白き女神よ!振り返れ★【赤岳】
- GPS
- 41:10
- 距離
- 17.3km
- 登り
- 1,464m
- 下り
- 1,466m
コースタイム
- 山行
- 2:54
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 3:16
天候 | 2/6 曇り時々晴れ 2/7 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
新宿方面→JR茅野茅野駅(9:24) 中央線 JR茅野茅野駅(9:30)→美濃戸口(10:07) バス ■帰り 美濃戸口(16:30) JR茅野茅野駅(17:00)バス JR茅野茅野駅(17:50)→新宿方面 特急あずさ |
コース状況/ 危険箇所等 |
★気象 ・2/7朝6:00時点 赤岳鉱泉にて-12℃ 山頂では-17度くらい。 ・山頂は、ほぼ無風に近い。 ・天気図 http://www.tenki.jp/past/2016/02/07/chart/ ★コース状況 ■美濃戸口〜赤岳鉱泉 ・特に車道は凍結しているところがかなり多く、スリップしやすい (下りでコケた)アイゼンを付けたほうがいいかもしれない。 ■赤岳鉱泉テント場 ・雪が積もっているので、タケペグを使用できた。 ■赤岳鉱泉〜赤岳 ・全体的に雪は締まっており、アイゼンがきいて非常に登りやすい。 ・文三郎の階段は埋まっているのでアイゼンの引っ掛けの心配はない。 ・山頂近辺の核心部も十分雪が付いており、登りやすい。 ・地蔵尾根のナイフリッジは発達しておらず、 あれ?ここナイフリッジだったっけという感じ。 ・地蔵尾根は一部中途半端に階段が出ているので逆に下りにくかった。 ★装備 ■服装 ・美濃戸口〜赤岳鉱泉はドライレイヤー+ベースレイヤー+薄手のフリース。 ・赤岳鉱泉〜赤岳はさらに冬用のソフトシェルを重ねた。文三郎尾根の中岳との分岐で少し風がでてきたため、さらに追加でハードシェルを重ねた。病み上がりだったので普段ならハードシェルなしでも大丈夫であっただろう。 ■テント泊 ・シュラフ:モンベル#1 800ダウン ・就寝時服装:上記服装にさらに化繊インサレーション、ダウンジャケットを着込んで寝た。 ・マット:オールウェザーブランケット+夏用のインフレータブルマット+ 銀マット(90x50cmx7mm厚) |
その他周辺情報 | 茅野駅前のベルビアであんみつが食べられます❤ |
写真
装備
個人装備 |
ベースレイヤー
フリース
ソフトシェル
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
インサレーション
ダウンインサレーション
ゲイター
ネックゲイター
ニット帽
靴
ザック
アイゼン
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
テルモス
プラティパス
地図
コンパス
計画書
ヘッドランプ
スマートフォンGPS
予備バッテリー
筆記用具
保険証
時計(高度計)
サングラス
ゴーグル
ストック
カメラ
ピッケル
マット
シュラフ
象足
ダウンパンツ
ビーコン
|
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共同装備 |
テント
ポール
竹ペグ
テントシート
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ツェルト
スコップ
ガス
バーナー
コッフェル
カップ
|
感想
冬の赤岳は、私にとって『曰く付きの山』である。
なぜなら天気が悪くて撤退したり、トラブルに巻き込まれるなど『嬉しくないイベント』が多かったからだ。山頂で晴れたこともなかった。これは、白き女神に3回以上フラれ続け、ついにはゲットするまでを描いた恋物語である。
■ファーストアタック
『アンタ、全然分かってないないだろ💢10年早い!顔洗って出直してきな!👊』
