登山者の憧れ、槍ヶ岳へ（飛騨沢コースピストン）

2025年06月21日(土) 〜 2025年06月22日(日)

• GPS: 18:04
• 距離: 31.0km
• 登り: 2,351m
• 下り: 2,360m

コースタイム

1日目

• 山行: 10:13
• 休憩: 1:26
• 合計: 11:39

距離 15.9km 登り 2,171m 下り 137m

4:48 新穂高温泉無料駐車場
5:00 新穂高温泉バス停
5:13 新穂高登山指導センター
5:15 5:16 中崎山荘 奥飛騨の湯
5:20 新穂高温泉駅
5:40 5:43 小鍋谷ゲート
6:41 穂高平小屋
7:28 白出沢出合
9:21 9:22 滝谷避難小屋
9:30 9:45 藤木レリーフ
10:48 11:22 槍平小屋
13:49 14:09 飛騨沢千丈乗越分岐
14:39 14:54 千丈乗越
16:30 槍ヶ岳山荘

2日目

• 山行: 8:21
• 休憩: 1:52
• 合計: 10:13

距離 15.1km 登り 181m 下り 2,223m

16:30 槍ヶ岳山荘
4:34 5:20 槍ヶ岳
6:56 槍ヶ岳山荘
7:40 7:48 千丈乗越
8:15 飛騨沢千丈乗越分岐
9:40 10:10 槍平小屋
10:52 11:03 藤木レリーフ
11:08 11:09 滝谷避難小屋
12:29 白出沢出合
13:05 13:23 穂高平小屋
13:55 13:56 小鍋谷ゲート
14:13 新穂高温泉駅
14:17 新穂高登山指導センター
14:27 新穂高温泉無料駐車場

天候

6/21（土）　曇りのち晴れ。
6/22（日）　晴れのち曇り。下山後に雨。

アクセス

利用交通機関：

自家用車

新穂高第3駐車場（無料）全体の1割程度の利用率。ガラガラです。

コース状況／危険箇所等

新穂高温泉〜林道終点
　長いです。左俣より日陰が多いので、その点はスタミナ消耗を抑えられるのですが。途中穂高平小屋にトイレあり。長い距離でも地味に標高を上げていきます。

登山道入口〜槍平小屋
　滝谷まで、ひたすら樹林帯歩きです。午前中は日当たり悪くて辛気臭い感じ。浮石が多いのであまり速度は出せません。ロケーションとしては小池新道の秩父沢〜イタドリヶ原。それと針ノ木岳の扇沢から大沢小屋までに似ています。
　途中、滝谷で渡渉あり。（槍平小屋営業前なので橋は撤去されてます）登りは少し上流に流木があったのでそれを使って渡りましたが、結構怖い。下りでは適当なところを見つけて石の上を飛び移って渡渉。槍平では好きなだけ水を汲めます。　
注:）槍平小屋のXのアカウントで、流木を渡るのは滑って川に落ちたときのダメージが大きいので非推奨とありました。確かに怖かった。

槍平〜千丈沢乗越分岐
　槍平より少し上は植生が変わり、北八ヶ岳っぽい雰囲気に。ここから一気に高度を稼いでいきます。道は段々と歩きやすくなるので、焦らず進みましょう。最後の水場もあります。雰囲気としては、北岳の草すべりコースの上の方に似ているかも。

千丈沢乗越分岐〜千丈沢乗越
　「千丈沢乗越に行けばアイゼン要らないよ！」と下山してきた親切な方に情報提供されましたので、予定を変更して千丈沢乗越コースに変更。千丈乗越分岐までの急登は、ガレ&ザレで今回のコースの中では一番歩きづらかったです。結構石を落としてしまいがちなので、周りに人がいるのならヘルメット装備を推奨します。

千丈沢乗越〜槍ヶ岳山荘
　さあ、山荘まであと少しなわけですが、ここまでの道のりでかなり消耗しているはず。けど足を前に出していれば必ず辿り着きます。
暫くは若干斜度が緩むのでインターバル区間。その後はまた急登になりますが、九十九折ですし、多少のガレとザレはありますが道は悪くないので助かります。

