むのだろうか?
明日以降は再び強風となり、寒さも厳しくなってくる。
シェルグローブの無い私には、この日しか北岳登頂チャンスは無い。
不安になりつつ、雪が止むのを待った。

10時半になっても雪は止まなかった。
これ以上待っていては日没までに帰ってこれなくなるかもしれない。
しぶしぶテントを出発し、北岳へ向かう。
冬の北岳には過去に2度登っており、2回とも悪天下の登頂だった。
だから、それ程不安は感じないが・・・
またあの真っ白な山頂しか見れないのか、と考えると気が重い。
ボーコン沢ノ頭を過ぎ、淡々と八本歯へ向かっていくと、
早朝に会った4名のPTに出合う。
無事に登頂を終えて下山するところだったが、やはり景色は冴えなかったらしい。
この日、北岳へ登ったのは彼らだけで、これから稜線へと進む登山者は私一人になった。

八本歯を通過し、北岳稜線(吊尾根分岐)へ到着。
もうすでに時刻は午後になっていた。
しかし、まだ晴れ間は訪れない。
雪は止んでいたが、周囲はガスで覆われており、眺望は無し。
薄らと見える北岳の岩稜は「魔の山」といった風体を醸し出しており、
行く気が起きねぇ。。。
だが、少しであるが雲の合間から太陽が見える頻度が増えており、
確かに天候回復の兆候はある。
それを信じて重い腰を上げ、吊尾根分岐を後にする。
山頂へ行く為、北岳稜線へと足を踏み入れた。

積雪期の北岳山頂への最後の登りは、岩稜西側に続く夏道を利用される事が多い。
夏道は雪で覆われ雪壁状となり、急な斜面のトラバースが連続する。
3000m峰への最後の登りとして、なかなか手ごたえのあるルートであり、
出来ればこちらを行きたかった。
だが、視界不良の環境下ではルートミスのリスクが高く、斜面にピックを刺して
確保する場面が多いので、雪に触れる事も多い。
今の視界とグローブでは、ちょっとこのルートは厳しい。
なので、別ルートを選ぶ。
岩稜上へ進み、リッジ沿いを進む事にした。
このルートは岩雪ミックスルートとなるが、急な箇所は無く難度は易しい。
夏道入口付近から取り付き、しばらく登っていけばやがて明瞭なリッジ状になるので
ルートファインディングも容易。
視界不良時でも安心して進む事が出来た。
北岳稜線上とは思えないほどに風は弱く、手の冷えは感じず。
判断は正しかった。
この日の環境なら、今の装備でも耐えられた。
岩稜登りは順調に進み、更に標高を上げると少しずつ青空が見えてくる。
そして、登頂。
北岳山頂は・・・晴れだった。

正確に言えば、北岳山頂だけが晴れ。
山頂の下には雲が広がっている。
雲を抜けたのだ。
どうやら、この雲の上限は標高3000m付近らしい。
周囲の山は雲に隠れて全く見えないが、北岳山頂の上には青空が広がっている。
さすがは、日本第2位の高峰だ。
たぶん、この瞬間、周辺の山で晴間が見れたのは北岳のみだっただろう。
そう考えると嬉しくなってくる。
不思議な事に、山頂では無風。
北岳への登りでは常に風が吹きつけていたが、山頂に出た途端にピタリと止んだ。
雲の上とは、無風なのだろうか?
厳冬の北岳山頂がこれだけ穏やかな環境になるとは、驚きである。
日差しが入って温かく、じっとしていても寒さは全く感じない。
まるで楽園に居るかのような心地良さで、寝そべったりしてのんびりして過ごす。
過去に訪れた厳冬の北岳山頂は、それはそれは厳しい環境で、
5分もいたら下山したくなるような状況だったが、今回は去りがたい。
このままずっと、ここに居たくなった。
だが、夕刻になれば再び山は荒れ始めるだろう。
これは、束の間のユートピア。
日が暮れる前に帰らねばならない。
後ろ髪を引かれつつ山頂を後にし、BCのボーコン沢ノ頭へ帰る。

ボーコン沢ノ頭に戻った頃には、すっかり稜線は雲に包まれていた。
青空が広がっていた山頂も、今はもう雲の中か。
そう思うと感慨深い。
今後も厳冬の北岳を訪れる機会はあると思う。
だが、あの楽園のような北岳山頂を目にする事は・・・たぶんもう無い。
それを経験出来た今回の山行は極めて貴重な経験となった。
つまらぬミスで白峰三山縦走には失敗したが、悔いは無し。
厳冬の北岳に楽園のような場所があった。
その事は、この先ずっと忘れないだろう。

