南ア デビュー戦は試練の黒戸尾根 〜甲斐駒ヶ岳
- GPS
- 13:30
- 距離
- 19.1km
- 登り
- 2,538m
- 下り
- 2,544m
コースタイム
- 山行
- 11:52
- 休憩
- 1:32
- 合計
- 13:24
天候 | 快晴、ほぼ無風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車場は50台くらいのスペースがあります。アプローチの道路は所々圧雪路面です。スタッドレスが必須と思われます。 須玉ICからの道中、コンビニは3軒(ローソンx2, デイリーやまさき)ありました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
金曜日までトレースが無かったらしく、私が入った時には金曜日からテン泊された3名のトレースのみでした。土曜日に登頂したのも私を入れて4名のみ、土曜日にテン泊もしくは山小屋泊の方は10名程登って行かれました。特に土曜日は最高の天気でしたから、思いの他少なかった印象です。 チェーンスパイクを登りは刃渡りの先まで、下りは笹ノ平分岐から装着しました。ワカンも持参しましたが、コースに渡って鎖場、梯子、岩場があるため使用できませんでした。 【登山口 〜 笹ノ平分岐】 吊り橋を渡るといきなり急登です。コースタイムで2時間半ひたすらキツい登りで、最初から心折れそうになります。登山道は雪、氷、落ち葉、土とパッチワーク状態で、チェーンスパイクはとても便利でした。 【笹ノ平分岐 〜 刀利天狗】 笹ノ平を超えたところで少しの間緩い斜度になりますが、それもつかの間「八丁登り」が待っています。700m位の距離で250mの高度を一気に稼ぐ区間です。この辺りから積雪量も増え、トレースがしっかりと無いのでとても消耗しました。踏み抜きはしょっちゅうです。 八丁登りが終わると刃渡りです。積雪があるからか、あまり緊張感は無かったです。ただ、両側は急に落ちているので、強風時は注意が必要でしょう。 【刀利天狗 〜 七丈小屋】 刀利天狗から黒戸尾根名物の梯子と鎖場が連続します。垂直に近い梯子や長く急な鎖場があるので、アイゼンに気をつけて足場をしっかりと確保して登ります。この日はトレースがほとんどなかったので、鎖場ではキックステップで一歩一歩足場を確保する必要がありました。 キツい黒戸山への登り(山頂は巻きます)が終わると5合目の小屋跡に向けて下ります。せっかく稼いだ高度をこんなに失うの?と思うくらい落とされます。 5合目小屋跡の先の桁橋を渡ると、その先は梯子と鎖場が連続する急登中の急登区間が七丈小屋まで続きます。 【七丈小屋 〜 甲斐駒山頂】 8合目の御来光場付近を除いて、山頂まで鎖や梯子を含めて急登が連続します。踏まれたトレースはまったく無く、一部アイゼンが利くところもありますがつぼ足で踏み抜き覚悟で進むしかありません。ワカンも持っていましたが、頻繁に出て来る鎖場、岩場、梯子で使用できません。 9合目を超えたところの大きな岩は鎖がありません。つま先が乗る程度の小さなステップが岩に付いてはいますが、アイゼンワークに気をつけなければなりません。 そこを超えたら山頂はすぐそこです。 |
その他周辺情報 | むかわの湯(北杜市民以外は820円)に入って帰りました。須玉ICへの道中にあって便利でした。ちょっとぬるっとした泉質で、気持ちよかったです^^ |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
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写真
装備
備考 | 気温が高めで、水1Lでは足りなかった。 |
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感想
精神的な弱さ、特に追いつめられたとき、疲労が溜まってきたときが課題な私です。健脚ですねとかスピードありますねと言われますが、所詮は精神状態が前向きなときで、しかも比較的短い行程での評価だと自覚しています。
子どもの頃から長距離走が苦手だったので、トレーニングでの効果はこれ以上無理かなと思っていますけど、精神面の強化はできるはずです。
という訳で、先週の撤退を克服することも含めて修行へ行ってきました、黒戸尾根。日本三大急登のどれも登ったことの無い私(というか、南アルプスもデビューです)。黒戸尾根を厳冬期に日帰りはちょっと無茶かとは思いましたが、土曜日は天候も良いし、黒戸尾根のコース自体は谷川のような重たく深い積雪も、西穂のピラミッドピークから上のアルパイン的要素も無いので、ひたすら根性を鍛えるには良いと判断しました。
やるか、やられるかです!
