奥穂高岳
- GPS
- 56:00
- 距離
- 33.3km
- 登り
- 1,899m
- 下り
- 1,892m
コースタイム
2日・沢渡6:00〜河童橋7:00〜横尾10:00〜涸沢13:30 就寝19:30
3日・起床4:40 涸沢6:40〜奥穂小屋9:00
冬のソナタ・森かず 白出のコル9:15〜奥穂〜白出のコル12:11
藤本伸明・oosawa 白出のコル10:00〜涸沢岳10:15〜白出のコル10:35
白出のコル12:32〜13:34涸沢小屋 就寝19:30
4日・起床5:00 涸沢7:00〜横尾7:00〜11:45河童橋 タクシー乗場12:30 沢渡14:45
5日・弘前5:30
天候 | 全日晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年05月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
涸沢までは特に危険箇所なし、しかし途中から、アイゼンを履いた方が登りやすい。 奥穂の登りはクラストしていてるが、アックスやアイゼンが良く効き登りやすい。 途中、岐阜県警の方々が懸垂用のシュリンゲを2箇所残してくれているが、30mのザイルでは足りなかった。50mあったらもっと楽に降りて来れそうである。 ザイルがない場合はダブルアックスだと、より安心。 |
写真
感想
5月1日、6時弘前を4人で出発。東北道・磐越道・北陸道・上越道と高速道路を乗り継いで、松本ICで降りて沢渡温泉に18時着、旅館泊。
5月2日、沢渡から上高地までは、マイカー規制のため、バス往復2,000円、タクシー片道4,000円。今回は4人なので同額ということで、タクシー利用。タクシー運転手は道々ガイドをしてくれたので、とても楽しかった。
上高地は、まだ春になりきれず茶色、そして山は青と白に光っていた。きれいな山をみても、「すご〜い」という気持ちにはならず、これからを思い冷静に歩を進める。
河童橋7時、明神、徳沢と進むに連れ、やっとじわじわとうれしさがこみ上げる。水がきれいだ。徳沢の芝生もきれい。横尾で大休憩し、ギアを切り替える。ここまでは、道も平らで、雪もない。横尾大橋を渡り、歩き始めてまもなく雪道となり、アイゼン装着。アイゼンは苦手、足枷という言葉が頭をよぎる「悪いことしていないのに」。ザックの15キロが重石になるのか、スピードダウン。MさんFさんにおいていかれる。途中の本谷橋は、まだ雪の中なのか確認できないうちに、涸沢ヒュッテのテラスとこいのぼりが見える。まだ先は長いが、目標ができて歩きやすくなる。ずんずん高度をかせぎ、13時30分キャンプ村につく。「山と渓谷」3月号に載っていたテント村に自分が来てしまったうれしい。テントを張るためのエントリー。所属「山岳同人たがじょ」目的「奥穂高岳往復」と自分の名前と住所を記入。一人1泊500円。テント設営は、雪のブロックをつんだり、地面をならしたりしながら、成田さん他みんなテント設営話でもりあがる。テント村のある涸沢ヒュッテは、水が蛇口から出ているし、ジュッキで生ビールが飲めし、大型テレビが天気予報を流している、トイレもたくさん。これが営業小屋なのね。
エスパースの緑のテントの中は、やわらかい光が入って、やさしい気持ちになる。夕食は、アルファ米と牛丼、沢庵、りんご。みんなとってもおいしい。明日に備え、19時30分に就寝。隣の立教大のテントから、先輩女子大生が新人指導している声が聞こえる。この辺までは楽しかったが、夜、中々眠れない。翌日の奥穂高岳のはしごが気にかかる。アイゼンではしごを上り下りできるか、標高の高さにびびらないか。そんなことばかり考えて朝を迎える。
