行者小屋で行者に遭遇(美濃戸〜赤岳〜小天狗)
- GPS
- 35:19
- 距離
- 17.6km
- 登り
- 1,425m
- 下り
- 1,644m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
美しの森〜清里駅:清里ピクニックバス⇒http://www.kiyosato.gr.jp/traffic/p-bus.html |
コース状況/ 危険箇所等 |
・美濃戸口〜美濃戸山荘: 林道は所々轍が深くクロカン四駆でないと厳しいかも。 ・美濃戸山荘〜南沢〜行者小屋: 一部登山道が不明瞭な箇所あり。ロープやテープ目印の確認必須。 ・行者小屋〜地蔵尾根〜地蔵頭: 階段数箇所あり。地蔵頭直下は鉄杭&鎖場。 ・地蔵頭〜赤岳山頂: 稜線は強風注意。赤岳山頂への急登はガレ場&鎖。 ・赤岳頂上山荘〜県界尾根〜大天狗: 鎖場の連続、鉄梯子数箇所有り。女性・子供は厳しいと思います。 ・大天狗〜小天狗〜清里方面登山道入口: 尾根道は林の中を抜けていく為、余り展望は無い。小天狗から清里方面への下山路は、笹薮の中に深く抉れた土のルートとなり歩きづらい。 ・シーズン中は、「美しの森」(休日等であれば「清里ハイランドパーク」)から清里ピクニックバスに乗車可能。「清里駅」の他、「パノラマの湯」「天女の湯」へ立ち寄りもできます。 |
写真
感想
本来は連休中10/9〜10/10に計画していたのだが、前線の接近で降水確率100%の予報。出発前日に断念。
(実際には晴れたようですが・・・)
一週遅れでの再チャレンジ。天気予報はまずまず。
竹橋から満員のバスに詰め込まれて美濃戸口を目指しいざ出発。
今回は、早朝(というか深夜)の行動開始を計画している為、乗車中に睡眠を確保すべく、アイマスク&耳栓で完全防御体勢。
おかげで途中休憩時にも目覚めずに美濃戸口到着。睡眠時間3時間を死守。
前日の勤務移動中の昼寝も併せて、普段よりカラダが軽く感じるくらいだ。
八ヶ岳山荘の仮眠部屋を割り振られたが、端から利用する気は無く、出発の為にパッキングを直していると、添乗員の方からふとんを敷くように催促を受ける。
全員の就寝を確認しないとご本人も休めないようなので、仕方なくふとんを敷き寝る姿勢を示しておく。
夜食を食べながら、頃合を見計らい、腕時計の3:00を合図に行動開始。脱出口へは、おじさん5名が寝ている部屋を通過しなければならない。
部屋の引き戸を慎重に開けると、そこはイビキの大合唱ホール。枕元を抜き足差し足 気分はミッション:インポッシブル。
一人も起こす事無く無事脱出成功。(同部屋のみなさん布団敷きっ放しにしてゴメンなさい。)
ヘッドランプの明かりを頼りに林道を独り先へ急ぐ。空を見上げれば一面の星空だ。好天を約束され真っ暗な道でも気持ちが弾む。
沢の音を耳にしながら快調に歩いていると、前方の林の中にヘッドランプの団体が10人ほどチラチラ。
近づいていくと一斉にランプがこちらを向いた。ヘッドランプをスポット照射に切換え目を凝らすと、頭一つとび抜けた先頭の頭上には大きな角が生えている。
4〜5頭ほどのシカの群れがジーッとこちらを伺っていました。ヘッドランプだと思ったのはシカの目に反射していた光。(凄く光っていたのでシカと判った時は驚きました。)
ワーッと声で脅かすと漸く逃げたが、ガサガサと下草を押し退け、ドシンドシンと足音が響かせている先頭の大ジカがボスの模様。
夜中に独りでケモノと向かい合うのは結構ビビリます。
仲間が遠くに避難するまでこちらと対峙しているように見受けられました。(クマじゃなくて良かった・・・)
しばらく林道を歩き、美濃戸を過ぎて、いよいよ南沢に沿う真っ暗な登山道へ踏み入れる。
ヘッドランプで辺りを照らし、目印が確認できない場合は見つかるまで動かない事を自分に言い聞かせながら先に進む。(おかげで予想以上に時間が掛かってしまった。)
立ち止まると枝が擦れる音や小動物が動くカサカサ音が耳につき恐怖感が募るのだが、必死で耐えた。
登山道はいつしか広い河原となり、いつの間にか闇は消え去っている。正面には横岳。大同心・小同心の後姿も見える。
6:30行者小屋到着。小腹が空いたので、山菜うどんを啜っていると突然法螺貝の音と読経の響が・・・。小屋のスタッフの方も「行者小屋にきて初めて行者さんが来た!」と大盛り上がり。有り難くお経を戴き、ついでに写真も撮らせて戴く。
その後地蔵尾根を登っているときも文三郎尾根方面から時折法螺貝が響き渡っていました。
当初林間の登山道だった地蔵尾根の道は、森林限界を越えて階段・梯子・鎖をハシゴするガレ場へ変貌。同時に視界も開け、稜線を歩く人や赤岳頂上尾根に取り付く人が良く見える。
ルートはよく整備されており鎖等も不安は感じさせない。
お地蔵さんのある辺りも崖側はワイヤーネット&栗石で新たに補強されている。
地蔵ノ頭に上がり2人目のお地蔵さんにご挨拶。いよいよ稜線歩きが始まる。
天気は好いのだが、諏訪湖側から吹き付ける風が強く、下から舞い上げられてくると思われる細かい礫が顔に当る。フードつきのヤッケを持ってくればよかったと少し後悔。
赤岳展望荘を過ぎ、山頂を見上げる稜線へ取り付く。
途中休みながらゆっくり登ってきたが行動開始から既に6時間を経過し、大分脚にキテいる。
鎖にしがみ付き喘ぎながら登るが、2、3人後続の方に道を譲る。それでもひたすらに頂を目指すといつしか辿り着けてしまうところが山登りはおもしろい。
頂上では3組の方に次々と記念写真を撮ってくれと頼まれる。(僕も撮ってほしいんだけど・・・)
自慢ではないが、観光地などに行くと必ず「写真撮ってもらえますか?」とカメラを渡される。人徳かタダのお人好しか?・・・。
10分ほど山頂で360°パノラマを堪能し、下山に移る。赤岳頂上山荘の脇から巻き道のようなところ降りて行くと、すぐに鎖がさがっている崩落溝のようなところを見下ろす事になる。
鎖、ワイヤー、ロープ、鉄梯子が次々と現れる。慎重に降りれば危険は余り感じないものの、いつ終わるとも知れないほど連続しており最後は食傷気味。
途中野辺山方面から上がってきた方にあとどのくらい続くのか聞くともうすぐそこから尾根道に変わるよとの事。
このエリアをよく訪れるとの事で、向うの真教寺尾根方が厳しいと教えてもらう。(行かなくてよかった。)
樹林の中の尾根道を黙々と進み、大天狗を過ぎ、小天狗を目指す。足元は笹が繁茂しており道が判りづらく歩きにくい。
開けた場所でふと振り返ると赤岳が大きく澄んだ空に聳えている。ああ降りてきちゃったなぁと溜息。
コレといって何も無い小天狗で昼食を取り、清里方面へ下山。スキー場ゲートからの最後の車道歩きが辛く、思わずヒッチハイクをしようかと悩む・・・
美しの森からピクニックバスに乗り、「天女の湯」で汗を流して帰路に着きました。
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