コースタイムが9時間10分なので、自分の目標を3/4の7時間に設定しました。
3時45分に出発、目標は10:45に山頂です。しかし、状況が悪い場合には明るいうちの下山終了を考え、12時を目処に下山開始としました。
吊り橋を渡ると早速急登の始まりです。通常の山行であれば、急登がある程度続けば、その後には緩い区間もそこそこあることが期待できますが、ここはそんな手加減は一切無しです。まあ、急登は想定内だったのでそれで心が折れることは無かったですが、想定外だったのはハイカーの少なさによるルートコンディションの悪さです。
金曜日にテン泊で入られた方に聞くと、金曜日はトレースが一切無く、彼ら3名のみだったとのこと。雪質が軽くて上部に行く程深く、トレースが残っていないので、くるぶしからふくらはぎまでのラッセルを強いられました。鎖場が一番苦労しましたね、ステップがまったく無いのでキックステップで一歩一歩足場を作るのですが、雪が柔らかく簡単に崩れてしまう。面倒なところは腕力のみで登っちゃいました ^ ^;;
ルートを通して精神的にも肉体的にも全力を出さなければならず、七丈小屋に着く頃にはすっかり消耗してしまい、へたり込むように第二小屋の前の階段に座り込み休憩です。その時点で当初の目標タイムは頭から消え去りました。いや、もっと下からこんなコンディションで果たして12時までに登頂できるのか?自問自答しっぱなしでした。「諦めたら楽になれるな〜」「またチャレンジしたら良いじゃん」と弱い自分が顔を出し、その都度「何のために今日来たんだ」「12時までは這いつくばってもやり抜け!」と叱咤する。
もっと休んでいたかったけど、時間に追われるように七丈小屋をあとに。いよいよコンディションは最悪に、踏み抜きはしょっちゅうで一歩一歩踏み出す足が重い。冬靴とアイゼンの重さをこれだけ感じたことも今まで無かった。少し進んでは小休止、また進んでは小休止、頭から指令しないと脚が前に出て行かない。。。七丈小屋から山頂までコースタイムで2時間半、これではとてもコースタイムで歩けない。無理だな・・・、下山を本気で考える自分が居ました。
でも、決めた12時までやりきらないと何も残らないじゃないか、と何とか考え直してまた一歩一歩。
もう少しだ、頑張れ!自分に言い続けて近づいてきた山頂。行動食を口にしてすこし足が軽くなった気がした。大きな岩をよじ登り、目の前に山頂の祠までがくっきりと見えた。よし行ける!最後はビクトリーロードを駆け上がるように山頂へ。12時まで14分残してゴール!!当初の目標からは1時間もオーバーしちゃったけど、コンディションを考えるとよく頑張ったと自分を褒めたい気分でした。
山頂からはうっとりする程綺麗な仙丈ヶ岳、白峰三山から塩見岳と南アルプスが一望。八ヶ岳が低く見えます。2週間まえに行った西穂のある北アルプスも、後立山から乗鞍までくっきり。鳳凰三山の後ろには富士山が終日綺麗に見えました。風が少し冷たかったけど、誰もいない山頂から絶景を独り占めできる贅沢を10分程度味わいました。もっといたかったけど、明るいうちに下山したいので。
また来よう、でも今度は北沢峠からね(笑)。
南アルプスデビュー戦で、目標のメンタル強化が少しはできたかなと思います。南ア、夏にゆったり縦走できたら気持ちいいでしょうね〜。今から計画しよっかな?
vino_rossoさん、こんにちは
快晴の南アルプスデビュー、おめでとうございます
昨日は完璧な天気でしたね!私も黒斑山に出かけておりました
レコを拝見していて、積雪期黒戸尾根の距離、急登の厳しさが伝わってきます。
ビクトリーロードを駆け上がるvino_rossoさんが想像できました
贅沢な甲斐駒ヶ岳の貸切状態!羨ましい!鳥肌ものですね
自問自答しながらの山行、感動しました。
お疲れ様でした!
Jimny-Hikerさん、こんにちは♪
私も先ほどJimnyさんのレコにお邪魔したところでした。
ビューティフルなプッチンプリンを堪能されて、むちゃくちゃ羨ましいです
本当に昨日は最高の天気でしたね
でも、甲斐駒はヒッソリしてましたけど
ではまた〜
rossoさん、こんにちは〜(*^^*)
これはこれは、これこそ最高すぎる!!2月の黒戸尾根ですよ!
どの写真も素晴らしくて、この日の山行の素晴らしさが伝わってきます
長い長い長い黒戸尾根…
私は夏に雨に降られて撤退しましたが、そこを積雪期に、葛藤を乗り越えて登頂されたrossoさんの感動は、言葉にできないものだったんじゃないかなと思いますよ
積雪期の黒戸尾根…くぅ〜男のロマンじゃないですか
お祝いにお赤飯炊いておきますね
え?今から夏の計画ですか?