初めての赤岳山行は、いきなり白き女神様にビンタを喰らうような手厳しい山行であった。
これは昨シーズンの厳冬期に参加したツアー山行だったが、あいにくの天候で山頂は真っ白。しかも地蔵尾根のナイフリッジでアンザイレンしていたメンバーの滑落に巻き込まれそうになる『大ハプニング』もあり、初めて本格的な雪山に踏み込んだ自分は衝撃を受ける。(日記に記載)。さらに同日に目と鼻の先の阿弥陀岳で死亡事故が起こったことを後で知り、さらなるショックを受けた。
((((;゜Д゜)))))))
山の厳しさをここまで感じたのも登山人生の中で"初めて"かも知れない。「雪山は怖いものだ」と身体の隅々まで刻み込まれた。その後『雪山修行』を開始するが、そのあたりのドタバタ劇はまさかの『アイスクライミングデビュー』のレコに描いたので割愛する。
■セカンドアタック
『雪山修行』の一環として今シーズン初めに、あえて”厳しめ”の赤岳の講習会に参加した。『僕らの講習に参加するなら天候が悪い時ほどいい』と言うような厳しいガイドさんで、期待感満載だったのだが『赤岳に雪がない!』という理由から、阿弥陀岳の登頂に変更となってしまう。ただ、阿弥陀の核心部は雪と氷のミックスの逆に難しい状況だったので、良い練習になり、良かったのであったが・・・。
女神様には
『まだお化粧中よ❤また来てねん』
と言われた感じだった。
■サードアタック
講習会で学んだことを相棒に伝授する為、記憶が冷めないうち次の終末にすぐ赤岳に行った。私からすれば「手前で金払って行けや!」と言いたいところなのだが「講習会は高すぎる」という、困った主張をするので講習会を再現することになったのだ。
しかし赤岳に登ろうとするも風が強くて地蔵尾根の途中で撤退。凍結したジョウゴ沢で"アイゼンワークを伝授するだけ"という『地味を極めた山行』になる。天気が悪いことは事前にわかっていたところもあるが、相棒を鍛えておかないと正月の山行に差し支えるのでしょうがない。ただ私からすると"得なことなど一つもなかった"。ああかわいそうな私。
女神様には
『今、機嫌悪いの💢、周りをうろちょろしないで頂戴!』
とうるさがられた感じだ。
さらに1月中旬と下旬に山行を予定したが、天気が悪かったり、天気予報に騙されたりで、計画を変更、あるいは中止にしてしまった。白き女神様に熱きハートを持って望むも、なかなか振り向いてもらえなかった。
■そして今回
2/7。運命の日である。この日はなんと、去年の"ファーストアタック"とちょうど同じ日だ。
天気予報は・・・「おおおおお!」なかなか良い。
しかし・・・そこには多くの試練があった。
まず、あんまし体のコンディションが良くない。金曜はクシャミをしまくっていた。なんとか回復したものの『病み上がり』状態である。さらに3週間ほど山行から離れていた上、仕事が忙しくトレーニングをサボっていたので、かなり体力が落ち気味だった。
しかも、我が家はテント泊オンリーなので荷物が重い。これは山行回数を増やすためなんだが、無雪期と違いシュラフや防寒具も重いし、設営のためのスコップや竹ペグもいるので結構大変なのである。
他にも荷物を重くする要因がいくつかあった。まず夜のご馳走の『ポトフ』・・・・(´Д` )。「そんなの食えりゃなんでもいいじゃないか!!」と思うかもしれないが、これだけはどうしても譲れないんだな。冬山といえば鍋料理、テントの中でホクホクと鍋をつつき、アルコールをたしなまずして何が冬山であろう!生野菜と肉類を贅沢に使った豪華な一品のため、食料だけで1キロは優に超えてしまった。
さらに極めつけがあって、今回はなんと赤岳鉱泉アイスクライミングと赤岳登頂の2本立ての『ゴールデン★プラン』!!クライミングのロープだのカラビナだのハーネス、ヘルメットが加わったのだ。
その結果、私の68リットルのザックは雨蓋が天高く伸び、「コレ本当に1泊の荷物ですか?」と首をかしげるような『まるで塔のようなザック』が完成してしまったのであった!!