あ、もちろん雪山登山で忘れ物をしてはいけない。
その事も、この先ずっと忘れないだろう^^;
(たぶん・・・)

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コメント

あらら!残念
新年おめでとうございます。
まいどハードな冬山山行、勉強させて頂いてます。

グローブ置いてけぼり、しかも車中でしたか
大幅な計画変更、残念でしたね 。
が、結構みなさんやってると思いますよぉ
ただ、レコにはアップしないだけで……
かく言う私も、グローブではありませんが何度か…
Luskeさん、正直だから
2015/1/2 19:58
snafkinさん、こんばんは
あけましておめでとうございます

忘れ物での計画変更、誠に不覚であります
もっと出発前に入念にチェックすべきでした><
前回の船形山での飲みすぎに続き、今回は忘れ物、と。
どうも、最近の私は初歩的なミスが多いような気がします^^;
今年は初心に帰ってみる必要がありそうですね。
こんな私ですが、今年も宜しくお願い致します
2015/1/2 22:31
隣のテントの者です(^_^)
Luskeさん

当日いろいろと情報教えていただきありがとうございました。
それにしても一日違うだけでこんなにも状況が変わってしまうのかと驚いてしまいました
私達も12/29にアタックする予定ではいたのですが、いろいろと事情があり、BCの持ち上げに終わってしまいました。
12/30はかなりキツイ思いをして山頂まで行きましたが、どうせなら晴れた山頂の方が良いですね。 を見てしみじみ感じました
2015/1/3 6:50
nyorotan15さん、こんばんは
その節はどうも御世話になりました
nyorotan15さん達のテントが隣にあったので安心して幕営出来ました。

私が登った29日は比較的条件が良かったですが、翌日は・・・
nyorotan15さん達がアタックされた日は厳しかったかと思います。
小生、冬の北岳には3回登ってますが、晴れたのは今回初めてです。
雪山はタイミングが難しいですね。
次回、nyorotan15さん達が北岳に登られた際は晴天の山頂、
となるよう願っております。
また山でお会いしましょう!
2015/1/4 0:24
ゲスト
るすけさん
2015年もよろしくお願いします。
あの状況下でもすばらしい景色をみられたのですね、普段の行いがいいんでしょうね
自分は、・・・。レコ上がるのかなり遅くなると思いますが、見てやってください。るすけさんも行こうかなと思うルートかもしれません。
北岳、結局ボーコン沢で撤退してからごぶさたなので、このレコを参考にさせていただきたいと思います。輝くあの頂をぜひ訪問したいものです。

自分も歩きながら、るすけさんはあの悪天の中どうされたのかなと思ってました。ご無事でなによりでした。
あ、自分も今回忘れものしましたよ。
ぺミカン・・・気づいた時は本当にへこみました
2015/1/3 10:30
metaさん、こんばんは
普段の行い、あまり自信はありませんが、今回晴れたのは良かったです。
それにしても、今年の年末年始はどうも天気が優れませんね。
よりによって最強寒波到来とか・・・タイミング悪すぎです><
metaさん達は、どのように対処されたでしょうか?
レコ、楽しみにしております。
あの山は是非、私も登りたいと思っている山ですので

なんと、ぺミカン忘れてしまったとですか@@
冷蔵庫に入れっぱなしで、そのまま忘れてしまった・・・
なんてオチが予想されます(笑)
お互い、忘れ物には注意しましょう><b
2015/1/4 0:26
やっちまったぁぁぁぁ
って、Luskeさんでもあるんですね…(@_@。ウソォーン…

年末年始の南アルプス。
Luskeさんは今回どんな参考するのかなって楽しみにしておりましたが、お正月のアク天候(全国的にそうだったのかは???ですが)また小屋で停滞とかありなんだろうか…とか勝手にいろいろ考えちゃったりしていました。

…が、シェルグローブ忘れとは残念でした。

北岳山頂限定の晴れ、素晴らしいです(^‐^)♪
2015/1/6 21:58
kimberliteさん、こんばんは
山での忘れ物、しょっちゅうやってます^^;
でも、計画変更せざるを得ないような酷い忘れ物は、今回が初めて。
良い教訓になりました><

もしシェルグローブを忘れていなかったら、29日に北岳山荘に到着し、
翌日の30日は山荘で停滞。
31日の早朝から昼にかけて縦走し、その後の運命は・・・神のみぞ知る、
という結果になっていたかと思います。
31日以降は厳しい天候の日が続いたようなので、計画中止とは言え、
その前に下山で来たのは運が良かったのかもしれません。
2015/1/7 19:05
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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