5月3日、今日もいい天気。6時40分出発、急な雪道をアイゼン・ピッケルで登っていく。上高地で見上げた山に、自分がどんどん入っていく。穂高岳山荘のある白出のコルに9時到着。ここはまた不思議な世界。険しい厳しい奥穂高岳の登りを広いテラスで眺めることができる。オリンピックの滑降競技をテレビで見るみたいな感じかな。気にしていたはしごは2本、想像よりは短い。しかしその上が良くない。固い雪または氷で、足場が確保できそうにない。失敗すれば、滑落、大怪我しそうで、びびる前に、挑戦をやめる。そのとたん観客になる。
MさんHさんは予定通り登る。私の確保のために用意してきた30Mザイルを持つかどうかで悩んでいたが、首にかけて出発。はしごまでは、斜度もなさそうなのに中々つかない。あの二人でも難儀するんだから、本当にやめてよかった。はしごの先は、ピッケルの歯を打ち付け、四つん這いになって進んでいる。途中で引き返してくる人もいる。見ている方もどきどき。テラスの端に奥穂高を見続けている人がいる。防寒着の背中に「GIFU POLICE」。興味しんしんでそばに立ちながら、他の人と話すのを聞く。登る人を止めることはしないが、どんな装備なのか、何気なく聞いているようだ。白出のコルまでは、たくさんの人が登ってくるが、奥穂高岳に登る人は10分の1ぐらいかな。斜面にMさんHさんが見えなくなってから、Fさんと涸沢岳に登る、風が強く、道はせまく、岩が出ているところもあってちょっとこわいが、あっという間(15分)に頂上3110m、あっけない、四つん這いはいやだけど、3000m超えるのだから、なんか儀式がほしかった。頂上からさらに先に道は続くが、そっちは、道がほそいし、両側が切り立っていて、私にはこわくてとても行けそうにない。写真をとって、穂高岳山荘にもどる。コーヒーを飲みながら、山荘の中を見渡す。明るくきれいで、ここに泊まりたいなと思う。山荘の標高は2996m、泊まっているうちにやせるかも。テラスにもどってゆっくり景色を見渡す、ホントに幸せなながめ。奥穂の斜面にMさんFさんの姿が見えると、また緊張する。下りは、懸垂下降している。はしごも無事おりて、満面笑顔で帰ってくる二人。よかったよかった。気持ちが軽くなった。今回の記念に、こんなハードな職場で、楽しそうに登山客のシャッターを押してくれている、岐阜県警のおまわりさんと写真をとる。島崎三歩決定。
12時35分下山は、涸沢小屋へ。雪はとけてずぶずぶ。滑落の危険はなくなり、楽しい散歩になってきた。下りなので、山々がよく見える。13時35分涸沢小屋で、アイゼンをはずし、テラスでソフトクリーム500円。幸せ幸せ。私以外は、生ビールを少し飲んでいる。Mさんは、疲れたと先にテントにもどる。残った3人でしばらくおしゃべり。しきりと八甲田のことばかり思い出される。ほか二人はわからないが、私の山は、私にふさわしい山は、こんなおしゃれな北アルプスではなく、八甲田のやぶの中にあるような気がする。今回は、3000m超えをしたのに、体験山行の箒場〜高田大岳のやぶこぎツアーの感動を超えることはなかった。やはり奥穂高岳に登ることができなかったからか、イマイチ感動に乏しい。そんなたそがれ気分で、カラフルな涸沢テント村をながめる。その後、Hさんのハプニングで、ちょっとテンション取り戻し、テント村にもどり、宿泊。もうこわいところはないので、前夜より良く眠る。