槍ヶ岳山荘〜槍ヶ岳
　梯子、鎖場にあまり恐怖感を抱かない私は割とあっさり登れました。どちらかというと下りのコースのほうが少しだけ怖かったかな。3点支持で確保しながら進めば問題なし。
　

その他周辺情報

中崎山荘にて日帰り入浴（1000円）
食事はスワンガーデン安曇野のサガミにて。（行ったこと無かったので）

写真

6/21 4:59

この駐車場、有人から無人になってました！
この値段なら一人でも許容できる！

6/21 6:03

こんなとこにも電柱が。いったいどこへ引っ張っているのか？

6/21 6:31

穂高平小屋に到着。ここ、避難小屋として利用できるのか！？

6/21 6:37

トイレはこちら。

6/21 7:28

奥穂高岳へ行く人はこちら。あまり道はよろしくない模様。

6/21 7:48

登山道の始まりです。ここは堰堤の上を行ってもよし。どちらにせよ合流します。

6/21 7:51

…だそうです。

6/21 8:03

熊のものと思しきデカい糞。

6/21 8:05

浮石結構あるので注意

6/21 8:12

苔むした切り株のある広場に。一応休憩地なのか

6/21 8:18

これは去年の大雨の爪痕だそうです

6/21 8:36

このような道を進んでいきます。ほら、ちょっと小池新道っぽいでしょう？

6/21 8:41

緊急避難用の石室

6/21 8:47

チビ谷。
ここまで来るのに結構暑さで消耗してます。まだ先は長いというのに。

6/21 9:09

ピンクテープを設置してくれているので迷うことはないと思いますが、急造の迂回路でほぼ獣道。

6/21 9:11

道も崩れていたり、足場は悪いので要注意

6/21 9:14

沢の流れは強烈

6/21 9:20

進入禁止のロープが。当初はどんなふうになっていたんだ？

6/21 9:25

滝谷避難小屋。冬にここまで撮影に来る人いるみたいだけど、初冬ってどうなふうになってるんだろ？

6/21 9:28

滝谷ドームを確認

6/21 9:29

槍平小屋、まだ営業していないので橋が架かっていません

6/21 9:30

上流に流木があったので、あれを使って渡ることに

6/21 9:33

近くに寄ると、なかなか怖い。けど、何とかクリア。
実はその先に逆走スラブ状の岩を降りるところもあるので「下山では使いたくないな」と思っていました。

6/21 9:40

？？？「藤木…あたしゃ喉が渇いたよ」

6/21 10:06

日当たりの良い場所が増えてきました。そしてこのゴーロ帯。浮石注意

6/21 10:41

唐突にシラビソと木道。北八ヶ岳へと迷い込んでしまったのかと錯覚してしまう。
寧ろ北八ヶ岳と旅の扉で繋がっていれば良いのに。

6/21 10:44

急に視界が開けました。槍平へ到着のようです。

6/21 10:47

まだ桜が咲いているなんて！

6/21 10:48

槍平小屋、この日はオープンへの準備中で小屋の大将がいらっしゃいました。このエリアに関して色々お話を伺いました。

6/21 11:16

向こうに見えるのが南岳新道。あれ、7/12に行く予定なんだけど、はたして登り切れるのかなぁ。

6/21 11:22

補給の話なんですけど、登山道入り口でおにぎり（大）1個と自家製梅干し。槍平小屋でおにぎり1個とパン1個に自家製梅干し。
このくらいのペースで補給していかないとシャリバテ必至です。行動食は適宜ぱくついてます。
梅干しは塩分18%のクラシック製法。山では大活躍です。