何だか重いな〜と思って山行後に測ったら推定24kgと、3泊した仙丈ヶ岳の時より3〜4キロほど重く、一泊の山行としては、中々イカした感じだ。「あっ!!そうだ!望遠レンズつけた一眼レフも持って行ったんだっけ。」
(^_^;)
小屋泊りの人が小さな荷物でどんどん抜いていくのを恨めしげに見ながら我々はトボトボと鉱泉への道を歩いていった。
女神様。あんまりですよ・・・・。
『全部おまえの“欲望“のせいだろ💢バカタレ!👊あたしのせいにすんな!』
しかし、鉱泉についてアイスキャンディを見てしまうと、フィーバーしてしまい、疲れていたことも、病み上がりであることも忘れ、ガシガシ壁に取り付いてしまった。
初心者のくせに垂直の壁にトライしたのだが、『フロントキックはかかとを下げて蹴ることをすっかり忘れていた』ので、足場が不安定で盛大に墜落しまくった。でも結構楽しかった。
・・・子供である。
■そして白き女神は振り返る
ヤマテンという山ごとの天気予報がわかるサイトがある。私が天気図を見ても予想できるような時は当たるが、私が天気図を見て迷う時は『同じように結構外れる』
前日の予報では午前中ガスだった。でもまてよ・・・夕方はこれまた綺麗な夕焼けだし、夜になって夜空を見上げると見事な満点の星空である。「あやしい・・・・」そして夜が明けると、案の定雲ひとつない快晴。嬉しいハズレである。
「キターーーーッ!!」(^O^)
登山道の雪質はしまっており、典型的な雪山といった様相。雪壁であろうと急な下りであろうとも、2人とも怖いという感情が全く湧かない。もう去年の我々では無かった。
半年間2人でジムなどでクライミングをやってきた上、大変厳しい雪山講習も受けている。また、相棒には登山中に「ピッケルの角度が悪い」「カカトが下がっている」とか「歩き方が雑だ」とガミガミと5分に1回くらいの頻度で指導をしてきた。シツコイ『鬼指導』に"キレそう"であったが、そんな”努力”?が功をなしたのであろう。
クライミングのおかげか、赤岳直下の核心部などはなんだか楽しんで登れてしまい、あっという間に頂上についてしまった。
・・・そしてそこは超の付く快晴であり、しかも風もなかった。
『まあ、お前もそこまでやったのだから、ホレ、ご褒美よん💋』
白き女神はついに満面の笑みで振り返ったのであった。
誰の言葉だかは忘れてしまったが、
『美しいものを見たとき、心の中に“美しい“という言葉を思い浮かべた瞬間にその美しさは消えてしまう』
私の好きな言葉である。
あの場の感情を『とても綺麗だった』とか『最高だ』といった類の言葉で表現をしようとすると、なんだか芯を捉えていないように感じてしまう。また『ジーン』と感動するわけでもなく、叫ぶような『衝動』もなかった。もっとシンプルだった。
熱い血の流れた生きている自分がそこに在り、真っ白な山がとても大きな存在としてそこに在る。そして澄んだ青空が彼方にむかって広がっている。五感を通じてそれらを感じている事がただ心地よかった。そして「いつまでもそこにいたい」と思った。
しかし「いつまでもいたい」と願ってもそこに長くはいられない。山を下りはじめるとその気持ちは「また来たい」に変わった。
白き女神さま。ありがとうございました・・・。
ところが・・・
今回の核心部は、なんと最後の最後に待ち構えていた。美濃戸口への車道の凍結がものすごかったのだ。アイゼンを外して歩いていたのが祟り、2人で仲良く大ゴケしたのである。
『ふふふっ!油断は禁物ってことよん❤』
cajaroa, maam さん、こんちは!
赤岳登頂おめでとうです!
しかも、願ってもない快晴に恵まれ最高でしたね〜
maamさんは、cajaroaさんの特訓のお陰で楽しめましたね。
リッジも無事に通過でき、ご無事のご帰還で本当によかったです♪
ボクの冬季赤岳初登頂は、記録によると昨年の2月11日〜12日でした。
文三郎のピストンでしたが、向かいの阿弥陀で遭難した大学生の捜索を見ながらの道中となり、翌朝、展望荘のテレビで悲しいニュースを知った後の下山は難儀でした。
このところ、週末になると天気が怪しくなるので、
今冬、もう一度くらい青と白の世界に行けるのか心配になってきています。
こんにちわ
shinさんお久しぶりです
ありがとうございます!
あの事故の捜索時に行かれていたのですね。本当に残念な事故だったと思います。私たちも色々学ぶことがありました。
shinさんのレコも拝見させていただきましたが、ガスの時と快晴では、やはりリスクは全然違うと思いました。晴れていれば歩く事だけに集中出来るので気持ち的にもかなりゆとりができました。
しかしホント、なんで週末に限って天気が悪いんだって私も思います。
今週末も天気悪いですよね。赤岳は土曜は大荒れである一方、日曜はピーカンらしいですが、ただ風速35mと空を飛んでいけそうな計り知れない暴風だそうです・・・赤岳は晴曇りだけでなく風の条件もあるのでタイミングが厳しいですよね。
我々も今シーズンにもう一度行きたいのですが、今年は雪が少ないので解けないうちに行ける事を祈るばかりです。
shinさん、こんにちは!
晴天の赤岳に登りたかったので、本当に嬉しかったです。
去年の遭難事故の捜索中に登られたのですね。私たちの去年の赤岳登頂は2/8だったんです。。。
下山してニュースを聞いてショックで、その後もずっと頭から離れませんでした。
今年は週末天気が崩れるパターンが多いような気がします。
毎日天気図とにらめっこです😁
今週末も唐松岳に行く予定だったのですがこの天気。。。😔
でもまだまだチャンスはありますよね!残雪期に期待!
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