甲斐駒ケ岳 : 尾白川黄連谷右俣


- GPS
- 31:50
- 距離
- 17.4km
- 登り
- 2,467m
- 下り
- 2,456m
コースタイム
2日目 幕営地6:20 - 3段滝8:20 - 山頂9:10 9:50 - 竹宇駒ケ岳神社13:50
天候 | 1日目:晴れ 2日目:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
下山口となる竹宇駒ケ岳神社に車を停め、出発。
まず尾白川渓谷道を進む。渓谷道終点の不動滝から吊り橋を渡り、日向山へ向かう
登山道?を登り、尾白川林道へ上がる。既に廃道化している尾白川林道を歩き、終
点から沢に下りることができる。
最初は平凡なゴーロだが、すぐに緑色の深い釜を持った滝が連続するようになる。
つるつるのスラブで、どれも直登は厳しそうだが、どの滝も明瞭な巻き道がつけら
れているので困ることは無い。20年くらい前までは千丈の滝まで渓谷道が付けられ
ていたらしく、至るところに渓谷道が残っており、巻き道は全て渓谷道のようだ。
巻き道の入口にはトラロープが垂れ下がっているところが多い。ルートファインデ
ィングが出来る人なら、沢の経験が少なくても、千丈の滝までは渓谷歩きといった
感じで行くことが出来そうだ(千丈の滝上からは五丈沢を詰めて黒戸尾根に上が
るという渓谷道になっている)
しばらく難所も無く、きれいな滝やナメを楽しみながら歩いていくとやがて黄連谷
出合い。本谷と比べるとそれほど水量も多くなく、出合も(それまでの沢のスケー
ルと比べると)小さい。
またしばらく歩いていくと巨大な滝が見えてくる。千丈の滝40mだ。かなり大きく、
圧巻。巻きは右岸だが、渓谷道の名残なので容易に巻ける。
千丈の滝上で黒戸尾根5合目に続く五丈沢が左から出合う。渓谷道はここで五丈沢に
向かうので、これ以後の巻道は全て踏み跡程度となる。ここからが沢登りっぽくな
る気がする。
巨岩帯を抜けると、また巨大な滝が出現。35m坊主の滝だ。これも見事な滝である。
ホントにスケールが大きい。これは左岸巻き。あまり大きく巻かないように意識し
て巻くと良い。
坊主の滝を過ぎるとすぐに二俣。この辺りから空が雲に覆われだし、雷雨が心配に
なる。そろそろ疲れが出てきているし、奥千丈の滝が越えられるか不安になる。
両岸が迫ってくると、奥千丈の滝に到着。200mほどもあるという巨大なスラブ滝
だ。今日は、ガスっていて先が見えない。やや不安を感じる。
下部は傾斜も緩いナメ滝と言った感じで容易に登れる。徐々に傾斜が増して行き、
豪快な滝の様相となると中間部。この辺りも特に問題なく登れる。しかし、上部に
抜ける辺りになると確保無しでは危険な箇所も出てくる。雷雨も恐いし、疲れが顕
著になってきたので、無理せずに左の樹林帯に入り、巻きに入る。やや不明瞭な部
分もあるが巻き道はしっかりついている。
傾斜が緩くなり、奥千丈の滝も終わるが、なかなか下りるポイントが見つからなか
ったので、そのまま巻きを続けて行き、やっと沢に戻るとちょうど烏帽子沢の出合
いだった。おそらくsawadonさんがビバークしたところであろうと思われる幕営適地
があったので、ここでツェルトを張った。
恐れていた雷雨も来なくて、雲も晴れ、快適な1晩となった。
朝起きると、雲海が広がっており、朝から快晴である。
もうこの上辺りからほとんど水は流れておらず、涸れ滝といった感じの滝をいくつ
か越えていくと3段60m滝が現れる。中段くらいまでは登れそうだが、上段が厳しそ
うだ。他の記録どおりに左岸を巻く。この巻きでは滝の落ち口辺りで沢に戻る踏み
跡を見逃すと、そのまま支尾根を上がり、ハイマツ帯に突入してしまうので注意。
こちらも明瞭な踏み跡になっているが、ハイマツ帯の薮漕ぎは厳しいとのことなの
で、沢に戻った方が楽である。
3段60m滝を越えるとあとは顕著な滝も無く、源頭の様相となる。最後の二俣で右に
行けば、甲斐駒の山頂の西側、15m程下に出る。左に行くと山頂のちょっと東に出る
ようだ。
私達は右に行き、甲斐駒から鋸岳に続く稜線に出た。振り返ると遡行してきた黄連
谷が見える。達成感と共にうれしさがこみ上げてくる。仲間とガッチリ握手を交わ
す。
この日は良く晴れていて、仙丈や北岳、北アルプスなど周りの山々がきれいに見え
ていた。しばしアルプスの眺めを楽しんだ後、大変な黒戸尾根の下山を済ませて、
帰途に着いた。
コメント
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さすが、3000m級
達成感、大ですね〜
良きパートナーとガッチリ握手目に浮かびました(涙)
わたしの、冥土の土産リストに入れさせて貰いますね。
まるで滝の展覧会のようですね!