6/21 11:23

さあここからは斜度が増していきますよ

6/21 11:57

透けていないサンカヨウ。

6/21 12:13

向こうに見えるのは中崎尾根。どんなコースなんだろう？

6/21 12:33

少しだけ風も通るようになってきました。

6/21 12:38

ここで中途半端な水は飲みきって、新しい水を満タンにします。

6/21 13:22

ちょっとだけ雪も残ってます

6/21 13:27

残雪はありますが、基本的につぼ足です。

6/21 13:28

木々も低くなり、稜線も見えてきました。

6/21 13:45

笠ヶ岳〜双六岳の稜線も見えてきました

6/21 13:50

ここで食欲ないけどランチパック×2を無理やり食べて補給。あと500m近く登りますからね。

6/21 13:50

飛騨乗越方面を眺める

6/21 13:50

私は千丈沢乗越方面へ。

6/21 13:50

いつもお世話になってる双六岳も見えてきました

6/21 14:02

一度左に巻いてから一気に稜線へ上がる模様

6/21 14:03

荒涼とした地形。そんな世界に私一人。

6/21 14:20

中崎尾根と笠ヶ岳

6/21 14:48

西鎌尾根分岐です！
結果的に7/10ころから左俣林道が開通するようなので結果オーライですが、最初は気合いでワンデイ西鎌尾根で双六小屋を考えていたので…今回の山行で自分には無理だと身の程を知りました。

6/21 14:48

千丈沢と硫黄岳

6/21 14:48

槍ヶ岳山荘への道。まだまだ遠いなー

6/21 14:58

西鎌尾根は、これ、まだ雪が登山道にあるってこと？

6/21 15:05

飛騨乗越を攻める人達を確認！なるほど、これは夏道迂回してるのかな

6/21 15:05

引きでロケーションをご確認ください

6/21 15:05

さらに引きの構図

6/21 15:08

そうこうしているうちに、こちらも山荘へと足を進めます。

6/21 15:36

補給は無理やり行っているので過度なバテもないし、心も折れていないのですが、流石に疲れてきています。
なお、稜線に乗った時点で山荘に連絡して15:00到着できない旨を伝えてあります。

6/21 15:47

歩いてきた稜線が左下に。だいぶ登りました。

6/21 16:14

本当にあと少し！
これ、尾根は見えてるけどなかなか辿り着かない八ヶ岳の地蔵尾根を想起させます。

6/21 16:23

着いた！槍ヶ岳がお出迎え。力が抜けました。
「やる気満々の槍マンです！！」なんて冗談言う余裕無かったです。

6/21 16:25

大喰岳を撮影。

6/21 16:26

分岐の看板と槍ヶ岳

6/21 16:29

チェックインの前に撮影

6/21 16:32

山荘の売店。
バッヂと手ぬぐいとステッカーを購入しました。

6/21 16:43

今日の寝室

6/21 17:07

廊下

今日のお夕飯。
申し訳ないけどおかずが少ないよ！焼売は6個は欲しいな！（日本ハムの陳一族の冷凍焼売基準）

6/21 18:39

食事中から外はガスの中でしたが、笠ヶ岳が顔を出しました。

6/21 18:41

テン場も閑散としてます。これだから来た訳なのですが。

6/21 18:43

夕暮れの空と槍ヶ岳山荘。定番の構図で。

6/21 18:44

槍ヶ岳も入れて。

6/21 18:45

こういった夕暮れ時の雲海を見ていると頭の中に流れる曲は、浜田麻里の『TOMORROW』かELTの『Over and Over』なんだけど、わかってくれる人いるだろうか？後者は元シカゴのジェイソン・シェフのカバーがJALのCMに使われてたのでオリジナルよりそっちのほうが印象強いけど。

6/21 18:56

蝶ヶ岳上空に吊るし雲が。

6/22 4:12

昨夜、消灯時間の20:30に即寝落ち。アラームはマナーモードでスルーするも（3:20セット）、1分後にハッと目覚める。自宅にいるのと勘違い。泥のように眠って元気になりました。
さてこの雲、ドラマがありそう！
というわけで槍の穂先を目指すことにしました。

6/22 4:20

ただいま登山中。雲の上に出たようで勝利の予感。

6/22 4:40

槍の穂先からの景色！殆どの人はガスだからと登ってこなかったので、山頂はほぼ独占。
笠ヶ岳と双六岳のパノラマです。

6/22 4:42

槍ヶ岳山荘チラリズム。はっきり見えないのも良い。

6/22 4:44

いつもお世話になってる双六岳の天空の滑走路。ここからの景色はまさに『天空の滑走路』名は体を表していますね。これは双六岳にいたら、カッコ良い槍ヶ岳の写真が撮れたんでしょうな…