そんなことしてると雪融けちゃいますよ
西穂、黒戸…次は何処へ…
さて、私もそろそろメンタルの強化しなくてはね!!
いつまでも石橋叩いてるだけじゃダメなのかなー
みゆっちさん、こんにちは〜♪(本名?でコメもらったんで、私からも本名?で)
お赤飯炊いてくれたの? 大好物なんですよ
どこで渡してもらえますか? (゚O゚)\(- -;
先週、浅間で自分の精神的な弱さを実感、みゆっちさんの強さも実感。なんか最近健脚ですねーとか言われて、いい気になっていた自分が恥ずかしくて
これを克服して、先週の借りを返すには黒戸尾根が最適、と結論は至って簡単に決まったんですよ(安易だなぁ、とは思いますけどね (^^;;)。
でも、予想以上でした、コース自体の厳しさもコンディションの悪さも
足が前に出ない、なんて想像もできなかったし
以前の自分だったら途中で止めてたと思うけど、やり切れるようになったのは少しは成長できているのかな ^ ^
みゆっちさん、山行での精神力は十分かと思いますけどね
石橋叩く慎重さも、決して弱点ではないですよ。見習いたいくらいです
次の目標はまだ見えてこないですけど、またゆったり山行も良いかなと。
お互い、まだまだ冬山を楽しみましょうね〜〜 (なぜか、るーび^ ^)
ヴィーノさん こんばんわ
黒戸尾根は日帰りコースとしては一番きつい部類ですよね。
私はもう二度と行きたくありません(ウソです。日が長い時に行きたいです)
あとあまりのきつさに水を飲むので途中で水がなくなった時の絶望感ったらありません
bさん、まいどで〜す♪
根性と言う言葉は好きではないのですけど、その言葉でしか言い表せない山行でした
でも、誰もいない山頂に立って見渡した風景は、今まで見たどこのよりも美しかったですよ
私も次は日の長い時(無積雪期)が良いです
ロッソさん こんにちは
いやいやまさか黒戸尾根を挑戦するとは思ってもいませんでしたよ
このルートは気合入りますからね
無事に戻ってくることができて本当に良かったと思います
それにしても初めての南アルプスが黒戸厳冬期って、最近飛ばしすぎじゃ〜?
ロッソさん これからも無理せず気をつけて下さいね
お疲れさまでした
ponさん、まいどです♪
行っちゃいました いつか通らなければならない関門だったのですけど、この時期に行くとは自分でも思ってなかったですよ。
ヨワッチイくせに、一発西穂で当たったからと、いい気になってる自分をガツンと懲らしめるために行ったのですけど、ガツンどころかバッコンと潰されて帰ってきました
九合目あたりで体力は限界を超えていた感じですね、そこから山頂までの記憶がほとんど無いので。まだまだです・・・
元来甘ったれで怠け者、追い詰められないとやらないので、このような山行が似合ってるんですけど、ちょっと疲れたので上げきったハードルをどう下げようか思案中です
またのんびり北八ッでも彷徨うことにしようかな〜〜
ロッソさん、こんばんは。
黒戸登ったんですか!?この時期に!?
ちょっとビックリしましたよ。
去年くらいまではこの時期はトレースもなくてラッセルひどくてとても単独日帰りなんてありえない感じでした。(正月でもひどいラッセルでしたよ)
やっぱり登山人気ってあるんでしょうね。
(そもそも7時間の目標はありえませんが・・・逆に最初から1.5倍くらいみておかないと )
・・・にしても、体力、技術共にさすがといったところですね。
自分もたまに無茶してしまうので人のことは言えませんが、お互い気をつけて冬山登りましょうね!
こんばんは♪
行っちゃいました、黒戸厳冬期
西穂でいい気になっている自分に喝を入れるためと、現在の課題を浮き彫りにするには、一番キツいところが良いだろうと思って。
でもまあ本当にキツかったですよ
サンクラストしたサラサラの雪を3人歩いただけだったので、ほとんどトレースは意味を成さなかったですし、森林限界以上ではトレースルートの悪いところを、都度ルーファイして新たにルートを切り開かなければならなかったので、正直体力の限界超えていた感じです。
技術的には西穂の方が高いものを要求されましたね。そういう意味では、西穂の経験がここで余裕を生んでくれたと思います。でも、体力と精神力は数倍必要でしたケド
まあこれで、どこいっても焦らずに山行出来るかな?とは思いますね
そうそうBCやりたいですよ!あの蔵王の写真を見せられたら・・・
始めたらよろしくお願いしますね〜
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