下界は灼熱地獄なのに、別世界!
涼しそう〜
yoshi629さん、こんにちは。
尾白川、きれいですね。
南アルプス天然水
沢沿いの道を30分程登り、適当な淵で泳いだことが
あるのですが、花崗岩主体の沢で、水の透明度も
高く、最高だったことを思い出します。
下記コメントも惹かれますね
私、沢登りは未経験(沢歩きなら小渋川のルートがありますが。。。)
なのですが、行けそうな感じでしょうか?
>沢の経験が少なくても、千丈の滝までは渓谷歩きといった
>感じで行くことが出来そうだ(千丈の滝上からは五丈沢を詰めて黒戸尾根に上が
>るという渓谷道になっている)
yoshi629さん こんにちは
こちらのルートも素晴らしいですね(私には無理ですが・・・)
あの川の先にたくさんの滝があるとは知りませんでした・・・
天気も良くて山頂に着いた時は景色に感動して
ウルッときましたが、たくさんの人で冷静になりました 笑
はるか昔のことでこんなにきれいだったかな,yoshi629さん。春日井山岳会の人と一緒にワイワイと遡行していて、着いたら山頂でした。ブロッケン現象を始めて見たのが甲斐駒ケ岳でした。今天気も落ちついていいですね
kukenさん、こんばんは。
お気に入り登録、ありがとうございます
でも冥土の土産って
奥千丈の滝はハーケン・カムなどを駆使すれば登れそう
ですが、基本的にはスラブ滝ばかりで手を付けられそう
も無い滝が多く、巻きに終始します。なのでいわゆる
「沢登り」というよりも、昔ながらの登山、谷 or 沢か
ら山頂を狙うといったクラシックルートという感じでし
た。
標準行程だと2泊だと思うのですが、やや強行日程の1泊
だったので疲れました
ただいまです、eiko12345さん
街は相変わらず暑いですが、3000m級の山は既に秋の気
配です。
今回は軽量化ということでツェルトで寝た(標高2400m
で幕営)のですが、寒くて夜中に目が覚めました。夜は
10℃前後まで冷え込んだと思われます
youtaroさん、こんばんは。
南アルプスの天然水はホントに美味しかったです
沢の水って硬水独特の味がしますが、あの辺りの水は
そういう味がしなくて、軟水みたいな飲みやすい水で
した。持ち帰って、うちの職場で成分分析してみたい
と思っちゃいました
さて、旧渓谷道を行けるかどうか?ということですが
youtaroさんの体力的な面では行けると思います。
未知数なのは踏み跡程度の道をちゃんと見つけて、辿っ
ていけるかどうか?ですね。まあ、滝の手前で分かりや
すく道が続いているので大丈夫だとは思いますが。
それとちゃんと地図読みが出来て、五丈沢を見逃さずに
黒戸尾根に戻れること。これも千丈の滝のすぐ上で左か
ら顕著な沢が合流するので分かりやすいとは思います。
滝の巻きでは渓谷道を歩きますが、それ以外では河原や
ナメの上を歩くので、沢靴もしくは渓流釣り用の靴が必
要となります。ヘルメットまでは要らないと思います
が、念のため厚手のタオルを頭に巻いた方が良いです
ね。
最後に降水量などを調べて、増水していない時期に入渓
することが絶対です。
もし、行かれる時はさらにアドバイスするので連絡して
ください
to4さん、こんばんは。
竹宇駒ケ岳神社からすぐに出てくる川(尾白川)の奥
にはこんな世界が広がっています。
私も最初は、アルプスなどを歩いていましたが、ある程
度歩き尽くすと、次はさらに奥地に足を踏み入れたくな
って、沢登りを始めたんですよ。基本的に、子供の時か
ら変わっていなくて、冒険や探検が好きなんです
日曜日は、ホントに素晴らしい眺めで、感動でしたよね
riekoさん、こんばんは。
riekoさんも遡行したことがあったのですね。さすがで
す
アルプスの沢なので、「いつかは!」と憧れていました
が、やっと行くことが出来ました。やっぱり豪快な沢
で、達成感でいっぱいです
yoshi629 さん
夜はちょっと寒かったですね。八ヶ岳でも息が
ちょっとだけ白くなってきました。
そして翌日は見事な雲海でよかったですね
アルプスの沢は初めてだったのですか?意外でした
奥多摩や奥秩父では滝をよく見かけるのですが、
最近の山行では見ることが少なくなりました。
下りに黒戸尾根かぁ。。。甲斐駒は今年いけるかな。。
yasuhiroさん、こんばんは。
今回はフライを張っただけだったので寒かったです。
夜中に目が覚めちゃいましたよ
アルプスの沢は2回目になります。1回目は双六谷を下降
して黒部の源流部を歩いて、赤木沢という有名な沢を遡
行して黒部五郎に出ました。
主に気楽な日帰りばかりしているので、今回は50回目の
沢だったのですが、その内泊まりの沢は3回のみです
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