6/22 4:51

槍ヶ岳山荘が姿を現しました。

6/22 4:52

引きの天空の滑走路。

6/22 4:58

ヒュッテ大槍の立地。あんな変態的立地に無理やり建てるなんて。
昔、シムシティで市長の家を住宅街から離れたエクストリームな立地に建てて喜んでいた幼い思い出と重なりました。
余談ですが、市長と言うとどうしても半裸で鉄パイプを振り回すダンディを思い出してしまいます。ﾃﾞﾔｰ

6/22 5:00

北鎌尾根も見えてきました。北アルプスの中でも険しいエリアを見下ろすことができました。

6/22 5:07

雪が少しだけ陽に染まってますね

6/22 5:07

今度はヒュッテ大槍に泊まってみたいと思います。ご飯がおいしいらしいので。

6/22 5:08

最後にスマホでも撮影してみた。
一眼と二刀流だと、風が強くて足場の悪いところだとなかなか億劫でして。

6/22 5:29

無事に下山。これから荷作りして朝食です。

6/22 6:02

本日の朝食。

6/22 6:13

館内見取り図

6/22 6:14

ぐっすり眠れてお世話になったｵﾌﾄｩﾝ

6/22 6:32

ここから見る常念岳はカッコいい

6/22 6:37

ちょっと寄りの構図で。

6/22 6:37

下山前の槍ヶ岳お別れショット

6/22 7:12

えっ、これツツジじゃなくてシャクナゲなの？

6/22 9:10

キヌガサソウは好きな造形。

6/22 9:39

槍平まで降りてきました。割と良いペース。この日は小屋の人は下山したようで、辺りは静寂に包まれていました。

6/22 10:11

歩いてみてわかったけど、とにかく水害を警戒しなきゃいけないコースなんだなと

6/22 10:39

稜線はもう雨かな

6/22 10:49

？？？「藤木、あたしゃもう疲れたよ…」

6/22 10:55

帰りはこのポイントを渡渉しました。

6/22 11:13

帰りの迂回路獣道。

6/22 12:14

「そうだそうだ！こんな朽木、あったよな」と、登山道の様子を記憶しています。

6/22 12:20

堰堤の上を突っ切っていくほうが近道でした

6/22 13:45

穂高平小屋への近道ですが、全然誰も利用しないようで道は荒れているとのこと。

6/22 13:56

自転車は進入禁止です！
二股〜猿倉間で大活躍した自転車作戦は使えません！

6/22 14:21

帰りにここを下ってしまいました。正解はこの左のガードレールを過ぎて右に降ります。

6/22 14:26

やっと…着いた。本当に疲れた。
車も全然ありませんね。

6/22 18:04

サガミで天丼を。今回は下山中に頭の中でてんどんまんが騒ぎ出したので。

今回の山行を経て、限界値は上がったのでしょうけど、自身の限界が見えてきた気がしました。

撮影機器：

NIKON Z 7_2 NIKON CORPORATION

Pixel 8a Google

装備

備考

アイゼン、ピッケル、チェーンスパイク（どれも未使用）、ヘルメット

感想

ebigogogo

　「人気の山小屋は、オフシーズンに行くのが賢い選択だろ！」と、初めての槍ヶ岳は新穂高から飛騨沢コースで。
キツかった。とにかくキツかった。
　一言で例えるなら、飛騨沢コースは「小池新道（難）」。ロケーションなどもどことなく似通ってますしね。唯一の利点は「水には困らない」事です。登りだけでトータル5Lくらいは飲んでました。

　過去のログから鑑みるに、先日の白馬岳、去年の双六岳の山行とさして変わらないのにどうしてそんなに辛かったのか。歩き方、呼吸法や補給のタイミングなど。ガチガチにパターン組めていなかったら途中で撤退を余儀なくされていたかも知れません。

　やっとの思いで辿り着いた槍ヶ岳山荘のロケーションは圧巻。そしていつも被写体として眺めていた槍の穂先は、展望台としても優秀で。北鎌尾根、雲海越しの笠ヶ岳、双六岳など、素敵な景色を堪能させて頂きました。