5月4日、朝2時、となりのテントが起床。カワイイ声の女子先輩が、後輩を起こし、2時30分出発する。前日は「せっくん」と言っていたけど、今日は早朝出発でどこにいったのだろう。5時起床で、朝はチラシ寿司。名残惜しいがテントを撤収し、7時帰路につく。下りを楽しみながら、あっという間に横尾大橋に、もう終わってしまうんだと思うと寂しい。横尾山荘からは、平坦な雪のない道。なんかテンション下がる。ダラダラと歩くからかすごく疲れてきた。徳沢では、少しニリンソウも咲いていた。そして明神手前で、ある一団に追い越される。その足さばきの気持ちよさ。この人たちについていこうと決め。明神で休憩後、その一団の出発に合わせて後ろにつく。疲れた私のいいペースメーカーになり、私の歩きも元気になってきた。河童橋も近くなり、気を許すとすぐ離されたが、そのとき後ろからFさん登場。全然気がつかなかった。そしてさらにHさん登場。11時45分河童橋で記念写真をとって、おみやげ買って、ずっと楽しみにしていた「おやき」を食べる。これが失敗、みなさん上高地のおやきはまずいです。タクシーで沢渡にもどり、入浴、Mさんお奨めの天ぷらそばを食べる。おいしい幸せ気分で、帰宅の途につくが、高速でGWの渋滞に巻き込まれる。SAも大混雑で、夕食がとれず、スタ-バックスでコーヒーとサンドイッチ。ま、スタバも青森にはないので、これも楽しい。
5月5日、高速道路走行中に日付が変わる。盛岡のあたりで、仮眠。弘前城のピンクの堀を見ながらGW奥穂高山行を終える。
今回は、リーダーMさん、そしてテントを背負ってくれたFさん、終始笑わせてくれたHさん、本当にお世話になりました。みなさんがいなければ、こんな大旅行大山行できなかった。感謝しています。そしてまたよろしくお願いします。
5月6日、写真を見ながらため息をつく、頭の中は北アルプスの山々が占拠。山では、強く感じなかった感動がジワジワ。青い空と白い雪。2300mを超えたからこそ見える景色。すぐにでもまた行きたいです。私、北アルプス病にかかってしまった。
今年の北アルプスは例年より春が遅いようだ。
沢渡の山も芽吹きが遅く、何か寂しげな5月の山だった。
上高地の河童橋から見る吊り尾根はまだ真っ白い輝きを放ち、観光客には願ってもない景色だと思う。
徳沢までの2時間の道のりは観光客や登山者さまざまな往来であるが、横尾まで来ると老若男女、沢山の登山者で溢れていた。
本谷橋は雪で埋もれ見えなかったが、涸沢までは夏と違って歩き易く近くさえ感じた。
白出のコルまでの登りはおよそ2時間ほどで登れるが沢山の人が登っていて踏み後がしっかりしているので全く心配はない。
Oさんは、アイゼンを履き慣れていないので、バランスがとれず少々心配だったので、後ろを一緒に歩いた。
白出のコルに着いたら思っていた通りの強風。
奥穂岳には全員で登るつもりであったが、梯子から上の急登に不安を感じたFさんとOさんは登頂を諦めた。
そこで、登頂は私とHさんの二人。安全の為、コンテで登る。
取り付きから、氷の壁。雪を拾ってトラバースし、鎖につかまり一揆に梯子に出る。2段の梯子を登るとクラストした急登。ダブルアックスで最初の岩陵を目指す。
すると驚いたことにスノーバーでしっかり固定されたシュリンゲがかかっていた。
Hさんを待ち、セルフビレーをとらせ2段目の岩陵を目指し登る。
ここにも信頼のおけるシュリンゲがあった。Hさんをセルフビレーさせ最初のピークまでの急登を登ると稜線にでた。
Hさんもやって来た。稜線は風が強く足がふらつく程だ。
幾つかのアップダウンとトラバースを繰り返すと穂高岳山頂の頂が見えた。
2mほどの石段は雪に埋もれていて、祠は氷に包まれていた。
槍ヶ岳、ジャンダルム、吊り尾根・・・雲一つない大展望だ。
この感動を仲間と二人で分け合えることは、数倍もの喜びだ。
コルで待っているFさんとOさんは涸沢岳を登っただろうか?
Hさんは感動のあまり吠えていたなー。面白い人だ。
帰りの下りはバックステップでシュリンゲまで降りた。
カラビナにハンマストで懸垂下降。しかし、30mのザイルでは微妙な場所で終了。
落ちない様にアイゼンを効かせ耐える。Hさんも同じ。微妙な場所でザイルを外す。
ザイルを回収し肩がけにし、下の岩場まで降りる。すると上で落としたアイスバイルが置かれていた。
落ちていった時は冷や汗ものであった。下に人がいないのを祈った。
靴後があり、誰かが回収してくれたのだと思う。
誰も怪我もなく、また私の元へ戻してくれた登山者に感謝である。
2度目の懸垂下降だが、梯子までは届かない。また微妙な体勢でザイルを回収。
ザイルを肩がけにし梯子を降り、鎖につかまり一揆に降りた。
FさんとOさんがコルで待っていて穂高登頂を祝ってくれた。
皆で下山し、涸沢小屋のソフトクリームで祝杯をあげた。
一晩をまた涸沢で過ごし、朝上高地に降りた。この2日間で雪が大分消えていた。
12時半に予約していたタクシーに乗り沢渡に着いたが、3日前に来た時より山の芽吹きが進み、春を感じる山に変わっていた。
お天気が良くて最高の山登り楽しんだ見たいですね
いい天気、いい仲間に恵まれ楽しい山旅でした。
okuyaさんのきびしーい、御指導のおかげです。
こんばんわ。siriusです。
あの状況で奥穂に登られるとは羨ましいです。
私は、危険を感じたので諦めましたが、それで正解
だったようですね。
しかし、いつかはこういう状況でも単独で登れるように
なりたいです。
とても参考になりました。
siriusさん、おはようございます。
雪の状態が良く、ただ運がよかっただけです。
ごめんなさい、運だけではやはり登れませんね。
たとえ単独でも、危険なところはダブルアックス、アイゼン、ザイル(8・5ミリ50mが理想)すてなわは必要です。
ルート取りの見極めなど。撤退の強さも必要です。
こんにちはcitrusさん。やはり穂高は沢山の人がいるんですね。天気も良くて展望も良かったですね。
今年の5月1日に岩木山赤倉コースを登っていたのですねと思いきや百沢に引き返していたようですね。
天気が悪かったようで大変でしたね。
今年は寒さが続いて、雪解けが遅いんです。
私は地元なのでいつも登っています。一番好きな山です。
連休の穂高は凄い人ですね。でも穂高山頂まで登られる方は以外と少ないと思いました。
今度また、こちらに来られることがありましたら、よかったら連絡くださいね
citrusさん,こんにちは。今更の投稿で申し訳ないです。
11時45分に河童橋,12時30分タクシー乗り場・・・正にこの日のこの時間そこにいました 11時ちょっと前から12時過ぎまで,河童橋を行ったり来たり その後私は平湯方面のバスに乗るため暫く並び(並んだのは別の人で,私は“おサル”のトイレに付き合ってウロウロしていまして),12時半前後のバスにギリギリ乗れて帰途へ
どこかでニアミスしていたかも 河童橋の写真を拡大して見てみましたが,残念ながら居ませんでしたでも,橋の下の河原で石を投げていた子どもさんの事は覚えていますし写っていたので 残念
五千尺のお土産屋さんを見ていたか,白樺荘前でアイスを食べていたかも(その前に『河童食堂』でまんぷく定食みんなで食べていたかも・・・うぅ〜ん,また食べ物の話になってしまった)
意外とニアミスしている方は多いのかも知れませんね
返信コメント遅くなって、ごめんなさい。
日記の写真を拝見しました。わたしと同じ場所から写している気がします。
アイスを食べている人は見ました。「美味しそう・・・」と思いつつ我慢しました。
岐阜の方とも沢山知り合いました。これからも宜しくネ
35〜36年前(歳バレル )に高校山岳部で確か来たコースだと思いました。
citrusさん かなり遠征するんですね!他にも各地の山々沢山見せて頂きました。
インドヒマラヤも絶景ですし 積雪期の富士などさすが本格流ですね 全部見切れないので又きますね Gohan
もしかして同じ位の年齢ですね。逆算して
私のプロフの写真はインチキです。
5年前の沢歩きです。
夏バージョンにしたかったのですが、沢での一人写しがこれしか無かったので仕方なく
インドヒマラヤ良かったです。
最近解禁になったエリアで未踏峰です。
私達が命名しました、「シブシャンカール山」です。
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